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世界の傑作機のP-38を見ていたら「XP-49」のページに「パイロットを守る装甲板も、当時のアメリカでは理想的なものが手に入らないため、間に合わせのものがとりつけられた。」と書かれています。装甲板とは単純な鉄板ではないようですが、1940年頃の理想的装甲板とはどのようなものでしょうか。またそれを装備できた国はどこだったのでしょうか。 INTO |
- 通常の鋼材は装甲に用いるには軟らか過ぎて適当とはいえません。
軍用機の防弾鋼鈑には重量の点から薄くて硬い鋼鈑が理想的です。
そのために浸炭処理または焼入れを行った硬化鋼鈑が多く用いられます。
これは別に珍しいものではなくどこの国の軍用機も同じようなものを装備していますが、戦時体制に移行中で大量に入手困難だったということではないかと思います。
BUN
- ご回答ありがとうございます。防弾鋼板で見ると浸炭後焼入れとか脱炭後焼入れとか難しいことが書いてあるので、第二次大戦初期には兵器大国アメリカでも他国に及ばない分野があるのかなと思ってしまいました。自国の戦闘機増強とかレンド・リースとかで試作機1機分でも回せなかったのですね。
INTO
- 試作機に本物を装備する必要はありませんし、代用品で妥協できるのであればそれでも十分だったのではないでしょうか。
戦時の兵器大量生産という事業はなかなか大変なことで、今まで細々と造られていたものを急に大量に供給させるには技術的な問題の解決だけでは済まない場合があります。
例えば物資が豊富なはずのアメリカにも木製軍用機計画がありますが、これは有り余る力を以て幅広く研究がなされた結果などではなく、アルミニウム業界の国策への反発によりアルミニウムの増産が進まず、戦時の軍用機増産計画実施にあたり、深刻なアルミニウム不足が予想されたからです。
何かを急に大量に造ろうとするとちょっとした融通などでは済まない混乱が起きるということですね。
BUN