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プロペラについて質問です。 プロペラの吸収馬力や推進効率は、やはり高度を上げていけば小さくなっていくと思いますが、大気密度との単純比例関係ではありませんよね? プロペラ自体の特性、飛行速度とプロペラ回転速度(プロペラ翼端の対気速度)も効いてくるので一概には言えないだろうとは思いますが、どのように低下していくのでしょうか? プロペラ効率の低下よりもエンジンの性能低下の方が影響が大きいためか、適当な資料が見当たらず困っています。 たとえば、非常に強力かつ軽量なモーター&電池に動力源を載せ換えたプロペラ機で高度を上げていった場合、その飛行性能はどのように変化していくと考えられますか? おうる |
- 単純に述べると、吸収馬力は、ほぼ単純に大気密度に比例します。
例えば無過給エンジン、固定ピッチペラの場合、高度上昇(大気密度低下)に伴って、エンジン出力も吸収馬力も「概ね同じぐらい」に低下していきますが、エンジン出力のほうが低下率が大きくなります。
質問にあるような電気モーター機(高度が変わっても出力が変わらない場合)固定ピッチなら吸収馬力は低空では過多、高空では過少になり、最高性能を発揮できる高度はある一点に限られることになります。
推進効率の方はペラの設定・設計で変わりますが、これは高度が上がれば下がるというものではありません。
SUDO
- ありがとうございます。
単純にエンジンの過給性能だけをあげて高空での出力を低空同様にいじできたとしても、大気密度低下に伴うプロペラの性能低下があるから高空性能が上がるわけじゃないよな…むしろ過大な出力になるならその分だけ過給機が無駄になっちゃうよな…じゃあプロペラの性能低下はどの程度のもんなんだろう?と疑問に思った次第です。
ちなみにエンジン出力低下よりプロペラ性能低下が上回り、高空で出力過大になってしまった事例はあるのでしょうか?
おうる
- >2
通常はペラの吸収馬力低下のほうが穏やかで、一般的に高空での最大出力つまり二速等での公称出力で吸収できる程度の規模のプロペラを付与するのが常識的な設計ですから、恒速ペラの場合は出力過剰は基本的に無いと考えて結構です。
つまり高空出力を増した機体には、その出力に見合っただけの吸収馬力のプロペラも与えられていると考えてよいのです。もちろん機体によってはプロペラを変更してないことも多いですが、その場合は元のプロペラは増大した高空出力を吸収させられるだけの余裕を元々持っていたということになります。
また吸収馬力はピッチを立てれば比較的容易に稼げますので、大戦後半の実用機なら事実上ピッチ範囲は無制限みたいなもんですから、高空出力の増大程度になら対応は十分可能だったでしょう。もちろん、単なるピッチ増加は吸収馬力は稼げても推進効率が良いとはいえませんから、低空仕様と高空仕様でペラが同程度のものを使っているような場合、場合によっては低空か高空のどちらか(おそらく高空)は吸収馬力の割りに推力が小さめな(推進効率が悪い)可能性は考えられると思います。
ちなみに固定ピッチや高低二段可変ピッチ機の場合は過剰出力や過剰吸収馬力は「よくあること」というか、恐らく殆ど全ての過給器つきと、一部の過給器なしが、該当するでしょう(代表例はシュナイダートロフィー出場機)
SUDO
- 恒速プロペラがついている以上は心配する必要もないし、エンジンの出力低下に比べれば無視してかまわない微々たる問題でしかないと理解しました。
ありがとうございました。
おうる