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866 最大速度がカタログスペックで約570km/hのP−40が531km/hの零式艦戦に追いつかれていた、とよく聞きます。それでは、最大速度600km/hのF6Fが零式艦戦五二型より速かったのは何故なのですか?あと、P−51って本当に700km/hも出ていたのですか?

  1. 最大速度は高度に左右されるのでどの高度でも速いわけではありません。(低空ではP47は隼より遅いと米軍に認識されていた例あり。)また、飛行機は特に空戦中にはまず水平飛行はしませんから浅いダイブをかけた零戦がF6Fに追いつくこともあるわけです。P51で700キロ出るのは初期のB型ぐらいで、後期のD型は装備が増えた為600キロ台半ばに落ちています。実戦では推して知るべし。


  2. 旋回すると速度が低下します、この低下量は翼面加重なんかで変わります、するとP-40と零戦が同速度で同程度の旋回をしたら減速する度合いはP-40の方が大きく、さらにそこから速度を回復させるには馬力加重なんかも効いてくるので(ちなみにP-40では高度上げると馬力出なくなりますね)結果的に最大速度より遙かに低いトコロで追い回されるハメになるのです、F6Fの場合、零戦よりどの高度でも出力余裕が有ることと巴戦に入らないコトから速度(というか加速性能)の優位を保てるのだろうと想像します、重要なのは最大速度では無くて戦闘速度領域での加速性能なんだと思う/SUDO


  3. ↑見事な解説ですね(~~) ところで最近岩本徹三氏の「零戦撃墜王」を読みました。彼の戦い方は元々高度の優位ををフルに生かした戦法ですが、F6Fなどの新型機と戦うようになってからはそれが徹底され、高位からの先制攻撃をかけた後は短時間で攻撃を切り上げて空戦域を離脱する事を強調していますね。つまり旧式機の零戦が戦うにはエネルギーの劣勢を補うために高度の優位が必要、また単純に機動を続ければF6Fより零戦の方がエネルギーの損失が大きいので長時間の機動を避けて最初のエネルギーの優位を保持したまま離脱する。


  4. ↑えーと何を言いたいのかと言うと、機動をした場合に零戦よりもF6Fの方が結果的にエネルギーの損失が少なかったのではないかという事です。つまり抗力で失う速度自体はF6Fの方が大きいとしても、それを補う余剰推力が大きいため、F6Fの方が「格闘戦」でも有利だったんじゃないかと(EOS)


  5. ↑でしょうね。まあ、レシプロの時代ではエネルギーの回復が困難なので損失を少なくする>翼面加重の低下、が重視されていたのですが、やはり総合的な運動性を問うならばエネルギー保持を観点におかねばならないのでしょうね。この思想はベトナム以降の米軍では「基本」


  6. 切れちった、続きね。米軍関係から出てる空戦関係の書籍には良く解説されてます、一番判りやすいのはエアスペリオリティのブリーフィングブックかな>既に入手不能だけど、余談ですが、この観点から見ると、キ100


  7. また、切れた、なぜ?、キ100


  8. キ100とP-51の空戦なんかも同様の働きが根底にあったのではないかと愚考します>実は速度が高いと、同旋回半径をするとGが大きくなり抗力は高くなります、一説によると、戦闘で一番小さい旋回半径を持つ機体は一番低速な機体だとか・・・/IMEの設定をちゃんとしないと駄目だな、SUDO


  9. ろ獲したP51Bとキ100の模擬空戦では実際にそのような結果がでていますね。そういえば「小さく回るだけなら複葉機が一番」という名言もありました(EOS)


  10. 便乗質問ですいません。パワーに余裕があるとありますが、全備重量からみた1キログラム当りの馬力は、ゼロ戦の方が高いと思うのですが(単位重量ベースでみるとトルクも同じ結果となると思います。)。パワー判定にあたって他に何か要因があるのでしょうか。


  11. また、便乗質問ですが、P-51Dはカタログ上最高速度は700kmを越えているはずです。前にも似た質問をしたのですが、カタログ値と実測は違うのでしょうか(piro。


  12. P51Dのカタログデータはサブタイプ(D−20とか30とか色々あるのです)でかなり違います。後期の型は最大速度は670から680くらいですね。


  13. 「カタログ値と実測値は違うのか?」ですが、同じです、カタログ値も紙上だけで終わった機体でなければ実測値です。ただし最良状態での測定で、機体の条件が量産されて戦場で戦っている状態と違う場合が多いだけです。


  14. (続き)要は、カタログ上の最大速度は、燃料最小限、武装無し、機体の隙間は全部埋めて、機体表面はツルツルに磨き上げ、無線機すら降ろす。こんな状態で直線飛行してギリギリで出した値が、その機体のカタログ上の最高速度として後生に残ります。


  15. (補足)ただし、国やメーカーによってはキチンと全備重量で測定している場合もあり測定条件が機体によってまちまちです。さらに、下にもありますが根本的に戦場では100m走みたいに旋回もせず直線で速さを競ったりはしません、だから戦場での最高速度はカタログ値だけでは単純には比較出来ないんです。(T-SATO)


  16. パワーに関してダケ回答します、加速性能は、速度によって異なるのです、最大速度とは加速能力が無くなったトコロを言います、そして、加速能力は一般に最高速度に近づくにつれ、徐々に落ちていきます。最大速度が高い飛行機は低い飛行機より加速性能が良いのです、ただし、低速領域では、加速性能を食いつぶす空気抵抗の与える影響が相対的に小さいので、出力重量比から来る潜在的加速性能の多くがそのまま現実の加速性能に直結します、よって低速では零戦優位、高速ではF6F優位といえるでしょう、もちろん、これにはエンジンの出力とか空気抵抗が高度によって大きく異なるという側面も見逃せません、中高度でF6Fは海面と変わらない出力を発生させますが、零戦では海面の8割程度しか馬力が出ないことも留意してください/SUDO


  17. ↑という事は零戦よりF6Fの方が空力的に洗練されていた、という事ですか?


  18. 空力よか、出力重量比でF6Fの方が優位でしょう、F6F-5の全備重量5779kg、零戦52型2733Kg、双方の高度6000mでの出力は2200馬力と980馬力、両者のその高度での最大速度は600と565、洗練度ならA6Mの勝ちでしょう、本当は馬力が倍有るのだから、もう少し速度差が有って良いのです>疾風の最大速度と比べれば判りますね。それほど洗練されていなくても、馬力が有れば、あの程度は飛べるってことでしょう、重要なのは、出力の優位を最大限に生かせる戦術をF6Fは数の優位で確保することによって零戦にうち勝ったってコトです/SUDO


  19. へ?、F6F−3なら(丸メカニックより)、全備重量5643kg/1550ps(6705m)の筈で、計算上は出力重量比は零戦と変わらない筈です.


  20. 2200馬力は水噴射した緊急出力での話です、米軍の緊急出力は日本の赤ブーストよりも実用的でしょうからこの数字を用いました。誉やハ140だって水噴射前提の数字ですから不公平では無いと思いますしね/SUDO


  21. 3つ下と5つ下言ってることが逆の様な気がするけど、、、どっちを信じたらいい?


  22. (ゴメン)2200馬力は常用では無く緊急最大出力の事ですね^^;、了解しました。


  23. ん?空力の洗練度なら零戦の勝ちだけど、高度出力では負けてる、よって「馬力で負けて無くてなくて、空気抵抗の大きい」低空ならば零戦優位(かもしれない)、中高度まで上がると、最大速度が高くて高度出力で大幅に優位に立つF6Fが優位、そして、数量と技量、電探や無線での優位から戦場を選べるF6Fが総合的に優位なのではないかってコト/SUDO



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