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大戦時の空冷エンジンについて質問があるのですが、 日本を代表する誉やドイツのBMW801エンジン等はそれぞれ複雑な機構と高高度性能の限界が付き纏いそれらが唯一の欠点として足を引っ張っていますが、米国プラット&ホイットニー社のRシリーズは高高度・飛行中の信頼性・整備性含め(R-4360は例外かもしれませんが)その性能に全く欠点が見当たりません。 これは当時、質・量に余裕があり、離島だろうがどこだろうが常に完璧に近い整備体制を整えれていた為、本当はあった諸問題が表面化していないだけなのでしょうか? どなたかご教授願います。 星型 |
- 誉の機構のいったい何処が複雑なのか。
P&W製発動機はそんなに順調だったのか。
まずはそこから確かめる必要がありますね。
BUN
- BUN様早速の御返答ありがとうございます。
複雑な機構←変でした。スイマセン。誉に関しては、小排気量・大パワー化を実現するにあたって必要な品質を戦局の変化に伴い維持できないが正しかったでしょうか。(同じ境遇のドイツ機は日本機を語られるとき程品質維持には触れられていないような気がするのですが、だったら日本機には品質維持以前の何か問題があったのでしょか?)
P&Wに関しては工業品ですから常に100%では無いにせよ、「不調で困った」や「飛行中に100%の運転ができない」といったような記述を見た記憶が御座いません。私がそういった情報を探し出せていないだけなのでしょうか?
星型
- 大抵の航空エンジンには開発当初の試行錯誤があり、運転制限を課して運用することは珍しい事ではありません。日本でもドイツでも同じような事例が発生していますし、アメリカも例外ではありません。
誉は機構的にはまったくオーソドックスな空冷星型エンジンですが開発当初から18気筒全てに均等に混合気を分配できないことが予想されていました。誉の改良は基本的にこの問題を低圧噴射装置の導入によって解決しようとしたもので、大袈裟に語られる代用材料による不具合や工作精度の低下などは実際には副次的な問題で、もしそれを解決しても誉の抱えていた本質的な不具合は解決しません。
では、これが日本独特の問題だったのかと言えば、そうでもなく、アメリカもまた多気筒エンジンの混合気分配に悩んで改良を続けています。日本が突き当たった壁は他国にも存在していたというごく当たり前の話なのです。P&Wだけでなくアリソンにもマーリンにもそれぞれ抱えた問題があり、その解決に時間を掛けています。
大馬力エンジンの開発で後れをとった日本にはその熟成期間を十分にとる余裕が無かったとも言えます。
BUN
- BUN様、非常に解りやすい御回答有難う御座います。大変勉強になりました。
ありがとうございます。
星型