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第一次大戦頃の「爆撃に使われた飛行船」について質問させて下さい。 投入された飛行船は硬式のようですが、飛行船というとどうも風船のイメージ があります。実際には被弾した場合、どの程度耐えられたのでしょうか? また、「飛行機の上昇限界高度以上(高射砲の射程外)」を飛んで安全を 確保するという記述を見ましたが、可能でしょうか? 当時の高射砲の スペックと合わせてご教授頂けると幸いです。 ツェッペリン |
- ツェッペリン飛行船は金属骨格を持つ硬式飛行船です。船体の構造そのものはかなりの損害に耐えることができますが、浮力をもたらす気嚢が破られれば墜落してしまいますし、当然火災の危険もあります。そんな構造ですから例えば低高度で森の梢に腹を引っ掛けて船体下面がボロボロになっても気嚢さえ無事ならば飛行を続けられます。そんなところが「風船」とは異なる部分です。ただ基本は空気より軽い「風船」ですから天候に影響されやすく、戦闘以外の要因で次々と船が失われたのも事実です。
飛行機と飛行船の飛行高度競争はじきに飛行機が追いついてしまいますが、高高度飛行のための装備が貧弱な当時は飛行機にとって高高度の戦闘は容易な事ではありません。また高射砲の射高は第二次世界大戦時とあまり変わりませんが、射撃法や照準システムの未発達などの要因から高高度を飛行する目標を捕捉することは簡単ではなく、有効な射撃が出来ない場合があります。
高射砲に撃たれにくい高高度を飛ぶ、敵に捕捉されにくい夜間に飛ぶ、という「弱い爆撃機」の基本戦術がツェッペリン飛行船時代に早くも採用されていたということです。
BUN
- 風船のイメージがある、とのことですが硬式飛行船の構造を見れば一目瞭然なのでマズ、第一に構造図を探してご覧になることをお勧めします、第二に浮揚ガスが入る気嚢は「ゴム風船」ではありませんから穴が空くと急激に萎んでしまうわけではありません、もちろんガスは漏れますが。
飛行船の上昇限界は1915年で2500mから3200m級、16年には4000m級になっています、これらの情報はWEB上で5分で検索出来ましたので質問者におかれましても色々探されますとより詳しい情報が得られるものと思います。
早房一平
- どなたも言及されないので、素人から失礼します。
有名な話ですが、飛行船による夜間雲上爆撃に際して、750メートルほどのワイヤーで観測ゴンドラを吊るして、雲の下まで吊るされた観測員が電話で誘導していました。
最初に飛行船からの観測ゴンドラが使用されたのは1916年3月のカレー爆撃ですが、このアイデアが本当に有益だったのかどうかは、議論が分かれているようです。
吊るされた観測員は一人ぼっちで寒さにさらされますが、タバコが吸える唯一の配置なため、志願者に不足することはなかったそうです。
豪腕少年タイフーン
- 御返事がたいへん遅れまして申し訳ありません。
硬式飛行船の構造上の固さは理解していたのですが、ガスの浮力によって浮き上がる以上、そのガス貯蔵部分に穴が空くと浮力が急速に減少しないかという意味で「風船」と例えたのですが、誤解であるうえ表現がまずかったようです。
>BUNさま、早房一平さま
対空兵器に関しては射程のみでなく射撃法や照準を含めた側面から、機体構造に関しては気嚢を重点において、再度調べ直してみます。
>豪腕少年タイフーンさま
なにかの戦争映画でゴンドラは見ましたが、観測用だったのですね。
(その映画ではゴンドラから爆弾を投下していたもので……)
タバコが吸える場所というのはいかにも「らしい」エピソードで、
思わずニヤリとしました。
皆様、ありがとうございます。
ツェッペリン
- 高価ですが、下記が一番纏まった資料と思います。
開発・発展経緯、作戦実績、構造、運用、発動機等、ほとんどの情報が網羅されています。垂下式ゴンドラの実写写真もありますよ。
http://www.amazon.co.jp/Zeppelin-Combat-History-Division-1912-1918/dp/088740510X/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=english-books&qid=1232755312&sr=1-1
ご参考までに。
TOSHI!!