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初心者ですいません。 現代の飛行機で高度15000m以上を飛ぶジェットが多々ありますが、そのような高度を通常通りの飛行をして機体に悪影響は無いのでしょうか? そんな高度を高速で飛んでいると必ずどこかは故障しているかと思うのですが・・・。 アスキー |
- 一般の民間機で15000mを飛ぶ飛行機は殆どありません。最新の旅客機やビジネス機でも届くかどうかという高度です。
最新型なら13000m近辺での巡航を行うようになってきていますが、記録狙いの機体で無い限りは、その高度で「普通」に飛べるように作られてますので、特別に悪影響や故障は無いと考えて結構です。
もちろん故障等があった場合に致命的な事態につながる可能性は、より低い高度よりも高いといえるでしょうから、そういう意味では危険性は相応にあるとはいえます。
SUDO
- SUDO様ありがとうございます。
以前テレビか何かで、最新の旅客機でも実は1回飛行すればどこかが壊れていると見た記憶がありまして、といっても電子機器で雁字搦めでしょうから物理的な「壊れる」とは少し違うのかな?と思いつつも、F-15なんかは高度19000m!?まで上昇可能という事のようですので、いくら戦闘機とはいえ大丈夫なのかな?とも思ってしまいます。
民間機ではガルフのG650が50000ftを目標に開発しているようですね。この不景気に売れるんでしょうか???
アスキー
- たしか戦後まもなくアメリカ(イギリスだったかも…)で、原因不明の飛行機(旅客機)の空中分解が頻発し、色々調べたら上空の低圧と地上の高圧に交互にさらされることで機体が膨張収縮を繰り返し、金属疲労が起きていたと判明したことがあります。
(ちなみにそれ以前の飛行機は小さかったり、あまり高空を飛ばなかったりしたのであまり問題になってなかった。)
したがって現在はそういったことを教訓に、予めそうならないように機体を設計するようになっています。
ホーク
- >3.
Wikiで「コメット連続墜落事故」を参照してください。
それと
>(ちなみにそれ以前の飛行機は小さかったり、あまり高空を飛ばなかったりしたのであまり問題になってなかった。)
は、厳密にいえば間違いです。それまでも与圧の繰り返しで機体材料の時効硬化による疲労は起こっていたはずですが、軍用機だったため損失・消耗があって問題が表面化しなかったのです。
この点は、(与圧とは関係ありませんが)帝国陸軍の九七式重爆の逸話があります。設計者が平然と、「材質疲労で破壊する前にキレイに全機消耗したと聞いた」とホザいたので有名です。
チャチャ入れ
- チャチャ入れ氏の言う通り民間機に関してはコメット事故以降フェイルセーフ思想が確立し設計や構造検査制度が発展してまいす。
しかし、それも13000m以下を飛行する民間機の話でそれ以上の高度を飛ぶ戦闘機は未知数なんでしょうね。
昨年11月に実用上昇限度19,800mのF15の空中分解事故が発生してますし。
ただし「最新の旅客機でも実は1回飛行すればどこかが壊れている」はさすがに無いですね。
民間航空の整備業務に従事してますが経験上そんな事実はありません。
jas1
- >5.
プロの目からみた解説をありがとうございます。
コメットの事故は、アルミ合金の特性が上手く把握できていない時期で、初回試験のときにあらかじめ重荷重で試験をしたため、応力集中分(窓の角部)に硬化が生じて見かけ強度が上がってしまった、という有名な例ですね。金属材料の講義(大学)で必ず時効硬化と同時に教えられる現象です。
(ビッカース・バイカウント(一時ANAが使っていた)の製作写真なんか見ると、ここまでやるか、というくらい徹底して開口部のコーナーを避けてますし)
その上をいく軍用機にとっては常に「未知の領域」への挑戦を毎回やってるようなものかも。なんせドンパチ始まったら、とにかく目いっぱいムチャしてもサヴァイヴすることが先決ですから…
チャチャ入れ
- 皆様、御親切にありがとうございます。
コメット連続墜落事故、拝見いたしました。痛ましいですね。
初期の頃ですからこういった事故原因はある意味不可抗力だったのかも知れません。
海外線に乗った際の備え付けのTVモニタで飛行航路や情報を見ていたのを覚えていますが、どれも10000m付近で900km前後でした。
これが最も安全で且つ高速で飛行できる限度という事でしょうか・・・。
>ただし「最新の旅客機でも実は1回飛行すればどこかが壊れている」はさすがに無いですね。
民間航空の整備業務に従事してますが経験上そんな事実はありません。
素人意見で失礼致しました。確かその時のTVでの解説では、「その為に操縦系統等は4重になっているのだ!!」みたいに締め括っていたと思います。
もしかしたら放送後、関係者から苦情がきていたかも知れませんね。
アスキー
- >4
ほざいたも何も、当時の軍用機の設計寿命はせいぜい数百時間です。
設定された耐用飛行時間をすぎたら用廃され、状態がよければ雑用機、普通はスクラップですから「材質疲労で破壊する前に消耗」はごく当たり前の話かと思いますが。
通りすがり
- >8.
これは、佐貫先生の文章に書かれていたことと、小沢氏本人の懐古談から(記憶の範囲で)抜粋したものです。
小沢氏談(主旨):あまり経験のない主翼構造(注:溝深の波板を使った)と材質を使ったので、正直、「耐用時間に達する前に」時効硬化割れで破壊しないか心配だったが、問題にならずに(注:なる前に)全機消耗したと聞いた。
佐貫氏談:(疲労破壊の怖さを述べた文脈の中で、上記の述回を批判して)戦争というものは、時に技術者の良心を超越したところで思わぬ効能を示す。皮肉なものである。
ともにかなり昔読んだ記憶なので、出典・ソースは明らかではありません。
既に質問者の質問主旨から離れているので、ここから先の判断は、諸氏のご判断にお任せします。
チャチャ入れ
- >9
私もこれで最後にしますが、なぜその小沢氏の発言にたいして「ほざく」という侮蔑表現を使用されたか、やはり理解できません。
機材の消耗という表現は、事故や戦闘損失のみならず耐用時間を迎え用廃されたものに対して使用しても何もおかしくないと愚考します。
耐用時間を迎える前に材質疲労で破壊する可能性のある材料を、十分な安全の確信無く使用したのは軽率であるという意味合いなら、多少は理解できます。
通りすがり
- >多少は理解できます。
多少は、ですか。
これは技術者としての矜持や良心に悖るのもとおもいますケド。
小沢氏談を「あまり経験のないパッキング構造にして十分な試験なしに市場に投入してしまったので、正直、「賞味期限前に変質して」健康時被害がでないか内心不安だったが、問題にならずに(注:なる前に)全品完売したと聞いた。
というのと同じと愚考します。
10.の通りすがり氏へ
- >11.
かのミー○ホープの社長サンもエンジニアで、「挽肉の効率的混煉機」で「北海道産業奨励賞」かナンか貰ったんでしたっけ。
でも、それで作ってたのは… ご記憶のとおり。
カイシャつぶれたけど、重役だった奥さんには¥28,000,000-(たっだかな)の退職金を出してソッコーで辞めさせたとで、取材陣に向かって
「健康被害が出た例があるのか? 味がおかしい、って苦情もなかったぞ」「どこでも多少はやってることだ」って……
これって、「ホザいた」って言えないのかなー >> 10.
ひとりごと
- キ21IIの途中で採用されたESDT製桁管の鋲打孔からの時期割れ問題については、発覚後に試験研究が行われ、破壊に至るべき推定飛行時間を、最も楽な仮定による計算場合の1330時間から、最も過酷な仮定設定の場合の270時間まで計算によって導かれ、この範囲内でなら作戦使用に支障無しとして条件付で軍に納入されています。
食品の例えでいうならば、ちゃんと消費期限を設定した上で流通させていたわけです。
片
- まったく同様なことは零戦でも生じており、零戦の場合は時期割れの可能性のあるESDT主桁使用の機体には許容空戦時間50時間という条件がつけられ、これを超えた場合には主翼換装が指示されています。
零戦についても、また九七重二型についても、自体はメーカー内部だけでなく、当然ユーザーである軍の側でも掌握していたことです。
特に九七重二型の場合は対米開戦に直結した時期の生産機に発生した問題だったこともあり、陸軍としては許容飛行時間が短いことを承知の上で、しかし、大東亜戦第一撃戦力充足の必要からこれを納入させ、使用したのだと思います。
片
- >片様
詳しい情報をありがとうございます。勉強になります。
やはり、「戦争というものは、時に技術者の良心を超越したところで思わぬ効能を示す」んですね…
チャチャ入れ
- >技術者の良心を超越したところで
許容飛行時間が実験と計算により示されているのだから、その範囲内では基本的には大丈夫なのです。これは十分に技術者の良心の枠内のものです。
しかし、メーカー側としては、そのような状態のものを納品してほんとうに大丈夫なのかと心配しています。それが小沢技師の言葉となって残っているのです。
片
- そんな短期間しか使えないモノでいいの?(技術者の良心)
戦争だからそれでかまわない(ユーザー側の立場)
って事ではないでしょうか。
カンタニャック
- 「賞味期限がすぐに来てしまいますよ」
「それまでに食べ切っちゃうから大丈夫」
と言ったところですかね。
便利少尉
- 小沢さんの文章に書かれているのは、研究の結果安全であるといっても傷物を納入するのは嫌な気がする、ということです。
片