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NACAカウリングのことで伺います。 http://blog.livedoor.jp/mini_fugu/archives/51660215.html “NACAカウリングは、その断面を翼形に成型し、ベンチュリー効果により揚力を発生させると共に、抵抗も小さくする効果が有る物らしい。”との記述があります。 同じような記述を軍事本でも読んだことがあります。 ゼロ戦などのNACAカウリングを見るとカウリング径がカウリング開口部よりも大きく、これだとディフューザーのような感じに思えます。 一体、ベンチュリー効果を起こす“断面を翼形に成型”するとはどういうことなのですか? ヤマザキ |
- 回答でなくて失礼します。
興味深いお題ですが、
なかなか難しいですね。
明確なキーワードはいくつもあるのに、
"NACA cowling" "venturi effect" "lift"
でGoogle検索しても、うまくヒットしませんでした。
http://www.archive.org/details/NIX_EL-2003-00337
こんな図表はひっかかったんですが。
ヤマザキさん、
「"NACA cowling"は
"venturi effect"で
"lift"を発生する」
という内容は正しいんでしょうか?
素人が質問返しで恐縮ですが、
おもしろそうな設問ですので、小生も自分でも調べてみたく思いまして。
とりあえず詳しそうな方に質問させて頂きました。
お気をわるくなされませんように。
太助
- 返信ありがとうございます。
私も日本語で幾つか検索してみたのですが引っかからないですね。この「ミニふぐ大佐の秘密基地」というブログだけのようです。
何かの間違いかもしれません。私が以前読んだ軍事本には流速が速くなるというようなことが書かれてありましたがベンチュリー効果のことはなかったように思われます。
ヤマザキ
- カウル屈曲部は負圧領域もあり、Fw190Aのオイルクーラー等は、この負圧領域に冷却後の空気を吸い出してもらうという構造ですが、どう考えても推進側にプラスの効果のある場所とは思えません。
またNACAカウルは翼断面化することで抵抗削減を果たしており、カウルの内側で見ることが出来ますが、これによる抵抗削減は整流効果によるもので、いわゆるベンチュリやら揚力やらに関連するものとは言いがたいかと。
SUDO
- いつも回答いただきありがとうございます。
NACAカウリングが翼断面状になっているというのがよく分からないのですが以下の図に手がかりのようなものがありますか?
http://www.t6srus.net/t6modeling/techorders/cowl.jpg
http://www.pilotfriend.com/aero_engines/images2/24.jpg
ヤマザキ
- なんていうかな、NACAカウル(の最終的な発展形)は円形翼になってるんですよ。
#4の絵ですと、下の図が、それを示唆してます。
つまりカウルを機体前後方向に沿って断ち割ってみたと想像してください。切断面は翼断面風形状になってるというのは想像できますよね?
http://forum.largescaleplanes.com/uploads/monthly_05_2008/post-1600-1210455720.jpg
こんな感じ。
SUDO
- >>5
側面図のことをおっしゃっているのですか?
それなら何点か資料をみつけましたが、
正直なところ、翼断面風形状というのがよくわかりません。
外形は前から順に、
狭い開口部からはじまり、
最大径に達し、ボートテイル状にすぼんでいってますが、
これのことを翼断面と呼ぶのでしょうか。
それとも、NACA cowlingの外径と内径で囲まれた部位、つまり肉の部分が翼状?になっているのですか。
http://naca.central.cranfield.ac.uk/reports/1928/naca-tn-301.pdf
http://aerade.cranfield.ac.uk/ara/1943/naca-report-771.pdf
小生の想像力が足りないだけかもしれませんが、
ご教授のほど、よろしくお願いします。
p.s.
翼の断面は中心線に対して上下非対称で、上の方が膨らんでいるイメージがあります。
太助
- >>6 で、ボートテイル状と書きましたが、表現を誤ってしまいました。
ボートテイルなら抵抗になってしまいますね。
失礼致しました。
太助
- SUDOさん、太助さん回答いただきありがとうございます。
とにかく開口部形状がややノズル状になっていてそれで速度を上げて冷却効果を高めるという感じなのでしょうか?
零戦なんかのカウリング開口部をみてもよく分からないのですがSUDOさんの写真を見るとそんな感じに思えてきます。
ヤマザキ
- >6
そのPdfのはどっちも少し古い例かとは思いますが、肉の部分が翼断面類例化していくんです。
もちろん本来で言う翼とは異なりますので、ふくらみの場所とか上下とかは翼とは若干異なります。あえて言うならレーシングカーのウイングみたいなもんですね。屈曲して空気を流してる感じ。
>7
カウル内に取り込んだ空気は、肉がないと外形の裏側に向かって乱流作っちゃって、冷却空気流量の割に抵抗が大きくなるということが判明したんです。各国の空冷機は、このカウル前縁やスピナーで冷却気を効率よく取り込みつつ抵抗をなるべく減らそうと、色々と工夫をしてます。
まあ、でも、これらの工夫が揚力とかベンチュリかと言われると、私の理解力では違うような気がしてしまいますね。
SUDO
- 世傑 No143(最新号)の『ラヴィチキン戦闘機』のP43に、鳥養鶴雄氏の解説が載っていますね。(風圧分布のイラストあり)
『エンジン。カウリングの前端での角は、巧妙に設計すれば前向きの推力となって、カウリングを前方に吸い出す力⇒推力⇒空気抵抗の減少になる。
(中略)
外形の流戦形化よりも、カウリング内の空気の流れやプロペラの効率を一体として考察して冷却抵抗と捉え、その削減に成功したのが
F4UコルセアのR.バイゼルだ。』
とのこと。ご参考まで。
TOSHI!!
- 世傑 No143の情報参考にいたします。
ありがとうございます。
ヤマザキ
- 今日、世傑のコルセア(改訂版らしく厚みがある)を本屋で偶然見つけました。 NACAカウリングはエンジンに高速流を浴びせる装置だと思っていたらそうではないようです。 その本には大体以下のようなことが書かれておりました。
@開口部から流入した空気流を減速させて圧力を高める。これにより空気密度が高まり冷却効率が高まる。
A流入空気を排気する際にその排気速度は速いものとなり加速効果を生む。 実際に行われた風洞実験ではカウリングが前方に動き出す現象が観察された。
おまけ
Bコルセアの逆ガル屈曲部は乱流を生み出し、飛行性能に悪影響を及ぼした。
C英国側にフォッケFw190A3が鹵獲された。 フォッケは空冷エンジン機だが冷却による空気抵抗が液冷エンジン並に少なくなるようにカウリングなどの空く周りが設計されており英国調査チームを驚かせた。
こんな感じです。
各国航空機メーカーよってNACAカウリングは独自の改良・発展を積み重ねていったのかも。
ヤマザキ
- >9
>肉がないと外形の裏側に向かって乱流作っちゃって
はじめから乱流だと思います。
飛行機の速度ではレイノルズ数が10の6乗のオーダーになりますので、層流から乱流への遷移は一瞬で終わります。
抵抗が増えるのは、乱流になるからではなく、渦ができて圧力が下がるためです。
じゃま
- >13
そうですね表現が悪かったですね。
戦中の書籍には乱流と記されてたので、そのまま書いてしまいましたが、正確にはそのとおりだと思います。
SUDO
- >10,12
世傑の解説を読みましたが、だいぶ、いろいろ間違っていますね。
(たとえば「図4 風圧分布」はスカラー量をベクトルで書くという
誤りを犯しています。)
ここでやるのもナンなので議論ボードか、鳥町でやりたいと思います。
じゃま