127 |
航路計について。 海軍機には航路計、定針儀、羅針儀が搭載されています。 航路計の使い方ですが、いまひとつ分かりません。 真珠湾攻撃の時、飛行中の97艦攻の機上でハワイの音楽を受信し「その電波に合わせて行け」と淵田中佐が指示しているシーンがありましたが、これは航路計の指針を合わせるとの意味で宜しいのでしょうか。 また、攻撃後空母に戻る時に空母から電波を出し、その電波を航路計の示す指針に合わせて空母の方向を特定すると聞いたことがありますが、この場合、敵に空母の位置を悟られないのでしょうか。 いまひとつ、羅針儀と定針儀の違いがよくわかりません。 ご存じの方、宜しくお願い致します。 世良 |
- 海軍機の航路計はク式、T式の帰投方位測定器の指示器です。
「その電波に合わせて行け」というそれで正解です。
片
- > 航路計の使い方
ご存じかと思いますが、零戦等の海軍機にはループアンテナで電波の発信方位を知ることが出来る無線帰投方位測定器(クルシー等)が搭載されています。
航路計はこの無線帰投方位測定器と連動していて、指針を中央に合わせて飛行すると、電波発信源にたどり着ける様になっています。
> 敵に空母の位置を悟られないのでしょうか
零戦に搭載された無線帰投方位測定器はもともとアメリカ製ですから、逆探知される懸念は常にあった様です。
南太平洋海戦の際、隼鷹の戦闘機隊長だった志賀大尉が第三次攻撃隊として出撃する直前に、通信長を「無線封止とか言って、誘導電波を切ったらぶっとばすぞ」と脅してから出撃したという話があり(幸い、通信長は誘導電波を発信し続けてくれたそうです)、母艦の安全を考えると誘導電波は切りたいが、攻撃隊(特に単座の零戦)を帰還させるためには誘導電波を切ることが出来ないというジレンマを垣間見ることが出来ます。
T216
- ミッドウエー海戦でも何でも、戦闘開始前は無線封止で位置を秘匿しますが、いざ敵が出現したらそれどころではありません。
索敵機との通信も双方向で行われますし、様々な電波を輻射しつつ、ということになります。
片
- 現代の航空機に例えると、
羅針儀=マグネチックコンパス
定針儀=ジャイロコンパス
という事になるかと思います。
構造上、マグネチックコンパスは磁針が液体の中に浮いているので、飛行中は機体の動揺などで目盛りが読み取りにくいのです。
ジャイロは、コマが回転すると一定方向を維持しようとする原理を利用するもので、針がぶれたりしません。
したがって、航法では基本的に定針儀を利用します。ただ、定針儀がマグネチックコンパスに連動(スレイブ)しない機体は、定針儀の指示が時間とともにずれますので、定期的にマグネチックコンパスの指示に合わせる必要が有ります。
航路計は現代のADFやVORの指示器に相当するでしょう。
yama
- 適切な説明ありがとうございました。
いままで分からなかったことに、直ちに回答いただけるので感激しています。
世良