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五式戦闘機のような、太いエンジンと細い胴体の組み合わせの機体に関する質問です。 五式戦闘機はFw190A-5を参考に空力処理をしたと有名です。 だから金星搭載のアイデアはFw190A-5を輸入するまでは実現しない、とも言われています。 その一方、逆風の立川=ロンドン間を実飛行時間51時間19分23秒で飛行した神風号(キ15試作2号機)は、エンジンカウリングが出っ張っています。 これを参考にするなら、昭和12年とか13年の時点で、細めの胴体と比較してやや太いエンジンの組み合わせの機体を開発できる技術力を日本は有している、と考えてOKなのでしょうか? 力丸半次郎氏の火星紫電改や火流(火星流星)のように、誉の替わりに火星を搭載(中島以外のメーカーの飛行機でしょうね)した改良機が昭和18年ぐらいに出回っていれば… 視界が悪いデメリットがあるにせよ、架空機の館に火星2Xやハ42搭載機がそれなりにあるように、大馬力と信頼性のバランスが取れたエンジンは、あの時代、火星系になるのでしょうし。 冥王星 |
- 火星二〇型への換装は銀河で実施され、紫電でも検討されていますが、昭和18年後半では誉二〇型と同程度の問題を抱えて量産も進んでいません。
一式陸攻二二型の事例が示しているように火星なら信頼性が・・といった想定は史実を無視した幻想なのです。
BUN
- 神風号のようなカウルデザインはタウネンドリングというもので、カウルとエンジンが胴体から出っ張ってることで、カウル後端から後方に負圧領域を形成し、その負圧でカウル内のエンジンを冷却して温まった空気を吸い出すという仕組みになってます。
しかしこの方式は1930年代中番から後半には旧式のものになってまして、突き出しの無いNACAカウルが主流になり、更に冷却性能が必要なときには突き出しを適宜作れるカウルフラップをNACAカウルに備える形式へと進化していったのです(零戦なんかのカウルがこのスタイルです)この進化は空気抵抗の改善だったのです。
つまり突き出しのある(エンジンが胴体より太い)デザインは1920年代30年代に普通に存在したもので、当然大戦期の日本でも容易に可能なことです。しかし、それでは空気抵抗が大きくなってしまうのです。キ100は排気ガスで負圧領域を吹っ飛ばすことで、この負圧すなわち抵抗を殺そうとしてるというところに意味があり、またそのアイデアをFw190に倣ったということになります。
SUDO
- 横レスっぽくなってしまいますが…
元々液冷エンジン機(三式戦)に空冷エンジンを搭載するにあたって,
液冷エンジンに合わせて作った細い胴体に星形エンジンを載せて「辻褄を合わせる」ために、
Fw190を参考にしたのではないか?と小生は考えるのです。
Fw190も五式戦も、他の国産機と違ってカウルフラップが全周になってません。
それは、横幅の差を利用して積極的に冷却用の空気を抜く設計になってるんです。
(その上でさらにフラップ後方に排気管を配置する事によって排気のロケット効果でもって冷却空気を引き抜くデザインでもありました。)
タウネンドリングからは相当進化した設計である…と思えます。
余談ですが,同じく液冷のセイバーエンジンから空冷星形のセントーラスに載せ替えたホーカー・タイフーン/テンペストとフューリー/シーフューリーも排気管周り/カウルフラップは同様の処理になってます。
恐らくこちらはドイツから捕獲した機体を参考にしたものだと思われます。
順番にすると,Fw190が一番最初であったと思われます。
空力に「正解」がまだ無かった頃故,いろいろ迷走している様です。
堀越次郎技師にしても,零ではエンジンカウルの後ろを思い切り絞って空気抵抗を減らしていましたが,
雷電では紡錘形に拘った形にしていたくらい…です。
結局,技術力と生産力の欠如が足を引っ張った…って事なんでしょうね。
とりとめの無いレス、失礼しました。
YH
- >3
いや、Fw190とシーフューリは高速な排気ガスによってカウル内の冷却気を引っ張り出す構造ですが、キ100はそうなってません。
これは排気ガスの出る場所と冷却気の排出場所を見比べれば一目瞭然です。
つまり、シーフューリーの冷却メカニズムはFw190の模倣ともいえますが(独自の大胆な工夫もありますが)キ100は冷却メカニズムに関しては従来型なんです。
またカウルフラップは大抵の機体で側面部に集中しており、全周にわたって備える例は僅少ですから(例えば零戦等も上下面にはカウルフラップはありません)キ100が側面にだけカウルフラップを備えることも別段独特ではありません。キ100が他同時代の国産機と違うのは、排気管を一列に並べたことだけなんです。
SUDO
- すいません。
彗星での処理はどうなっていたんでしょうか?
wittmann
- >4
ご指摘ありがとうございます。
カウルフラップの件,確かにそうなっていますね。勉強になりました。
しかし、細かい事の様ですが,…
キ-100とシーフューリー/Fw190は確かに排気管とかウルフラップは逆ですが、
「排気による吸い出し効果」が無い訳ではありません。
エンジンカウルと胴体の段差が負圧域を作り、その付近に高速流を持ってくれば中の空気は勢いよく吸い出されます。
上流から流せば効果的ですが,下流でも効果が無い訳ではありません。
あえて差を付ける様に言葉にするならば…
Fw190は排気の流速でもって冷却器を無理矢理(アクティブに)引っこ抜く…に対して、
キ-100は機体側面に排気で高速な気流の層を作り,その流れに(パッシブに)引っ張ってもらう…
そんな感じです。
キ-100の場合,偶然そうなった…ではなく、狙ったものであると思いますよ。
YH
- >6
残念ですが、キ100の構造では、排気から引っ張り出せません。
なぜならば「カウルと胴体の段差」からなる負圧を排気ガスが潰してしまってるからです。
もちろんカウルフラップを開けば相応に負圧が生じ、それは排気ガスで引っ張り出せるでしょうが、それは他の多くの日本の単排気管機でも同様のことでして、別にキ100だけにある特異性ではありません。
SUDO
- >6,7>
キ100形式でも排気で引き出していると言えないことはないのでは?
全速状態のカウルフラップ全閉の状態でも、エンジン冷却空気の排出ができるおうになっていて排気管がカウルフラップ下流の空間を完全に塞いでいるわけではありません。
高速の排気ガスの流れがあれば周囲の空気は連行されて加速されますので幾分の負圧は発生します。したがって、カウル出口の吸引効果は零ではないでしょう。
排気による冷却空気の吸引については、RAEでも検討されていたようでドイツがオリジナル、英国が模倣というわけでもないように思います。RAEの研究報告では下流に置いた排気管で冷却空気を引き出す構造になっています。
い
- >8
元々NACAカウル機は、フラップ全閉でも入り口からの圧力で隙間から排出されるんです。排気で更に引っ張り出せるならば、カウルフラップや隙間面積は従来機に比して更に小さく出来るはずですし、ましてや胴体との段差なんてもっと埋められるはずです。キ100は従来機と比較して明らかに違うということは無いですから、これはつまり排気による吸出しは働いていないか、少なくともデザイン面では計算に入ってないということになります(上手くいけば吸い出してくれるんじゃないかという期待が込められてなかったとは申しませんが)
またRAEが排気管を上流に置いて研究しながら、シーフューリーでFw190類似の方式、つまり従来研究を捨ててるのですから、これは模倣でしょう。もちろんシーフューリーと同様にFw190の影響下にあるといえるF8Fやキ100、雷電等が、このカウルフラップを持たずに排気管による吸出しで済ますというデザインを行っていないという点を考えれば、従来から研究していたからこそ模倣も可能だったのですから、決して英国が劣ってたというつもりはありません(どっちかというと、強制ファンによる押し出しを、一時は流行のように大量着手しながらも、結局実用化を断念した米国は何をやってたのかと)
SUDO
- >9
排気口とカウリングの位置関係から冷却空気流に対して吸い出し効果があるとコメントしただけです。川崎あるいは同様のレイアウトを採用している中島、グラマン、ダグラスなどの設計者が設計にカウントしていたかはわかりません。(米国については英国同様、NACAでも40年ころに排気による吸い出しで冷却空気をスムーズに流そうという実験研究がおこなわれてますが、。)
>元々NACAカウル機は、フラップ全閉でも入り口からの圧力で隙間から排出される
各カウルフラップ間の隙間からという意味でしたら、それは本来の機能ではありません。
フラップ間からの空気吹き出しは抵抗源となるので目張りをしましょう、冷却空気は後ろ向きのスリットから捨てましょうという勧告は開発元のNACA自身から出ています。
エンジンの冷却空気はカウルフラップの後縁と機体の間に形成されるスリットから排出し、排出空気層の厚さ分だけ機体のラインを内側にオフセットするというのは理にかなったデザインです。最高速度附近で実質の正面面積を最小化するためにカウル出口下流のラインをオフセットさせて推力排気管と冷却空気で出口を埋め込むという手法は大戦中期以降の単発機、多発機を問わずみられるデザインです。カウリングの後ろに適正な段差は必要です。
>カウルフラップを持たずに排気管による吸出しで済ますというデザイン
SeaFurry, Tempest、FW-190(A-4以降) ともに冷却空気の排出スリットのカバーは外側に開くようになっています。カバーを外に張り出して陰に負圧をつくるという点では、通常のカウルフラップと同様の機構です。
排気による吸い出し効果は多少はあるのでしょうが、カウルフラップの廃止まではいたっていません。
>結局実用化を断念した米国は何をやってたのかと
NACAの比較試験の結果で、醒めてしまったのでは?
NACA C,Dシリーズのカウリングと強制冷却ファン、プロペラカフス、スピナーの組み合わせ試験の結果をみると、減速ギアとファンの部品数、重量増と引き合うだけの効果があるとは思えませんが。
い
- たいへん面白く拝見しています。
「負圧」や「吸出す」という言葉を使うとむずかしくなりそうなので、
ゲージ圧か絶対圧か、また別の基準圧を使うのか、吸出しとはどういった
状態を指すのか、その辺を決めた方が議論しやすいように思いますが。
じゃま
- >10
ああ、隙間とはスリット部分のことで各フラップを繋ぐ隙間ではありません。誤解を受けるような書き方をして申し訳ありません。
またキ100が有する段差が「適切」な範囲であるといえるかというと、私にはそうは思えません。
またFw190もシーフューリーも、フラップが比較的ゆるい作用角であることから、単純なカウルフラップではなく、高速な排気流に接する面を拡大するという側面(つまりはスライド式スリットにも似た)もありますし、フラッに排気流を当てることで同じ作用角ならば通常型よりも大きな負圧が作れること、そしてフラップが機体外形から突出しないで済むすなわち空気抵抗を極限できるといった面を狙っているのは明白でしょう。
また米国の体たらくで問題してるのは「強制ファン」の有無ではなく、排気による引っ張り出しです。個人的な印象論ですが米国NACAは前から押し込むことに熱心な割りに、後ろから引っ張り出す部分に関して、独英ほど熱心だったようには思えません。これは戦前のNACA論文の後追いである日本にもいえることですが。
SUDO
- >高速な排気流に接する面を拡大するという側面(つまりはスライド式スリットにも似た)もありますし、フラッに排気流を当てることで同じ作用角ならば通常型よりも大きな負圧が作れること、そしてフラップが機体外形から突出しないで済むすなわち空気抵抗を極限できるといった面を狙っているのは明白でしょう。
冷却空気出口のフラップに高速の排気をあてることにより、フラップの前面に正圧、後面に負圧がかかりますので、機体には後向きの力すなわち抵抗がかかることになります。加えてフラップで排気を外側に偏向させることにより機体まわりの流線は外向きに偏向されますから、カウルフラップを外向きに開くことと流れとしては等価になります。機体の総抵抗としては前者にメリットがあるのでしょうか?
カウルフラップ、あるいは排気口下流の冷却フラップを開く必要があるのは離陸、上昇状態など比較的低速でエンジン負荷が大きい状態ですが、このような状態では機体の総抵抗に対して誘導抵抗の寄与が大きく、冷却空気系、あるいはカウルフラップ、スリットなどの冷却排気の抵抗の寄与は小さいように思います。NACAの一連の固定式カウリングの比較試験ではカウリング形状による上昇能力の差はないが、最高速度には明確に差がある、ただし最高速度に合わせた出口の小さいカウリングは上昇時のエンジンの温度に問題があるということでした。以上の結果を踏まえて、最高速度状態に合わせてカウリングの外形、胴体形状を決め、低速、高負荷の状態ではカウルフラップを開いて冷却空気流量を確保するということになっているのだと解釈しています。
低速状態でも機体外形をクリーンに保ったまま冷却空気流量を確保したいなら、冷却空気の出口にダクトを形成し、エンジン排気をその中に排出してエジェクターとして使うのが効率的ですが、排気ガスが減速されるので高速状態での排気推進効率に影響がでます。排気を使った冷却空気エジェクタは実機や風洞試験例はありますが、実用例はないようです。低速での冷却はカウルフラップを開き、エンジン排気は最高速附近の推力に使うというのが効率的なのでしょうか。
い
- >12
>米国NACAは前から押し込むことに熱心な割りに、後ろから引っ張り出す部分に関して、独英ほど熱心だったようには思えません。
nose slot
http://lisar.larc.nasa.gov/IMAGES/SMALL/EL-2000-00196.jpeg
こういうものを実際に飛ばしてみるとは、NACAの方々の引っ張り出しに対する情熱もなかなかのものだと思います。
い
- >13
ちょっと時間が出来たので。
排気+フラップで形成される負圧は空気抵抗を増やすとは言い切れません。
いうならば、空気抵抗は最初から存在しております。それは機体前面投影面積分なんです。エンジン後方の胴体はエンジン部分よりも絞り込まれてますから、ここでフラップを多少広げても前面投影面積は増えません。
もっとも空気も綺麗に流れてないわけですから、ここでフラップ開いても負圧を制御するのは難しいわけですが。言い換えれば機体を取り巻く流線にも影響しません。もちろん排気ガスには影響しますが。
そして排気推力は飛行速度に比例するように向上し、プロペラ推力は飛行速度に反比例します。大戦末期の機体で最高速度時で排気推力は全体の10%近くを占めるまでになってますが、言い換えれば最高速度の半分以下になってしまう離着陸〜上昇時には、排ガスの推力寄与は1/40程度、仮に排ガス推力を全部喪失したとしても、推力は2.5%ぐらいしか減らないわけですから、従来型カウルフラップより抵抗が2.5%小さければ差し引き相殺、恐らく確実に従来型よりも低速時の推力抵抗比は改善されるでしょう。
またカウリング形状による差は、機体の飛行性能によっても変わってきます。翼が生み出せる揚力係数はさほど変わってませんから、当然誘導抵抗も同じような大きさです。つまり離陸上昇の速度が速くなってきている後の世代の飛行機では誘導抵抗が占める割合は小さくなるのです。
>14
NACA(およびNASA)はちょっとした思いつきでも実験機を飛ばすことで有名な組織ですから、NOSE-SLOTがあるということと情熱(もしくは本気度)を直接的に繋げられるものではないと個人的には考えます。例えばNASAには沢山のVTOL実験機がありましたが、海兵隊は結局英国のハリアーを買いました。F-35Bでもヤコブレフです。
米国では実用にならなかったという点で、米国は他国ほど情熱を維持できていないと考えます。実験機を飛ばせたのは彼らが金持ちだっただけのことでしょう。
SUDO
- >15
> いうならば、空気抵抗は最初から存在しております。それは機体前面投影面積分なんです。エンジン後方の胴体はエンジン部分よりも絞り込まれてますから、ここでフラップを多少広げても前面投影面積は増えません。
カウリングの後ろの凹みでフラップを開いても前面投影面積が増えないこと、速度の小さい領域では排気エネルギはほとんど推進力に寄与しないことは事実ですが、カウリングの陰でも排気でフラップの前面に圧力をかけることにより、機体に対しては後ろ向きの力をかけていることになります。これは、カウリングの後ろで通常型のカウルフラップを開くことによる抵抗増大より小さいものなのでしょうか?フラップを機外の流れで押すか、排気で押すかの違いにおもえます。
>またカウリング形状による差は、機体の飛行性能によっても変わってきます。翼が生み出せる揚力係数はさほど変わってませんから、当然誘導抵抗も同じような大きさです。つまり離陸上昇の速度が速くなってきている後の世代の飛行機では誘導抵抗が占める割合は小さくなるのです。
機体の形状をみると後の世代の飛行機でも外形はほとんど相似(すなわち揚抗比は同じ)で強力なエンジンと頑丈な機体とすることにより馬力荷重、翼面荷重が大きくなっているだけのように見えます。機体自体の揚抗比が同じならば最良上昇率となる揚力係数は変わりませんので、上昇速度が大きくなっているのは、機体の重さに対して必要な動圧を得るためで、抵抗係数の内訳として特に誘導抗力の比率が小さくなるわけではないと思います。たとえば、スピットファイアの最良上昇速度の指定は、Mk2で180mph、Mk14でも190mph程度です、後期の機体はエンジンパワーにものをいわせてより大きな揚力係数の状態で上昇率を稼いでいるようにも見えます。
>排気推力は飛行速度に比例するように向上,,,,,
推力と仕事率(馬力)が混同されていませんか?
排気推力は一定、(排気の機体に対する相対速度、流量は一定として)排気による仕事率は速度に比例
>NACA(およびNASA)はちょっとした思いつきでも実験機を飛ばすことで有名な組織ですから、、、、、、
そういう定評があるかどうかはわかりませんが、排気エジェクタについても各種の要素試験とB-26の実機を用いて飛行試験まで行っています(NACA E6M13a)。通常のカウルフラップをもちいるよりも離陸、上昇時の冷却性能は改善される一方最高速度附近の排気推進効果はほとんど損ねないとなかなか結構な結果ですが、米国での採用例はありません。このほか、カウリング、カフス、強制冷却ファンなどいろいろと要素試験、飛行試験を行っています。アメリカの軍とメーカにとっては設計データとしての選択肢は豊富だったのですが、コンベンショナルなNACAカウルとカウルフラップの組み合わせが主流になっています。重量、機内容積、飛行性能など総合するとコンベンショナルな形式にメリットを認めていたということではないでしょうか。コンベンショナルな形式のカウルについても抵抗軽減や冷却能力の研究は多く行われており、米国製の機体にはNACAの勧告が反映されているように思います。
い
- 本題に戻って、エンジン直径と機体の関係について、
九十七司令部偵察機あるいは神風号のエンジン直径をみてみると、
九十七司令部偵察機 一型 発動機 ハ−8−II 単列星型 直径1354mm
二型 発動機 ハー26−I 複列星型 直径1118mm
九十七式戦闘機 発動機 ハ−1−乙 単列星型 直径1295mm
一式戦闘機一型 発動機 ハー25 複列星型 直径1115mm
単列星型から複列星型になった時点で少しエンジン直径が小さくなっています。
単列星型の時代は機体幅よりエンジン部の直径が大きいのが一般的だったようです。
カウリングの形式と抵抗について、
http://naca.central.cranfield.ac.uk/reports/1933/naca-report-414.pdf
戦闘機(カーチス シーホーク)に各種のカウリングを装備した状態で最高速度の比較を行っています。英語の資料ですが、カウリングの断面図と最高速度が一覧になっていますのでカウリングの発達過程がわかると思います。
REVIEW OF FLIGHT TESTS OF NACA C AND D COWLINGS ON THE XP-42 AIRPLANE
http://naca.central.cranfield.ac.uk/reports/1943/naca-report-771.pdf
戦闘機(カーチス XP-42)に各種のカウリング、プロペラ、強制冷却ファンなどを組み合わせて、最高速度、冷却性能などを比較した試験のまとめ。これも英文ですが、カウリングの断面構造と寸法と最高速度の比較が表にまとまめられているので、わかりやすいと思います。
NACAのカウリング開発に関する読み物
FROM ENGINEERING SCIENCETO BIG SCIENCE(英文ですが)
http://history.nasa.gov/SP-4219/Cover4219.htm
い
- 資料追加
タウネンドカウリングについての解説
http://www.flightglobal.com/pdfarchive/view/1934/1934%20-%201397.html
ENGINE COWLING By J. D. NORTH,
(著者はBoulton &Paulのチーフエンジニア)
流線形の胴体から星型エンジンのヘッドが飛び出すので、シリンダヘッドの外側に翼断面をもつリングを置いて、リング後方の胴体に向けて空気の吹きおろしが発生させシリンダ背後の負圧を緩和して抵抗減少をはかるということのようです。
エンジン背後の負圧が緩和されるのでタウネンドリングを装着するとエンジンの温度は若干上昇します。(17>のNACAの飛行試験の結果などご参照)タウネンドカウリングによる「吸い出し」という効果はないと思います。
FW190の冷却空気フラップについての効果について
htp://www.wwiaircraftperformance.org/fw190/fw190a8-733705-2.html
FW 190 A-8 Flight Trials
フォッケウルフ社の試験レポート
「上昇中にエンジン温度を制御するにはフラップを全開にしなければいけない。」
(試験時期は10-11月の高度6000m、シリンダ温度目標は220度)
エンジン排気による吸い出し効果があるので冷却空気のフラップが不要というところまではいかないようです。
い