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風防あるいは天蓋の素材についてお伺いします。いわゆるガラスは昔からあります(日本ではともかく)が、いよゆるアクリルは1929/1933/1936あたりに開発されたと存じております。 形状サイズからして、たとえばP-51Dなどはアクリル製であったでしょうし、スピットの「バブル」キャノピーもおそらくそうと推測いたしますし、風防が分厚い「防弾ガラス」ならばガラスと推測できますが、たとえばブレニムの、He-111の、ハリケーンの場合、どちらでも可能であろうかと思います。 これらを見分ける方法や資料などご教示いただければさいわいです。 イメージといたしましては、ヨーロッパで、触った時に「冷たくないぞ」とか、ガラスのつもりで扱ったらアクリルで傷だらけにしてしまったとかが、いつ頃まで起きていたものか、砂漠で小傷に困らされたか、どう対処したか(表面硬化アクリル板は当時はありませんよね?)を把握したく存じます。 はたの |
- 基本的には、曲面整形されている部分は有機硝子であり、平面部には安全硝子も使用されます。
裁くとは関係のない日本海軍の例で恐縮ですが、有機硝子はやはり傷つきやすく、できるだけ設計時に風防の平面部を増やし、安全硝子の面積を増やして欲しい、という要望が出されたこともあります。
概して、有機硝子は傷つきやすい、というのは当時一般の認識だったろうと思います。
ちなみに英国製の有機硝子「パースペックス」の硬度は、日本の国産品よりもわずかに劣るくらいのものです。また3ヶ月対候試験結果では「微かに着色」とあります。これら諸点ではドイツ製「プレキシグラス」の方が勝っています。
片
- 「裁く」は「砂漠」のつもりでした。
片
- 中国大陸で仕様していた機体はキャノピーを拭いていると黄砂などの細かい砂埃であっという間に磨りガラスのようになるので普段はカバーを掛けていたとの話がありました。
日本では一式戦2型の試作機のキャノピーが1枚アクリル製でしたがハンドメイドだっため所々歪みがあり、通常のものになっています。
凡人13号
- いろいろとありがとうございます。
単純な二次元曲面でもガラスは用いられなかったものでしょうか? XB−10のタレット、DH−88の前面中央2枚など・・・。1933、1934になりますが・・・
はたの
- 設計・製造側は出来る限り有機ガラスを多用したい、しかし、搭乗員側は光学的に有利な無機ガラスを望む。
この関係に注目すべきでしょう。
有機ガラスは軽量、成形・工作が容易という利点があります。
嵌め合う相手は軽金属製の風防枠なのですから、硬すぎる無機ガラスを仮に局面成形したとして、様々な混乱をもたらすことでしょう。
安全ガラスが用いられるのはもっぱら、爆撃照準窓など、歪を嫌う部分に限定されるのです。
平面部でしようされることに無機ガラスの利点はあるのです。
片
- ありがとうございます。
はたの