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水上機の零式観測機などは、カタパルト射出は当たり前ですよね。 水上機の機体規格も馬鹿みたいに頑丈だと、何かで読んだことがあります。 では、2式水上戦闘機は、水上機母艦でも使えるように作ってあるはずだから、 当然カタパルト射出できるはずで、機体も頑丈なはずですよね。 でも、2式水上戦闘機のカタパルト射出のことは、読んだ覚えがないのです。 母体の零戦は、カタパルト試験で犠牲者を出したような話でしたが、2式水戦は、本当に射出できたのでしょうか。 可能であるとすると、その頑丈さは、どれ位なんでしょう? 急降下時の限界速度が、例えとしては一番わかりやすいと思いますので、 零式観測機、空戦や急降下爆撃が、可能と云う、紫雲や瑞雲と合わせて教えていただけないでしょうか? もし、それが、零戦52型以上だったら、なぜ、フィードバックされなかったのかという疑問も出ます 青江 |
- 「水上機の機体規格が馬鹿みたいに頑丈」ということはありません。
降下制限速度とも直接の関係はありません。
BUN
- 少々ズレた話で申し訳ありませんが、
射出用に改造された彗星は補強がしてあった、というような記述を目にすることがありますが、具体的にはどのような補強があったのでしょうね。
千葉宗三郎技術中佐による発着関係報告書には加賀に搭載されたカタパルト試験用の九六式戦闘機は改造のため主翼に振動問題が起こった、という記述がありますが
これは主翼に補強がらみの改造があったのでしょうか。
ふあはん
- 2式水戦にカタパルト射出能力が無い事は常識のレベルだと思ってましたので、あらためて書かれると?と思ってしまいます。
また、強風にも射出能力(機体強度)が無いわけですが、単機/少数機使用のの水偵と違って水戦の場合は基地使用が前提でしょう。
無論、射出能力があればそれに越したことは無いでしょうが、零戦改造で最初から無理な話の2式はさておいて、強風でも空戦性能至上の考え方からすれば無理に付加する考えは無かったと思います。
ロビンソン
- 艦戦や艦爆などは強度類別の最上級付近に位置する機種ですから、機体強度不足で射出できないということは考え難いことです。射出が要求されず射出試験を経ていないというだけのことではないかと思います。
そもそも母艦の射出機は戦闘機の発進を前提に開発が始まっています。
BUN
- >母艦の射出機は戦闘機の発進を前提
これは千葉宗三郎技術中佐による発着兵器関係資料にある、昭和12年頃に開始された対潜防衛用の『対潜哨戒戦闘機』のことを指すのでしょうか?
>機体強度不足で射出できないということは考え難いことです。
これは二式水戦も呉式二号五型などの艦載射出機で射出できた可能性があるという示唆と思って良いのでしょうか?
どうも可能だけど水上戦闘機を射出機で発進させる様な必要性が無かった…のかなとも思えます
ふあはん
- その通りです。
艦戦には射出発進計画があるので二式水戦もそのつもりで進めば大した問題は無かったと考えられ、「零戦は強度が無いから」という話じゃないだろうな、ということです。
BUN
- 裏づけが無い推論のように思えます。
1、たとえば、世界の艦船誌の特集号で「十試以降の艦上機に射出要求が欠落しており、脆弱な機体構造によるものと思われる」旨の記述があります、ただしこの記載者は思い込みが激しく、あまり信はおけませんが。
2、戦闘機が空戦時に機体各部に受ける荷重と射出時のそれとは異なるものです、グラム単位で軽量化を目指した零戦/水戦に射出能力が無いのはうなずけます。
3、そもそも空母に採用が予定された射出機とはいかなるものだったのでしょうか?
射出時に受けるGは巡洋艦よりの射出時に受けるGよりは低いものと思われます、図面上で搭載予定の射出機を見ると全長が40メートル強あるように見え、巡洋艦クラスの火薬式射出機の20メートル前後よりははるかに長く、大淀クラスの空気式射出機の全長44メートルにほぼ相当します、仮に空母よりの射出が可能であったとしても、それがそのまま水上機母艦/巡洋艦より射出できると言う結論にはならないでしょう、もちろん彗星改や流星では状況に応じて対応可能なわけですが。
ロビンソン
- 艦上機は着艦では制動索で強引に停止させられるんです。離陸速度と着陸速度は同じぐらいですから、20m程度で止めるのも発進させるのも同じぐらいの進行方向Gですよね(前後逆ですが)
カタパルトと機体の接合部がモゲないかどうか程度の注意ないし補強さえあれば、艦上機をカタパルトで打ち出すことに強度的な問題はないのでは?
SUDO
- 強度類別は空戦を基準としている訳ではありませんし、
「グラム単位で軽量化」というのは他の機種でも似たようなものです。
カタパルト射出に必要な強度は数値がありますが、
零戦がそれに適合しないという技術資料もありません。
もともと二式水戦は修理機の改造で機数を揃える予定の応急的な水上局戦でしたからあえて射出試験を行わなかったのでしょう。
BUN
- 説明が足りなかったかもしれませんが、零戦試作時の性能標準には射出対応がうたわれています。そして母艦の射出機計画は4トンクラスの機体を射出できる強力なもので、さらに強化が研究されています。
BUN
- >3、そもそも空母に採用が予定された射出機とはいかなるものだったのでしょうか?
前述の発着兵器関係資料によると
空母用艦発促進装置は許容最大加速度2Gで呉式二号五型の3Gよりも緩い値になっています
全長も28mですから、呉式二号五型の19.49mより長いですね
(全長=加速区間とはなりませんが)
射出重量はBUNさんのおっしゃるように4トンです
またこの値は昭和15年頃のものと思われ、昭和18年頃の装置では変更されている可能性が高いように感じます
>射出時に受けるGは巡洋艦よりの射出時に受けるGよりは低いものと思われます
この値からすると空母用艦発促進装置は火薬式水上機用より発射時の荷重は低いと言えると思います
しかし、明確に「二式水戦がカタパルト発射できない」と述べた資料や
射出用彗星の具体的な改造内容資料(補強関係)を見たことが無いので、
本当は射出できたのではないのかなと勘ぐってしまいます
「水上偵察機が艦上機に比較して頑丈に作られている」という傍証があると良いのですが
二式水戦を艦載して艦艇から射出する必要性が薄いために、射出試験はされなかったのかな…と思えてしまうのですよね
用途の限られる単座の水上戦闘機積むぐらいなら、水偵を積んだ方が良いような
ふあはん
- >8 素人からの蛇足で申し訳ございません。
SUDO様のご推察を少しは補強するかと愚考しました。
航空機輸送は空母の重要な任務の一つですが、米軍では荷降ろしの能率を画期的に向上させるために、港湾設備に頼ることなく、はるか手前の洋上から、搭載機をカタパルトで陸上基地にむかって発艦させていました。ですからカタパルト発進のために、陸軍機にもブライドル・フックが装備されていました。戦後でも、空軍のジェット機にも、かなり経ってからもブライドル・フックが装備されています。実際に使用されたのかどうかはわかりませんが、航空博物館などでブライドル・フックをみつけてびっくりすることがあります(カタパルト発進可能だった最後の空軍機はなにだったかは失念しました)。
豪腕少年タイフーン
- 便乗質問です。
当時の米海軍の艦上機は、ブライドル・フックを引込み脚の収納部に装着していたと思いますが、日本海軍では、空母用カタパルトが実用化された暁には、フックをどこに取り付けるつもりだったのでしょうか?
また「ブライドル・フック」でググると、筆頭に下記の過去ログが出てきました。
WWII米空母のカタパルト発艦方法(仮題)
http://www.warbirds.jp/ansq/2/B2000962.html
その中の回答にある英空母がカタパルト発進に使用した「カタパルト・スプール」や「スリンジング・ポイント」とは、どんな物でしょうか?
10.2.14.23:05記
NG151/20
- >フックをどこに取り付けるつもりだったのでしょうか
水上機を載せる滑走車と同様なものの上に載っけるような構成だったようです。
よって機体にはフックは無く、滑走車に乗せるための穴?のようなものがあったのではないかと思います。
伊勢・日向から射出された機体と滑走台車に近いものが用いられたのではないかと思うのですが。
昭和18年の段階における空母用艦発促進装置は機体を直接射出するようなものではないようです。
滑走車に乗せる機体に傾斜(迎え角)を付けるという記述も見たことがあります(こちらは源資料は不明ですが)
ふあはん
- 第二次大戦期における英海軍の空母用カタパルトは、射出する機体を水偵同様の滑走台車に載せて使用します。滑走台車の上に機体を載せるために使用されるのが、カタパルトフック(機体前側)とカタパルトスプール(機体後側)の両金具です。
カタパルトスプールは取り外し可能とする機体も多いので、写真等では見受けられない機体も多いですが、一番分かりやすい固定式のフルマーの場合、後部風防後端下方の胴体下部より突きだしている丸環と言うかヒートン金具というか、という形状をもつカタパルト・スプールが突きだしているのを見ることが出来ます。
スリンジングポイントは元来機体釣り上げに使用する固定点で、機体によってはカタパルトスプール装備に用いることが出来る様になっている、と聞いております。因みにシーファイア47の場合、前部のスリンジングポイントは発艦促進用のRATOG装備にも使用されています。
大塚好古
- ↑上の訂正。ソードフィッシュやアルバコアを初めとして、機体の胴体前後部にカタパルトスプールを装備している機体も多いです(むしろこっちの方が主流かな…)。
大塚好古