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こんなすごいHPがあったとはとつくづく感心しています。 これも初歩の質問ですがジェットエンジンの前段に取り付いている コンプレッサーの役割はなんでしょうか。また、空気を圧縮する メカニズムですが写真などを見ているといくつかの羽が取り付け られていて羽の感覚が次第に狭くなりその間を通る空気が圧縮 されていくような気がするのですがこの理解で正しいのでしょうか? TN |
- 軸流式圧縮器ですね。あの「羽」には軸が通っていて回転します。一段一段の働きはプロペラと同じで、流入した空気を回転する羽で加速して後方に送り出すのです。ただしプロペラ(タービン)を何段にも重ねると回転方向の流速が上がりすぎてそれ以上加速できなくなるので、回転翼と回転翼の間にタービンの向きとは逆の傾きをつけた固定翼を入れて流れをストレートに戻しています。
補足すると「前から入ってきた空気が狭い通路に入って圧縮される」形式のジェットエンジンも存在し、これを「ラムジェット」エンジンと呼んでいます。欠点はエンジンが常に高速(音速以上)で前進していなければ十分な圧縮率が得られないこと。マッハ3で飛ぶ SR-71 ブラックバードのエンジンはタービン圧縮器とともに吸気口から燃焼室への通路が設けられており、高速飛行時には「通路」を開けてタービンを通さず空気を圧縮し燃焼される「ターボ・ラム・エンジン」という複合形式を採用しています。
ささき
- すごく恐縮ですが、少し補足です。
軸流式圧縮機の回転翼は動翼、固定翼は静翼とも呼びます。
動翼では、ささきさんのおっしゃる通り軸方向に流体を加速しますが
静翼の働きは流れの周方向成分をとると言うよりも流体の圧力を上昇
させることが主目的です。
つまり動翼で得られた運動エネルギーを、静翼で圧力エネルギーに変
換する(つまり気体を圧縮する)わけです。
この辺の話は「流体機械学」という教科書を探していただけると詳しく
書かれています。
コンプレッサーの役割は、圧縮せずに燃焼させても仕事を取り出せない
からです。ガスタービンはブレイトンサイクルと呼ばれる熱機関なんで
すが、そこから圧縮過程を除くと、仕事が取り出せないのが分かると思
います。これも「工業熱力学」と言う本を探してみてください。
taka
- 回答ありがとうございました。
もう少し本で勉強します。
TN
- すいません訂正です。圧縮機を用いないジェットエンジン存在しました。
V1とか梅花に使われていた「パルスジェット」の類です。これは取り入れた空気でそのまま燃焼させてます。構造は簡単ですが効率がかなり低いんで廃れていったようです。
taka