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日本海軍の水上機を艦艇からカタパルトで打ち出す場合の話なのですが 軌条を移動する時に乗ってる台車?からカタパルトの上を滑走する台車に乗せ替えるのはどういう仕組みでやるのでしょうか? 伊勢型航空戦艦の場合は射出甲板とカタパルト上面が同じなので台車がそのまま移動できそうですが 大和型や最上、阿賀野型、利根型などは軌条からカタパルトへどのようなプロセスで移動するのか情報などありましたら、宜しくお願いいたします 掲載書籍や文書などが存在すれば教えていただけるとありがたいです エンリコ |
- ttp://www.asahi-net.or.jp/~hd9f-segs/airplane-10zerokan.htm
このページの写真とかどうですか?下の二枚ね。
通りすがり
- >掲載書籍
丸メカニック No.12「全特集 零式水上偵察機」のP30〜33にかけて、射出の実際の手順や、カタパルトの原理・構造について詳しく載っています。
P31には、鹿島空の訓練用カタパルトからの射出の様子が連続写真で載っており、クレーンで吊り上げ・滑走車に据え付け・実際の射出直後まで判ります。
また、同書のP33には、双フロート用・単フロート用双方の滑走車、回転式運搬車の精密図があります。市販書ではこれが一番詳しいのではないかと思います。
また、同じく丸メカニックNo.20「マニュアル特集 零式観測機」のP42には、同機の機体吊上げ・揚収装置の詳細があり、吊上げ索および揚収フックの詳細図があります。また、P23には同機の射出装置(フロートのフック)の詳細図も載っています。
丸メカニックは、古書としてもまだ入手可能(ネットまたは神保町など)でもですし、その後、縮小版が新刊で再版されています。こちらはよく見かけます。ただし、当方は再版のほうは手にとって見たことが無いので、同じ記事が掲載されているかどうかは未確認ですので念のため。
(まず再版の方で内容確認し、もし違っていたら旧版を探すのが宜しいかと)
TOSHI!!
- 1.の方が紹介された模型の写真である程度判ると思うのですが、射出機と高さを揃えた「次発装填運搬車」の上にあらかじめ「滑走車」が載せられています。
次発装填運搬車、滑走車ともども、上に載る飛行機の機種に対応した型式のものを使用する必要があります。さらに滑走車には射出機の型式との対応もあります。
この点、双フロート用、単フロート用といった単純な区分ではなく、実際にはもう少し複雑なのです。
片
- >3.
確かに、阿賀野型のように直線状に艦載機を並べてある場合と、利根型のように方向転換とか甲板移動が必要な場合は異なるのでしょうね。射出機の形式も呉型だけで数種類以上ありますし。
質問者の"軌条からカタパルトへどのようなプロセスで移動するのか"という質問範囲については2.で良いと思ったのですが、フォローをありがとうございました。
TOSHI!!
- 方向転換は、特殊な場合を除いて、艦側の軌条に設けられた旋回盤で行います。
次発装填運搬車は艦ごとに対応した型を作るのではなく、基本的には飛行機に対応したものになっています。必要ならば艦側の軌条を改修することもあります。
片
- あ、うざかったですか?
じゃあ、今度から少し控えます。
片
- >6.
とんでもない。いつもコチラが勉強させていただいちょります。
TOSHI!!
- >TOSHI!!様
文献のご紹介ありがとうございます、早速購入いたします
>通りすがり様、片様
模型の画像ありがとうございます
片様の説明でさらに納得いたしました
片様は射出機の運用などにも造詣が深いのですね、参考になります
実は水上機の連続射出について調べております
あつかましいお願いで恐縮なのですが
(TOSHI!!様に紹介していただいた文献に書いてあるのかもしれませんが)
もう少し、皆様にご教授願えると幸いです
カタパルトからの射出は、
カタパルトの後端に水上機と滑走車を乗せた次発装填運搬車が接続する
↓
水上機と滑走車がカタパルトで打ち出され、水上機が離艦する
滑走車はカタパルト後端に巻き戻される
(呉式二号五型、一式二号一一型の場合)
という過程を踏むと思うのですが
連続射出で水上機を発進させたい場合に
この後、滑走車と次発装填運搬車はどういう動きをするのでしょうか?
伊勢型の場合は滑走車が待機している水上機と別の軌条を通って戻し
カタパルトの向きを変えて次の機体が滑走車ごと装填されるように見えるのですが
例えば大和型の場合などはどうなるのでしょう
水上機射出後、カタパルト後端に残った次発装填運搬車と滑走車を、軌条からどけて
(軌条を後戻りして旋回盤で分岐する軌条に逃がす?)
その後から次の機体が乗った次発装填運搬車と滑走車をカタパルトに…となるのでしょうか?
エンリコ
- >8.
丁寧な返信で痛みいります。
2.で挙げた書籍では復帰装置のことは図解とともに触れられているのですが、連続射出となるとあまり記載だありません。
ただ、図版/写真が多いので、十分参考にはなると思います。あとは、片さんの言われるように、機種/艦毎に事情がかなり違うのかも。
尚、実際の射出の連続写真は、記述の鹿島空の訓練用カタパルト(地上設置)なので、次発装填運搬車は写っていません。
(伊号潜水艦のカタパルトについては上掲書には記載がありませんのでご注意ください。伊400級に関しては3機目の射出が遅れる等、詳しい資料が多いですが)
TOSHI!!
- 間違って再読込した結果二重書き込みしてしまいました
見苦しくて申し訳ありません
恐縮ですが管理人様のお手すきの時にでも削除していただければ幸いです
>TOSHI!!様
ご説明ありがとうございます
内容はぜひ読みたいので、そのあたりの記述が無くても購入いたします
ご紹介感謝いたします
利根型や最上、大淀、水上機母艦など多数の水上機を短時間で射出しようとしていた艦では
具体的にどのような射出用架台の移動ローテーションを行っていたのかを知りたいのですよね
解りにくい質問で申し訳ありません
エンリコ
- それではお言葉に甘えまして。
機体を射出した後の滑走車は空気圧の力で射出機の根元まで自動復帰してくるのですが、そこからまた元々載せて来た次発装填運搬車に戻され、軌条の上を退避させられます。
利根などの場合は、軌条に沿って艦首よりの方向に向けられることになるはずです。
大和の場合は第三砲塔前の軌条がX字にクロスしているあたりが待避所となるのでしょうか。
しかし、利根は次発に当たる機体が一段低い甲板に置かれており、傾斜した軌条を機力で引っ張りあげられて射出機のところに登ってきますから、どうしても短時間のうちに連続射出とはいかないはずです。
これに対して、飛行隊を丸々連続射出しようとしたのが伊勢であるわけでして、こちらは飛行甲板とツライチに設置された射出機の高さだとか、軌条の敷き方から見ても明らかなように、滑走車は運搬車に載せられず単独で運用されるようになっています。伊勢の場合は射出後の滑走車は飛行甲板中央の軌条に集められるのだと思います。
片
- >11.
詳しい運用解説をありがとうございます。当方メカ好きですが運用には弱いので…
もし判ればですが、当方が2.で挙げた「回転式運搬車」と、1.の方が挙げた大和の「次発装填運搬車」は非常に良く似ているものの、細部に違いがありそうです。これは、
@:本質的に、「回転式運搬車」と「次発装填運搬車」は別のものである。(各々専用のものであり、単に形状が似ている)
A:「回転式運搬車」は、各種ある「次発装填運搬車」の一種と考えてよく機能的には兼用(?)できる。
のいずれと考えれば良いでしょうか。(「回転式運搬車」の画像が挙げられないので歯がゆいですが)
艦、カタパルト、機体によるバリエーションもある、とのご指摘からすると、Aではないか、と思っているのですが・・・
TOSHI!!
- >TOSHI!!様
資料冊子購入いたしました。参考になりますありがとうございます。
資料にあるイラストの回転式運搬車と大和の模型のものは同一に見えますね。
片方は模型で片方は絵なので細部形状が本物はどうだったのか不明ですが。
>片様
無理なお願いで申し訳ありませんでした。
丁寧なご説明ありがとうございます。感激です。
このような知識を教えていただける方は中々いらっしゃらないと思います。
本当にありがとうございます。
やはり、伊勢型以外はカタパルトの後端に残された台車を退避させてからでないと
次の機体を乗せられないのですね…
伊勢型とそれ以外のカタパルト搭載艦では連続射出能力が大幅に異なりそうですね
あと、もし可能でしたら教えていただきたいのですが、
「次発装填運搬車」という呼称はどの文献・資料に記載されているものなのでしょうか?
(あくまで、もし差し支えないようでしたらですが)教えていただけると幸いです。
質問だけ根掘り葉掘り聞いて申し訳ありません。
エンリコ
- 「次発装填運搬車」は海軍の文書一般にごく当たり前に見られる用語です。
片
- >片様
ご回答助かります。
なるほどググっても出てきませんが、アジ歴で検索するとヒットしますね。
探し方が足りませんでした申し訳ありません。
ご指導ありがとうございます。
エンリコ
- >13.14.
やはりAで正解と考えて良さそうですね。
「回転式運搬車」との書籍記述はともかく、「次発装填運搬車」でスッキリしました。
ありがとうございました。
TOSHI!!