73 尾輪式降着装置を持つプロペラ機の主脚の長さについて質問します。
牽引式のプロペラ機は推進式に比べプロペラ径を大きくしやすいですが、滑走中は尾輪を持ち上げているので、主脚の長さを確保してプロペラが地面に接触しないようにクリアランスを確保する必要があります。
では、どの程度の長さを確保する・・・という具体的な規定(要求?)はどのようなものがありますか?
おうる

  1. 日本海軍の規格では、脚緩衝装置が極限まで作動し、車輪輪体が全扁平量の4分の1作動し(要するにタイヤが4分の1だけひしゃげ)、飛行機機軸が水平であるとき、プロペラ先端と地面との距離が250mm以上であること、としています。


  2. 以上のような条件を整えつつ、車輪接地点と重心を結んだ線が鉛直に対して12度であること、などほかの要件もいろいろ定められていまして、それらを総合して脚の長さは決まります。


  3.  具体的な既定ではありませんが、昭和17年刊行の「飛行機の脚構造」には
    ・機体を水平にし、主脚緩衝装置が最大限に縮み、タイヤも最大限に縮んだ場合に、プロペラと地面の間が100〜300mm程度。
    ・重心と車輪設置点の角度が8〜17度程度で、制動装置を強く利かせる軍用機は大きく、制動装置のない機体は小さくなる傾向がある。
    ・3点姿勢時と機体を水平にしたときの角度差は12〜18度程度で、これは主翼の最大揚力発生迎え角に大体等しくなるような設定である。
     というようなことが、一般的な傾向であると述べられています。
    SUDO

  4. ありがとうございました。
    海軍の艦上機の場合、揺動しつづける飛行甲板に制動索を使って「制御された落下」とさえ形容されるような着艦をするので、プロペラと着陸脚の関係はやや安全性を重視しているのではないかと想像します。
    逆に陸軍機の場合、海軍機よりこの規定はやや緩かったりしたのでしょうか?
    もしそうであるならば陸軍が航空母艦を運用しようとしたとき、母艦運用を前提としていない陸軍機を着艦させるに当たって、問題が生じたりしたのでしょうか?
    おうる

  5. 制動索は文字通りブレーキですから「制御された落下」とはあんまり関係がありません。また開戦前に隼と九七戦に対して「あきつ丸」への搭載が海軍のアドバイスを得ながら検討されていますが、そこではプロペラの問題は出ていません。
    BUN

  6. ありがとうございました
    参考になりました
    おうる


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