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1.現在、米国ではF35戦闘機の価格高騰が問題になっいますが、これに関する記事で「開発当初はF16以下とされていたのに、現在の見積もりでは1機1億ドル以上となっている」等の説明がよく見受けられます。ところで、小生が疑問に思うのは、開発当初の責任ある担当者(例えばロッキード社の開発担当重役)が責任をとらされる場所(例えば米国の議会)で、本当に「価格はF16以下になる」と言っていたのでしょうか。御存知の通り、F35はF16に比較して機体重量、エンジン出力とも大であり、その上ステルス性を初めとする新技術を一杯盛り込んで計画されていました。常識的に考えて、あるいは素人でも、(最初から判っているインフレを考慮しても、実質的な)価格はF16より安くなる筈がないと思われますが。あるいは、そう思うのが普通ですが。 2.若し本当にその様に言っていたのであれば、どの様な心算でそんなことを言っていたのでしょうか。また、納税者等の負担する方の人々(例えば米国の議員、英国の空母関係者)等は、どの様な心算でかかる説明を聞いていたのでしょうか。何も疑問に思わなかったのでしょうか。 3.あるいは、価格の比較の前提が、ステルス機であるから実際の戦争での損害が少ない、最新の技術を用いるため機体寿命が長くメンテナンス費用が少ない等をも考慮したものだったのでしょうか。 UK |
- 1.F‐35は、F‐16、FA-18、ハリアー及びハリアーII、A-10といった作戦機の任務を引き継ぐということで計画していたこともあり、各型合わせてF-16以上の生産機数を見込んだわけです。
試作機であるX-35までは順調に言った開発も、導入予定の各国及び各軍の要求を盛り込もうとして手間取ることになり、結果として開発費が高騰>価格も高騰>価格の高騰に伴い取得機数の減少>更なる価格高騰
となりF-16並に価格を抑えようということが出来なくなったのです。
それにアメリカも最新技術が導入されているから高価格を受容することを良しとはしておらず、F-22でもパーツ数の削減により生産価格やメンテナンス費用を抑えようとする工夫をとっております。ただし、この工夫を実現するための工作機械の導入費用が高く、その元をとりかつ生産する機体の価格を抑えようとするためには大量生産をする必要だったのですが、冷戦終結のあおり等により当初見込んだ大量生産ができずじまいでした。
アッサム