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すいません。どうしても解らないのでお教えいただきたいのですが、 Fw190A型は急旋回をしようと試みると高速失速を起こすとありますが、これは単純に翼面荷重の問題なのでしょうか?或いは荷重に関係なくSpitfireの様に翼断面の形状(翼厚?)等が失速を起こしやすいのでしょうか? 宜しくお願いしますm(_ _)m 第二新卒 |
- まず、「Fw190A型は急旋回をしようと試みると高速失速を起こす」&、「Spitfireの様に翼断面の形状(翼厚?)等が失速を起こしやすい」という説の根拠または出典。ソースを明示することが必要かと。
では、Fw190D型ではどうなのか、同じスピットでもA型以来のものと、スーパースピットの差があるのかないのか? そのあたりを調べてから質問された方が説得力がありますよ。
一般論としては、スピットの方が薄翼形で、楕円翼の必然として翼端近くの翼弦長が短いので翼炭失速を起こしやすい。その対策は…という説明は、世傑のスピットファイアの解説で鳥養氏が詳しく述べられていますね。
また、Fw190は、設計者のタンク博士の思想として、旋回性能より横転性能を重視しています(米軍レポでもオニのようなロールレートが実測されています)。
さらに言えば、失速、翼端失速、翼根失速(あまり聞きませんが、Do335等)、というのは用語としてありますが、「高速失速」という用語の定義をお聞かせ下さい。具体的にどういう現象なのでしょうか。それも判らないなら、まず第一に質問として成り立っていませんよ。
チャチャ入れ
- >1
高速失速 High Speed Stall 自体はきわめて一般的な用語と思います。
質問として成り立っていない、とまでいうのはいかがでしょうか。
片
- チャチャ入れ様、御指摘恐縮です。
一応過去の質問等も暇があれば楽しく拝見させていただいておりまして、その過去の中で日本軍でのテストの際「操縦桿を急激に引くとガタガタと高速(域?)失速を起こす」と解説されております。
最初のころは単純に翼面荷重からくるものだろうと思っていましたが、、、
>では、Fw190D型ではどうなのか
まさに、ここを見落としておりました(・・。)ゞ・・・
D型からは旋回性能がA型よりは向上していると米軍レポにも書いてありました・・・。
御指摘ありがとうございました。
第二新卒
- 自分で読んだFw190の書籍のなかでの独軍側、連合軍側のコメントは、A型と比べた場合にD型の上昇力と速度の向上を評価するものはありましたが運動性能全般はA型より劣っているというものが一般的です。
ちなみに独軍パイロットのD型の評価は、日本での評価よりかなり現実的なもので、当時入手できる戦闘機の中では良いものという程度です。
D型の方が旋回性能が向上しているというものを見たことがないのですが、出典はどこからかお教え願えないでしょうか。
ケンジ
- D型の旋回性向上云々はさておき…
ロールレートがオニのように高いので、スパっと90度バンクになった時点で
昇降柁(この状態ではラダーとしても機能するわけですが)の効きが感覚的に通常の機体と違うクセになるため、主翼の迎え角が過大になってしまって高速失速になるのではないかと…
日本でのテストで指摘されたのなら、日本機の感覚で操縦したパイロットがそのように感じた、という可能性はありますね。黒江少佐だったと思いますが。
D型では、そのあたりが見直され、操縦桿と舵角の腕比変更かなにかが改善されたのかも。
チャチャ入れ
- EAA Sports Aviation 1996,1月号の記事のまとめ
FW-190の失速特性について
(1) イギリス空軍のレポート
・1G状態での失速特性は予兆がある。
・機動時では予兆なく失速する。
(2) 機体の空力解析では、
1G状態で失速状態にすると、主翼の内側40%で境界層が剥離(ということは、補助翼で制御する余地は残っている。)
(3)ドイツ空軍のレポートでは、高速機動時には翼の弾性変形(による迎え角変化)で翼の外側の揚力負荷が大きくなっている。
”World WarII Fighter Aerodynamincs”,David Lednicer より
とりあえず記事をダイジェストしました。
引用文献、記事の訳などリクエストがありますか?
い
- http://www.warbirds.jp/ansqn/logs-prev/A001/A0004102.htmlの8番にD型高速失速の指摘があります。
片
- 7. におまけで、A型について米海軍のテストでも
旋回中の失速は予兆なしに起きるという評価になっています。
http://www.wwiiaircraftperformance.org/fw190/ptr-1107.pdf
D9について、米陸軍の評価
失速は、振動発生が適当な予兆としてあり、突然には起きない。失速からの回復も容易となっていますが、
機動時に操縦稈を引きすぎるとほとんど予兆なしに急に失速するとなっています。
http://www.wwiiaircraftperformance.org/fw190/wright-field-fw190d-9.pdf
い
- ケンジ様
>D型の方が旋回性能が向上しているというものを見たことがないのですが、出典はどこからかお教え願えないでしょうか。
片様がリンクを張って頂いております過去QのNo.1で回答されている方からの引用でございます。
チャチャ入れ様、い様
貴重なご意見&資料の御提供ありがとうございます。大変参考になります。熟読致します。
第二新卒
- 重複失礼致します。
↑のケンジ様への回答で言葉足らずな個所がありました。
>片様がリンクを張って頂いております過去QのNo.1で回答されている方からの引用でございます。
上記内容に、No.3での回答で「米軍レポにも書いてありました」というのは私の思い込みでございました事を付け加えさせて頂きます。大変失礼いたしました。
い様
>(3)ドイツ空軍のレポートでは、高速機動時には翼の弾性変形(による迎え角変化)で翼の外側の揚力負荷が大きくなっている。
これは主翼の剛性に関係があるのでしょうか?
第二新卒
- >い様
>>(3)ドイツ空軍のレポートでは、高速機動時には翼の弾性変形(による迎え角変化)で翼の外側の揚力負荷が大きくなっている。
>これは主翼の剛性に関係があるのでしょうか?
6.のLednicerさんの記事に翼のねじれに関する記述の出典は、
Gross,P.,"Die Entwicklung der Tragwerkkonstruktion Fw190",Bericht 176 der Lillenthal-Geschaft,2,Teil,January1944
となっています。(私はこの文献をもっていませんので、孫引き参照です。)
高速機動で失速点近くの姿勢をとると機体重量の数倍の揚力が発生しますので、翼が弾性変形によりねじれることを指しているのだと思います。
迎え角を大きくすると空気力によるねじれは迎え角をさらに大きくする、つまり、失速角度に近づく方向に働きます。
6.の記事で1G状態での解析というのは、翼の状態が図面通りあるいは1G状態でのしなりとして空気の流れを計算しているのだと思います。
6.の記事はネットで検索すれば、スキャンにかけたものがよめるところが見つかります。(出版元から有料で取り寄せが正しい入手法ですが,,)
P51,SPITfire ix、Fw-190A,Dと4機の解析結果が比較されていて面白いです。
い