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陸軍航空隊が空軍として独立していったのに対して、海軍航空隊がそのように至らなかったのは何故なのでしょう。現在の英国のように固定翼哨戒機が空軍の所属だったりとか、かつてのイタリアのように艦載機が空軍の所属だったりとか例外はあるようですが。 塚田 |
- 陸軍航空も海軍航空もそれぞれ地上兵力と艦隊に深く結び付いています。
ただ陸軍の場合、航空兵力を戦略的に機動集中運用しようとすると伝統的な地上軍の指揮系統の枠組みを簡単に超えてしまいます。
空軍の独立とはそうした地上軍の必要から生まれたものです。
一方、艦隊は航空に次ぐ機動力を持っている上に飛行機の母艦、搭載艦を含みますから陸軍航空と同じような戦略的な機動集中運用を行っても航空を独立させる必要が少ない、という違いがあります。
独立空軍のはずなのに陸軍の指揮下にある空軍がいくつも存在するのに対して、水上艦艇部隊よりも上位に位置する洋上空軍の如き海軍航空部隊が存在するのはそのためです。
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