30 集中して勉強したく思っておりまして、連続投稿をお許しください。

操縦が動力化する以前あたりの動翼関係について、「図面や写真から構造が読み取れる」ようになる勉強するのに有益な資料などご教示いただけないでしょうか。手持ちの現用の航空工学教科書は昔の機には冷淡でもあり、「飛行機の再発見」佐貫亦男、講談社ブルーバックス、「世界の軍用名機100」木村秀政、佐貫亦男、朝日新聞社、しかありません。
ことに判るようになりたいのが、

1 
(複葉機の)補助翼索の取り回しです。
たとえば上翼下翼両方に補助翼があり、補助翼間に操縦索が渡っているような場合、「一筆書き」と「上翼下翼とも往復あり、その上に補諸翼間連結」のどちらが普通なのか、どう見分けたらよいか。
たとえばタイガーモスには翼上面にロッドが突っ立っていませんが、翼の中にアームがあるのか、それともプッシュプルロッドなのかを(個別に調べて知るのではなく)見分けられるようになりたいのです。

2 
補助翼2段重ねみたいなのから、板状マスバランスみたいなのまで幅があるので一様ではないのでしょうが、大戦間大型機によく見られる「動翼上の小翼」について、それぞれ、どういう名称、どういう構造、どういう意味があるのか、軸前部を大きくする(全縁に渡ってか翼端のホーンか)と比べた場合の得失なども理解できるようになりたく思っています。
Do.J Wal
http://ram-home.com/ram-old/wal-ap1p95-1.jpg
Pander S.4
http://i192.photobucket.com/albums/z79/PeterDupont/Pander%20S-IV/PanderS-IV3-viewAWFPanderS_4Postjag.jpg
http://www.aviacrash.nl/images/images%20panderjager/panderjager.jpg
Fokker F.II
http://vintage-aviation.hp.infoseek.co.jp/holland_fokker-f2_1919.jpg
Bleriot 5190
http://www.airwar.ru/image/idop/flyboat/bleriot5190/bleriot5190-2.jpg
Naval Aircraft Factory PN-9
http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/9/99/Naval_Aircraft_Factory_PN9.jpg/300px-Naval_Aircraft_Factory_PN9.jpg
Naval Aircraft Factory PN-12
http://aeroweb.brooklyn.cuny.edu/images/scaled/aec00943.jpg
http://www.bluejacket.com/usn/images/ac/p-z/pn12_naval-aircraft-factory.jpg
「世界の軍用名機100」ではCR32については「補助翼上面にあるベンチ形のものは空力釣り合い翼」「上翼だけの補助翼上面に、ベンチ形と称する空力釣り合い翼を設けて、操舵力を軽減(蛇角をとると、それを保つ空気力が発生する)した」とあるのですが、むしろ高揚力装置を持たない大型機で多いように思われることからは大迎角時の動翼部失速防止のためなども疑ってしまいます。また「ベンチ形のもの」では(「ヤングマンフラップ」「ハンドレーページ型スロット」に比べて)名称としてどうも間が抜けているようにも思います。

個別の機体の構造の解説の記述を十分に理解するための「土台」となるような、時代ごと国ごとの「常識」を勉強する道筋をご教示いただければ幸いです。
はたの

  1. ある意味では簡単で、基礎を理解する事です
     基本がわかっていればAとBのどちらかでなければならない、あるいはどっちでも良いの判断が
    できます、例えばはたのさん場合ロッドとアームという次元の違う伝達手段を比較してますが
    通常ならロッドかワイヤーでしょう、軸方向に力を伝達する機構で途中の自在度の有無が
    区別のしどころですがこんな感じで基本を押さえればかなり構造は絞り込めます、ただし最初に
    書いたようにどーでも良い部分は作図者次第です。
     その時代の技術背景も大事です、ワットの蒸気機関も軸の出る中ぐり工作機が世に出てから
    初めて作られました(それまでのシリンダーは軸が出ていないので大気圧以上の圧力を利用
    できなかった)とかドイツのDB601系のクランクシャフトの軸受けがボールベアリングなのは
    厚メタルから薄メタルに変わる過渡期であったからなどは良い例でしょう。
     結局いろいろな分野の「見る目」を養う、基礎の引き出しをたくさん作るのが肝心だと思います。
    tune

  2. ありがとうございます。重ねて恐縮ですが、具体的な読むべき書名などもご教示いただければ幸いです。
    はたの

  3. 書籍の紹介ではないんですが、
    http://www.flightglobal.com/pdfarchive/index.html
    でfrom、TOで年代指定して「aileron」とか「aileron control」でserchすれば、それらしいのが無くはない。
    ただ、ざっと見ただけだけど図解とかはほとんど無くて言葉の説明が主流みたいなので参考にはならないかもしれませんが。

    タイガーモスについてですが、2本のケーブルの両端がチェーンでループ状に連結してて
    ケーブル→チェーン→歯車→プッシュプルロッド→小さいアーム(恐らくエルロン・ヒンジ軸に直付け)→エルロン
    の流れみたいです。翼内に収まっているものは個別に調べないと難しかもしれませんね。

    タイガーモスの事故報告書(pdf注意)
    http://www.aaib.dft.gov.uk/cms_resources/DH82A%20Tiger%20Moth,%20G-ACDJ%2007-06.pdf
    Figure 2or4参考

    タイガーモス インストラクション・マニュアル(pdf注意)
    http://www.tailwheel.nl/downloads/dh82ccanadiantigersmall.pdf
    23ページに補助翼系統の図面が(残念ながら肝心な部分が見切れてる)
    jas1

  4. ありがとうございます。まだまだ探し方が足りないと思い知らされました。
    全部を熟読する時間はまだありませんが、いかにも興味深く、感謝申し上げます。
    はたの


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