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今タミヤのFw190A-3を作っているのですが、疑問が生じたので質問します。 Fw190のカウリング先端には「装甲リング」なる物があります。 これは過去問753及び大日本絵画エアロディティールによりオイルタンク及びオイルクーラーの防御のためといわれていますが、装甲で囲っていて肝心の冷却の方は大丈夫なのでしょうか?少なくとも私は日米英の空冷機でこのような方式をとっている物は知りません。 識者の皆様この方式のメリット、デメリットを教えてください。 備後ピート |
- FW190Aのオイルクーラーはカウル内から吸気し、カウル先端から少し下がった辺り、ちょうど装甲リングの影で排気します。
つまり冷却空気の経路とは干渉しません。
またオイル冷却気の排出部があの場所なのは、あそこが負圧領域になってるからだそうです。Fw190は強力なファンでカウル内に空気を押し込んでますから、そこから負圧側に流路を設定してやれば勝手に流れていくわけで、その流路にオイルクーラーを置いているわけです。
SUDO
- この流れを折り返す冷却方法は、仏ブロッシュ社のメルシェ技師の特許に良く似ています。メルシェは発動機の全冷却気を折り返し排気させたのに対し、フォッケウルフの場合は油冷却器への誘導に使っているという違いはありますが。
メルシェ式カウリングについては、戦前の日本でも紹介されており、
「この方法によればフラップによる抵抗がなく、又(中略)気流が剥離して渦動の出来るのを防ぐ効果がある(と発明者は主張している)。然しながら冷却空気としては流れの方向が2回も変わるので却って抵抗損失が多く、その後のNACAで詳しく調べた結果によると余り大した効果がないことがわかったので、大いに使われることはなかったようである」
と、辛口に論評されてしまっています。
(しかし、その日本では、空冷星型発動機の滑油冷却器をカウリング内に収めて抵抗を減らそうとする努力はもっと愚直に行われて軒並み失敗してしまっています)
ともあれ、この件はFw190Aがカウルフラップ無しの発動機冷却をしようとしていることとセットで考えるべきなのであり、装甲との組み合せはむしろ余禄のようなものだったのではないかと思います。
片
- 世界の傑作機No143の記事が分かりやすいと思う。
KZ
- 世界の傑作機No.143、P.44の記事は少々間違いがあって、「空気の質量は不変」と書いてありますが、実際には空気が膨張して体積が増えると圧力損失が増加して、空気流量は減ります。
流体の流れを変えるときには非常に大きな圧力損失が生じるので、2回も空気を折り変えしたら、空気抵抗が大きくなります。
機械工学便覧で、エルボの圧力損失係数を見たら、これが他の損失より際立って大きいことがわかります。
Fw190Aの場合は強制冷却ファンがあるから、かろうじてこのメカニズムが成り立ったとみるべきで、ラムジェットエンジンを引き合いに出した鳥養鶴雄氏の解説は誤りですね。
じゃま