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雷電に関してWIKIPEDIAの記述のことで伺います。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%B7%E9%9B%BB_(%E8%88%AA%E7%A9%BA%E6%A9%9F)#.E7.99.BA.E5.8B.95.E6.A9.9F 「強制冷却ファンは、機首を絞ったことによるエンジン冷却用空気流入量の減少による冷却効率の悪化を補う為に装備されたが、冷却用空気流入量が減少する上昇時の冷却効率を上げる効果も期待されていた。」との記述があります。 1・機首を絞っても強制冷却ファンを使用すれば結局、抵抗が大きくなってしまうのでそれならば、強制冷却ファンを無くして開口部を広げてやれば良いのではと思うのですがいかがでしょう? 空気が薄くなる高空ではファンを回し、低空ではファンを回さずというようなことならば納得できるのですが。 2・また上昇時に冷却用空気流が減少してしまうとはいかなる意味ですか? なぜ上昇時には空気流が減少してしまうのですか? ヤマザキ |
- レシプロ機の飛行条件では、ファンを付けても抵抗は増えません。飛行速度よりは速い速度でエンジンカウル内に空気を送ってるわけですから、気休めというか誤差レベルですが推力すらあります。
上昇時はエンジンが大出力を発生させてるので、必然的に冷却が厳しくなり、その上速度が低いので空気があまり入ってきません。
このような条件では、一般的にはカウルフラップを開いて冷却空気量を確保しますが、それは抵抗増加と同義ですので、強制ファン装着機は上昇時に比較的低抵抗で飛べるので上昇性能的には優位になります。
SUDO
- 早速の返答をいただき感謝いたします。
>飛行速度よりは速い速度でエンジンカウル内に空気を送ってるわけですから
つまり「開口部を大きくして飛行速度と同速で空気を送る」よりも「開口部を小さくして飛行速度より速く空気を送る」方が良策であると設計者は考えたわけですね。カウル内の形状設計とも併せて。
>速度が低いので空気があまり入ってきません
つまり、機体の速度がプロペラ後流に影響を及ぼすということなのですね。
ということは機体の速度が上がるとプロペラ後流も速くなるのでしょうか?
ヤマザキ
- 飛行速度に応じてペラ後流も多少は変わるはずですが、プロペラ付け根部分は殆ど推力を発生させてません。そして冷却気取り入れ口はペラ付け根部分です。
つまりペラ後流ではなく、機体が前に進む速度そのものが流入空気速度になります。よって速度が遅ければそれだけ冷却空気量が小さくなることになります。
SUDO
- > 「開口部を小さくして飛行速度より速く空気を送る」方が良策であると設計者は考えた
昭和17年12月(11月に完成したJ2M2試作機による試験飛行が行われていた時期です)に三菱(堀越技師の設計チームが中心です)が作成したA7M1計画説明書に「強制冷却ファンは地上運転時と上昇時に有利であり、上昇時には発動機出力が50〜100馬力向上したのと同じ効果が得られる」との記述があります。
T216
- >プロペラ付け根部分は殆ど推力を発生させてません〜機体が前に進む速度そのものが流入空気速度になります。
なるほど納得いたしました。 重ねての回答をいただきありがとうございます。
>強制冷却ファンは地上運転時と上昇時に有利であり、上昇時には発動機出力が50〜100馬力向上したのと同じ効果が得られる
三菱が作成のA7M1計画説明書にそのような記述があったのですね。 回答をいただきありがとうございます。
ヤマザキ