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海軍の96式陸上攻撃機には俗に「植物園」といわれる機種のガラス張りの部分がありませせん。雷爆撃の照準はどうしていたのでしょうか? また他国の爆撃機にくらべて、この部分がないのは「先進的」だったのでしょうか「時代遅れ」だったのでしょうか? 備後ピート |
- 雷撃の照準は操縦員が操縦席で行い、爆撃の照準は偵察員が胴体腹部の窓から行います。
九六陸攻がこのような乗員配置になっているのは、前身である八試特偵の設計方針が、出来るだけ胴体を細くして速度性能を確保することにあったためです。
このことは、九試陸攻の初期に偵察員の視界が悪いことが問題になり、機首に偵察席を置いたいわゆる丙案配置が試されていますが、今度は正副操縦員と偵察員の連絡が悪いことが問題になり、結局元に戻されています。また、九六陸攻はこのような乗員配置を取ってしまったため、適切な前方銃座も設けられずにいます。他国に対して先進的後進的というより、九六陸攻そのものとしてこの部分についてはきわめて妥協的だったのです。
座席配置の改正は次の十二試陸攻で、胴体の設計と乗員配置についての考え方を根本的に改めることを待たなければ解決されません。十二試陸攻では、太いくても抵抗が少ない胴体の設計が考案されています。一式陸攻ではさらに途中から次第に機首の銃座が強化されてゆき、これにしたがって窓の面積が逐次的に増加されてゆきます。
片
- 九六式にはそれなりの理由があったのですね。私は後のB−25やA−26のように機首に対艦船武装を装備する予定だったのが重量配分の関係で未発に終わったのではと思ってました。だとすると随分「先進的」だな…というわけで。片様の回答で充分納得がいきました。ありがとうございました。
備後ピート
- 高速を持って戦闘機の追従を退け得る高速中型爆撃機は、概念として、一時期一世を風靡していました。
そうした意味では、九六陸攻は十分に先進的であろうとしていたものです。
何を持って先進性と見なすかは、その時期時期によって異なっているわけなのです。
片