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704 カプロニ・カンピーニのエンジンジェットネタで便乗ですが、レシプロエンジンの単排気管からの排気にさらにガソリンをブチ込んで燃焼させたら、推力は上がらないでしょうか?

  1. 強烈な圧縮がなければ混合気は石油ストーブのように燃えるだけなので、ゼロではないにせよ燃料消費に見合う推力は得られないでしょう。カプロニ・カンピーニもファン後部に燃焼室を備えていましたが、最大速度は非燃焼時 330Km/h, 燃焼時 370Km/h で、燃費を差し引いて考えると全く実用性のないものでした(ささき)


  2. 「単排気管に」ということならば更に、燃料の配管やポンプや噴出機構や点火機構による重量増加のデメリットのほうが、それによって得られる推力増加よりも大きいと思います。航空機は常に重量との戦いなので、自重以下の推力しか出ない機構はただの無駄になってしまいます。「増速ロケット」が離陸時以外に多用されなかったのも、巡航時に無駄な重量物を抱えるデメリットのほうが大きかったからです(ささき)。


  3. だいいちエンジン排気には酸素が少ないですから、完全燃焼させるのが難しいでしょうね。


  4. ガソリンエンジンは高出力時に吸気中の酸素を全て燃焼に使っているので排気中に燃料を入れても燃焼しません。ジェットの場合空燃比が非常に大きいので排気中に酸素が豊富にあり,アフターバーナーを使用できます。ターボファンジェットなら半分以上が新鮮な空気なのでさらにアフターバーナーの出力が上がります。


  5. 最大出力時は混合気を過濃にするので,排気中には余った燃料がかなり含まれています。これが排気管出口で空気(酸素)に触れて排気炎になります。一計として,低高度で過給器を2速に増速して余剰空気を排気管中に吹き込む構造とすれば,未燃燃料が燃焼して推力は少し増えると思います。ただし,増加した過給器負荷による軸出力低下を埋め合わせられるかどうか,疑問ですが。



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