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質問No.120の追加質問させて下さい。 早速「中攻史話集」を購入して1番機の須藤機長の回想を読みました。 その中で不時着のやむなきに至った訳として、 1.出発前に各タンク燃料の積み具合等整備員に点検させました。 2.胴体下の増設槽の状態は見ていなかったのではないかと思います。 のみ書かれていました。 燃料を点検させたと書いてありますが、給油させたとまでは書いていません。 また、原因が増設タンクが空であったと示唆しています。 不時着時に「タンクのひとつが空だった」との会話からして、空だったのは増設タンクではとの思いが裏付けられたように感じます。 なぜなら1号〜4号はペアーで2個ずつあり、単体のタンクは増設タンクしかないからです。 また左右の翼内にあるタンクの一つが空の場合は機体の左右バランスが狂って飛行に大きく影響すると思うからです。 硫黄島に郵便を届けた機長の回想からも機体内に積む荷物をバランス良く積まないと墜落の危険すらあると読んだことがあります。 しかも1号〜4号タンクには機内にそれぞれ油量計が設置(8個)されており、簡単に確認できますが、増設タンクの油量確認は別方法だと思うからです。 これを前提にして質問させて下さい。 一式陸攻撃を増設タンクを使用して飛行する場合、9個の燃料タンクを燃料コックで切り替えて順に使用しますが、この場合の使用順番は胴体から遠い順だと思うのですが正しいでしょうか。 1.翼左右4号タンク(翼内で胴体から遠い位置にある)を使用。 2.同様に3号、2号の順で胴体から遠い順から先に使用。 3.翼内のタンクを使いきった後で、胴体内にある増設タンクを使用。 4.最後に1号タンクを使用(全てのタンクの燃料は1号タンクを通してエンジンに供給されるから)。 となると思いますが正しいでしょうか。 私は上記順番との前提に立って、緑十字機が燃料切れで不時着した原因に対し、再度、次の仮説を立ててみました。 皆様の意見をお聞かせ頂けたら幸いです。 1.当初の米軍からの命令は零式輸送機22型L2D3(燃料満載航続距離4860km)であった。 この機体でも伊江島までの片道無給油飛行は可能であったが、日本側は機体変更にこだわった。 2.日本側は命令書に伊江島での給油の記載が無かった為、往復無給油が可能な増設タンクを付けた一式陸攻撃(航続距離6000km)2機を用意した。 伊江島まで行った後で給油が受けられなかったら恥であり、帰路の燃料が無くなってしまうから。 (終戦に納得していない友軍機からの攻撃が考えられる為、途中の給油は不可能だったから機体変更にこだわった) 3.不時着した1番機は出発時の混乱(使用機体が友軍機からの銃撃等で2転3転した。)により増設タンクへの給油がされていなかった。 4.1番機の須藤機長は、増設タンクを含めてフル満タンと理解していた、あるいはフル満タンとの報告を受けていた。 この為、出発前の燃料確認で常設タンクが満タンであった為、増設タンクも満タンとの思いこみをしてしまった。 5.伊江島まで迂回飛行(約2500km)をし、到着時点で燃料確認した所、満タンのはずの増設タンクを含めて、まだ半分強の燃料がある事が確認できた為、伊江島での燃料補給は不要との判断で給油を希望しなかった。 (須藤大尉は横須賀の士官であり、機体変更の経緯を知っていた、また教官も務めたベテランであった為、燃料が半分強あけば余裕をもって飛行可能と判断した。) 6.帰路の途中で2〜4号タンクが全て空になり、増設タンクに切り替えた時点で増設タンクが空であることに気がついた。 この仮説は二人の搭乗員の回想と矛盾する点があります。 1.無事木更津に帰還した2番機機長の河西兵曹長回想(伊江島到着まもなくの出来事) 「分隊士、燃料をくれるそうですが、どの位もらいますか」 「1〜5番まで満載しておけ、100オクタン価の良いガソリンがあるから遠慮しないで良い方をもらっておけよ」 「分隊士、全部で何ギャロンだって言うんですが」 「4リッターが1ギャロンだから換算してみろ」 「ハイ、わかりました」 この後、下士官用の寄宿舎に案内されて夕食を摂った。 2.不時着した1番機の駒井上飛曹回想(伊江島到着の翌日の出来事) 伊江島到着の翌日、午後1時過ぎた頃、軍使一向がマニラから伊江島に向かっているので到着次第出発するので、帰国フライトの準備をしてくださいとの電報あり(要約)。 あわてて帰国準備に入った。 搭乗整備員にガソリンタンクの構造が違う、燃料積み込みを間違えるなよ、日本のガソリンはブルーだアメリカはピンクだ、リットリとガロンだ、計算を間違えるなよ、積載量は「満タン」だとアメリカ兵に頼んでくれ、などなどと念には念を押しましたが、後で大事件になるとは・・・(要約)。 この矛盾点に対し、まず河西兵曹長の回想は具体的で信頼性が高いと思います。 何故2番機は迷わず給油を希望したかですが、河西兵曹長は木更津空の下士官であり、零式輸送機から一式陸攻に変更した往復無給油との経緯にこだわらず、ちゃっかり頂けるものは頂こうとの現実的対応をしたものと推理します。 では、1番機の駒井上飛曹の回想ですが、不自然な点として。 1.2番機は伊江島到着後すぐに給油しているのに、1番機は翌日の午後出発が迫ってからの給油と回想しており不自然に感じる。 2.整備員にこと細かく指示しており、念には念をいれたのなら油量を自分で再確認しなかったのは不自然。 回想は不時着という結果から逆に導きだしている感じもします。 横須賀空で士官の須藤大尉はは往復無着陸を前提とした一式陸攻への機体変更にこだわって、 当初のプラン通り伊江島での給油をしなかったのではないのだろうか・・・。 これが私の仮説です、長文で申し訳ありません。 皆様の意見を聞かせて頂ければ誠に幸いです。 世良拝 世良 |
- 世良様
回答でなく申し訳ありませんが、磐田市在住でお調べになっているとのこで有難く感じています。
私は浜松出身で小さい頃に町の古老からその話を聞いており気になっておりました。
海岸に打ち上げられた部品では判定に関わらせていただいています、緑十字では気になる事があり資料館には当時のカラー写真が載っている書籍を寄贈しています。
もし宜しければメール頂ければ幸いです。taizo6@trust.ocn.ne.jp
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