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ダイバータ(境界層分離板)について以下のような記述があります。 http://www.geocities.jp/aobamil/shasin/FA18/FA18.html >境界層分離板は機体から20cm離して取り付けられており、境界層をストレーキ上面に逃がします。 質問1:このことはつまり境界層の層圧が20cm程度であるということなのでしょうか? >境界層分離板があり、エアインテイク直前には境界層を吸い込むための細かい孔が開いています。 質問2:“境界層を吸い込むための細かい孔”の名称は何というのですか? 質問3:境界層〜粘性流体は胴体表面に沿って流れるわけですから、胴体側の方が圧が高く粘性流体は細かい孔からインテーク内に流れ込んでしまうのではないのでしょうか? 宜しくお願いします。 F−2 |
- 質問1に関して
学生の時、流体力学で平面板での乱流境界層の厚さは次の各項の積だと習いました。
0.37 (定数)
vの5分の1乗 (v:動粘性係数)
Uのマイナス5分の1乗 (U:境界層外の一様速度)
xの5分の4乗 (x:流れ方向の板に沿う距離)
例えば、Uを毎秒200m(約400kt)としてxを1mとして計算します。
空気の動粘性係数を1.45÷100000mm/sとしますと、
境界層の厚さは約1.4cmとなります。
インテイクが吸い込む空気が胴体の境界層に影響を及ぼさなくて、
また、ダイバータ内側へのメンテ等のアクセス?とかの機械構造上
の観点などから20cmという数字になったんじゃないかと想像します。
質問3に関して
「細かい孔からインテーク内に流れ込んでしまう」
それは、それで、良いのではないでしょうか。
「ストレーキ上面に逃がす」にしても抵抗になるでしょうし、
インテイクからする、同一断面積で少しでも多く空気を取り込みたいでしょうし。
小さな穴をたくさんあけて、ダイバータ内側の気流を
乱さないようにしてるのかなと想像します。
以上、参考になれば幸いです。
ちょん太
- 回答いただきありがとうございます。
境界層の厚さは1.4cm。 ごく薄いものなのですね。
>ダイバータ内側へのメンテ等のアクセス?とかの機械構造上の観点などから20cm
メンテへの配慮・機械構造上の観点からも適度な間隔な必要になるでしょうね。 ステルス機のようなダイバータレスならその心配はいらないけど。
“細かい孔”については気流を整える、若しくは気流を多く取り込むという考えですね。
回答は大変参考になりました。
F-2
- 胴体とディバイダdividerの間隔は一定でなく、最奥部で小さくなって、ついには行き止まりになっていますね。
だから、入り込んだ空気が上下に分かれて「逃げて」いるように見えます。
これは、空気を加速して静圧を下げているのだと思います。
ディバイダの空気取り入れ口側では、ディバイダ表面に境界層が形成されてしまいますので、そのままではエンジンに入り込む空気が少なくなります。
ディバイダ表面に穴があると、より静圧の低い胴体とディバイダの間に、穴を通って空気が流れこむので、この、邪魔な境界層が無くなって、エンジンが吸う空気量を増やすことができるわけです。
だから、ローカルには圧力損失が増えますが、それを承知でエンジンに流れ込む空気量を増やしているのだと思います。
これは"transparation plate"(「しみだし板」とでも訳しますか)で、
F-4ファントムでも似たようなのが付いていますね。
じゃま
- 質問3に関して
ダイバータの後半部分は中空構造となっており、インテーク側にのみ穴があります。
この穴から取り入れられた境界層は、ダイバータで分けられた胴体側の空気とは別のルートを通って、機外に放出されます。
このルートを逆流できるのは、機体が静止状態で背風の時ですので、全く問題ないと思います。
3104
- >最奥部で小さくなって〜空気を加速して静圧を下げている
>ディバイダ表面に穴があると、より静圧の低い胴体とディバイダの間に、エンジンが吸う空気量を増やすことができるわけです
境界層を静圧が低くなる胴体側に流してエンジンへの空気量を増やすわけですね。回答いただきありがとうございます。大変参考になりました。
F-2
- >ダイバータの後半部分は中空構造となっており、インテーク側にのみ穴があり〜機外に放出。
インテーク側にのみ穴があったのですね。そしてダイバータで分けられた胴体側の空気とは別のルートを通って放出となるのですね。知りませんでした。回答いただきありがとうございます。大変参考になりました。
F-2
- >ダイバータの後半部分は中空構造となっており、インテーク側にのみ穴があります。
へぇ〜、そうなんですか。大変勉強になりました。ありがとうございました。
エンジンのコンプレッサーによって、吸入空気は加速されますので、静圧が低下しますよね。
なので、穴からインテイク側に空気が流れるのではないでしょうか。
コンプレッサーが吸い込む気流が胴体表面の境界層を剥離しないように
ダイバータで気流を仕切ると、若干吸い込む空気量が減少しますよね。
ダイバータを中空にして、他に影響を与えない機体後方の空気を吸い込ませているのでしょうか?
この件、どなたか詳しい方がおられたら、おしえて欲しいです。
ちょん太
- ダイバータの穴は、境界層を吸い取る為のものです。
穴からインテイク側に空気を流しては本末転倒です。
空気流量が不足するのであれば、補助インテークを付ければいいのです。
3104
- >8
多くの小さな穴の位置で境界層を取ったところで、その下流には
また、境界層ができますよ。
って、穴の位置で境界層を取ろうとしたら、ダイバータの空洞の所に
コンプレッサーでも設置して静圧を下げないといけないようにおもうのですが。
境界層は、言うなれば、街の「ヤクザ」のようなものです。
そっとしとくのが一番です。
って、おバカなボケはお呼びではないですよね。
ダイバータの空洞側か、
インテイク側か、
穴を通ってどちらに空気が流れているのか
それをご存知の方の登場をお待ちしています。
ちょん太
- >9
ダイバータの下流(エアインテイク内)にも穴が有ります。
これらの空気はエンジン外側と機体外板の間を冷却して機体後方から排出します。
F-4の様にダイバータの穴から入った分はダイバータ上下後ろ側の穴から吸い出され、
エアインテイク内の穴の分は上記同様という風に複数に分かれている場合も有ります。
これらの排出穴は後ろ向きに開口されているので、
飛行中にエアインテイク内に逆流する事は考え難いでしょう。
Skylla.
- >10
ダイバータの穴を通って空気が移動するためには、ダイバータの空洞内部と
外側(インテイク側)との間に圧力差が必要ですよね。
空気がインテイク側からダイバータの空洞内に移動しているとするなら、
その圧力差の発生原因をどのようにお考えなんでしょうか?
穴より下流のダイバータ内部で空気を強制的に下流に流すコンプレッサー等のエネルギーを消費する装置を付けないと、穴を通ってダイバータ内部に
空気が移動しないと思うのですが。
ダイバータ内部に積極的に空気を流したいのであれば、ダイバータの先端に
穴を開けて、気速による動圧を利用すれば、もっと簡単に空気を取り入れる
ことができると思います。
先端に穴が無くて、ダイバータ内部に動圧がかかっていなければ、
例えばキャブレター内部で空気流がノズルからガソリンを吸いだす
ように、空気はインテイク側に流れるはずですが。
このあたりの物理的な説明を、Skyllaさんは、どのようにお考えなんでしょうか?
ちょん太