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いつも拝見しております。宜しくお願いします。 長年の疑問なのですが、 零戦→エリコン20mmの組み合わせは功罪合わせて色々と 語られていますが、 主としてバトル・オブ・ブリテン前期での メッサー109のE型とエリコン20mmの組み合わせについては 各種戦記を見てもその弾道特性、破壊力、機体との相性共々に (イギリス機との比較においても)あまり言及されていないように 感じます。 対照的に機体自体の特性(格闘=英機、突っ込み=独機)については 必ずといって良いほど言及があり比較もされていますが、 兵装の違いについての言及が少ない様な機がするのは何故でしょうか。 皆様のご教授をいただければ。 初心者 |
- 20o機関砲の装備についての功罪といっても、当時、そういった論争が激しく戦わされた訳ではなく、主に比較的最近に書かれた回想記(以前書かれたものとは異なる論調になった例があります。)や解説書の執筆者が評論的視点から述べている場合が殆どです。
イギリス空軍が7.7mmの多重装備に走ったのも、メッサーシュミットBf109が20mm機関砲をモーターカノン式に搭載する計画で開発されていたのも、どちらも対爆撃機用の武装として火力の増大を目的としていますし、イギリス空軍は既に新戦闘機の武装を20mmに切り替えていますし、Bf109EのMG-FFも威力増大のために改良されています。
そして米英戦闘機も20mm機関砲の標準化に向けて動いていますから、「もっと初速を大きく」「もっと弾数を増やして」といった要求はあらゆる航空機関砲につきまとう声ではあるものの、大筋として正しい方向性にあったと認められているようです。むしろF型登場時にアドルフ ガーラントが主張した「現状に逆行する武装の退化だ」とする批判の方が一般的だったのではないでしょうか。
BUN
- >2.
一般傾向としては納得です。が、Fw190では、翼付け根:MG151/20、外翼:MGFFの例がありますね(A-2〜A6)。これは単なる武装強化の過渡記との認識で良いのでしょうか。(外翼のMGFFを下してしまったサブタイプも多そうですが)
その後、外翼もMG151/20に統一されていきますが。零戦の20o・7.7mmのように、同時発射と個別発射の切り替えができたとか?
(MG151/20の弾道特性の資料がないので、判断がつきまねています)
TOSHI!!
- 零戦の発射管制装置の切り替え機構は弾道特性とは無関係です。
それぞれの弾数が異なることからもわかるように小型機(敵観測機等)と大型機(双発攻撃機)に対する場合に使用機銃を切り替え、長時間の直衛任務に耐えるために設けられた機構なんです。
なぜFw190A-2からA-5まで、翼内武装にMG151とMG-FFが内翼と外翼に同時に搭載されたかは両機関砲の発射メカニズムの違いと、供給状況、戦況からお考えください。
BUN
- 御回答ありがとうございます。
・大戦下において、大戦末期は別として各国とも対戦闘機(単〜双発)には
主として20mmに帰着する高初速、高威力、多装弾数を目指した。
・大戦前期〜中期は各国とも試行錯誤状態で、手に入るベストの装備を
用いた。それが現代の我々の目には装備のバリエーションとして見える。
装備できた機銃の種類による違いが現れただけなのかもしれませんが、
連合側と枢軸側でそれぞれ似た装備になっているのは興味を引かれていました。
ガランド氏の上記コメントも勉強になりました。ありがとうございました。またよろしくお願いします。
初心者
- >翼内武装にMG151とMG-FFが内翼と外翼に同時に搭載されたか
@:MGFF(というかオープンボルト発火式の機銃、エリコン、イスパノ系)は機構的に同調装備ができない。
A:従って、本来、20mm×4の武装強化の場合、MG151/20×4が理想であったが、MG151/20の供給が追い付かないため、やむなく混載した(=武装強化が優先だった)。
B:混載時には切り替え機構が無かったのは、Aの事情で、予め同一機銃装備が予定されていた(=MGFFが暫定的装備だった)ため。
C混載時の補給や整備の煩雑さ、弾道特性の違い等は、防空のための「まず強武装!!」 の要求の前には過渡"期"と割り切りざるを得なかった。
といったところでしょうか。
TOSHI!!
- 弾道特性が何よりも重要だったら、モーターカノンにMk108を採用しませんよね。
BUN
- FW190の20mm混在は正規ではなかったようです。大塚好古さんの
http://homepage1.nifty.com/HARPOON/Fw190/Fw190A.html
によれば現地での勝手改造のようです。
wittmann
- >7
それは違います。
手もとにある公式の部品表にもA-2からA-5までのMG-FF外翼装備に関する部品図と部品番号、R装備への対応表などの記載がありますから、外翼装備のMG-FFが「現地での勝手改造」などということはありません。
そして大塚さんは基本的に「よくわからない」と述べているはずです。
BUN
- すいません。どうも読解力が不足しておりました。
wittmann
- この話は、結論が出ないと思います。銃に限って言えば、まず、MG-FFは1940年ころに弾頭重量を減らして弾頭炸薬量を増加・初速アップに改善されており、機関砲としての特性は零戦21型の1号銃と同じではありません。その後、ドイツ機関砲弾薬のコンセプトは概ねこの思想が継承されます。当然、弾道は従来に比較し直線的に向上し、爆発による化学的破壊力も増加しております。かわって、イギリスのスピットも7.7mm多数装備では対爆撃機攻撃力不足が判明し、ドイツと同様に20mm装備へと改善されて行きます。基本的に空中戦においては敵機を照準に捕らえることができる時間が極わずかであり、長い時間の射撃は望めません。したがって、各国ともに威力の高い銃を装備することは当然の流れといえるでしょう。20mm弾を比較するとイギリスの採用したイスパノは初速が高く弾頭の肉厚もあるため対空・対地両用といえますが、ドイツのMG-FF、MG151-20は特殊なものを除き対空用に特化した弾(たま)といえるのではないでしょうか。もっとも、どちらの弾も命中すれば高い威力があり、命中部位によって航空機に対する被害程度は大きく変化しますので単純に威力比較は出来ません。
つっち
- >10.
>この話は、結論が出ないと思います。
まぁそこをイロイロつつき回すのがマニアの性というか楽しみというか、ですね。
身も蓋もないことを言ってしまえば、個機である程度対抗可能(=よほど隔絶した性能差)が無い限り、戦略的にいえば「戦争は数だよ、数!!」でキマリ、になってしまいますから。
どんな「スーパーエース」の乗った高性能機でも、標準的なパイロットが組織的に攻撃してくる100機編隊にはマズ敵いませんからね。
TOSHI!!