QQCCMMVVGGTT
2855 昔の船乗りの常食だった牛肉の塩漬けって、どうやってこさえたのでしょうか。
以前調べたとき北大のウェブサイトのどこかにクラーク博士が書いた「船中などで用いる牛肉塩漬製法」を見つけましたが、タイトルのみで中を読むすべはありませんでした。
また、今缶詰で売られるコーンドビーフと当時の船で使われたそれとはどういう違いがあるのでしょうか。
Yp

  1. >牛肉(豚肉)の塩漬け
    船などで使用した長期保存用の塩漬け肉は、
    塩水漬け(ウェット・ソルティング)という方法で作られ、
    樽の中に漬け汁に浸かった状態で用いられていたそうです。
    製法は一般的なピクルスなどと同様に、
    漬け汁の材料を混ぜ合わせてから沸騰させ、
    これが十分に冷めたところに切り分けた肉をドポン。
    あとは漬かるのを待つだけです。

    参:「保存食品開発物語」S・シェパード/文春文庫
    WR

  2. 肉がどす黒くなってしまわないように、硝石を入れるのがポイントです。硝石が入ると肉の色に赤味が差し、少しは食欲をそそるものになります。
    いわゆる発色剤ですね。現在のハムやベーコンでは亜硝酸ナトリウムが多く使われています。
    作り方としては、まず水に硝石を必要量入れて煮立てて溶かし、火を落としてから岩塩を飽和するまで溶かして濃厚な食塩水を作ります。
    単に塩漬けするだけでは、かなり臭いものになりますから、コショウの実や月桂樹の葉、その他タイム、ヒソップ、セイボリー等の香辛料を加えます。
    このへんの種類や量、また割合は国や請負業者によってかなりレシピが違ったようです。

    缶詰のものは、まず塩分が比較にならないくらいに低いです。
    また、高圧加熱を行なって肉の繊維をバラバラにし、それを軟性脂肪と混ぜるという製法ですから、コンビーフと「コーンドビーフ」の間にはかなりの距離があります。
    敢えて言えば、清水で長時間茹でた「コーンドビーフ」にいったん過熱したヘットを混ぜて冷やせば、現在の「コンビーフ」に近いものになるでしょう。
    まなかじ

  3. あ、書き方が良くない(ぉ
    香辛料は水から入れて煮立てます。
    まなかじ

  4. 参照しました本にありました、
    典型的な漬け汁のレシピです。

    水3パイント(約1.5L)
    粗塩1/2ポンド(225g)
    硝石1オンス(30g弱)
    砂糖3オンス(90g弱)
    ベイリーフ、タイム・クローブ
    ・粒コショウ・ネズの実・オールスパイス・ナツメグ等

    砂糖を使っているところを見ると、
    現代のレシピのように思えますがご参考までに。
    あと一般論からすると、漬け込む肉は半日〜1日、事前に塩をして冷蔵庫に保管、
    水分抜き・下拵えして置くものだと思われます。
    WR

  5. おお、小半日に間にこのような詳しい回答を貰えるとは思ってませんでした。有り難うございます。
    で、重ねてですが、そうして出来たものはどれぐらい保存が利くのでしょうか(「戦艦ポチョムキン」で見た蛆のわいたそれが瞼にちらつく)。
    また、どれくらい食えるものだったのでしょうか。士官とかも同じ物を食べていたのでしょうか、味付けを工夫する程度で?
    Yp

  6. 最初、"塩漬"で検索すれば"塩漬け"も結果に含まれるだろうと思っていたのが間違いでした。"塩漬け"で検索すると一杯ヒットしました。どうせWindows付属日本語IMEの辞書でデフォルトの順序が"塩漬け"が先になっているせいだろう。
    こんなのも当たりました。
    http://www.geocities.co.jp/MotorCity-Circuit/4010/food-file07.htm
    Yp

  7. 別に塩漬け肉愛好家という訳ではないので、
    すべて上述の本からの引用と、保存食品の一般論になりますが少しだけ。

    ■保存期間
    現在、一般家庭で作られているピクルス類が、
    低塩・酢・密閉容器・ほぼ万全の低音殺菌・冷暗所保管という条件で、
    いいとこ半年の保存期間となります。これが、帆船時代の塩漬け肉の場合、
    飽和寸前の高濃度食塩・半密閉容器(木樽)・高温多湿所保管となるので、
    『美味しく頂ける』という条件なら、良くて一年持てば御の字だと思われます。
    ただ海洋小説などの表現から見るに、
    この『美味しく頂ける』という基準は、現在と大きく異なるように思われますので、
    2年3年物の酸化・腐敗寸前の代物はざらにあったかもしれません。

    ■士官/兵用
    これは明らかに異なるものがあったようです。
    素材・製造の手間隙から来る違いの他に、士官は自弁での持ち込みが出来たので、
    樽入りのものの他に、瓶詰め・壷詰めの上に脂・蝋で密封したもの、
    塩ではなく酢漬けなどの高価な保存肉を食べることができたそうです。

    ■調理
    基本は生の腿肉を塩漬けしたものを、
    海水で塩抜きの上、ボイルもしくはシチューとしたものだった様です。
    ただ、まなかじさんが書かれている通り、極度に塩のきついものだったので、
    『茹で上がった肉は暫くすると塩を吹き、ケーキのように見えた』
    という記述があります。
    状態が良い樽、加熱処理した肉の塩漬け、酢漬け肉等は、
    スライスしてそのまま食べていたこともありました。
    WR

  8. WRさん、まなかじさん、どうも有り難うございました。大変参考になりました。
    Yp


Back