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以前から疑問に思っていたのですが、 何故B-24は、高高度性能がB-17より劣ったのでしょうか? 各種の解説でB-24は、 >設計年度が新しいので爆弾搭載量、航続距離ともB-17を上回った とありますが、高高度性能だけ劣った理由がわかりません。 B-24は、B-17に比して翼面積が小さいので翼面過重は高いけれども、 高高度性能に有利なアスペクト比では大きく上回っています。 B-17と同様排気タービン過給器を搭載しているし、機械式過給器しかない一式陸攻でも 8000mからの高高度爆撃を実現して豪空軍を手こずらせています。 皆様、B-24だけ高高度性能が今イチだった理由をお教えください。 09.3.23未明記 NG151/20 |
- 関連する質問ですが、B-17とB-24では、最大速度はどちらが速いのでしょうか?
AnsQに参加する以前の書店で見たデータでは、B-17は、機体が洗練されたF型で510km/h、これにチンターレットの重量と抵抗の増えたG型でも490km/hが出たのに対し、B-24はJ型で486km/hという数値を多く見ました。高高度性能と最大速度で上回ることから、B-17が対独戦の主力になったという解説も多く読みました。
ところがネットでは、例えばWikipediaだとB-24Jだと467km/h、B-17Gに到っては426km/hと一式陸攻と同程度(誤植の可能性がありますが)、他にもB-24の方が優速というサイトがあります。
同一機でも測定時の重量や高度など条件によって数値が大きく異なることは、独戦闘機のメーカーのカタログ値と実戦での速度が大きく食い違う事例をこちらで勉強しましたが、燃料満載で最大航続距離=ドイツの最深部に行くのに搭載可能な爆弾を満載して、敵戦闘機に追われるという実戦状態での最大速度は、双方どれくらいだったのでしょうか?
NG151/20
- そりゃ翼面荷重が高いからです。重量が同じぐらいで翼面積が1.3倍ぐらいあるのですから、同じ上昇率を維持するのに必要な揚力係数も1.3倍になるのです。
B-24のアスペクト比は11.5と大きいですが、B-17も7.5と小さいものではありません。単純に計算すると誘導抵抗は揚力係数の二乗÷アスペクト比ですから、同じ速度で同じ上昇率を得ようとすると、B-24は1.1倍誘導抵抗が大きいのです。またナセルや胴体は迎え角を大きくすればするほど抵抗を増加させますので、B-24はより一層不利です。
つまり、より高速でないと誘導抵抗が増えてしまうし、逆に速度を上げればそこで馬力を食われます。
またB-24は胴体が大きく双尾翼という不利を抱えてますので、主翼以外の抵抗はB-17よりかなり大きいのです。
逆に言うならば、強烈な各種抵抗の不利を少しでも減じようと主翼を小さくし、主翼が小さいことの不利を減じるためにアスペクト比を大きくした飛行機なんです。仮にB-24の主翼をB-17の胴体に供えたら、両者よりも多少性能の優れた飛行機になれるかもしれまあせんが、逆に狭くて被弾に弱いく、使い勝手の最低な飛行機になるでしょう。またB-17の主翼をB-24に供えたら、頑丈で広くて便利だけど、燃費が悪くて遅い飛行機になったでしょうね。
SUDO