195 連投すいません。急降下爆撃という戦法はいつごろまで使われていたのでしょうか?

戦後の攻撃機を見ても急降下爆撃が想定されてそうなのはAD-1スカイレイダー辺りまでで、ジェット攻撃機だと急降下速度が速すぎて不可能そうに思えます。
空対地・空対艦ミサイルが普及する頃には完全に無くなっているのは明白ですが。。
レシプロ攻撃機が活躍できた時期を考えると1960年代までと思ってます。



ふも

  1.  ベトナム戦時に空軍のF-4部隊にいた人の手記に、「基本の爆撃戦術は急降下爆撃」と書かれるように、ジェット機で降爆の実施は不可能ではありません
    し、当時としては普通の対地攻撃戦術です。海軍のA-4やF-8のパイロットの談話でも降爆の話は出てきますし、F-8のパイロットが「あれの照準機は降爆に適していないんだ」と書いているのを読んだこともあります。

     正式採用前のストライク・イーグルのデモンストレーション写真の中にも急降下爆撃を実施している物がありますが、某書でその写真のキャプションを担当したビル・ガンストン曰く、「急降下爆撃は高脅威度地域では自殺行為なので実施されないが、優良な爆撃精度が見込めるので、低脅威度地域であれば未だ実施されることもある」旨書いています。これから見て、「今でも実施出来るけど、被害が出る可能性が高いので廃れた戦術」と見た方が良いかと思います。
    大塚好古

  2. 大戦中のレシプロ機の場合、急降下角は、50°〜70°位と覚えてましたが、軍事航空雑誌で、「ジェットでの降下角は、30°くらいである」といった記事を読んだ記憶があります。
    これは多分、ジェットの場合は降下速度が速く、投下後の引き起こしが出来ない(難しい)ので浅い角度で降下し、爆撃するのだろうと解釈してました。

    しかし、1.大塚さんのお話ですと、これとはだいぶ違う内容のようです。
    私の読んだ記事が間違いなんでしょうか?

    それとも大戦後半には、降下速度を40°くらいとしていたと思いますが、同じように40°程度で降下してるのでしょうか?
    HELLDIVER

  3. 元航空自衛官の方のサイトですが、急降下爆撃に触れている部分があります。
    http://www.adachi.ne.jp/users/spook/fighter/f1c.html
    (ただ35度から45度とあるので、旧海軍の定義で言う「緩降下」でしょうか)
    ヤマイモ

  4.  そのF-4のパイロット殿の手記に曰く、高角度爆撃(急降下爆撃)の降下角は45〜60度だそうなので、結構な深い降下角度で爆撃を実施することもあったようです。因みに投下時の速度は約450ノットと書いてありますが、F-8のパイロットも同速度で爆弾を投下した、と書いているのを読んだことがありますので、概ねこれが標準投下速度と見て良いのかも。
    大塚好古

  5. 上面装甲を機銃でぶちぬくために急角度で突っ込むというのも急降下爆撃の範疇にいれていいんでしょうか?スツーカとかA10とか

    alphabette

  6. <余談>
    バビロン作戦(1981年)で、イラクの原子炉を爆撃したF-16も降下しながら投弾しました。
    ただ、降下角が調べ切れなかったので、急降下爆撃かどうかは???
    キリン

  7. 皆さんありがとうございます(^^ゞ
    急降下爆撃は火器管制装置やミサイルが発達する以前の過去の戦法と思ってましたが、降下角度が浅くなったとはいえ、わりと最近でも行われていたのは驚きです!
    あと思ったよりも無誘導弾って使われてるものなのですね。コストの関係でしょうけど。

    個人的には急降下爆撃は見た目も勇ましくて好きな戦法なんです(^^)
    ふも

  8. 急降下爆撃という手法は現在でも現役で、これからも続くでしょう。
    ただ、皆さんご指摘のようにジェット機では角度も投弾高度もスツーカなどとは大違いです。
    質問者の意図が、スツーカや九九艦爆のような「専用爆撃機による急降下爆撃」ということであれば、1941年、遅くとも1943年あたりには消滅したと言ってもいいのではないでしょうか。
    対空火器がない・貧弱で、兵士の士気も低かった時代でこそ、サイレンまで鳴らして敵兵を蹴散らすことが出来たのですが、じっくりと構えた敵には、急降下爆撃機は鈍足でしかも真っ直ぐに向かってくる目標になりました。空中でのカモさは言うまでもなくです。ベトナムではベトコンのそういった自分を標的にしてのライフル射撃でジェット機までが落とされたといいます。
    あのルーデルもデビューが東部戦線だったため(西部では偵察機勤務)戦果を挙げられたと言われます。広大で隙の多い東部戦線はゲリラ戦的展開も多く、スツーカはおろか、その前身のHs123までが異常なほど高評価を得ています。その後のブロンコやプカラに近い使われ方でしょうか。ただ、それも限界で、彼自身途中でFw190に乗り換えているし、後期はカノンフォーゲルです(護衛付・対空砲火襲撃セットでも何度も落とされていますね)。
    また、対空戦車とかは自衛的戦闘には予想以上に強力だったという記録もあるようで、それをアウトレンジできるロケット弾の普及までは、そうした相手との戦闘を連合軍パイロットが嫌がったみたいな話も聞きます。
    えりっひ

  9. >高角度爆撃(急降下爆撃)の降下角は45〜60度
    大塚さん、ありがとうございます。
    そうですか。そんな角度で突っ込むんですか。引き起こしを考えると、相当高い高度での投下になりそうですが、何千mくらいとか書いてはなかったですか?

    >上面装甲を機銃でぶちぬくために急角度で突っ込む

    スツーカG型は37mmで戦車攻撃するのに急降下はしてないと思いますよ。
    対空砲火を避けるため、低空で後方から奇襲してエンジン部を打ち抜いて離脱していたかと。
    A-10も30mmで戦車を攻撃するときは、同じような戦法だったと思います。
    第一、機関砲の射程では急降下したら射撃時間がほとんどとれないでしょうから。

    >思ったよりも無誘導弾って使われてる
    ふもさん、勝手に便乗質問で割り込んでしまい、申し訳ありません。
    戦争は数も重要ですから、いくら高性能の兵器が使われても、安くいくらでも使える砲弾や、無誘導の爆弾が重要なようです。
    戦争で相手をもうだめだと思わせる要素のひとつに、榴弾砲でばんばん撃ち込まれるというのがあるそうです。

    かつてのフォークランド戦争でも、アルゼンチン軍主力が篭もるプエルトアルヘンティーノ(ポートスタンレー)の町に陸から榴弾砲、海から艦砲射撃を間断なく打ち込むことで降伏させたそうですから。
    HELLDIVER

  10. A-10の30mmGAU-8は、降下角30°で射程1220mで最適化されていて最も高い集弾率が出るのは、割と有名な話ですね。
    此の辺からA-10等の対地射撃の想定降下角の検討は付くと思います。



  11. 単純には急降下爆撃は急角度で目標近くで投弾したほうが当たる訳です。そのために専用機は、頑丈で抵抗が大きく運動性の良い翼を持っていて、爆弾抱えて70〜80度でも降下、投弾、上昇なんてことができる訳です。そんな機体でも被弾して少しでも剛性落ちればグシャッと潰れるか地上激突ですが。
    恐らく降下角とかは、作戦の重要度とかを勘案して決めたのではないでしょうか?超VIP目標攻撃例として、ルーデルの戦艦マラー撃沈を見てみましょう。実戦配備なりたての1トン爆弾の大きな爆発半径のため、投弾は高度1000メートル以上の予定でした。出撃は大隊長とルーデルのたった2機(ほかは拒絶?)。クロンスタット軍港の対空砲火は1000門超、それを避けて?大隊長機はブレーキなしで降下を開始、ルーデルもこれに習うと隊長機に急接近、あわててその下に潜って垂直降下(?!)で投弾、高度300メートルで引き起こし、ブラックアウトと戦いながら(当然Gスーツなし)海面上3メートルをかすめて上昇、とのことです。まあ、個人の手記ですが、出撃2530回被撃墜30回のバケモノですから、ありえる?
    ちなみに大隊長はこの日2度目の出撃で被弾し海に激突しています(巡洋艦キーロフを大破)。
    こんなのは例外として、急降下爆撃狂のドイツ空軍がHe177ほかに求めた降下角(それだけで異常ですが)は3、40度でした。それも普及したロトフェ爆撃照準機で水平爆撃で同様の効果を得られる、という怪しげな理由で後に取り下げています。本当は、誰も自殺攻撃はいやだったんでは??
    精密爆撃はその後、超低空爆撃と、究極の誘導爆弾に移行する感じです。
    それでもAr234は30度の降下爆撃(急降下と表現していない?)が可能なようですが、極端に小型化した同機は視界も最悪で、この場合はペリスコープを用いるようです。ただでさえブレーキが利かない当時のジェット機で、しかも同機のロトフェ7Kは待望のノルデンなみ自動操縦装置となった新型なので、誰が悲しゅうてそんなことするかという気がしますが、KG76がレマーゲンでどっち使ったか知ってる方はいませんか?
    最後に、急降下爆撃を嫌った方に、真珠湾攻撃計画の立案者・淵田中佐がいます。彼は急降下爆撃の、投弾高度が低く徹甲爆弾の威力が弱まるのを嫌がり、水平爆撃隊を重視しました。何メートルあれば最終速度になるのか、弾着角も影響するのかわかりませんが、確かにそうだったようです。当時の日本水平爆撃隊が30%近い驚異的数字の命中率を誇っていたせいもあるのでしょうね。
    えりっひ

  12. すいません、淵田中佐は攻撃隊の総指揮官でしたね。戦闘機の銃撃を持って作戦開始しようと、信号弾を1発撃った人です。
    零戦隊がそれを見過ごしたんで、もう1発撃ったら、最初から見ていた九九艦爆隊が(信号は2発と解釈して)突っ込みました。おお、急降下爆撃ですよ!
    えりっひ

  13. >11、12
    本題から大分逸れた雑談の域だとは思いますが、真珠湾攻撃はまず敵主力艦を減殺することを目的とした作戦ですから、そのための雷撃機、水平爆撃機の行動を優先させなければなりません。この場合、急降下爆撃機は敵の航空勢力を地上撃破するために連れて行っています。そこで、攻撃が奇襲として可能な状況では急降下爆撃機には待ってもらい、爆煙を立てて水平爆撃機の照準の妨げにならないようにすることが立案されていました。以上はあくまで奇襲の場合であって、敵が事前に攻撃編隊の接近に気づいていた場合には何よりもまず敵邀撃機を封じなければなりませんから、急降下爆撃機が最初に行動することになっていました。「急降下爆撃を嫌った」というようなことはまったくなく、単純に急降下爆撃機を先に出すか、対艦攻撃機種を先に出すかという選択が状況に応じてあったというだけに過ぎません。



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