リノリウムの方が軽量で安価なため、巡洋艦や駆逐艦では木甲板が無かった（少なかった）ものと思います。
巡洋艦のうちでも、練習巡洋艦の鹿島型は、対外的な威厳を持たせるために木甲板になっています。
逆に木のメリットはといえば、耐久性ですかね。
リノリウムというと、古い学校の床とかにも使われて、割れやすいイメージを持っています。
（艦艇用のは名前が同じでも異なっているかもしれませんが）
なお、日本の戦艦でも、改装後の航空機甲板部はリノリウムです。
キック

>1.
>木のメリットはといえば、耐久性ですかね。
　リノリウム採用の長所に関しては特に言う事は在りませんが、木甲板のメリットが耐久性とするには疑問です。
　樹種さえ適当な選択をすれば、木甲板はリノリウム張りに劣る部分は全く無いのですが、唯一の欠点は補修に多大な人手とコストを要する事ではないかと思います。　＜安価と似ているが、建造後の維持・修復までを考慮

　ガーデニングなどのウッドデッキの補修の難、木甲板が毎日タンツーをする必要性などを考え直してみてはいかがでしょうか。


能登

質問に対する直接の回答でなくて申し訳ないのですが、木甲板のメリットとしては、断熱効果（直射日光にさらされた甲板の熱を艦内に伝わりにくくする）と、その上を日常的に歩く乗員の疲労軽減が挙げられていた覚えがあります。
うろ覚えですが、長門級などは艦内通路の床も板張りであったとか･･･。
つね

＞3.あと静寂性もですね。

板張りの理由について、主力艦は居住性を重んじていたためです。リノリウムやラテックス張りについては、上記回答のような効果を得るための代替品です。
また、木材の場合は貴重であるとともに、とっても重いんです。平均的な厚さは空母の飛行甲板で45ミリ、戦艦の甲板で65ミリ。「大鳳」の場合は飛行甲板にも装甲を張ったために重量が増し、木の板を張ることができずにラテックス塗りとなったものです。
「信濃」等、大戦後期のものではリノリウムやラテックスゴムすら入手困難となったため、セメント張りで代用しました。しかし、これは板張りの場合よりも重量が増してしまったようです。
あと、セメント張りについては燃えないという効果もあるんですけどね。
（出典：「日本の戦艦（上巻）」「軍艦の塗装」）
きん

ご回答有難うございます。
でも、戦艦もリノリウムにすれば、コスト面でも安く上がると思うのですが
なんで、板張りなのでしょうか？単純に居住性だけのためでしょうか？
よろしければ、またお願いします
ピカ

>5
木のデッキのメリット的な面は1〜4の皆さまがご回答されている通りであり、私もそれ以上の知識は持ち合わせておりません。

ですが、「別に木でなくても」というピカさんの疑問ももっともだと思います。
で、考えてみたんですが･･･

軍艦のデッキが木だった最大の理由は「伝統だから」ではないでしょうか。
19世紀後半、木で造られ、布（帆）で動いていた軍艦が鉄製となり、蒸気推進となりました。
鉄製蒸気推進艦に対する船乗りたちの嫌悪感の強さはいろいろな本に書かれていますが、木製帆走艦時代の名残を残したい、伝統を守りたいと言う思いが、木のデッキと言う形で残ったのではないかと思います。

それが時代を経て、能登さんやきんさんが書かれたような、調達の困難さや補修の手間等の問題で小艦艇から木製デッキが消えてゆき、日本の場合はオークやマホガニーといった船舶に適した木材の調達が英米仏等に比べて特に困難であったことから巡洋艦からも木製デッキが消え、代替材料となったという事ではないでしょうか。
（戦艦「陸奥」は上記の理由でデッキに松材を使用したと記憶しています）

現代に生活する我々でも、四方八方が鉄や樹脂材料だけの環境より、木の部分があるほうが何か落ち着きますよね。
高級士官の居室に木がふんだんに使われていたのも、そのほうが落ち着いて、豪華である（に見える）という理由からでしょうし、木が伝統と格式の象徴であったのだと思います。
そして、主力艦のデッキが木であったのも、同じ理由からだと思います。

列国の海軍が、多かれ少なかれ伝統と格式を大切にする組織であったことが、木のデッキが残った最大の理由であったということです。

枚方太郎

ご回答有難うございます。
なるほど、たしかにそうですね。
ずっと疑問に思っていたことが解りました
ありがとうございました
ピカ