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九九式艦上爆撃機一一型と二二型の正規・過荷・増槽装備など各状態の航続距離について教えてください。 条件によって変わる為、一概に言えない数値かもしれませんがよろしくお願いしたします。 天ヶ崎 |
- 世傑No.130によると、D3A1の航続距離は正規1,050q、過荷1,472qとのことです。
T216
- T216さん、ありがとうございます。
ただ、この航続距離では
ラバウル→ガダルカナル→ショートランドは絶対辿り付けないように思えます。
ラバウル〜ミルン湾は勿論、ブイン〜ガダルカナルの爆撃も無理な気がします。
増槽付きだったり、6番2発や無爆時だと別の数字が出てくるのでしょうか?
天ヶ崎
- 1.の数値は飛行時間から見て、カタログ値の巡航速度である296qで飛行した場合の数値のようです。
D3A1の最高速度が380q/hほどですから、零戦二一型でいえば420q/h近い速度で巡航しているようなものですから、巡航速度を落とせば航続距離は伸びると思われます(例えば一式戦一型は巡航速度が300q/h前後と250q/h前後では燃費が3割程度違うようです)。
T216
- 再びお答え頂きありがとうございます。
巡航速度で飛行する場合が一番遠くまで飛べるものと勘違いしていました。
巡航速度を落とせば航続距離は伸びるものなんですね。
もう少しお聞きしたいのですが、九九艦爆一一型と二二型で航続距離は変化したのでしょうか。
ウィキペディアなどいくつかのサイトでは、一一型1470km、二二型1050kmと書かれており二二型の方が減少したように見えます。
ですが、二二型は一一型より航続距離が増大したと書かれる記述や、一一型・二二型は共に2000km強という記述もあり、どうなっているのかよくわからないのです。
世傑No.130には、こういった航続距離に関する説明がなされているのでしょうか。
天ヶ崎
私の持っている旧海軍資料による99艦爆22型の航続距離は次のようになっています(11型は記載なし)。
航続力 状態 過荷、搭載状態 250×1、距離 1366、時間 9.11、巡航速度150/高度3000
単位は記載されていませんが、距離は1366浬(2529km)となります。
なお最高速度は231/5650となっています。
おせっかい焼き
- とりあえず手元にある海軍のものを見てみますと、
以下のようになっています。
一一型
最高速度 211kt/2100m
巡航速度 160kt/3000m
航続力 879浬 過荷1286浬
二二型
最高速度 222.5kt/3100m 231.5kt/5450m
巡航速度 140kt/3000m
航続力 740浬 過荷1279浬
片
- 「航空技術の全貌(上)」(11型はなし)に次の数字もあります(出所は「終戦直後空技廠関係者のメモに依る」となっています)。
22型 航続力 843浬/150節/3.0粁、 最高速度231.5節/5.650粁
*843浬は1559km。
「世傑No.33」(1992年版)の本文には、「重量が増加した分、着陸速度が(データは省略)速くなり、航続距離も1473km(795浬)から1050km(567浬)に低下した」(括弧書は私が入れたもの。以下同様)、また写真解説の中に「(22型の)燃料容量は計1,000ℓで、これは零戦の約2倍にあたるが、航続性能はD3A1で1820km(983浬)、D3A2で1520km(821浬)と零戦52型並みだった。」とあります。
以上ご参考までに。
おせっかい焼き
- ご参考までに。
http://navgunschl2.sakura.ne.jp/tenji/06-ariprof.html
艦船ファン
- 片さん、おせっかい焼きさん、艦船ファンさん、ありがとうございます。
>>8のサイトの存じていましたが、
どんな状態の計測かイマイチ不明である事(燃料搭載量や増槽の有無、爆弾装備状況などがよくわからなかったので)
九九艦爆の航続距離は一一型1470km、二二型1050kmとされる事が多い気がするのは何故か。この数値の出所はどこなのか。(何パターンかあると言われる正規状態の一つの数値なのでしょうか?)
1000リットルも燃料を搭載して1500〜2000km弱しか飛べないという話もあり、ちょっとよくわからなくなっています。
スペック上の航続距離はあくまで目安に過ぎないとはいえ、こうも数値がバラツクものなのでしょうか。
天ヶ崎
- すみませんね。6.であげたデータは元がタイプではなく手書きの文書だったんですが、手書きした人が「6」と「4」を間違えていたようです。
二二型の航続力、正規740浬 過荷1279浬は横空での飛行実験結果としての実績値です。
この場合、
正規状態「燃料641立、25番爆装備、重量3800kg」
過荷重 「燃料61079立(満載)、25番爆装備、重量4122kg」
となります。
この二二型実績値は、明星計画時の基礎データとしても海軍が使っていたものです。
九九艦爆二二型は、攻撃過荷重状態で1279浬(2369km)飛べるものだったわけです。
片
- 過荷重 「燃料1079立(満載)」
ですね。
こんどは「6」を消し忘れてしまいました。
片
- 25番爆装備も25番爆装のつもりです。
いやはや。
片
- 一次資料に近いものをあたるべきだったと反省しきり…。
> この数値の出所はどこなのか
昭和30年発行の「日本軍用機の全貌(増補改訂版)」の性能一覧表を見ると一一型は「正規1,820q」、二二型は「正規1,560q」「過荷2,530q」となっており、既に海軍のデータと乖離が起きています(この本の作成するために旧軍関係者の助言や資料提供を受けたと後書きにあります)。
推測ですが、一一型は浬をqに直すときに下一桁を四捨五入して「1,630q」の「6」を「8」と間違えた、同様に二二型は「5」と「3」を間違えたのではないかと思います(十の位が合いませんが、計算間違い等の可能性もあるのではないかと)。
T216
- そこはいきなり誤記と決め付けずとも、二五番爆装以外の場合(例えば六番二発懸吊)もあるわけですから。
それより、これも出所海軍の数字である、「一一型795浬(1472km)」「二二型567浬(1050km)」は、それぞれ「4.97時×160kt」「3.78時×150kt」であるわけで、このことはおもしろいです。同じデータ中にある巡航速度の値も
「一一型155kt」「二二型145kt」でありやはり両者に差が設けられています。
はじめにT216さんが指摘されていたように、二二型は巡航速度を落として航続距離を稼いでいたのかもしれませんね。
片
- ありがとうございます。
航続距離2363kmの爆弾搭載状況が分かってすっきりしました。
25番の変わりに増槽を装備すればもっと航続距離は伸びるわけで、SBDと遜色無い航続力を有していたんですね。
天ヶ崎