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大戦機などのレシプロ機を見ると、胴体内タンクが小さいというか控えめなのが気になります。操縦席後ろから尾翼まではスカスカの空洞みたいです。 SR71とかMig25などが、胴体といわず主翼といわず隙間を稼げるところはギッチギチに詰め込んでいるのとはずいぶん対照的です。ジェットのほうが燃料消費量がはるかに多いとしても、なぜもっと、胴体内タンクをレシプロ機では大きくしなかったのでしょうか。 燃料消費による重量バランス変化がジェットより過敏なのでしょうか。紫電改など足が短い短いと問題にするならもっと胴体につめばと思ってしまうのですが。どなたか教えてください。 watanabe |
- ジェットの方がレシプロに比べて、エンジン重量に対する推力の割合(推力重量比)が高いから。推力重量比が低いと、特に離陸、上昇する段階においてどのような問題が生じるのか、燃料を含めた最大離陸重量を大きくすることができるのか、自分で考えてみれば凡その結論が出せると思います。
アリエフ
- 攻撃のため過荷重の一式陸攻二二型で、順に離陸する尻から上昇しきれず次々山に衝突してしまって、ついに中止になった事件ありましたね。
片
- もうひとつ、挿話を。
>紫電改など足が短い短いと問題にするならもっと
「紫電改は防弾重量を軽減して烈風並みにすれば、航続力も増えて艦戦として使える」というのが海軍での意見です。
燃料増やせば防弾は軽くして、トータルの全備重量は同じにする、というふうに考えられてるわけです。
片
- 燃料タンクは燃料消費と共に重量が減少いたしますので、許容重心範囲である主翼近辺からそう遠くない位置に設置するのがセオリーです。と云う事は一番都合の良い主翼部分が操縦席である胴体ではタンクを積む場所が限られてしまいます。
近年大型機などが水平安定板等に燃料を積んでおりますが、これらは自動トリム装置があって可能なのです。
点火栓
- では、その件についても挿話を。
陸軍三式戦の一部の機体には操縦席後方(つまり重心わずかにを外れた後方)に比較的小さな胴体内タンクが増設されていたのですが、ここに燃料が残っていると重心のバランスが崩れて空戦機動が危険になると指摘され、結局廃止されています。
片
- 普通の小型レシプロ機は機首にあるエンジンの重量につりあうように尻尾が長く重たくないといけないのです。つまり胴体といっても主翼より後ろは、実際は使うに使えない空間なんです(ヤジロベエの腕っだと思ってください)
ジェット単発機(もしくは小型機)は主翼後ろにエンジン、そして主翼前方にキャビンがありますから、この両者の間の空間に物を置いてもバランスはあまり崩れないのです。ヤジロベエでいうなら片腕の先にエンジン、もう片方の先にキャビン(操縦席)でバランスをとってるわけで、胴体は重心部分にあるのです。
SUDO
- いろいろ参考になりました。ありがとうございます。
watanabe