92 降下爆撃の命中精度について、教えて下さい。
ttp://www.warbirds.jp/ansq/12/A2003329.html
のKに、
>急降下爆撃の方が命中率は高いです。
>緩降下の方が投下高度が低くても
>弾道が短いとは限りません。
>Kleist
とあります。
しかし、降爆の命中精度は、弾道の長短よりも、降爆の命中精度は、投弾までの降下角と、投弾点と着弾点を結んだ直線の(水平に対する)傾斜角との差に左右されるのではないでしょうか?
つまり、この角度差が小さければ小さいほど(垂直に近いほど)、命中率が高くなるのではないか?という疑問です。
蒸し返すひと

  1. 質問者ですが、
    >しかし、降爆の命中精度は、弾道の長短よりも、降爆の命中精度は、投弾までの降下角と
    を、
    →しかし、降爆の命中精度は、弾道の長短よりも、投弾までの降下角と
    に訂正します。失礼しました(^-^;
    蒸し返すひと

  2.  それは、相手は静止していて、地面に置いた一点を狙うという条件においてのみ通用する話です。
     相手が、海面上に構造物が出ていて動く艦船相手ですと、そう簡単な話ではなくなります。
     例えば落角90度、つまり垂直に落ちてくる爆弾が船体に当たるには、船体の上部投影面積の範囲に落ちる必要があります。これが落角30度なら、もっと広い範囲に落ちるものでも、船体上部のどっかに引っかかります。つまり「当たる範囲」はずっと大きいのです。
     また高度が低ければ低いほど、爆弾が海面高度まで達する時間は短くなります。実際には飛行機の降下速度分が初速として与えられますが、引き起こせる限度を考えれば、一般的な戦闘条件では緩降下の方がより短時間で目標に達する可能性も高いですから、回避される可能性は減ります。更に落角の関係で当たる範囲言い換えれば船が避けなければならない範囲も広いです。
     そしてギリギリまで照準を続けられる可能性が高いので、正確な照準を行う余地がより大きいということになります。
     また傾斜角の差は照準器が補正しますから(精度的な問題はありますが)急降下だから命中率が良いということは、その点では余り関係ありません。照準点の真ん中に獲物を置くことさえできれば、急降下だろうが水平爆撃だろうが当たります。
     問題は、その獲物を照準点に入れる為の飛行機の操り方や、何度やり直せるのかとか、落とした後の爆弾がどう流れるのか、また避けられるのかということなんです。
    SUDO

  3.  SUDO様、さっそくのお答えありがとうございます。おそらく、おっしゃる通りなのだろうと思います。もともと、投弾高度を低くするとは、弾道が短くなること(外乱の影響によって命中精度が低下させられる距離、すなわち時間の短縮/目標未来位置の可変範囲を狭める)と考えておりました。これが、降下爆撃が、水平爆撃に対して命中精度に勝る理由ですね。
     また、動目標だから、弾道の長短よりも、投弾から着弾にいたる所要時間の大小による影響が大きい(目標未来位置の可変範囲を狭める/外乱に妨げられる時間を短くする)という点は、納得しました。
     しかし、降下角度を浅くするにつれ、目標の見かけの投影面積が小さくなるはずでは?。もっとも、見かけの投影面積は、機と目標の距離が縮まれば大きくなるので、投弾高度の低下によって少しは補われると思いますが。そして、緩降下爆撃では、小さくなった投影面積の中に投弾しなければならない理屈になると思います。
     投影面積が小さくなると、機の下降コース上にある(命中を期待できる)投弾点の範囲が狭くなるのではないでしょうか?。くわえて、降下速度が高くなると、投弾のタイミングに、より高い正確さが求められるのではないでしょうか。つまり、投弾点の範囲を通過する時間が短くなるのでは?と思われます。それでもなお、緩降下爆撃は、急降下爆撃に対して命中精度に勝っていたのでしょうか。
     以上の疑問について、重ねて教えていただければ幸いです。
    蒸し返すひと

  4. >3
     緩降下は急降下よりも「当たる可能性のある投弾点範囲」は広いんですよ。加えて引き起こし余裕から近くまで行けるなら、距離に比例して見かけ投影面積は大きくなります。
     つまり、狙える時間も見た目の獲物の大きさも緩降下は劣ることはないし、逆に遠くからでも落とせるし、高速であれば対空砲火に妨害される危険性も緩和します。単なる射的でよいならば、ギリギリまで速度を落として急降下するのが最良でしょうが、実戦ではそれが常に可能とは行きません。
    SUDO

  5. >4
     重ねてのお答え、ありがとうございます。申し訳ございませんが、緩降下は急降下よりも「当たる可能性のある投弾点範囲」は広いかどうか?については、いまだ得心にいたりません。
     それはそれとして、投弾速度が高いことが、緩降下爆撃の第一の長所である点は同意です。対空砲火に暴露される時間の短縮こそが、投弾の成功率と機の生還率を高める方途でしたので。
    蒸し返すひと

  6. >5
     机上で考えればそうでしょうけど、急降下は当てられる範囲と引き起こさなければいけないタイミングが重なるんです。これを回避するには、なるべく正確に降下タイミングを取り、尚且つなるべく低速であることが要求されます。
     つまり、当たる範囲を広くするには、相応の高い技量が要求されます。
     緩降下は、引き起こしを遅らせることが可能で、また進入路が長いので降下角度と速度の調整が突入中に修正できる余地があります。よって、原理上可能な投弾範囲を飛行させやすいのです。
    SUDO

  7. >6
    @急降下に比べて、引き起こしが遅れても危険がない
      →投弾のタイミングと引き起こしのタイミングを分離できる
        →パイロットの負担が減り、命中率の向上につながる
    A急降下に比べて、突入開始から投弾までの時間が長い
      →一定の降下角度および速度を得るための時間的な余裕が大きい
        →より適切なタイミングで投弾できるため、命中率が向上する
    というご説明ですね。なるほど、納得しました。

     99式艦爆の突入開始から投弾までの所要時間(条件は、突入開始高度2000メートル、投弾高度600メートル、降下角60度、降下中の最大速度500キロ/時)と、銀河のそれ(突入開始高度3000メートル、投弾高度300メートル、降下角30度、降下中の最大速度700キロ/時)を試算してみましたが、後者は前者の2倍を超えます。この時間的余裕が、緩降下の優位点なのですね。ありがとうございました。
    蒸し返すひと


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