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マリアナ沖海戦について質問です。 日本側が爆装零戦を使用しており、零戦の爆装率は79/196機(42.5%)ぐらいだったようですが、翌日のアメリカ側攻撃でも爆装F6Fが使われており爆装率は39/92機(42.4%)と似たような数字になっており、とても興味深いです。 質問1.爆装F6Fが大量に使用された理由は何だったのでしょうか? 質問2.同じくアメリカ側攻撃のTBF/Mにも爆装機があったようですが、57機中の爆装率はどれぐらいだったのでしょうか?また雷装出撃されなかった理由は何でしょうか? なんとなく想像するに、日本側と同じで航空隊の拡大によって速成性が尊ばれて戦闘機が多かった?軽空母(F6FとTBF/M)からは雷装機の発艦が困難だった?などの理由が考えつきます。 あるいは、命中率等の別の理由で爆撃が優先された結果なのでしょうか? ご回答、よろしくお願いします。 ラシキモノ |
- @単純に敵艦隊への攻撃能力強化のために、爆装可能なF6Fに爆弾を搭載させたと見て良いと思います。なお、各艦が出したF6Fの爆装状況は艦によって違います(一例を挙げれば、ホーネットは出撃させた14機全機に爆装を施しています)。
A19機乃至21機が雷装です。これは魚雷の供給不足もありますが、攻撃時に低速・低高度での飛行を強要される上に、機構等に問題があって攻撃の実効に乏しい雷撃の有効性に対して、当時疑問が持たれていたこと・空母攻撃であればミッドウェーの戦例が示す様に爆撃で充分、と考えられていたことも影響しています(高速・高々度からの雷撃が可能な新型の「リングテール」型魚雷が艦隊に潤沢に供給される様になるのは、本海戦の後の話です)。
因みにバンカー・ヒルのTBFが爆装であった。飛鷹に魚雷を当てたのはベロー・ウッドのTBFであるように、魚雷の配備を大型空母に集約していたということや、軽空母から雷装のTBFが運用困難だったということはありません。
大塚好古
- ご回答有難うございます。
改めて、マリアナ沖海戦を読み直したところp339の表の他にp236の本文に「TBF47機(21機)、TBM10機」とありました。
TBMをすべて雷装機とみなすと、57機中に雷装31機、爆装26機(46%)ですよね?19機は引き返し機等の差でしょうか?
世界の傑作機によるとベローウッドの雷装4機から飛鷹に命中を出した他、エンタープライズの爆装5機から龍鳳への命中弾(至近の間違え?)を出し、他にも瑞鶴へ爆弾命中を報じているようです。
ラシキモノ
- 書き方が悪かったですかね。TBF/TBM合計で19機乃至21機が雷装です。19機説と21機説はヨークタウンのVT-1かホーネットのVT-2で途中から抜けた2機のカウント差と思われます(VT-2攻撃参加機の雷爆機の機数差が丁度2機なので、こっちかも?)。
因みに近年出たティルマン先生の本を含めて、最近の米資料では発艦したTBF/TBMの機数は59、日本艦隊への攻撃参加機は54とされるのが通例です。
大塚好古
- どうも色々すいません。
まず私の引用した21機は雷装機のことでした。そして丁度21が一致したので特記のないTBM10機は素で雷装かと勘違いしました。
爆装機は38/59機で64%、雷装機は21/59機で36%になるわけですね。
瑞鶴に当たった爆弾は小さかったらしいですが、TBFなら中型以上を積めそうな気もします。
議論ボードでも述べましたが開戦後の雷装機の凋落に著しいものを感じます。
ラシキモノ
- アメリカ海軍であっても日本海軍であっても対空母攻撃の主力は戦前から艦上爆撃機に置かれています。対空母攻撃に於いて雷撃機はドクトリン上でも最初から補助的存在です。開戦前にも「雷撃無用論」は存在しましたし、実戦を経験してから凋落したという訳ではありません。
BUN