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1・ムスタング戦闘機などのプロペラ先端が四角状にカットしてあるのはもしかして径を少しでも小さくしてプロペラ先端が音速域に達しないように配慮してのことなのでしょうか? あるいは加速性が向上するとか巡航性能が高まるような効果があるのでしょうか? 2・過去のログに「ペラの枚数を増すかペラのブレード幅を広げることで対処します。」との書き込みがありました。 http://www.warbirds.jp/ansqn/logs-prev/A001/A0005199.html フォッケウルフは面積の大きなプロペラ三枚とする方式を採り、グリフォン・スピットファイアは面積を普通程度としたプロペラ五枚とする方式を採っておりますが、その違いはどうなのでしょうか? ヤマザキ |
- 出しゃばるようですが少ない知識から回答します。
1.
先端が羽子板のようなスクェアカットとなっているのは、P-51やP-47の一部タイプがもつパドルブレードの特徴ですね。幅広プロペラは高高度飛行で有効です。
プロペラ先端の衝撃波の発生による悪影響を抑えるにはブレードの翼厚比を小さくするのが有効なので先端近くでは翼弦はそのままで翼厚が薄くなるのがよい。このため先端が羽子板状の形となります。
このほか鋼製中空ブレードの加工の都合のためと解説されている場合もあります。
2.
機体の設計からプロペラ直径が決まるとプロペラ面積も決まり、ブレード幅と枚数を選択するが幅をあまり広くすると羽根に加わる捩じりモーメントが大きくなりピッチ変更に大きな力が必要となる。一方羽根数によってはエンジンと共振して異常振動を招くこともあるし、同調機銃を積んでいる場合あまり枚数を多くできない。
このように各要素で幅と枚数が決まっているようです。
超音速複葉機
- 回答いただきありがとうございます。
パドルブレードという名称は初めて聞きました。
先端が特にカットしてなくても幅が広いとパドルブレードと呼ぶものなのでしょうか?↓
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%82%A2_S-199
>幅広プロペラは高高度飛行で有効です
高高度の薄い空気を掻き取るためには幅広プロペラを用いる方式が効果的ならば枚数を増やす方式も効果があるものなのでしょうか? どちらも羽の面積を増やすことになりますし。
>先端近くでは翼弦はそのままで翼厚が薄くなるのがよい
WW2の時代では衝撃波を抑えるにはプロペラ先端を薄く楕円形にする方法と先端の翼厚を薄い状態でカットする2つの方法があったいうわけなのですね。
また、プロペラ面積をむやみに増やそうとすると“羽根に加わる捩じりモーメント”とか“羽根数によってはエンジンと共振して異常振動を招く”という問題が生じるというわけなのですね。
ヤマザキ
- >先端が特にカットしてなくても幅が広いとパドルブレードと呼ぶものなのでしょうか?
>WW2の時代では衝撃波を抑えるにはプロペラ先端を薄く楕円形にする方法と先端の翼厚を薄い状態でカットする2つの方法があったいうわけなのですね。
スクェアカットでないブレードの先端が丸い、あるいは尖っているのは失速特性が悪くならないようにする為らしいです。コンベアXFY-1・ダグラスXA2D・リパブリックXF-84Hといった800〜900キロ以上を狙ったターボプロップ機はペラ先端が衝撃波対策で真っ四角のスクェアカットになっていますが、これらは騒音とか他のいろんな面で問題が起きたと思います。
700キロ台までの機種なら角の丸いスクェアカットでも丸い先端でも問題ないということでしょう。
>高高度の薄い空気を掻き取るためには幅広プロペラを用いる方式が効果的ならば枚数を増やす方式も効果があるものなのでしょうか?
エンジンの全開高度上昇にともなってブレード枚数が増えるのはよく見られる例です。
超音速複葉機
- 続けての回答いただきありがとうございます。
>ペラ先端が四角くカットしてあるのは衝撃波対策のため
もしかしたら先端が尖っていたり楕円状になっていたりすると衝撃波で破損しやすくなるのでカットしてあるのでしょうか?
ヤマザキ
- 1で書いた衝撃波の発生による悪影響というのは破損ということではなく、衝撃失速という現象が起こり推力を発生しなくなる状態のことです。
超音速複葉機
- 超音速複葉機さん、了解しました。
回答ありがとうございます。
ヤマザキ