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キ61についてですが、 @ハ40の信頼性に疑問を持った審査部の今川大佐が他エンジンへの載せ替えを強く提唱した時期はいつ頃なのでしょうか? Aまたそれに対する川崎と軍の対応をご存じありませんでしょうか? B早期にキ61−1より空冷エンジンへの載せ替えが行われた場合候補として金星5xの可能性はあるのか?その場合の性能はいかがな物か? C金星が不足の場合、同様に栄や瑞星の可能性は? D今川大佐の提唱により直ちに換装が行われた場合、試作機完成は最短でいつ頃になるのか? 飛燕についてですが |
- 今川さん自身は18年8月、18年10月と書いています。
戦史叢書には、提唱者名も含めて別の経緯が書かれています。
海軍が彗星に金星六二に乗せようとしているのを知って、航本から提案したというものです。
陸軍には金星五〇型相当の発動機はありませんし、18年中期にはハ112が出来ていますので、金星五〇型装備はないと思います。
空冷化による空気抵抗増加との相殺分を考えると、ハ115、ハ102なども出力不足で考えにくいです。
片
- ご返答ありがとうございます。
自分自身の疑問は深まるばかりです。
戦史叢書などという入手困難な資料など手元にはなく、7〜8月くらいと予測はしておりましたが、今川氏による提唱は8月と10月の2回と言うことでよろしいのでしょうか?
戦史叢書に書かれている提唱者名に今川氏以外の名前があると言うことでしょうか?また、別の経緯とはどのようなことなのでしょう?
航本から提案というのは川崎に対してという認識でよろしいのでしょうか?
金星5xと書いたのは金星62型の充分な割り当てが18年当時に受けられたかどうか疑問があった点、金星5x自体は99式襲撃機の性能向上案で使用予定はあったからです。キ61−1からの載せ替えなら離礁1300馬力の5xでおつりは来ると思いましたから書いてみました。栄や瑞星は金星5xすら球数が足らなければ、それでも隼程度の速度は出せるのではないかと思った次第ですが18年当時で新規に栄や瑞星程度の戦闘機はさすがに??でしたよね。
よろしければお答えできる範囲でかまいませんので、更に増えた疑問に答えていただけませんでしょうか?
飛燕についてですが
- 戦史叢書は公立図書館にはあると思いますよ。
今川さんが述べておられるのは、
●18年8月、第14飛行団のラバウル進出時発動機故障多発に対する、発動機信頼性増大対策会議を開催、席上で審査部今川一策氏が空冷発動機装備を提案。軍需廠、陸軍省、航空本部は空冷化に強硬反対 ハ40信頼回復に2ヶ月の猶予を設ける。
●18年10月、2ヶ月経ったので今川氏より再発議。
キ97やキ99の試作指示が18年7月発令ですので、キ100が18年夏から秋の時期であるのはむしろ符合する話です。だとすると、空冷化案はある程度オフィシャルなところまでいっていたのではないかとも思えるわけです。
戦史叢書にあるのは、
●海軍で彗星空冷換装計画があることを知った航空本部総務課技術主任岩宮満少佐より川崎土井技師へキ61IIのハ112換装提案。自社明石工場でハ140改善努力が続行されている状況を考慮して、土井技師反対。航空本部整備部長原田貞憲少将、ハ112不足の現状と、ハ140断念により川崎が遊休化することを理由に反対。技術関係一般の空気としても水冷断念に反対。これにより、空冷換装構想立ち消える。
●19年春、航空審査部より川崎へキ61IIハ112換装提案 ハ140根本対策困難と判断して川崎は重ねての提案に、予備研究、変則試作に着手。
●19年夏、岩宮少佐、川崎へ空冷換装の意向打診、同意を得る。
そういうようなことがあって、ようやく19年10月1日、軍需省よりキ61II改首なし機にハ112II換装命令、となったのだと。
それから一つ失礼しました。
海軍金星五〇型相当は陸軍ハ112Iでした。
いずれにせよ、ハ112不足という状況が空冷換装を否定するひとつの理由となっていたという事実はあります。ハ112の量産発動機は18年6月から完成品が流れ出したばかりで、18年度いっぱいは月産10数基程度でしかありません。
片
- 上記経緯からも読み取れると思うのですが、航本が問題にしているのは性能向上機キ61IIの方です。キ61Iのハ40はまだしも挽回可能と思われているわけです。
片
- ありがとうございました。
おかげさまですっきりしました。
飛燕についてですが