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スピットファイアの特徴でもある翼厚比が小さい、すなわち薄翼が、同機の 優秀性の原因の1つとして(いくつか本に)あげられてるのですが、 その薄翼のメリットは、翼が薄いために空気抵抗が小さくなるので速度が増す と、見ていいのでしょうか? またもしそうなら、同時期の日本やドイツの設計者たちは、何故それを(薄翼) しなかったのでしょうか?(設計者のミッチェルのみがその効用を知ってたのか) 大雑把な質問ですが、ご存知でしたら教えて下さい。 ニュー木場 |
かの有名なGeeBeeタイプRレーサー(1932年)も翼厚比7.6%などというシロモノだったりします。
しかし、薄翼には
・失速しやすく、揚力係数も小さい(離着陸性能や運動性に劣る)
・強度を得るために構造が複雑化したり材料が高価についたりする
・内部容積が小さくなるので降着装置だの燃料タンクだの武装だのが収まらない
といった欠点があり、なかなか採用に踏み切れなかったわけです。
Schump
胃袋3分の1
ささき
ニュー木場
http://www2s.biglobe.ne.jp/~futureAF/museum/unknown_s/unknown_s1.html
便利少尉
ことで抜群の旋回性能を得たスピットファイアは、大戦中、最もバランスの取れた
優秀な戦闘機(航続距離を除く)のようにみえます。(チョット誉めすぎか)
マルコム
ここがちょっと分からない。楕円翼にすると兵装が増えて、翼面荷重が減らせるように取れるんだが。
便利少尉
(レン・デントンの「戦闘機」によれば)
元々、スピットファイアの主翼設計が直線から成るテーパー翼だったのを、
軍から多銃装備の要求があったため、8基の機関銃を収め、かつ脚と車輪を引き込め
る十分なスペースを確保するために、楕円翼に設計変更したということです。
また、それによって主翼面積が大きくなり、結果的に翼面荷重が低くなったのは
事実だと思います。
マルコム
便利少尉
これは初耳ですね。上でSchumpさんが指摘されているとおり、スピットファイアの主翼は失速特性が悪く、パイロットがギリギリまで操縦桿を引くことができなかったため実戦での旋回性能はさほどでもなく、むしろ、失速速度になると前縁スロットが出て再度安定するBf109の方が、実戦では安心して急旋回が出来たと把握しておりました。
胃袋3分の1
旋回半径ではBf109が一番小さかったと記述された箇所がありますよ。
SADA
Bf109E3とスピットファイアMk1の比較をした場合、旋回半径がBf109が270m、
スピットファイアが212mという結果が出ています。(また、スピットファイアが
急旋回中、突如失速する特性があることも認めており、Bf109は逆に急旋回中でも
クセがなくスムーズだったそうです。)
また別に、補助燃料タンクを付けたMk.XIV型が、タンク無しのBf109GやFW190Aより
旋回性能が優ったというデータもあります。(A.プライス「戦うスピットファイア」より)
スピットファイアの旋回性能については、パイロットが経験不足で、失速と錐もみ
に入ることを恐れて十分な急旋回をしない場合を除けば、上記の旋回性能も
それなりに発揮できるのではと思います。
マルコム
国江隆夫氏の「航空機メカニカルガイド1903-1945」には、イギリス側でスピットMK.1、ハリケーンMK.1、Bf109Eを用いて旋回テスト(高度3000m、機速500km/h)を行った結果として、スピットMK.1=268.2m/7.0G、ハリケーンMK.1=243.8m/7.5G、Bf109E=228.6m/8.1Gを記録したという記述がなされていますので、やはり速度域によってはスピットの旋回性能がBf109に対して優位にあったとも言い切れなかったのではないでしょうか。
ヴェトミン
このテストに関してはイギリス軍パイロットが、Bf109の前縁スロットの効果を知らず、それが出るところまで操縦桿を引けなかったと聞いています。
胃袋3分の1
ザイドリッツ