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 ▼開戦前に潜水空母が存在したなら  高村 駿明 09/4/29(水) 11:38
   ┣一歩先を行くアメリカ海軍  BUN 09/4/30(木) 10:59
   ┃  ┗Re:一歩先を行くアメリカ海軍  高村 駿明 09/4/30(木) 14:22
   ┃     ┗日本だけが特殊か?  BUN 09/5/1(金) 5:07
   ┃        ┗Re:日本だけが特殊か?  高村 駿明 09/5/1(金) 17:29
   ┃           ┗条約をめぐる考え方  BUN 09/5/2(土) 5:14
   ┃              ┗Re:条約をめぐる考え方  高村 駿明 09/5/2(土) 22:47
   ┃                 ┗Re:条約をめぐる考え方  BUN 09/5/5(火) 7:34
   ┃                    ┗Re:条約をめぐる考え方  高村 駿明 09/5/5(火) 10:10
   ┣影響は無いかと・・・  おうる 09/4/30(木) 15:28
   ┃  ┣Re:影響は無いかと・・・  SUDO 09/4/30(木) 19:30
   ┃  ┃  ┗大博打ですな  おうる 09/4/30(木) 20:32
   ┃  ┃     ┗Re:大博打ですな  SUDO 09/5/1(金) 20:43
   ┃  ┗Re:影響は無いかと・・・  高村 駿明 09/5/1(金) 0:10
   ┃     ┗Re:影響は無いかと・・・  おうる 09/5/1(金) 10:06
   ┃        ┗Re:影響は無いかと・・・  高村 駿明 09/5/1(金) 17:04
   ┃           ┗Re:影響は無いかと・・・  おうる 09/5/1(金) 19:24
   ┃              ┣Re:影響は無いかと・・・  すすむ 09/5/1(金) 23:51
   ┃              ┃  ┗失礼しました  おうる 09/5/2(土) 11:22
   ┃              ┃     ┗それもオカシイ  すすむ 09/5/2(土) 12:45
   ┃              ┃        ┗Re:それもオカシイ  おうる 09/5/3(日) 18:09
   ┃              ┗Re:影響は無いかと・・・  高村 駿明 09/5/2(土) 0:49
   ┃                 ┣Re:影響は無いかと・・・  高村 駿明 09/5/2(土) 0:50
   ┃                 ┃  ┣Re:影響は無いかと・・・  おうる 09/5/2(土) 12:34
   ┃                 ┃  ┗枝葉末葉へのレス  おうる 09/5/2(土) 14:06
   ┃                 ┃     ┣噛み合わない理由  BUN 09/5/2(土) 20:25
   ┃                 ┃     ┃  ┣Re:噛み合わない理由  高村 駿明 09/5/3(日) 0:07
   ┃                 ┃     ┃  ┗Re:噛み合わない理由  おうる 09/5/3(日) 15:36
   ┃                 ┃     ┃     ┗ことの是非は二の次では?  BUN 09/5/3(日) 19:53
   ┃                 ┃     ┗Re:枝葉末葉へのレス  高村 駿明 09/5/3(日) 0:00
   ┃                 ┃        ┗Re:枝葉末葉へのレス  おうる 09/5/3(日) 17:30
   ┃                 ┃           ┗Re:枝葉末葉へのレス  高村 駿明 09/5/3(日) 20:05
   ┃                 ┃              ┣潜水空母の存在を知らしめるか?  おうる 09/5/3(日) 20:43
   ┃                 ┃              ┃  ┣護衛空母は動けるか  BUN 09/5/3(日) 21:07
   ┃                 ┃              ┃  ┃  ┗それ以前に掃討作戦はあるのか?  おうる 09/5/4(月) 16:45
   ┃                 ┃              ┃  ┃     ┗本当のご意見はどちらですか?  BUN 09/5/4(月) 17:31
   ┃                 ┃              ┃  ┃        ┗海域によりけりでしょう  おうる 09/5/4(月) 18:33
   ┃                 ┃              ┃  ┃           ┣Re:海域によりけりでしょう  とおり 09/5/4(月) 21:05
   ┃                 ┃              ┃  ┃           ┃  ┗私が基地航空隊勢力圏内での運用に否定的な理由  おうる 09/5/5(火) 11:47
   ┃                 ┃              ┃  ┃           ┃     ┗Re:私が基地航空隊勢力圏内での運用に否定的な理由  とおり 09/5/5(火) 13:17
   ┃                 ┃              ┃  ┃           ┃        ┗艦隊は間に合うか?  おうる 09/5/5(火) 16:15
   ┃                 ┃              ┃  ┃           ┃           ┗Re:艦隊は間に合うか?  とおり 09/5/6(水) 13:31
   ┃                 ┃              ┃  ┃           ┣適切に使えば有効ということですか?  BUN 09/5/5(火) 7:13
   ┃                 ┃              ┃  ┃           ┃  ┗潜水空母に何を求めるか?  おうる 09/5/5(火) 14:02
   ┃                 ┃              ┃  ┃           ┗Re:海域によりけりでしょう  高村 駿明 09/5/5(火) 11:25
   ┃                 ┃              ┃  ┃              ┗手間をかけてまで求めるものは何なのか?  おうる 09/5/5(火) 15:56
   ┃                 ┃              ┃  ┃                 ┗Re:手間をかけてまで求めるものは何なのか?  高村 駿明 09/5/5(火) 19:24
   ┃                 ┃              ┃  ┃                    ┗話を整理し、理解してからレスしましょう  おうる 09/5/5(火) 21:27
   ┃                 ┃              ┃  ┗Re:潜水空母の存在を知らしめるか?  高村 駿明 09/5/4(月) 12:56
   ┃                 ┃              ┃     ┗潜水空母をどこで使うか?  おうる 09/5/4(月) 13:46
   ┃                 ┃              ┣ドイツ海軍との共同作戦  おうる 09/5/3(日) 21:04
   ┃                 ┃              ┃  ┗Re:ドイツ海軍との共同作戦  高村 駿明 09/5/4(月) 12:59
   ┃                 ┃              ┃     ┗Re:ドイツ海軍との共同作戦  おうる 09/5/4(月) 13:55
   ┃                 ┃              ┣搭載機  おうる 09/5/3(日) 21:39
   ┃                 ┃              ┃  ┗Re:搭載機  高村 駿明 09/5/3(日) 22:17
   ┃                 ┃              ┃     ┗細けぇこたぁいいんだよ  おうる 09/5/3(日) 22:38
   ┃                 ┃              ┃        ┣Re:細けぇこたぁいいんだよ  高村 駿明 09/5/4(月) 13:43
   ┃                 ┃              ┃        ┃  ┗Re:細けぇこたぁいいんだよ  おうる 09/5/4(月) 13:58
   ┃                 ┃              ┃        ┗別に性能はどうでも良いのでは?  SUDO 09/5/4(月) 21:35
   ┃                 ┃              ┃           ┗使用環境をどう考えるか  おうる 09/5/4(月) 23:34
   ┃                 ┃              ┃              ┗Re:使用環境をどう考えるか  SUDO 09/5/5(火) 5:23
   ┃                 ┃              ┣パナマ運河攻撃の実施  おうる 09/5/3(日) 22:07
   ┃                 ┃              ┃  ┗Re:パナマ運河攻撃の実施  高村 駿明 09/5/4(月) 13:25
   ┃                 ┃              ┃     ┗Re:パナマ運河攻撃の実施  おうる 09/5/4(月) 14:43
   ┃                 ┃              ┣パナマ運河通行不能の結果  おうる 09/5/3(日) 22:30
   ┃                 ┃              ┃  ┗Re:パナマ運河通行不能の結果  高村 駿明 09/5/4(月) 13:38
   ┃                 ┃              ┃     ┗Re:パナマ運河通行不能の結果  おうる 09/5/4(月) 15:00
   ┃                 ┃              ┣潜水空母による米豪分断  おうる 09/5/3(日) 23:07
   ┃                 ┃              ┣潜水空母によるインド洋作戦  おうる 09/5/3(日) 23:18
   ┃                 ┃              ┣ダム攻撃  おうる 09/5/4(月) 0:08
   ┃                 ┃              ┃  ┗Re:ダム攻撃  高村 駿明 09/5/4(月) 13:52
   ┃                 ┃              ┃     ┗Re:ダム攻撃  おうる 09/5/4(月) 15:23
   ┃                 ┃              ┃        ┗Re:ダム攻撃  高村 駿明 09/5/5(火) 18:07
   ┃                 ┃              ┃           ┗やっぱり別のifが必要です  おうる 09/5/5(火) 22:09
   ┃                 ┃              ┗一撃離脱の是非  おうる 09/5/4(月) 16:02
   ┃                 ┣Re:影響は無いかと・・・  tac 09/5/2(土) 2:05
   ┃                 ┃  ┗Re:影響は無いかと・・・  高村 駿明 09/5/2(土) 22:48
   ┃                 ┗パナマ運河破壊について  ど素人 09/5/2(土) 6:24
   ┃                    ┣Re:パナマ運河破壊について  高村 駿明 09/5/2(土) 22:56
   ┃                    ┗Re:パナマ運河破壊について  超音速複葉機 09/5/3(日) 8:37
   ┃                       ┣Re:パナマ運河破壊について  高村 駿明 09/5/3(日) 19:23
   ┃                       ┗Re:パナマ運河破壊について  ど素人 09/5/8(金) 17:49
   ┃                          ┗Re:パナマ運河破壊について  超音速複葉機 09/5/9(土) 0:32
   ┣別の使い方  おうる 09/4/30(木) 15:37
   ┣別の使い方その2  超音速複葉機 09/4/30(木) 23:33
   ┃  ┗Re:別の使い方その2  高村 駿明 09/5/1(金) 0:32
   ┣Re:開戦前に潜水空母が存在したなら  通りすがり 09/5/2(土) 12:48
   ┃  ┗Re:開戦前に潜水空母が存在したなら  高村 駿明 09/5/3(日) 0:03
   ┣潜水空母である理由は?  RNR 09/5/3(日) 17:42
   ┃  ┣Re:潜水空母である理由は?  高村 駿明 09/5/3(日) 19:17
   ┃  ┃  ┗Re:潜水空母である理由は?  RNR 09/5/4(月) 1:21
   ┃  ┃     ┗Re:潜水空母である理由は?  高村 駿明 09/5/4(月) 14:10
   ┃  ┃        ┗Re:潜水空母である理由は?  RNR 09/5/5(火) 9:12
   ┃  ┃           ┗Re:潜水空母である理由は?  高村 駿明 09/5/5(火) 10:46
   ┃  ┃              ┗Re:潜水空母である理由は?  RNR 09/5/5(火) 12:49
   ┃  ┃                 ┗Re:潜水空母である理由は?  高村 駿明 09/5/5(火) 20:05
   ┃  ┃                    ┗Re:潜水空母である理由は?  RNR 09/5/5(火) 21:52
   ┃  ┣補足と提言  BUN 09/5/3(日) 19:30
   ┃  ┃  ┗Re:補足と提言  RNR 09/5/4(月) 0:47
   ┃  ┗Re:潜水空母である理由は?  高村 駿明 09/5/3(日) 21:00
   ┣Re:開戦前に潜水空母が存在したなら  高村 駿明 09/5/7(木) 13:55
   ┣こんなifならありでしょうか?  へるねこ 09/5/16(土) 13:34
   ┃  ┣訂正  へるねこ 09/5/16(土) 13:37
   ┃  ┣Re:こんなifならありでしょうか?  おうる 09/5/18(月) 20:07
   ┃  ┗Re:こんなifならありでしょうか?  高村 駿明 09/5/27(水) 2:17
   ┣Re:(運用)可能性論 vs 結果論  Teru 09/6/2(火) 23:26
   ┃  ┗Re:(運用)可能性論 vs 結果論  おうる 09/6/3(水) 21:51
   ┣Re:開戦前に潜水空母が存在したなら  高村 駿明 09/6/9(火) 2:28
   ┃  ┣Re:開戦前に潜水空母が存在したなら  くさの 09/6/9(火) 7:29
   ┃  ┃  ┗Re:開戦前に潜水空母が存在したなら  高村 駿明 09/6/10(水) 19:29
   ┃  ┃     ┗Re:開戦前に潜水空母が存在したなら  おうる 09/6/10(水) 20:56
   ┃  ┃        ┗Re:開戦前に潜水空母が存在したなら  高村 駿明 09/6/13(土) 12:25
   ┃  ┃           ┗Re:開戦前に潜水空母が存在したなら  おうる 09/6/14(日) 21:21
   ┃  ┃              ┗Re:開戦前に潜水空母が存在したなら  高村 駿明 09/6/20(土) 12:50
   ┃  ┃                 ┗Re:開戦前に潜水空母が存在したなら  おうる 09/6/20(土) 21:34
   ┃  ┗開戦当初の展開は  おうる 09/6/10(水) 20:29
   ┃     ┗Re:開戦当初の展開は  高村 駿明 09/6/13(土) 12:05
   ┃        ┗Re:開戦当初の展開は  おうる 09/6/14(日) 19:25
   ┃           ┗Re:開戦当初の展開は  高村 駿明 09/6/20(土) 12:20
   ┃              ┗Re:開戦当初の展開は  おうる 09/6/21(日) 10:33
   ┣性能秘匿は?  くさの 09/6/22(月) 4:36
   ┗Re:開戦前に潜水空母が存在したなら  高村 駿明 09/6/23(火) 19:16

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 ■題名 : 開戦前に潜水空母が存在したなら
 ■名前 : 高村 駿明
 ■日付 : 09/4/29(水) 11:38
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    いつもお世話になっております。久々に議論ボードのお題を立てたいと思います。

 所謂潜水空母として知られる潜特型(伊400型)ですが、「日本の潜水艦パーフェクトガイド」によれば、開戦直前か開戦直後に、軍令部内部で「潜水艦によって米西岸および東岸の要地に対する攻撃を実施し、米艦隊を引きずり出す」という構想が、持たれていたとのことです。また、ほぼ同時期に連合艦隊司令部では「大型潜水艦を整備して、米西岸と東岸で通商破壊、および要地攻撃による攪乱攻撃を実施する」とされていました。

 日本海軍が潜水艦への航空機搭載を検討したのは、昭和2年ですから、史実より早い時期に、上記のような構想が持ち上がることがあっても、それほど不思議ではないように思います。

 そして、昭和5年のロンドン条約規定で「潜水艦は3隻に限り基準排水量2,800トンで、備砲6.1インチ以下」という特別規定がございます。
 ですから昭和5年以降に、史実の巡潜甲型改2(伊13型、基準排水量2,620トン、16.7/5.5ノット、16ノットで16,000浬、攻撃機2機搭載、53.3センチ発射管6門)程度の潜水空母3隻を建造し、それ以降も潜水空母及び、艦載機の開発に力を入れていたら、というのが今回のお題です。

 具体的には、昭和16年12月の太平洋戦争開戦時までに、伊13型相当の潜水空母3隻、伊400型相当の潜水空母15隻(合計18隻。隻数は昭和17年度の改マル5計画での予定整備数を根拠としたもの。米西岸9隻、東岸9隻の配備を想定)を保有していた場合、戦局にどのような影響があったかを話し合うものとします。
 潜水空母が増えた分、史実のどの戦力を削るかは難しいところですが、ここでは巡洋潜水艦建造枠の一部を振り替えたものとします。

 なお、私は潜水艦や艦載機にあまり詳しくありませんので、母艦や艦載機の性能をどの程度にするのが妥当なのかは、判断しかねます。が、それでは任務が想定できませんので、ここでは晴嵐の代わりに、九七艦攻程度の水上攻撃機を保有しているとします(設定や性能の妥当さに関する指摘は、むしろ歓迎致します)。

 ご多忙のところ、お手数をおかけ致しますが、ゆるゆるお付き合い頂ければ幸いです。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; .NET CLR 2.0.50727)@p59-157-176-1.sub.ne.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 一歩先を行くアメリカ海軍  ■名前 : BUN  ■日付 : 09/4/30(木) 10:59  -------------------------------------------------------------------------
   >  日本海軍が潜水艦への航空機搭載を検討したのは、昭和2年ですから、史実より早い時期に、上記のような構想が持ち上がることがあっても、それほど不思議ではないように思います。

潜水艦からの航空機運用構想は第一次世界大戦中のドイツに始まりますが、大戦中にその情報を得たアメリカ海軍は1918年には潜水艦用の飛行機を試作発注し始め、戦後のハインケル機輸入などを経て1931年までその研究を継続しています。

潜水艦からの飛行機運用は結果的に日本の御家芸のような形になってしまいましたが、構想も着手もアメリカの方が一歩早い、というのが現実です。

アメリカ海軍は戦後も潜水艦からの核爆弾搭載爆撃機の発進を研究していますから日本が潜水艦搭載攻撃機に史実より早く手をつけることが不思議ではないのなら、アメリカが同じ事をするのも不思議ではない、ということになってしまします。
どうも、あれもこれも「不思議ではない」世界を想定しないと成り立たないifのように思います。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; GTB6; SLCC1; .NET CLR 2.0.5...@cr4-162-041.seaple.icc.ne.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:一歩先を行くアメリカ海軍  ■名前 : 高村 駿明  ■日付 : 09/4/30(木) 14:22  -------------------------------------------------------------------------
    ご教授ありがとうございます。

> 潜水艦からの航空機運用構想は第一次世界大戦中のドイツに始まりますが、大戦中にその情報を得たアメリカ海軍は1918年には潜水艦用の飛行機を試作発注し始め、戦後のハインケル機輸入などを経て1931年までその研究を継続しています。
>
> 潜水艦からの飛行機運用は結果的に日本の御家芸のような形になってしまいましたが、構想も着手もアメリカの方が一歩早い、というのが現実です。

 結果的に米国では実用化されていないのは、艦型過小など、なにか理由があったのでしょうか。
 また、使用用途は日本と同じように、偵察・哨戒用なのでしょうか。

> アメリカ海軍は戦後も潜水艦からの核爆弾搭載爆撃機の発進を研究していますから日本が潜水艦搭載攻撃機に史実より早く手をつけることが不思議ではないのなら、アメリカが同じ事をするのも不思議ではない、ということになってしまします。

 純粋に疑問なのですが、米国が太平洋戦争前に潜水空母を保有したとして、どういった用途に使用するのでしょうか。日本本土や欧州であっても、現用空母で届きますから、日本のように「仮想敵国中枢(東海岸)を攻撃する方法が、ほとんどない」わけではありませんので、そこまでの切実性はないと思うのですが。

 また米国はワシントン・ロンドン条約が有効な時期は、慢性的な財政難に陥っていたと、伺っています。そして超大型潜水艦の保有枠も、1927(昭和2)年起工のナワール級潜水艦3隻で使い切っていますから、これを破棄するか、大改装しない限りは、攻撃機運用が可能な大型潜水艦を保有できないことになります。
 そこまでして政略目的にしか使いようがないであろう、攻撃機搭載潜水艦・特殊攻撃機の開発に、費用を投じるのでしょうか。 

> どうも、あれもこれも「不思議ではない」世界を想定しないと成り立たないifのように思います。

 設定については、イフの難しさを痛感しております。
 ただ、潜水艦搭載攻撃機という、史実では実戦でほとんど検証されることがなかった軍備が、時期を得れば成立するものなのか、それとも構想自体に無理があるため、費用対効果に見合わないと判断したほうがいいものなのか、その辺りの検証を行いたいという意図によるものなので、設定の不備については、ご容赦頂ければと思います。

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 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 日本だけが特殊か?  ■名前 : BUN  ■日付 : 09/5/1(金) 5:07  -------------------------------------------------------------------------
   >  純粋に疑問なのですが、米国が太平洋戦争前に潜水空母を保有したとして、どういった用途に使用するのでしょうか。日本本土や欧州であっても、現用空母で届きますから、日本のように「仮想敵国中枢(東海岸)を攻撃する方法が、ほとんどない」わけではありませんので、そこまでの切実性はないと思うのですが。

アメリカ側に必然性がないなら、日本側にもありません。
敵本土に対して空母を攻撃圏内にまで接近させることはどちらも困難なのですから。


>  また米国はワシントン・ロンドン条約が有効な時期は、慢性的な財政難に陥っていたと、伺っています。

1920年代のアメリカが財政難であれば世界の何処に財政難でない国があったでしょう。財政的に無理ができないのは日本の方です。「そこまでして政略的目的にしか使いようがないであろう」(戦略的に有効なら十分価値がありますが・・)特殊な潜水艦を建造する必要があるのか、と問い掛けられるべきは他ならぬ日本海軍ではないでしょうか。

日本海軍が財政的、技術的、戦術的困難に敢えて挑戦すると仮定するならばアメリカ潜水艦にも同様な動きがあっても「不思議はない世界」です。
史実のアメリカ潜水艦は日本海軍の巡洋潜水艦とは異なり、艦隊決戦用の補助兵力として位置づけられていますが、まるで海大型のような用法のために制限を受けつつ計画されたアメリカ潜水艦に、何か戦術的な推進力を与えてやれば日本より容易に潜水艦攻撃機を実用化することでしょう。

例えば、当時、必須と考えられ初めていた艦隊決戦時の制空権奪取の一策として敵空母の対潜哨戒圏外からの奇襲攻撃による飛行甲板の破壊といった構想がもし生まれたなら、それは研究されるだろうということです。アメリカ海軍は日本海軍の艦隊防空能力よりも対潜、対水上艦艇攻撃力を評価していますし、曲がりなりにも日本空母は隻数においてはアメリカとほぼ対等ですから、まったく非現実的とは言い切れないかもしれません。そしてロンドン条約の条文はそうした構想上の問題に折り合いをつける形で決定していますから、史実の条約が仮定の世界でも有効とは限りません。

でもアメリカ海軍はそうした潜水艦や飛行機を造らなかった。
それはなぜだろう、ということなんです。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; GTB6; SLCC1; .NET CLR 2.0.5...@cr4-162-041.seaple.icc.ne.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:日本だけが特殊か?  ■名前 : 高村 駿明  ■日付 : 09/5/1(金) 17:29  -------------------------------------------------------------------------
    仮定の話の検証にお付き合い頂き、恐縮です。

> アメリカ側に必然性がないなら、日本側にもありません。
> 敵本土に対して空母を攻撃圏内にまで接近させることはどちらも困難なのですから。

 日米どちらであれ、通常の空母では奇襲される可能性は少ないわけですが、潜水空母なら、奇襲で要地を叩かれる可能性があると思います。
 条約で戦力比に勝る米国は、正攻法で勝利できますから、そのような特殊兵器に価値を見いだすのは日本だと思っておりました。


> 1920年代のアメリカが財政難であれば世界の何処に財政難でない国があったでしょう。財政的に無理ができないのは日本の方です。「そこまでして政略的目的にしか使いようがないであろう」(戦略的に有効なら十分価値がありますが・・)特殊な潜水艦を建造する必要があるのか、と問い掛けられるべきは他ならぬ日本海軍ではないでしょうか。

 そうですね。史実でそうした動きがなかった以上、このイフについては成立の仮定レベルが厳しいものと思います。


> 日本海軍が財政的、技術的、戦術的困難に敢えて挑戦すると仮定するならばアメリカ潜水艦にも同様な動きがあっても「不思議はない世界」です。
> 史実のアメリカ潜水艦は日本海軍の巡洋潜水艦とは異なり、艦隊決戦用の補助兵力として位置づけられていますが、まるで海大型のような用法のために制限を受けつつ計画されたアメリカ潜水艦に、何か戦術的な推進力を与えてやれば日本より容易に潜水艦攻撃機を実用化することでしょう。

 米国であれば、太平洋戦争前には技術的に実現できるでしょうけど、本格的な攻撃機までも搭載可能な潜水艦がロンドン海軍軍縮条約で定められた、2,000トン制限に収まるとは思いがたいものがあります。
 またワシンシン条約締結後数年のタイミングでは、技術的に潜水空母は実現できないものと思います。多少は具体性を持つであろう、ロンドン条約締結後では、米国は2800トン枠を使い切っているという辺りに着目したのです。2,800トン枠はノワール級で使い切っていますから、ロンドン条約成立後に、日本がそのような動きに出ても、すぐには追従できないのではないかと思います。

 確かに米国のポテンシャルを考えるなら、無条約に入ってから潜水艦+攻撃機の組み合わせを実用化するかもしれませんが、

> 例えば、当時、必須と考えられ初めていた艦隊決戦時の制空権奪取の一策として敵空母の対潜哨戒圏外からの奇襲攻撃による飛行甲板の破壊といった構想がもし生まれたなら、それは研究されるだろうということです。アメリカ海軍は日本海軍の艦隊防空能力よりも対潜、対水上艦艇攻撃力を評価していますし、曲がりなりにも日本空母は隻数においてはアメリカとほぼ対等ですから、まったく非現実的とは言い切れないかもしれません。そしてロンドン条約の条文はそうした構想上の問題に折り合いをつける形で決定していますから、史実の条約が仮定の世界でも有効とは限りません。

 そうですね。日本が持てば米国も何とかして潜水空母を保有するのかもしれません。

> でもアメリカ海軍はそうした潜水艦や飛行機を造らなかった。
> それはなぜだろう、ということなんです。

 時間はかかるかもしれませんが、調べてみることにします。
 きっかけを頂き、ありがとうございました。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; .NET CLR 2.0.50727)@p59-157-176-1.sub.ne.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 条約をめぐる考え方  ■名前 : BUN  ■日付 : 09/5/2(土) 5:14  -------------------------------------------------------------------------
   >  米国であれば、太平洋戦争前には技術的に実現できるでしょうけど、本格的な攻撃機までも搭載可能な潜水艦がロンドン海軍軍縮条約で定められた、2,000トン制限に収まるとは思いがたいものがあります。
>  またワシンシン条約締結後数年のタイミングでは、技術的に潜水空母は実現できないものと思います。多少は具体性を持つであろう、ロンドン条約締結後では、米国は2800トン枠を使い切っているという辺りに着目したのです。2,800トン枠はノワール級で使い切っていますから、ロンドン条約成立後に、日本がそのような動きに出ても、すぐには追従できないのではないかと思います。

1930年の条約で2000トン制限がある、ということはこの方向での発展は無い、ということです。
もし攻撃機搭載潜水艦が実現するのであれば、その原構想は1920年代末には存在しており、1920年代から1930年代初頭までのアメリカ海軍潜水艦の航空兵装開発がより大型機の運用へと方向づけられていなければなりません。
そうであるならロンドン条約の2000トン制限は選択されなかったでしょう。
条約の規定といったものは多くの場合、そのように定まります。

もともと2000トン制限はアメリカ海軍にとっても太平洋で活動するためには最低限度のかなり厳しい条件です。潜水艦に攻撃的用法を期待するのであれば最低3000トン程度であるべきものです。Uボート等に惑わされてしまうとそうは思えなくなってしまいますが、そうした点から見れば化け物扱いされる潜特などはまったく合理的な規模を持っている訳です。

しかも戦間期のアメリカ海軍内で主張されていた潜水艦の長所とは「同じ任務を与えられた水上艦艇よりも安価(!?)」というものですから、軍縮時代であっても大型潜水艦建造による水上艦艇の縮小、といった動きはそれなりに現実的な仮定です。

ロンドン条約の潜水艦制限条項が3000トンまたはそれ以上の規模の建造を許し、その代わり、他の補助艦艇同様の比率での制限が行われる可能性は十分にありましたし、艦の規模が確保されるのであれば、航空兵装の充実が「技術的に実現できない」ということもありません。もし射出機が間に合わなくともアメリカ海軍が駆逐艦などで実施していたように水上滑走させれば良いだけの話です。

こうして考えた場合、アメリカ海軍が日本海軍に追従できるか、といったことではなく、アメリカ海軍が潜水艦の航空兵装充実に走らない限り、日本海軍の構想は実現できず、ましてアメリカ海軍が日本海軍に追従することはあり得ないと推察します。追従するのは日本海軍の方なのです。
という訳で日本海軍が1930年代に攻撃機搭載潜水艦といった発想を実現するためにはアメリカ海軍の先行が必須の条件になるはずです。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; GTB6; SLCC1; .NET CLR 2.0.5...@cr4-162-042.seaple.icc.ne.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:条約をめぐる考え方  ■名前 : 高村 駿明  ■日付 : 09/5/2(土) 22:47  -------------------------------------------------------------------------
    ご教授ありがとうございます。
 流れがようやくわかって参りました。

> もともと2000トン制限はアメリカ海軍にとっても太平洋で活動するためには最低限度のかなり厳しい条件です。潜水艦に攻撃的用法を期待するのであれば最低3000トン程度であるべきものです。Uボート等に惑わされてしまうとそうは思えなくなってしまいますが、そうした点から見れば化け物扱いされる潜特などはまったく合理的な規模を持っている訳です。

 なるほど、本来はシュルクーフやナワール級のようなものを持ちたかったということですね。

> しかも戦間期のアメリカ海軍内で主張されていた潜水艦の長所とは「同じ任務を与えられた水上艦艇よりも安価(!?)」というものですから、軍縮時代であっても大型潜水艦建造による水上艦艇の縮小、といった動きはそれなりに現実的な仮定です。

 トン辺りの建造費を考えると、驚きの主張ですが、攻撃の成功率とかも含みで考えたのかもしれませんね。

> ロンドン条約の潜水艦制限条項が3000トンまたはそれ以上の規模の建造を許し、その代わり、他の補助艦艇同様の比率での制限が行われる可能性は十分にありましたし、艦の規模が確保されるのであれば、航空兵装の充実が「技術的に実現できない」ということもありません。もし射出機が間に合わなくともアメリカ海軍が駆逐艦などで実施していたように水上滑走させれば良いだけの話です。

 なるほど。その辺りを踏まえたほうが、より説得力のある話ができそうですが、イフにイフを重ねることでしか成立しないという自体が、難しいですね。

> こうして考えた場合、アメリカ海軍が日本海軍に追従できるか、といったことではなく、アメリカ海軍が潜水艦の航空兵装充実に走らない限り、日本海軍の構想は実現できず、ましてアメリカ海軍が日本海軍に追従することはあり得ないと推察します。追従するのは日本海軍の方なのです。
> という訳で日本海軍が1930年代に攻撃機搭載潜水艦といった発想を実現するためにはアメリカ海軍の先行が必須の条件になるはずです。

 つまり、米国側に必要性を持たせられるなら、実現性も生まれるという話なのでしょうね。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; .NET CLR 2.0.50727)@p59-157-176-1.sub.ne.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:条約をめぐる考え方  ■名前 : BUN  ■日付 : 09/5/5(火) 7:34  -------------------------------------------------------------------------
   >  つまり、米国側に必要性を持たせられるなら、実現性も生まれるという話なのでしょうね。

開戦時に日本海軍が潜水空母群を保有しているなら、アメリカ海軍の潜水空母はそれを上回る戦力で存在していなければ不自然だ、というお話です。このifを実現するための背景を考えるなら、高村さんの指摘されている軍縮条約による制限や、日米の海軍軍備増強の経緯からそう考えるしかない・・ということなんです。

そうすると脅威を受けるのはむしろ日本かもしれませんね。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; GTB6; SLCC1; .NET CLR 2.0.5...@cr4-172-251.seaple.icc.ne.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:条約をめぐる考え方  ■名前 : 高村 駿明  ■日付 : 09/5/5(火) 10:10  -------------------------------------------------------------------------
   > 開戦時に日本海軍が潜水空母群を保有しているなら、アメリカ海軍の潜水空母はそれを上回る戦力で存在していなければ不自然だ、というお話です。このifを実現するための背景を考えるなら、高村さんの指摘されている軍縮条約による制限や、日米の海軍軍備増強の経緯からそう考えるしかない・・ということなんです。
>
> そうすると脅威を受けるのはむしろ日本かもしれませんね。

 ご教授ありがとうございます。
 日本が米国の「潜水空母」に対抗し、「潜水空母」を保有するのであれば、本来は米国がどの程度の規模で、どんな戦力のものを有しているのか、という辺りも検証することになるのでしょうね。そのイフはさすがに、私の手には余りますが。

 ただ、米国が潜水空母を有しているのであれば、米本土を日本潜水空母が襲ったなら、ドーリットル空襲などを行わずとも、皇居爆撃などの報復攻撃は行われるということになりますね。ダムが小規模であっても、八十番程度では破壊不能なのかは、私にもわかりませんけど、このような攻撃も行われるかもしれません。

 もとより、条約で認められた大型潜水艦枠を、日本が活かすとしたら、巡洋艦搭載水上機にすら、攻撃能力を求めるのが日本海軍ですから、(史実の機密程度からして偵察用などと偽っての)「潜水空母」の早期実現もあるのではないか。

 また早期に潜水空母が存在するのであれば、その改良・拡大版も重視されるのではないか、という辺りが本スレの立脚点ですが、「条約なんて都合悪ければ変えるし力関係で決まる」というのも真理ですから、途中、どんな流れがあったとしても、米国が「潜水空母」を保有することになるのかもしれません。

 ただ、本スレでは、米国潜水空母保有まで考えると話がややこしくなるので、米国側が日本2800トン型潜水艦を「大型偵察巡洋潜水艦」と解釈し、後継艦の機密保持にも成功したという辺りで、米側にはあまり変化なし、で解釈したほうがいいのかもしれません。

 というか、説得力ある米国側潜水空母の配備数や搭載機性能などの話を、私ができそうにないので、そうした議論に参加できなくて申し訳ないということなので、皆様がそうした話をされることは、全く問題はないのですが。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; .NET CLR 2.0.50727)@p59-157-176-1.sub.ne.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 影響は無いかと・・・  ■名前 : おうる  ■日付 : 09/4/30(木) 15:28  -------------------------------------------------------------------------
    日本から遠すぎるので一撃離脱したら帰ってくる・・・というのでもない限り、ドイツかイタリアにでも支援を受けなければ東海岸での継続的な作戦は実行不可能です。
 1941年末から早々と作戦開始・・・となると対米開戦準備の秘匿が守れない可能性があるため、欧州同盟国に支援を求める等の準備作業はできないと思います。

 1942年1月からはドイツ海軍が早くもパウケンシュラーク作戦を開始しています。
 この後、対潜哨戒網が急速に整備されていきますから、巨大でうるさい日本の潜水空母が好き勝手に動き回ることは難しく、単独での継続的作戦実施は不可能でしょう。
 ドイツ海軍との共同作戦となると、ただでさえ準備に手間が掛かる上、ドイツのUボートからすれば足手まといにしかなりそうもない日本の潜水艦に支援の手が差し伸べられるかどうか怪しいものがあります。
 仮に支援が得られたとしても、燃料や食料・水はともかく、魚雷や消耗部品の補給の目処が全く立たないので、やはり継続的な作戦は不可能だと思います。

 西海岸では実際に作戦が実施されましたが、あくまでも政治的効果を狙った作戦であり、直接的な軍事的戦果を狙ったものではありません。
 1941年12月の攻撃は「クリスマスの前後に市民に被害が出ると過度に刺激してしまう」として中止されていますし、西海岸に展開した戦力が史実より強化されたとしても同様の作戦にとどまると思います。
 16隻全てを投入して作戦を実施したとしても、一度の作戦に投入できる機体は32〜45機に過ぎず、真珠湾のように完全な奇襲が成功したとしても大きな戦果は期待できません。
 護衛戦闘機はありませんから奇襲が成功せねば、即失敗・・・大損害となり、最悪一度の攻撃で作戦中断ということもあり得ます。
 また、陸上の設備はどれだけ大戦果を上げたとしても、被害の復旧には3ヶ月もかかりません(ダムでも破壊すれば話は別でしょうけど)。小さい戦果では作戦の意味がありませんし、一度の攻撃で大戦果を上げればそれだけ早く警戒レベルが跳ね上がるでしょう。
 どの道、1942年中には対潜哨戒網が整備されて作戦継続が困難になると思いますが、多少の戦力の増減くらいでは戦争の経過に影響を及ぼすほどの効果は期待できないと思います。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@FL1-119-241-157-28.tcg.mesh.ad.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:影響は無いかと・・・  ■名前 : SUDO  ■日付 : 09/4/30(木) 19:30  -------------------------------------------------------------------------
    いっそフーバーダムでも狙いますかね……

<Opera/9.64 (Windows NT 5.0; U; ja) Presto/2.1.1@221x116x237x197.ap221.ftth.ucom.ne.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 大博打ですな  ■名前 : おうる  ■日付 : 09/4/30(木) 20:32  -------------------------------------------------------------------------
    効果は絶大でしょうけど・・・海から400kmぐらい内陸ですよね?

 九七艦攻なら可能でしょうけど下駄履き攻撃機で八十番や魚雷を積んだら作戦行動半径ギリギリ・・・米本土の哨戒圏どころか陸地が見えそうな沿岸に母艦が浮上しなければならないような羽目になるのでは?

 当時の日本機がダムを攻撃しようとすれば、八十番で下流側から緩降下爆撃か上流からダムに向かって雷撃すると思いますが、どちらが妥当でしょうかね?

 そういえば・・・たしか「エアウルフ」だったと思いますが・・・テロリストが遊覧飛行を装ったB-25に魚雷を積んでダム攻撃を目論む話がありました(無論、その話では主人公達によってB-25が撃破されて終わり)。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@FL1-119-241-157-28.tcg.mesh.ad.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:大博打ですな  ■名前 : SUDO  ■日付 : 09/5/1(金) 20:43  -------------------------------------------------------------------------
   >  九七艦攻なら可能でしょうけど下駄履き攻撃機で八十番や魚雷を積んだら作戦行動半径ギリギリ・・・米本土の哨戒圏どころか陸地が見えそうな沿岸に母艦が浮上しなければならないような羽目になるのでは?

 本番はフロート無し、帰還時は母艦周囲に不時着して乗員だけ回収とすれば可能かと。この場合の回収母艦は、発進母艦と同一である必要は無いですから、回収役の潜水艦ないし第三国船等に擬装した商船等を展開させるのもありかと。
 難点としてはハイボール等の特殊な機材を持ち込まないとダムを壊すのは難しそうだということと(朝鮮戦争でスカイレーダーが魚雷によるダム破壊に失敗してるそうですし)開戦劈頭の奇襲であったとしても、相応に防備はあるはずですから(内陸まで行く間にも察知や妨害はあるでしょう)機材の質と量の問題が解消できないかと。

<Opera/9.64 (Windows NT 5.0; U; ja) Presto/2.1.1@221x116x237x197.ap221.ftth.ucom.ne.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:影響は無いかと・・・  ■名前 : 高村 駿明  ■日付 : 09/5/1(金) 0:10  -------------------------------------------------------------------------
    ご教授ありがとうございます。

>  日本から遠すぎるので一撃離脱したら帰ってくる・・・というのでもない限り、ドイツかイタリアにでも支援を受けなければ東海岸での継続的な作戦は実行不可能です。
>  1941年末から早々と作戦開始・・・となると対米開戦準備の秘匿が守れない可能性があるため、欧州同盟国に支援を求める等の準備作業はできないと思います。

 史実の構想自体が、継続的作戦ではなく、むしろ戦略的奇襲を目的としたものだと思いますので、一撃離脱になるかと思います。
 そもそも、大西洋では燃料はともかく、魚雷や爆弾の補充はできませんから。

>  1942年1月からはドイツ海軍が早くもパウケンシュラーク作戦を開始しています。
>  この後、対潜哨戒網が急速に整備されていきますから、巨大でうるさい日本の潜水空母が好き勝手に動き回ることは難しく、単独での継続的作戦実施は不可能でしょう。
>  ドイツ海軍との共同作戦となると、ただでさえ準備に手間が掛かる上、ドイツのUボートからすれば足手まといにしかなりそうもない日本の潜水艦に支援の手が差し伸べられるかどうか怪しいものがあります。
>  仮に支援が得られたとしても、燃料や食料・水はともかく、魚雷や消耗部品の補給の目処が全く立たないので、やはり継続的な作戦は不可能だと思います。

 上記の通り潜水空母自体が、継続的作戦に耐えうるものだとは考えておりません。あくまで戦略的奇襲を目的とし、存在することで対応リソースを食わせるための兵器だと思います。

>  西海岸では実際に作戦が実施されましたが、あくまでも政治的効果を狙った作戦であり、直接的な軍事的戦果を狙ったものではありません。
>  1941年12月の攻撃は「クリスマスの前後に市民に被害が出ると過度に刺激してしまう」として中止されていますし、西海岸に展開した戦力が史実より強化されたとしても同様の作戦にとどまると思います。

 例えば、昭和16〜17年にパナマ運河奇襲を行う、などは可能だと思います。
 破壊のタイミングによっては、ミッドウェーやガダルカナル戦などにかなりの影響を与えられるように思います。

>  16隻全てを投入して作戦を実施したとしても、一度の作戦に投入できる機体は32〜45機に過ぎず、真珠湾のように完全な奇襲が成功したとしても大きな戦果は期待できません。

 元より「東海岸であっても聖域ではない」ことに意義があると思います。
 現実の戦果はともかく、例えばホワイトハウスを一度でも爆撃したのであれば、どこを奇襲するかわからない、潜水空母に対応するために、ある程度の対応兵力を米本土に貼り付けておく必要が生じるのではないかと思います。
 東海岸に日の丸の攻撃機が出現するなら、世界中のどこでも攻撃できるという意味で(当然、そのように宣伝するでしょう)、その潜在的脅威効果はポケット戦艦やティルピッツの比ではないと思うのですが。
 日本の潜水艦がうるさいとか、そういうことは、捕捉してみないとわからないわけですから、脅威と見なす他はないのではないでしょうか。
 
 また、伊400型は搭載機2機であれば、4分で発艦作業を終えられるとのことで(本件の潜水空母の性能にもよりますが)、搭載機回収を前提としない(捕虜になっても構わないという)作戦であれば、奇襲可能な場合もあるように思います。

>  護衛戦闘機はありませんから奇襲が成功せねば、即失敗・・・大損害となり、最悪一度の攻撃で作戦中断ということもあり得ます。
>  また、陸上の設備はどれだけ大戦果を上げたとしても、被害の復旧には3ヶ月もかかりません(ダムでも破壊すれば話は別でしょうけど)。小さい戦果では作戦の意味がありませんし、一度の攻撃で大戦果を上げればそれだけ早く警戒レベルが跳ね上がるでしょう。

 叩くなら、ダムか、運河か、ロッキー山脈の火災狙いか、ホワイトハウスだと思っていたのですが。元より、スレ当初に書いた通り軍事的効果ではなく、「米艦隊を誘致する」などの、戦略的効果を狙った戦力だと思う次第です。

>  どの道、1942年中には対潜哨戒網が整備されて作戦継続が困難になると思いますが、多少の戦力の増減くらいでは戦争の経過に影響を及ぼすほどの効果は期待できないと思います。

 どの程度、米本土やその周辺に兵力を拘束できるか、またパナマ運河やダムなどの要衝を破壊できるか、など次第では、戦争の経過に影響を及ぼす程度の(結果に影響するとは思いませんけど)効果は期待できるのではないかと思う次第です。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; .NET CLR 2.0.50727)@p59-157-176-1.sub.ne.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:影響は無いかと・・・  ■名前 : おうる  ■日付 : 09/5/1(金) 10:06  -------------------------------------------------------------------------
   >  例えば、昭和16〜17年にパナマ運河奇襲を行う、などは可能だと思います。
>  破壊のタイミングによっては、ミッドウェーやガダルカナル戦などにかなりの影響を与えられるように思います。

 パナマが破壊されたとしても復旧には期待されるほどの時間は必要としません。
 パナマを通行不能にしようとすれば、連日、爆撃を継続したり機雷を敷設したりしなければなりませんが、船舶の航行を断念させるほどの機雷を敷設するには戦力が足りませんし、史実の(ささやかな)西海岸爆撃もわずかな期間で警戒レベルが跳ね上がってしまい、計画よりも早く攻撃継続断念に追い込まれていますから連日爆撃を継続することも出来ません。

 仮にパナマ運河完全破壊に成功したとして・・・・南米1周、豪華客船で主要な港に一泊ずつしながらのんびり巡り、おまけにアマゾン川を遡って遊覧クルーズしても2ヶ月程度です。
 鈍足の商船でも不必要な寄港をせずに航行すればもっと短い期間で一周できます。
 東海岸から西海岸への船舶輸送に限定したとして、約1ヶ月の遅滞が期待できるかもしれませんが、米軍の太平洋における作戦実施への影響はもっと少ないでしょう。
 ガダルカナル戦の展開は史実と異なるものにはなるでしょうが、戦局の流れにまで影響が出るほどの効果は無いと思います。


>  元より「東海岸であっても聖域ではない」ことに意義があると思います。
>  現実の戦果はともかく、例えばホワイトハウスを一度でも爆撃したのであれば、どこを奇襲するかわからない、潜水空母に対応するために、ある程度の対応兵力を米本土に貼り付けておく必要が生じるのではないかと思います。
>  東海岸に日の丸の攻撃機が出現するなら、世界中のどこでも攻撃できるという意味で(当然、そのように宣伝するでしょう)、その潜在的脅威効果はポケット戦艦やティルピッツの比ではないと思うのですが。
>  日本の潜水艦がうるさいとか、そういうことは、捕捉してみないとわからないわけですから、脅威と見なす他はないのではないでしょうか。

 先述しましたが、1941年1月にはパウケンシュラーク作戦が開始され、ドイツのUボートが米東海岸で猛威を振るいます。
 日本がわざわざ潜水艦に地球を一周させてまでチョッカイ出さなくても、米海軍は東海岸の対潜哨戒網の整備に力を注がねばなりません。
 また、ドイツ空軍はご丁寧に長距離攻撃機を使って大西洋航路を荒らしてくれてますから、わざわざ下駄履き単発攻撃機を投入しなくても米英海軍は対潜哨戒と同様に対空警戒にも力を注がねばならなくなっています。
 ポケット戦艦をはじめ少なからぬ通商破壊艦も急速に展開しますから、水上戦力も同様に大西洋に拘束されます。
 そこへ日本が出張ったからといって、米英の対応に何らかの影響があるわけではありません。
 一度に数十機もの艦上機が出現した・・・というのであれば、空母が遊弋していることになりますから米英海軍も空母機動部隊を投入しなければならなくなるかもしれませんが、わずか数機の水上機であれば仮装巡洋艦でも運用しうるものですから史実から大きく変わるような戦力配備を強要することは出来ないでしょう。

 
>  また、伊400型は搭載機2機であれば、4分で発艦作業を終えられるとのことで(本件の潜水空母の性能にもよりますが)、搭載機回収を前提としない(捕虜になっても構わないという)作戦であれば、奇襲可能な場合もあるように思います。

 伊400が短時間で発艦作業を出来たのは、搭載機が潜水艦での運用を前提に開発された液冷エンジン機であり、艦内で電気を使ってエンジンを予熱できたからです。
 電気で予熱できなければ、母艦は浮上して搭載機を一度甲板上に出して暖機運転させねばなりませんから、短時間での発艦は難しくなります。
 母艦から短時間で発艦できたとしても、当時既にレーダーが実用化されていますから、警戒の厳しい要地を奇襲することはほぼ不可能だと思います。


>  叩くなら、ダムか、運河か、ロッキー山脈の火災狙いか、ホワイトハウスだと思っていたのですが。元より、スレ当初に書いた通り軍事的効果ではなく、「米艦隊を誘致する」などの、戦略的効果を狙った戦力だと思う次第です。

 「クリスマス前後に市民に被害が出れば過度に刺激してしまう」という理由で1941年12月の潜水艦による西海岸攻撃を見送った日本軍が、確実に一般市民に甚大な被害が生じるであろうダム攻撃に踏み切るとは思えません。
 短期決戦への希望を抱いている(つまり戦争にかすかな勝算を見出している)時点ではあり得ませんし、踏み切るとすれば短期決戦による勝利の希望が失われてから(つまり、どうがんばって覆せないような戦局に陥ってから)でしょうから、結局戦局に寄与するところ皆無ではないでしょうか?


>  どの程度、米本土やその周辺に兵力を拘束できるか、またパナマ運河やダムなどの要衝を破壊できるか、など次第では、戦争の経過に影響を及ぼす程度の(結果に影響するとは思いませんけど)効果は期待できるのではないかと思う次第です。

 ダム破壊は前述の理由からあり得ないor意味が無いと思います。

 個人的にはドゥーリットル爆撃の後で潜水空母機で爆撃を実施し「わが日本軍はシャングリラを占領し、そこから米本土の爆撃を成功させた」と宣伝するような余裕とユーモアが日本軍にあればとは思いますが。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@FL1-119-241-157-28.tcg.mesh.ad.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:影響は無いかと・・・  ■名前 : 高村 駿明  ■日付 : 09/5/1(金) 17:04  -------------------------------------------------------------------------
   >  パナマが破壊されたとしても復旧には期待されるほどの時間は必要としません。

 パナマ運河は太平洋と大西洋の海面高さが違う部分について、3つの閘門で管理していると伺っておりますが、これを爆撃や魚雷で破壊した場合、水位が大幅に変化することで、施設が破損することはないのでしょうか。

>  パナマを通行不能にしようとすれば、連日、爆撃を継続したり機雷を敷設したりしなければなりませんが、船舶の航行を断念させるほどの機雷を敷設するには戦力が足りませんし、史実の(ささやかな)西海岸爆撃もわずかな期間で警戒レベルが跳ね上がってしまい、計画よりも早く攻撃継続断念に追い込まれていますから連日爆撃を継続することも出来ません。

 上記の前提に立ちますので、連日爆撃する必要は全くないものと思います。
 史実でも、そのような継続的攻撃計画ではなかったと記憶しておりますが(特攻機の体当たり攻撃で閘門破壊だったような)。
 で、警戒レベルが跳ね上がるなら、それは戦力なり人員を「いるかどうかもわからない潜水艦への対応」で、その地域に釘付けにできるということですから、大変有意義だと思うのですが。

>  仮にパナマ運河完全破壊に成功したとして・・・・南米1周、豪華客船で主要な港に一泊ずつしながらのんびり巡り、おまけにアマゾン川を遡って遊覧クルーズしても2ヶ月程度です。
>  鈍足の商船でも不必要な寄港をせずに航行すればもっと短い期間で一周できます。
>  東海岸から西海岸への船舶輸送に限定したとして、約1ヶ月の遅滞が期待できるかもしれませんが、米軍の太平洋における作戦実施への影響はもっと少ないでしょう。
>  ガダルカナル戦の展開は史実と異なるものにはなるでしょうが、戦局の流れにまで影響が出るほどの効果は無いと思います。

 補給線が伸びますから、それだけUボートなどの標的にされる可能性も高まるのではないかと思います。また、1942年の米側が、充分な物資を保持していたとも思えません。戦力展開が遅れることは、ガ島戦のようなほぼ互角の状況であればじわじわ効いてくるように思えます。

>  先述しましたが、1941年1月にはパウケンシュラーク作戦が開始され、ドイツのUボートが米東海岸で猛威を振るいます。
>  日本がわざわざ潜水艦に地球を一周させてまでチョッカイ出さなくても、米海軍は東海岸の対潜哨戒網の整備に力を注がねばなりません。
>  また、ドイツ空軍はご丁寧に長距離攻撃機を使って大西洋航路を荒らしてくれてますから、わざわざ下駄履き単発攻撃機を投入しなくても米英海軍は対潜哨戒と同様に対空警戒にも力を注がねばならなくなっています。
>  ポケット戦艦をはじめ少なからぬ通商破壊艦も急速に展開しますから、水上戦力も同様に大西洋に拘束されます。
>  そこへ日本が出張ったからといって、米英の対応に何らかの影響があるわけではありません。
>  一度に数十機もの艦上機が出現した・・・というのであれば、空母が遊弋していることになりますから米英海軍も空母機動部隊を投入しなければならなくなるかもしれませんが、わずか数機の水上機であれば仮装巡洋艦でも運用しうるものですから史実から大きく変わるような戦力配備を強要することは出来ないでしょう。

 ドイツ空軍機は米本土まで届きませんし、東海岸を空爆できる戦力の存在自体が、ある程度の戦力拘置効果を、発揮し続けるのではないかと申し上げているのですが。

 たかが戦艦ティルピッツ1隻であれほどの戦力拘置効果があるのですから、所在も確認できない上に、政略的テロを行い得る潜水空母に効果がないとは思えません。
 私は純軍事的に有効というような主張をしたことはありません(純軍事的に言えば、おうる様の言われる通り大した脅威ではありません。でも、ここでは新聞映えする戦果を挙げうる可能性があることが大切なのではないかと)。
 
> >  また、伊400型は搭載機2機であれば、4分で発艦作業を終えられるとのことで(本件の潜水空母の性能にもよりますが)、搭載機回収を前提としない(捕虜になっても構わないという)作戦であれば、奇襲可能な場合もあるように思います。
>
>  伊400が短時間で発艦作業を出来たのは、搭載機が潜水艦での運用を前提に開発された液冷エンジン機であり、艦内で電気を使ってエンジンを予熱できたからです。
>  電気で予熱できなければ、母艦は浮上して搭載機を一度甲板上に出して暖機運転させねばなりませんから、短時間での発艦は難しくなります。

 液冷エンジンは晴嵐に合わせて開発されたわけではなく、七試艦攻や九四式水偵などで水冷エンジン搭載機は存在します。それが必要なら、輸入するか開発したように思います(性能的に水上機と艦上機の性能差がそこまであるように見えないため、潜水艦攻撃機は九七艦攻程度ではないか、と申し上げましたけど、九七艦攻そのものと申し上げているわけではありません)。
 例えばHe112、He118を導入しようと実機購入しましたが、あれも液冷機ですよね。

>  母艦から短時間で発艦できたとしても、当時既にレーダーが実用化されていますから、警戒の厳しい要地を奇襲することはほぼ不可能だと思います。

 それが絶対ではないから、真珠湾攻撃が成功したわけですよね。
 潜水空母の性能も不明の段階で、真珠湾攻撃を許した米側が「日本機の本土攻撃はほぼ不可能」などと確信できるとも思えません(米軍でも日本機の性能推算は結構間違っていますし)。

>  「クリスマス前後に市民に被害が出れば過度に刺激してしまう」という理由で1941年12月の潜水艦による西海岸攻撃を見送った日本軍が、確実に一般市民に甚大な被害が生じるであろうダム攻撃に踏み切るとは思えません。

 それは日本軍の視点ですよね。
 潜水空母がある時点で「そういうテロ攻撃もあるかもしれない」と思わせることができるのですから、実際にダム攻撃を行うかとは、全く別次元の話なのですが。
 米国は日本に対して「野蛮人」と思っているという向きもあります。ですから、終戦前に世論調査で「日本人の絶滅を支持する」に、相応の支持が集まったりしています。一般民衆は軍事技術などわかりませんから、潜水空母艦載機に東海岸を攻撃されたりするなら、「野蛮人のテロ」に恐怖を抱くと思います。

>  短期決戦への希望を抱いている(つまり戦争にかすかな勝算を見出している)時点ではあり得ませんし、踏み切るとすれば短期決戦による勝利の希望が失われてから(つまり、どうがんばって覆せないような戦局に陥ってから)でしょうから、結局戦局に寄与するところ皆無ではないでしょうか?

 短期決戦指向の時点であろうと、戦局が絶望的であろうと、正面戦力の一部を拘置できるなら有効でしょうし、都市への無差別爆撃や核兵器の使用に対する、報復手段を有しているか否かは、米側の姿勢にも影響するように思います。
 戦争の結果は変わらないと前置きしておりますが、とはいえ昭和19年でも20年でも、ダムを雷撃破壊して、犠牲者多数というような自体となれば、戦力配置に影響するとは思っております。

>  個人的にはドゥーリットル爆撃の後で潜水空母機で爆撃を実施し「わが日本軍はシャングリラを占領し、そこから米本土の爆撃を成功させた」と宣伝するような余裕とユーモアが日本軍にあればとは思いますが。

 そこは同意します。東京ローズがおもしろおかしく喋ってくれると、後世の語りぐさになりそうですね。

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 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:影響は無いかと・・・  ■名前 : おうる  ■日付 : 09/5/1(金) 19:24  -------------------------------------------------------------------------
   >  パナマ運河は太平洋と大西洋の海面高さが違う部分について、3つの閘門で管理していると伺っておりますが、これを爆撃や魚雷で破壊した場合、水位が大幅に変化することで、施設が破損することはないのでしょうか。

 ダムではありませんから、ダムを破壊したときのような自壊の波及効果を期待するのは難しいと思います。
 閘門は必ず2枚一組になっていますし、爆弾1発で破壊できるのはせいぜい閘門の扉1枚でしょう。
 2枚とも破壊したとしても基礎ごと破壊できるわけではありませんから復旧作業が始まってしまえば極短期間で復旧できてしまいます。


>  史実でも、そのような継続的攻撃計画ではなかったと記憶しておりますが(特攻機の体当たり攻撃で閘門破壊だったような)。
>  で、警戒レベルが跳ね上がるなら、それは戦力なり人員を「いるかどうかもわからない潜水艦への対応」で、その地域に釘付けにできるということですから、大変有意義だと思うのですが。

 当面は陸上航空戦力の展開だけで、少数の下駄履き攻撃機による奇襲には対処できます。
 空母機動部隊や有力な水上打撃部隊が展開しているわけではありませんから、拘束できる戦力は沿岸防備に必要な小艦艇のみにとどまるでしょう。
 史実の攻撃計画は破れかぶれ的な作戦であり、成功したとしても戦局に寄与するようなものではありません。
 当の日本軍自身からしてパナマ攻撃成功の成果から更なる展開を構想していたわけではないでしょう。
 1941〜1942年の段階でそのような展望の無い作戦を実施し、貴重な潜水空母を投入することに何らかの意義を見出すとは考えにくいものがありますし、戦争中期以降であればパナマを完全破壊したとしても戦局への影響など生じよう筈もありません。


>  補給線が伸びますから、それだけUボートなどの標的にされる可能性も高まるのではないかと思います。また、1942年の米側が、充分な物資を保持していたとも思えません。戦力展開が遅れることは、ガ島戦のようなほぼ互角の状況であればじわじわ効いてくるように思えます。

 物資の補給の手間がガ島の攻防に影響を及ぼすほど膨大なものになるとは思えません。
 ルートが変わることで、変更後のルートを物資が流れるようになるまでは物資の輸送に遅滞が生じますが、一度新ルートでの物流が軌道に乗ってしまえばあとは史実と大差ない兵站システムが機能することになります。
 おそらく新ルートでの物流が軌道に乗った頃にパナマの復旧が終えるか、目処が立つかするでしょう。
 パウケンシュラーク作戦もUボートの航続能力の限界を超えて実施されており、その作戦範囲はフロリダ沖まででとどまっています。つまり、パナマを通ろうが南米を回ろうが米商船が晒されるUボートの脅威に差異は生じません。
 大陸横断鉄道もあれば西海岸の港湾もありますから、太平洋の戦局に対する効果は一時的なものにとどまると思います。
 1942年の段階でパナマ運河の中に空母を閉じ込めることに成功するとかすれば、少しは話が違ってくるでしょうけど・・・そういうタイミングを狙えるとは思えませんし、そういう重要な時期では米軍の警戒レベルも高まるでしょうから、そうした効果が期待できると考えるのは都合が良すぎるというものでしょう。


>  ドイツ空軍機は米本土まで届きませんし、東海岸を空爆できる戦力の存在自体が、ある程度の戦力拘置効果を、発揮し続けるのではないかと申し上げているのですが。
>
>  たかが戦艦ティルピッツ1隻であれほどの戦力拘置効果があるのですから、所在も確認できない上に、政略的テロを行い得る潜水空母に効果がないとは思えません。

 大西洋には既に有力な潜水艦部隊と巡洋艦以上の強力な艦でなければ対応できないようなポケット戦艦が遊弋しているのです。
 米本土までは届かないまでも、米本土の陸上機の活動圏外をドイツの長距離攻撃機が荒らしまわっているため、米英海軍はわざわざ護衛空母を配備することを強要されています。
 それらに対応すべく戦力を整えた大西洋の米英艦隊にとって、潜水空母が数隻増えたところでどれだけの戦力増強が必要なのか?を考えてみてください。
 いくら爆撃能力を持つ攻撃機がいるとはいっても所詮少数の下駄履き機です。
 発揮できる攻撃力は1機あたりせいぜい爆弾1〜2発、ドイツの潜水艦が嫌がらせのようにする沿岸への艦砲射撃と破壊効果は大差ありません。
 レーダーに補足されることなく、突然海中から浮上して沿岸を砲撃しては再び海中に隠れてしまうUボートですら活動困難に陥った警戒網の中で、高速で移動できるとは言え要地に接近する前にレーダーで補足されてしまう下駄履き攻撃機は陸上の戦闘機に追撃されればまず生還できません。
 米本土沿岸は既に米本土の陸上機によって防備されており、陸上機の哨戒圏外の分については護衛船団の周囲さえ守っていればいいわけですから新たな戦力増強の必要性はないのです。
 繰り返すようですが、既にこれ以上は望めない程度に米東海岸に戦力が拘束されているのですから、そこへあえて日本の潜水艦が出張ったところで「それ以上」は期待できないでしょう。

 
>  液冷エンジンは晴嵐に合わせて開発されたわけではなく、七試艦攻や九四式水偵などで水冷エンジン搭載機は存在します。それが必要なら、輸入するか開発したように思います(性能的に水上機と艦上機の性能差がそこまであるように見えないため、潜水艦攻撃機は九七艦攻程度ではないか、と申し上げましたけど、九七艦攻そのものと申し上げているわけではありません)。
>  例えばHe112、He118を導入しようと実機購入しましたが、あれも液冷機ですよね。

 飛行性能で遜色が無いように見えますが、重くかさばるフロートをぶら下げている以上、何かを犠牲にすることで成立している性能です。
 九七艦攻程度の性能を有する水上機を作ろうと思えば、晴嵐同様1300馬力ぐらいのエンジンが必要になるでしょう。


>  それが絶対ではないから、真珠湾攻撃が成功したわけですよね。
>  潜水空母の性能も不明の段階で、真珠湾攻撃を許した米側が「日本機の本土攻撃はほぼ不可能」などと確信できるとも思えません(米軍でも日本機の性能推算は結構間違っていますし)。

 戦前と戦中で同じように油断してくれると期待するのは都合が良すぎませんか?
 第一、史実でも米国は「日本軍が米本土西海岸に上陸してくる」という可能性を深刻に受け止め(マスコミが盛大に騒いだせいですが)、米陸軍はロッキー山脈まで後退して迎撃する作戦計画まで練っています。
 つまり、史実の上ですら米側に十分な政治的緊張を強いることに成功しており、そこへ潜水空母が新たに数隻加わったところで「それ以上」は望めませんし、かといって「それ以下」になることもなく、おおむね「戦局には影響ない」といえるのです。


>  それは日本軍の視点ですよね。
>  潜水空母がある時点で「そういうテロ攻撃もあるかもしれない」と思わせることができるのですから、実際にダム攻撃を行うかとは、全く別次元の話なのですが。

 潜水空母を運用するのは日本軍ですから、今このスレで話を進める上で日本軍の視点で攻撃実施の可能性を吟味することは当然かと思います。
 米側にはわかりませんから日本軍がダムを攻撃してくる可能性を否定しないでしょうが、日本軍がそれを実施に踏み切ることはありません。


>  米国は日本に対して「野蛮人」と思っているという向きもあります。ですから、終戦前に世論調査で「日本人の絶滅を支持する」に、相応の支持が集まったりしています。一般民衆は軍事技術などわかりませんから、潜水空母艦載機に東海岸を攻撃されたりするなら、「野蛮人のテロ」に恐怖を抱くと思います。

 恐怖は容易に怒りへと転化し、逆上へといたります。
 米国民の戦意を高めることになりこそすれ、日本にとっての好材料とはならないでしょう。


>  短期決戦指向の時点であろうと、戦局が絶望的であろうと、正面戦力の一部を拘置できるなら有効でしょうし、都市への無差別爆撃や核兵器の使用に対する、報復手段を有しているか否かは、米側の姿勢にも影響するように思います。
>  戦争の結果は変わらないと前置きしておりますが、とはいえ昭和19年でも20年でも、ダムを雷撃破壊して、犠牲者多数というような自体となれば、戦力配置に影響するとは思っております。

 その頃になると日本軍の行動はほぼ米側に筒抜けになっていますから、仮に1度や2度の攻撃が成功したとしても同様な作戦を継続できないでしょうし、米側も日本軍にそういう作戦を継続できるとは考えないでしょう。
 風船爆弾の時のように何らかの対応をするでしょうが、太平洋西部に派遣した正面戦力を後方に呼び戻すような対応に迫られることは無いでしょう。
 対日正面戦力の攻撃目標が変更される可能性はありますが、戦局に影響はしません。


 東海岸で頑張って活動させても「ドイツ軍が日の丸をつけて活動している」とか「日本軍がドイツの支援を受けて活動している」と思われ、日本ではなくドイツの成果として評価されるんじゃないでしょうかね?

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@FL1-119-241-157-28.tcg.mesh.ad.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:影響は無いかと・・・  ■名前 : すすむ  ■日付 : 09/5/1(金) 23:51  -------------------------------------------------------------------------
   ホントにフロリダ沖で留まってるかなぁ〜

http://www.geocities.jp/ali_cremer/menu/aus/aus_wa.html

<Opera/9.64 (Windows NT 5.1; U; ja) Presto/2.1.1@PPPbf195.hokkaido-ip.dti.ne.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 失礼しました  ■名前 : おうる  ■日付 : 09/5/2(土) 11:22  -------------------------------------------------------------------------
   > ホントにフロリダ沖で留まってるかなぁ〜
>
> http://www.geocities.jp/ali_cremer/menu/aus/aus_wa.html

パウケンシュラーク初期のVII型のみでの作戦しか頭に入っていませんでした。
ミルヒクーとIX型の投入後はカリブ海はおろか赤道付近まで作戦圏に含まれていますね。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@FL1-119-241-157-28.tcg.mesh.ad.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : それもオカシイ  ■名前 : すすむ  ■日付 : 09/5/2(土) 12:45  -------------------------------------------------------------------------
   そもそもドラムビートを最初に鳴らしたのはVII型じゃないでしょ〜

<Opera/9.64 (Windows NT 5.1; U; ja) Presto/2.1.1@PPPbf195.hokkaido-ip.dti.ne.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:それもオカシイ  ■名前 : おうる  ■日付 : 09/5/3(日) 18:09  -------------------------------------------------------------------------
   再確認しました。
パウケンシュラーク前からIX型は配備されていますね。
ミルヒクー導入前のVII型が航続力不足からパウケンシュラークでは活動を制限されていたという話が強く印象に残っていたため勘違いをしていました。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@FL1-119-241-157-28.tcg.mesh.ad.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:影響は無いかと・・・  ■名前 : 高村 駿明  ■日付 : 09/5/2(土) 0:49  -------------------------------------------------------------------------
    ご教授ありがとうございます。

>  ダムではありませんから、ダムを破壊したときのような自壊の波及効果を期待するのは難しいと思います。
>  閘門は必ず2枚一組になっていますし、爆弾1発で破壊できるのはせいぜい閘門の扉1枚でしょう。
>  2枚とも破壊したとしても基礎ごと破壊できるわけではありませんから復旧作業が始まってしまえば極短期間で復旧できてしまいます。

 パナマ運河は構造上、カリブ海側のガトゥン閘門を破壊し、ガトゥン湖の湖水を放出させると数年は使用不能になる、という記述をどこかで見たことがあるのですが、あれは与太話なのでしょうか。
 また、ガトゥン閘門の写真がウィキペディアに乗っておりますが、あの程度のものであれば、魚雷で2枚とも破壊できそうに見えますが。

>  当面は陸上航空戦力の展開だけで、少数の下駄履き攻撃機による奇襲には対処できます。

 奇襲攻撃後に対処できるようになっても、意味がないと思うのですが。

>  空母機動部隊や有力な水上打撃部隊が展開しているわけではありませんから、拘束できる戦力は沿岸防備に必要な小艦艇のみにとどまるでしょう。
>  史実の攻撃計画は破れかぶれ的な作戦であり、成功したとしても戦局に寄与するようなものではありません。

 海軍はパナマ運河の構造も当然熟知していたはずですし、作戦が行われなかったのは、戦局が悪化しすぎて効果が出るのに時間がかかる作戦を行えなかったからだと聞いておりますが、どのような根拠をもって「破れかぶれ的作戦」と言われるのでしょうか。

>  当の日本軍自身からしてパナマ攻撃成功の成果から更なる展開を構想していたわけではないでしょう。

 補給線の再構築と、大西洋艦隊の増援を遅らせることで、数か月を稼げるという読みがあったようですが。

>  1941〜1942年の段階でそのような展望の無い作戦を実施し、貴重な潜水空母を投入することに何らかの意義を見出すとは考えにくいものがありますし、戦争中期以降であればパナマを完全破壊したとしても戦局への影響など生じよう筈もありません。

 パナマや東海岸まで手が届くという事実自体が、船団の護衛艦艇のローテーションを厳しくするでしょうし、今まで戦力を割いていなかった地域に、タンカーや対潜哨戒機や護衛艦艇の増加を行う必要があります。
 南米は親独国も多い地域で、米国が中立国からの補給を受けられるかも、心ともないものもあるでしょう。
 多大な影響があるとまでは申しませんけど、「戦局に影響など生じよう筈もありません」には同意できません。

>  パウケンシュラーク作戦もUボートの航続能力の限界を超えて実施されており、その作戦範囲はフロリダ沖まででとどまっています。つまり、パナマを通ろうが南米を回ろうが米商船が晒されるUボートの脅威に差異は生じません。

 ご教授ありがとうございます。
 つまり、パナマを壊せば船団は南米ルートを通る必要があるわけですが、米英の航空基地の作れない海域に、潜水空母を置くことで、これまで手数でよかった海域に護衛艦艇の手配を強いることができるわけですね。1941〜42年であれば、護衛空母もほとんどありませんから、かなりの圧力を与えられそうですね。
 史実の「大型潜水艦を整備して、米西岸と東岸で通商破壊、および要地攻撃による攪乱攻撃を実施する」構想が実行できそうに思えてきました。

>  大陸横断鉄道もあれば西海岸の港湾もありますから、太平洋の戦局に対する効果は一時的なものにとどまると思います。

 米軍の主な造船所は東海岸ですから、パナマが長期使用不能となれば、それなりに効果があるとは思います。

>  1942年の段階でパナマ運河の中に空母を閉じ込めることに成功するとかすれば、少しは話が違ってくるでしょうけど・・・そういうタイミングを狙えるとは思えませんし、そういう重要な時期では米軍の警戒レベルも高まるでしょうから、そうした効果が期待できると考えるのは都合が良すぎるというものでしょう。

 例えば真珠湾攻撃と同時にパナマを破壊する、というような使い道であれば、警戒レベルとか関係ありませんよね。
 政略的奇襲とは、開戦直後に行うように思いますし、山本長官の用兵思想もそのような立脚点に立つと思います。

>  大西洋には既に有力な潜水艦部隊と巡洋艦以上の強力な艦でなければ対応できないようなポケット戦艦が遊弋しているのです。
>  米本土までは届かないまでも、米本土の陸上機の活動圏外をドイツの長距離攻撃機が荒らしまわっているため、米英海軍はわざわざ護衛空母を配備することを強要されています。

 護衛空母と言われますが、1941年は「ロングアイランド」1隻のみ、1942年も8〜9月に「サンガモン」級4隻が完成するだけですよ。
 あとオーダシティでしたっけ。
 何であれ正規空母も全然足りない時点で、重要な航空機輸送任務もありますから、船団に貼り付けるのに充分な数量があると言えるでしょうか。
 1941〜42年は、Uボートの暴れ方も大変なものですから、パナマを破壊し、要地を奇襲したり、南米で船団を襲撃できる潜水空母は、大変うっとおしい敵なのではないかと存じます。

>  それらに対応すべく戦力を整えた大西洋の米英艦隊にとって、潜水空母が数隻増えたところでどれだけの戦力増強が必要なのか?を考えてみてください。

 何隻いるかわからないくせに、政治的にはうるさい攻撃をしてきかねない存在に対し、純軍事的に必要な戦力だけの投入で何とかすると言われるのでしょうか。
 また、1941〜42年の連合国は、大西洋に「充分な戦力」を有していたのでしょうか。ポケット戦艦やシャルンホルスト級戦艦のような大型艦艇ですら、簡単に捕捉できるわけではないのですから、潜水空母はより不気味だと思いますが。

>  いくら爆撃能力を持つ攻撃機がいるとはいっても所詮少数の下駄履き機です。
>  発揮できる攻撃力は1機あたりせいぜい爆弾1〜2発、ドイツの潜水艦が嫌がらせのようにする沿岸への艦砲射撃と破壊効果は大差ありません。

 伊25が1942年6月21日にオレゴン州アストリア市のスティーブンス海軍基地に行った砲撃は、「1812年にイギリスの軍艦がアメリカ軍基地に砲撃を与えて以来のアメリカ本土にある基地への攻撃であった」とされていますから、Uボートが米本土を攻撃した事例はないように思います。

>  レーダーに補足されることなく、突然海中から浮上して沿岸を砲撃しては再び海中に隠れてしまうUボートですら活動困難に陥った警戒網の中で、高速で移動できるとは言え要地に接近する前にレーダーで補足されてしまう下駄履き攻撃機は陸上の戦闘機に追撃されればまず生還できません。
>  米本土沿岸は既に米本土の陸上機によって防備されており、陸上機の哨戒圏外の分については護衛船団の周囲さえ守っていればいいわけですから新たな戦力増強の必要性はないのです。

 日本潜水艦は「アメリカ西海岸沿岸を航行中のアメリカのタンカーや貨物船を10隻以上撃沈し、中には西海岸沿岸の住宅街の沖わずか数キロにおいて、多くの市民が見ている目前で貨物船を撃沈する」といった戦果を挙げているようですが。

 また、日本潜水艦によるエルウッド石油製油所への砲撃作戦が実施された翌日には、同じ南カリフォルニアのロサンゼルス近郊において、アメリカ陸軍が同海軍の気象観測用気球を日本軍の航空機と誤認し、多数の対空砲火を行った「ロサンゼルスの戦い」が発生したとのことです。
 この事件に関してアメリカ海軍は「日本軍の航空機が進入した事実は無かった」と発表しましたが、一般市民は「日本軍の真珠湾攻撃は気を抜いたアメリカ海軍の失態」であるとして、過剰なほどの陸軍の対応を支持するほどであり、世論の沸騰を受けて西海岸における防空体制はさらに強化されることとなったと言われています。また、風船爆弾も世論の動揺を恐れて、公表しなかったようですね。

 米本土に「新たな戦力増強を必要としない」ほど、充分な哨戒戦力があるなら、上記のような1942年の日本潜水艦の活動はあり得ないでしょう。
 また、上記の過剰反応から考えても、実際に潜水空母が「新聞映えする」戦果を挙げた場合、長大な米海岸線に、本来配備されていなかった哨戒機や護衛艦艇多数を貼り付けることができると思います。
 沿岸防備艦艇としての比率を高められれば、船団護衛に全てを使用できなくなるジレンマもあることでしょう。

>  繰り返すようですが、既にこれ以上は望めない程度に米東海岸に戦力が拘束されているのですから、そこへあえて日本の潜水艦が出張ったところで「それ以上」は期待できないでしょう。

 潜水空母数隻の軍事的戦力は大したものではありません。
 でもそれは「低速旧式戦艦多数を真珠湾で失っても、実質的な損害は少ない」というようなものだと思います。真珠湾攻撃(やドーリットル空襲)はよくも悪くも、実害以上の影響を与えているように思います。

>  飛行性能で遜色が無いように見えますが、重くかさばるフロートをぶら下げている以上、何かを犠牲にすることで成立している性能です。
>  九七艦攻程度の性能を有する水上機を作ろうと思えば、晴嵐同様1300馬力ぐらいのエンジンが必要になるでしょう。

 晴嵐の飛行性能は天山とも大差ないのですが、これと同じエンジンでどうして九七艦攻程度の機体しか作れないのでしょうか。
 DB601Aを取得するための交渉は、昭和11年に行われています。このエンジンを搭載した彗星の性能を考えるなら、この程度のエンジンを載せた水上攻撃機が、九七艦攻程度の性能を発揮することは、充分可能だと思います。

 長いので分けます。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; .NET CLR 2.0.50727)@p59-157-176-1.sub.ne.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:影響は無いかと・・・  ■名前 : 高村 駿明  ■日付 : 09/5/2(土) 0:50  -------------------------------------------------------------------------
    続きです。

>  戦前と戦中で同じように油断してくれると期待するのは都合が良すぎませんか?

 開戦当初に、奇襲で政略的作戦を行う兵器であり、またその成功実績をもって、敵に哨戒兵力派遣を強い続ける兵器だと考えているのですが、都合がいいのでしょうか。また、米国や太平洋は広いです。 

>  第一、史実でも米国は「日本軍が米本土西海岸に上陸してくる」という可能性を深刻に受け止め(マスコミが盛大に騒いだせいですが)、米陸軍はロッキー山脈まで後退して迎撃する作戦計画まで練っています。
>  つまり、史実の上ですら米側に十分な政治的緊張を強いることに成功しており、そこへ潜水空母が新たに数隻加わったところで「それ以上」は望めませんし、かといって「それ以下」になることもなく、おおむね「戦局には影響ない」といえるのです。

 派手な攻撃成功がない状態でそれですよね。
 ホワイトハウスへの攻撃とか、ダムに「次は攻撃する」のビラ撒きとか、そういう世論に訴える攻撃を仕掛けたなら、そんなものでは済まないのではないでしょうか。

>  潜水空母を運用するのは日本軍ですから、今このスレで話を進める上で日本軍の視点で攻撃実施の可能性を吟味することは当然かと思います。
>  米側にはわかりませんから日本軍がダムを攻撃してくる可能性を否定しないでしょうが、日本軍がそれを実施に踏み切ることはありません。

 ロッキー山脈に史実の目論見通り、大火災を起こしていたなら、一般人多数も死傷したことでしょう。こういう攻撃が行える国が、ダム攻撃はしないというのは、私にはよくわかりません。
 例えば、実際に攻撃せずとも、水源地に米国の対応によっては、生物・化学兵器を使用することをほのめかした警告ビラ投下だけでも、相当な効果があるものと思います。

>  恐怖は容易に怒りへと転化し、逆上へといたります。
>  米国民の戦意を高めることになりこそすれ、日本にとっての好材料とはならないでしょう。

 熱しやすく、さめやすい国民であろことも確かです。
 自国に実害や恐怖がある戦争が続くのであれば、融和政策も出てくるかもしません。

>  その頃になると日本軍の行動はほぼ米側に筒抜けになっていますから、仮に1度や2度の攻撃が成功したとしても同様な作戦を継続できないでしょうし、米側も日本軍にそういう作戦を継続できるとは考えないでしょう。

 本当に全て筒抜けなら、なぜ「回天搭載艦に、即刻作戦停止を命じてほしい」というような話を米側からするのでしょうか。
 成功した作戦実績があるなら、どれほど防備されていても「攻撃されるかもしれない」と思うのが人間です。冷静なら、日本軍の米西海岸上陸など、あるはずもないのに、ロッキー山脈よりもなお、後退しようと考えるのも米国なのです。

>  東海岸で頑張って活動させても「ドイツ軍が日の丸をつけて活動している」とか「日本軍がドイツの支援を受けて活動している」と思われ、日本ではなくドイツの成果として評価されるんじゃないでしょうかね?

 なんでドイツが(彼らの認識でも)劣等人種たる日本人のふりをして、作戦するのでしょうか。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; .NET CLR 2.0.50727)@p59-157-176-1.sub.ne.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:影響は無いかと・・・  ■名前 : おうる  ■日付 : 09/5/2(土) 12:34  -------------------------------------------------------------------------
    私が東海岸について語っていることと西海岸について語っていることをわざと混同して見せているのでしょうか?
 私のレスに対するものに限らず、相手のレスをきちんと理解せずにレスを返してしまう癖があるように思えます。

 東海岸についてはドイツ海軍が既に作戦を実行しているので、そこへ日本軍が加わったからといって「大西洋で作戦する枢軸軍」に対処する連合軍にとっての対応に変化は無いと言っているのです。
 ドイツ軍は大西洋で活動する日本の潜水艦からすれば余程の大兵力を投入しています。
 史実でそのドイツ軍への対処を迫られて護衛艦艇や航空機を大幅に増強していますが、それらの戦備増強の仕方に対して日本の潜水空母が影響を与えうるか?というと、私は否定的にならざるを得ません。(ちなみに、開戦初期の戦備で十分だなどと主張した覚えは全くありません)
 連合側はドイツ海軍が大西洋にどれだけの兵力を展開しているかを熟知した上で戦備増強を行ったわけではありません。「ドイツ軍だけが相手だからコレぐらいの戦力で守らねばならない」とか「日本軍が加わったからコレぐらい必要」という判断が働いた上で防備が調えられていったわけではないのです。
 どういう脅威があるか?で考えると、史実のドイツ軍が及ぼした脅威は大きく分けて「潜水艦による攻撃」「水上艦による攻撃」「航空機による攻撃」の3種あり、その3種以外の脅威を日本の潜水空母は発揮し得ません。
 つまり、若干の戦力の増減はあろうとも、米英軍が対応しなければならないコトに変化は無く、史実どおりの戦備増強で十分対処可能なのです。
 つまり、戦局に影響はありません。
 むしろ、太平洋で活動させることの出来る戦力を大西洋に拘束されてしまうのは日本のほうです。

 西海岸について言えば、史実で既に類似した作戦が実施されており、米国民に対して「日本軍が西海岸に上陸してくる」とまで恐怖感さえ抱かせ、米政府は対応を余儀なくされています。
 つまり、達成しうる政治的目標は史実でも既に達成しており、米軍は西海岸の防備増強に踏み切らせています。仮に日本の潜水空母による攻撃が強化されたとしても、米軍の対応そのものが変化するわけではなく、変化があったとしても「程度の差」ぐらいであり、戦局全体からすれば大差はありません。
 つまり、戦局に影響はありません。

 パナマについて言えば、航空攻撃で破壊しうるのは閘門の扉ぐらいです。
 九七艦攻と同程度の性能を持った航空機では閘門の基礎まで破壊できません。
 閘門の扉同士は離れているため、一つの閘門の扉を一発で破壊できるわけでもありません。
 それに破壊に成功したとしても、扉が消滅してしまうわけではなくて、艦船を攻撃したときと同様に数メートル程度の穴が開いたり亀裂が入ったりする程度です。
 水圧によるダメージの拡大はあるでしょうが、閘門は強固な基礎を持つ幅30m強の水路ですから、扉が破壊されてしまったとしても水流をせき止めるのは不可能というわけではありません
 基礎ごと完全破壊されてしまうのであればともかく、九七艦攻と同程度の性能を持つ下駄履き攻撃機数機の、それもたった一度の奇襲攻撃では「数年間使用できなくなる」などという状況に陥らせることなど不可能です。
 運河の閘門はダムとは違い、破壊されたとしても比較的短期間で復旧できるのです。

 そして仮に運河を通行不能に陥れたとしても、南米を迂回させればカリブ海から太平洋のパナマ沖までは1ヶ月程度の行程です。
 確かに兵站に負担を強いることにはなりますが、対日正面戦力に対する物資の補給に遅滞が生じるのはせいぜい1ヶ月程度でしかなく、それも東海岸から海上輸送される分だけですから補給のすべてが1ヶ月間滞ってしまうわけではないのです。

 対日作戦に対して1ヶ月の遅滞が生じたとして、戦局全体に対してどれほどの影響が生じるでしょうか?
 どのタイミングで「1ヶ月の遅滞」を発生させるか?によっては確かに影響があるでしょう。
 しかし、開戦当初から潜水空母を活動させるとなれば、西海岸は断続的な攻撃に晒されているはずですから、ミッドウェイやガダルカナルに直接影響を及ぼしうる時期にはパナマの警戒は優先的に高められている可能性があり、奇襲成功は期待できないと思います(西海岸の被害の影響で最も緊張が高まっている時期に当たるでしょうしね)。
 また、ミッドウェイやガダルカナルに影響を生じさせるタイミングを日本軍が意図して攻撃する事も考えにくいものがあります。それを成功させるには攻撃作戦を計画する時点で日本軍が連合軍(特に米軍)の補給計画を十分な精度と確度を持って知っていることが前提条件になるからです。
 その前の開戦から半年以内にパナマを破壊したとして「1ヶ月の遅滞」の影響は、そもそもパナマの破壊時期が対日戦備が整う前か整い始めの頃ですから兵站輸送量がまだ少ない時期でもあるため、史実に対して大きな変化をもたらすようなものではないと思います。
 したがって、戦局に影響はほぼありません。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@FL1-119-241-157-28.tcg.mesh.ad.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 枝葉末葉へのレス  ■名前 : おうる  ■日付 : 09/5/2(土) 14:06  -------------------------------------------------------------------------
    基本的な主張については別でレスしましたが、それではカバーしていない部分についてレスしておきます。

> >  当面は陸上航空戦力の展開だけで、少数の下駄履き攻撃機による奇襲には対処できます。
>
>  奇襲攻撃後に対処できるようになっても、意味がないと思うのですが。

 地上の設備は破壊されても短期間で復旧できるため、使用不能な状態にとどめるためには攻撃を継続する必要があります。
 戦略爆撃が数百〜千機単位で連日継続しなければ効果を発揮しないのと同じです。


>  海軍はパナマ運河の構造も当然熟知していたはずですし、作戦が行われなかったのは、戦局が悪化しすぎて効果が出るのに時間がかかる作戦を行えなかったからだと聞いておりますが、どのような根拠をもって「破れかぶれ的作戦」と言われるのでしょうか。
>
> >  当の日本軍自身からしてパナマ攻撃成功の成果から更なる展開を構想していたわけではないでしょう。
>
>  補給線の再構築と、大西洋艦隊の増援を遅らせることで、数か月を稼げるという読みがあったようですが。

 その稼いだ数ヶ月を活かして日本軍は何かをしようとしていたのですか?
 そういう計画性の無さが「破れかぶれ的作戦」なのです。


>  晴嵐の飛行性能は天山とも大差ないのですが、これと同じエンジンでどうして九七艦攻程度の機体しか作れないのでしょうか。

 天山と晴嵐では航続距離が全く異なる点を見落としてませんか?


>  開戦当初に、奇襲で政略的作戦を行う兵器であり、またその成功実績をもって、敵に哨戒兵力派遣を強い続ける兵器だと考えているのですが、都合がいいのでしょうか。また、米国や太平洋は広いです。 

>  本当に全て筒抜けなら、なぜ「回天搭載艦に、即刻作戦停止を命じてほしい」というような話を米側からするのでしょうか。
>  成功した作戦実績があるなら、どれほど防備されていても「攻撃されるかもしれない」と思うのが人間です。冷静なら、日本軍の米西海岸上陸など、あるはずもないのに、ロッキー山脈よりもなお、後退しようと考えるのも米国なのです。

 史実で米西海岸に哨戒兵力が展開していなかったとでも思っているんですか?
 史実でも米西海岸の防備は増強されているんですよ。潜水空母が何隻か増強されたからといって、米西海岸の防備が増強されるという点には変化が無いのです。
 潜水空母の増強によって史実では米西海岸の防備が無かったのに必要とされるようになったというのであれば「絶大な効果だ」と評価できます。しかし、史実でも防備は増強されているんです。


>  ロッキー山脈に史実の目論見通り、大火災を起こしていたなら、一般人多数も死傷したことでしょう。こういう攻撃が行える国が、ダム攻撃はしないというのは、私にはよくわかりません。

 ダム攻撃は市街地に直接被害が及び、しかも一般市民は避難のしようがありません。事実上「都市部への絨毯爆撃」と大差なく、山林火災とは異なります。


>  派手な攻撃成功がない状態でそれですよね。
>  ホワイトハウスへの攻撃とか、ダムに「次は攻撃する」のビラ撒きとか、そういう世論に訴える攻撃を仕掛けたなら、そんなものでは済まないのではないでしょうか。

>  例えば、実際に攻撃せずとも、水源地に米国の対応によっては、生物・化学兵器を使用することをほのめかした警告ビラ投下だけでも、相当な効果があるものと思います。

 その「相当な効果」とやらの結果がどんなものかきちんと考えていますか?
 「逆効果」という可能性について検討すべきです。


> >  恐怖は容易に怒りへと転化し、逆上へといたります。
> >  米国民の戦意を高めることになりこそすれ、日本にとっての好材料とはならないでしょう。

>  自国に実害や恐怖がある戦争が続くのであれば、融和政策も出てくるかもしません。

 継続させる能力が無かったのが日本です。
 奇襲は決して長続きしません。そして、潜水空母では奇襲しかできないのです。
 しかも実害らしい実害を伴わない「こけおどし」でしかありません。
 その程度で融和政策など出ようはずがありません。却って戦意高揚をもたらすでしょう。


> >  東海岸で頑張って活動させても「ドイツ軍が日の丸をつけて活動している」とか「日本軍がドイツの支援を受けて活動している」と思われ、日本ではなくドイツの成果として評価されるんじゃないでしょうかね?
>
>  なんでドイツが(彼らの認識でも)劣等人種たる日本人のふりをして、作戦するのでしょうか。

 ドイツがそのように作戦するなどとは一言も言ってません。
 史実でも日本機を見て「ドイツの機体を使っている」という噂話が広まったのです、遠く離れた東海岸に攻撃をしかけた機体が日の丸をつけていたとしても「アジアの生意気な黄色い猿がそんな大それたマネできるわけが無い」→「ドイツ人が手を貸している」とアメリカ人が考えても不思議ではありません。
 つまり、日本がどれだけがんばって「俺達は東海岸だって攻撃できるんだぞ」と威張ってみたところで、肝心の米国民のほうが「日本人じゃなくてドイツ人が・・・」と思い込んでしまう。結果、日本が(貴殿が)望む政治的効果とやらは、同盟国のおかげでそれほど影響力を発揮しないんじゃないか・・・という話です。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@FL1-119-241-157-28.tcg.mesh.ad.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 噛み合わない理由  ■名前 : BUN  ■日付 : 09/5/2(土) 20:25  -------------------------------------------------------------------------
   横から失礼いたします。
その兵器に期待される効果は何かという話と、実際の戦闘がどのような展開だったから無駄、こんな状況になっていたから駄目、といった話とはちよっと違います。噛み合わないのはたぶんそこではないかと思います。

高村さんの主張されていることは敵本土に対する戦略的攻撃の効果として概ね筋が通っています。戦前の兵力整備の時点でこの種の兵器にそうした効果を期待することはそれほど異常な発想ではありません。
問題はそうした兵器をいつどのように使用するか、使用する局面をどのように導きだすかによるのです。史実の負け戦に当てはめての否定論だけでは十分な説得力を持ち得ないでしょう。

高村さんのifに対して、開戦前の新鋭巡潜型の総数より多くの「潜水空母」をどうやって造るんだ?といった疑問なら山ほどありますが、かといっておうるさんの否定論にも首を傾げてしまいます。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; GTB6; SLCC1; .NET CLR 2.0.5...@c114.134.226.172.c3-net.ne.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:噛み合わない理由  ■名前 : 高村 駿明  ■日付 : 09/5/3(日) 0:07  -------------------------------------------------------------------------
   > 横から失礼いたします。
> その兵器に期待される効果は何かという話と、実際の戦闘がどのような展開だったから無駄、こんな状況になっていたから駄目、といった話とはちよっと違います。噛み合わないのはたぶんそこではないかと思います。

 ご配慮ありがとうございます。仰る通りだと思います。

> 高村さんのifに対して、開戦前の新鋭巡潜型の総数より多くの「潜水空母」をどうやって造るんだ?といった疑問なら山ほどありますが、かといっておうるさんの否定論にも首を傾げてしまいます。

 設定(特に配備数とか経緯)に無理があることは承知しております。
 こういうものが成立しうる世界では、史実のどこが削られるのか、仮想敵国の軍備はどう対応しているのか、まで本来は踏み込んで考察・設定すべきかと存じますが、力不足を痛感しております。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; .NET CLR 2.0.50727)@p59-157-176-1.sub.ne.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:噛み合わない理由  ■名前 : おうる  ■日付 : 09/5/3(日) 15:36  -------------------------------------------------------------------------
    歴史のifを弄ぶのは私も大好きですし、潜水空母の可能性について否定するつもりはありません。

 今回提示されたifは史実の日本海軍が潜水空母に対して抱いた期待、その実行可能性が実現した場合の効果が検討対象となっていますが、それ(if)によって出来るようになることは史実の延長線上にしかありません。
 日本軍は史実で潜水空母と称するには見劣りするものの、一応航空機運用潜水艦を運用し、米本土を爆撃しています。
 ifの世界で運用される作戦も、用いられる機材こそ強化されているものの機材の絶対数は決して多くは無く、できることは史実の作戦と大差ありません。
 相手に史実とは別の対応を強要することが出来ないのであれば、結果は史実と大差のないものにしかならないと思うのです。
 なので「戦局には影響しない」または「戦局にはほぼ影響しない」という結論を導き出さざるを得ないのです。ただ、これは決して「意味が無い」ではありません。

 史実で実施されたのと同じような作戦で米軍に史実とは異なる対応を強要するためには、史実で実施された対応では対処しきれないレベルで実行するしかありません。
 このためには機材の絶対量を増やすか、防御対応を上回る機動によって米側を翻弄しつつ主導権を継続的に維持し続ける必要があります。
 前者はifの前提条件によって既に否定されており、後者は情報戦での勝利(または際限の無い幸運)が前提条件になるため、今回のifの条件ではフォローされておらず、やはり可能性を否定せざるを得ないと判断します。

 史実で実行されていない作戦で有望視できるのはパナマ運河攻撃やダム攻撃ですが、実行するとしたら開戦初期(あるいは米本土直接攻撃直後)にしか成功を望めないものです。
 開戦初期は警戒態勢が整っていませんから攻撃そのものは成功する可能性は高いと思いますが、投入機材が限られている以上、破壊効果は限定的なものにとどまると思います。
 パナマは完全破壊に成功したとしても先述したとおり、太平洋戦線に対する影響は1ヶ月程度の兵站停滞にすぎず、しかも反攻開始前の段階であればダメージを受ける筈の兵站線自体が機能開始する前です。
 日本軍の兵站能力および基地設営能力では1ヶ月程度の猶予が与えられたとしても、米豪分断を完成させられるようには思えません。
 もしかしたらガダルカナルがバヌアツあたりになるかもしれません。
 ポートモレスビーを攻略できないのであれば、ラバウルには有力な航空戦力が残っていなければならないでしょうから、ラバウル〜ガダルカナルで行われた航空戦は史実とは異なる様相を呈することになるでしょう。また、ガダルカナルの密林で多くの陸軍将兵が飢餓とマラリヤのために消耗する事態は起きないかも知れません。
 そうなったとしてそれが戦局全体に与えた影響として大きなものか小さなものかというと、大したものではないだろうと思うのです。
 そこから更なる一手があり、米豪分断をなしえる可能性が生じたならば影響は大きかったと評価できますが、その一手が生まれないのであれば結果は史実と五十歩百歩です。

 「意味が無い」のではなく、「(実施することに意味はあっても)影響は限定的なものにとどまる」ということです。
 それならば違う可能性(使い方)を模索したほうがいいのではないかと思うのです。

 これが大西洋におけるドイツ海軍との共同作戦が可能であったり、あるいは潜水空母を運用するのがドイツ海軍であったりするのであれば、史実の延長線上で行われたとしてもまた異なってくるとは思いますが、それは今回のifの対象ではありません。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@FL1-119-241-157-28.tcg.mesh.ad.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : ことの是非は二の次では?  ■名前 : BUN  ■日付 : 09/5/3(日) 19:53  -------------------------------------------------------------------------
   おうるさんの仰りたい事は理解しますが、今回のテーマは「潜水空母が決勝兵器たり得るか」ではなく「それが早期に整備された場合、どうなるか」であることを確認して戴きたく思います。

このような異質なピースを史実にはめ込むためには実在したどんなピースを取り除けねばならないか、あるいはそれまでにどんな経緯が必要なのか、そしてそこにつながる新たなピースはどんなものになるのか、といった「潜水空母が早期に存在する」ことによる影響をあれこれ推測することがこの場での楽しみ方のように思います。

「戦局に影響しない」「戦争の結果は史実と大して変わらない」のは結構なんですが、「これは決して「意味が無い」ではありません。」と言われた内容の詳細こそ、皆さんがおうるさんから聞きたい話なのではないかとも思います。

何しろこれだけ荒唐無稽な仮定なのですから、史実の中にすんなりとはまり込んで「史実と大して変わらない」訳がありませんし、その是非を問う前に「それはどういうことなのか」の検証を試みても無駄ではないように考えますが、如何でしょう。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; GTB6; SLCC1; .NET CLR 2.0.5...@c114.134.224.194.c3-net.ne.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:枝葉末葉へのレス  ■名前 : 高村 駿明  ■日付 : 09/5/3(日) 0:00  -------------------------------------------------------------------------
    あまり長くなって参りましたので、話を整理したいと思います。
 
1)わざと混同して書いているか?
 この件については、よく読んだ上で総合的な見地から返信しているつもりです。もし混同しているとしたら、私の能力の問題かと存じます。
 
2)連合軍の対応に変化はあるのかないのか
 Uボートは航空機を搭載しておりませんし、米本土に浮上攻撃も行いませんから、一般の米国人としてみれば「対岸の火事」です。
 しかし潜水空母は、使い道によっては(ダム破壊とか、生物化学兵器使用とか)数万人単位の米国人を殺傷する可能性があります。これが現実になれば、決して「その程度」で済ませられるものではないかと。
 おうる様のお考えは、純軍事的過ぎて、政略的反応を軽視されているように感じます。実際に潜水空母にダム破壊をされたなら、Uボートそっちのけで哨戒部隊を編成し、(既に潜水空母は撤退した後の)大西洋全域を探索するかもしれませんよ。米国民はそういう反応を望むでしょうしね。で、手薄になった船団がUボートにやられる、のような。
 実際ビスマルクへの対応で、護衛艦艇が船団を放り出した事実もありますしね。

 例えば日本は北朝鮮の弾道ミサイルに対して、脅威を感じていますが、純軍事的に見れば、通常弾頭なら大した破壊力はありませんし、核とか生物科学兵器を搭載したら、その使用が発覚した時点で、北朝鮮が滅亡に追い込まれるかもしれません。
 従って「あんなものは使えないから脅威ではない」と考えても、現実には問題がないでしょう。でも「万が一」に備えて、高額なミサイル防衛システムの装備や法改正など、多大な対応リソースを支払っているわけです。これと同じです。

 政略的側面がなく、軍事力だけで勝敗が決するなら(おうる様がそう言われているのではないことを承知していますが、本質はこの辺りだと思うので、あえて申し上げています)、日露戦争には万が一の勝機もありません。
 実害が対応を決めるなら、ドーリットル攻撃など無視して差し支えのないものです。でも、目先の政情や恐怖に過剰反応するのが、人間なのだと思います。

 敵国世論を憤激させても、人間の怒りは時間と共に収まることもありますし、不安や恐怖が時間と共に増大することもあります。911で沸騰した米国世論が、今はイラク・アフガニスタン戦争の泥沼で、部隊撤退を望む声も見られるように、です。
 
3)パナマ攻撃の是非
 閘門は特殊鋼鉄で作られているわけではないでしょうから、艦艇のように数メートルの穴程度で済むかはわかりません。
 また、数発の魚雷か爆弾が命中する可能性もあるでしょう。
 一端、ガトゥン湖の水が流出しはじめた後で、何らかの処置はされるでしょうけど、それがどの程度対応できるものなのか、検証できるのでしょうか。
 数年は、という文章の根拠は私にもわかりませんけど、対応を誤った場合に大きな被害を出すことはあり得るでしょうし、以後パナマの防備は強化し続ける必要もあります。
 輸送が1か月伸びることのデメリットは、既に書きましたから繰り返しません。
 また史実の日本軍は1か月でなく、数か月と読んでいたようですし、その数か月で強化された防備によって、本土決戦を指向してしまうかもしれません。
 「いつ」であれ、相応の対応リソースを支払うでしょうし「戦局に影響はほぼありません」というご意見に賛同致しません(「戦争結果は変わりません」なら賛同しますが)。

4)水上攻撃機の性能・攻撃力
 ダム破壊にせよ、閘門破壊にせよ、最悪のケースでは「地上設備ですから短時間で修理できます」などという結果にはならないでしょう。
 また、森林攻撃やホワイトハウス攻撃、ビラ投下は「それが実現されること」が全てですから、戦略爆撃とは全く趣旨が違うものです。純軍事的には完全破壊が望ましいでしょうけど、政略的攻撃では、そこまで重視することでもないということです。
 また、天山と晴嵐は航続力は違いますが、ここで問題とされているのは「飛行性能と搭載量」ではないかと思います。潜水空母艦載機に大航続力を与えても、母艦に戻れなくなるだけでしょうから、重要度が低い性能だと思う次第です。
 で、彗星と同じような液冷発動機を搭載しても、その水上攻撃機が九七艦攻よりも低い飛行性能・搭載量になるとは、私には思えません。
 防備については「史実以上に増強されるでしょうし、史実より広い海域で船団護衛などの対応を余儀なくされる」と重ねて申し上げている次第です。史実だって「西海岸が攻撃されたから防備が強化された」のですから、パナマとか南米で攻撃されたなら、そこの防備も強化するでしょう。当然、前線に送られる兵力は減ることになります。
 で、空母とかポケット戦艦と違い「いるかどうかわからない」のが潜水艦なのですから、「多分いないだろう」と思えても「絶対にいない」とは思えないのですから、一回引き揚げた警戒レベルを下げることは容易ではないものと思います。

5)攻撃目標の選定
 史実で都市部への絨毯爆撃とか、原爆投下を行っているのが米国なのですから「憤激して士気高揚」しても、何も変わらない気もしますが(真珠湾攻撃自体で「憤激」しているのですから)。で、ビラ投下で警告した上で、無視したら「ダム攻撃するぞ」というのは、上記のような、無差別攻撃に対する抑止力になるのではないのですか?

6)ドイツ云々
 仮にドイツの力を借りていると考えられても、それは潜水空母の脅威性を増すだけですから、政治的効果には影響しないのではないでしょうか。
 あと、私が望んでいるという書き方は、理解できません。
 効果の検証が先にあり、その次に史実の日本に行われた無差別攻撃に対する抑止効果が望めないだろうか、という個人的な感情がありますので、主体は前者です。

 このように、かみ合っていないように思います。
 色々とご教授頂けるのは、大変ありがたいことで感謝しております。
 しかし、大変お手数かと思いますから、以後が上記の繰り返しになるのであれば、「貴方の言い分には同意できない」だけで構いませんよ。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; .NET CLR 2.0.50727)@p59-157-176-1.sub.ne.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:枝葉末葉へのレス  ■名前 : おうる  ■日付 : 09/5/3(日) 17:30  -------------------------------------------------------------------------
   > 2)連合軍の対応に変化はあるのかないのか
>  Uボートは航空機を搭載しておりませんし、米本土に浮上攻撃も行いませんから、一般の米国人としてみれば「対岸の火事」です。
>  しかし潜水空母は、使い道によっては(ダム破壊とか、生物化学兵器使用とか)数万人単位の米国人を殺傷する可能性があります。これが現実になれば、決して「その程度」で済ませられるものではないかと。
>  おうる様のお考えは、純軍事的過ぎて、政略的反応を軽視されているように感じます。実際に潜水空母にダム破壊をされたなら、Uボートそっちのけで哨戒部隊を編成し、(既に潜水空母は撤退した後の)大西洋全域を探索するかもしれませんよ。米国民はそういう反応を望むでしょうしね。で、手薄になった船団がUボートにやられる、のような。
>  実際ビスマルクへの対応で、護衛艦艇が船団を放り出した事実もありますしね。

 別の枝でレスしてますが、貴殿が(日本軍が米本土を攻撃する効果として)期待(あるであろうと想像)するような反応を実際に導き出すためには「日本の潜水空母による脅威」が存続し続けねばならないのです。つまり、作戦の継続が必要不可欠であり、一撃離脱の奇襲では史実以上の本土防備増強や大西洋の全体の掃討作戦などは実施されません。
 攻撃されるはずの無い銃後への攻撃は、大規模なものなら既に真珠湾の例がありますが、それも潜水空母による本土攻撃も継続する可能性が無い以上は「和平交渉で油断させておいて不意打ちし、こちらが反撃する前に逃げ出す卑怯な一撃」で終わってしまいます。
 無論、対応も防備強化も必要になるでしょうが、「いつでも攻撃できるぞ」と米国民に脅威を示し続けるためには、たとえ小規模であっても作戦を継続しなければならないのです。
 それが出来ないのであれば、効果は史実と大差ないものに収まるでしょう。


> 3)パナマ攻撃の是非
>  閘門は特殊鋼鉄で作られているわけではないでしょうから、艦艇のように数メートルの穴程度で済むかはわかりません。
>  また、数発の魚雷か爆弾が命中する可能性もあるでしょう。

 パナマ運河のガトゥン閘門の写真等を一度ご覧になることをお勧めします。
 閘門の門扉は上流側も下流側も2重になっており、爆弾や魚雷の1発では閘門を破壊しきれないことが見て取れると思います。
 戦艦のような装甲でできているわけではありませんが、門扉は船体が受けるのと同様喫水深さがもたらす水圧+α以上の圧力に耐えるだけの強度を持っています。
 魚雷が命中したときの被害は無装甲の商船が被雷したときと同様、数メートルの破孔や亀裂でしかありません。
 一時的に通行不能に陥れる程度なら簡単に出来るでしょうが、完全破壊または復旧に数ヶ月かかるような大ダメージを狙うのであれば一度の作戦で一つの閘門に対して8機以上が攻撃に成功しなければなりません。


> 4)水上攻撃機の性能・攻撃力
>  また、天山と晴嵐は航続力は違いますが、ここで問題とされているのは「飛行性能と搭載量」ではないかと思います。潜水空母艦載機に大航続力を与えても、母艦に戻れなくなるだけでしょうから、重要度が低い性能だと思う次第です。

 航続力が大きいということはそれだけ沢山の燃料を「搭載」しているということです。航続距離が違うということはそれだけ搭載能力が大きいということです。
 晴嵐と天山で搭載力も含めた飛行性能が同等ということはありません。全く違うといっていいものです。
 850kgの魚雷または800kgの爆弾を搭載して1000km以上の航続力と400km/hぐらいの速力として・・・陸上機(または艦上機)であれば1000馬力程度の出力で実現できるでしょうが、重たいフロートをぶら下げた上に潜水艦に収納できるように折りたたみ機構を設けるとなると機体の重量が増すため、より強力なエンジンが必要になります。
 天山ほどの強力なエンジンは必要ないにしても、晴嵐と同程度のエンジンは求められることになるでしょう。


> 5)攻撃目標の選定
>  史実で都市部への絨毯爆撃とか、原爆投下を行っているのが米国なのですから「憤激して士気高揚」しても、何も変わらない気もしますが(真珠湾攻撃自体で「憤激」しているのですから)。で、ビラ投下で警告した上で、無視したら「ダム攻撃するぞ」というのは、上記のような、無差別攻撃に対する抑止力になるのではないのですか?

 抑止力として効果を発揮するには、それが単なる脅しではないと思わせなければなりません。そのためには実際にいつでも攻撃できるということを示し続けねばならず、そのためには(開戦後である以上)実際に攻撃して見せるしかないのです。
 つまり作戦の継続が前提条件であり、作戦が一度きりの奇襲に限定されるのであれば抑止力としての機能は期待できません。


> 6)ドイツ云々
>  仮にドイツの力を借りていると考えられても、それは潜水空母の脅威性を増すだけですから、政治的効果には影響しないのではないでしょうか。
>  あと、私が望んでいるという書き方は、理解できません。
>  効果の検証が先にあり、その次に史実の日本に行われた無差別攻撃に対する抑止効果が望めないだろうか、という個人的な感情がありますので、主体は前者です。

 ドイツの作戦であるとするならば、その政治的効果(敵の都市を絨毯爆撃したらこちらも危ないと思わせる)が日本に対してはあまり働かないという可能性も出てきます。
 ドイツには原爆を使わなかったが日本には使った・・・その理由のひとつとして「ドイツに投下して万一不発に終わったらコピーされてしまうかもしれないが、日本なら大丈夫だろう」という判断があったという説が(本当か嘘かはおいといて)ありますが、都市部絨毯爆撃に対する抑止力もそれと同じように「ドイツで都市部絨毯爆撃をやれば報復されてしまうが、日本なら報復されないから大丈夫」という判断が働いてしまうかもしれません。
 もし、そうなれば日本ががんばって東海岸を攻撃して見せても、その甲斐がなかった(あるいは期待したほどではなかった)ということになってしまいます。
 米本土攻撃によってそうした政治的効果を望むのであれば、日本が独力で実施していることを示す必要があります。西海岸での要地攻撃を長期にわたって継続したほうが確実に得られるでしょう。しかし、潜水空母16隻で示威的作戦を長期にわたって継続することは非常に困難であり、おそらく開戦後1〜2年で打ち切りにせざるをえないのではないでしょうか?

 あくまでも大西洋で活動させるのであれば、一撃離脱ではなく、たとえ無理にでも限定的にでもドイツ海軍と共同して通商破壊に参加し、英連邦の屈服に尽力するほうがより実りは多いと思います。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@FL1-119-241-157-28.tcg.mesh.ad.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:枝葉末葉へのレス  ■名前 : 高村 駿明  ■日付 : 09/5/3(日) 20:05  -------------------------------------------------------------------------
   > ifの世界で運用される作戦も、用いられる機材こそ強化されているものの機材の絶対数は決して多くは無く、できることは史実の作戦と大差ありません。
 相手に史実とは別の対応を強要することが出来ないのであれば、結果は史実と大差のないものにしかならないと思うのです。

 史実で東海岸を航空攻撃したこともなければ、パナマ運河を襲撃したことも、ダムを攻撃したこともないですよね。潜水空母が実際に襲撃すれば、日本機が(ドイツの技術力で実現したと思われるかもしれませんけど)、米本土の重要施設を破壊しうるという、実績を突きつけることになります。史実の米本土航空攻撃は「攻撃されたこともよく気づいていない」程度の効果しか上げていませんから、上記のような成果があった状態と史実を同列にすべきではないと思います。

 元より米国は潜水空母の性能も配備数も艦載機の能力も不明な状態で、攻撃された場合は世論の突き上げを受けながら、対応を迫られるわけです。
 正体不明の存在を実像以上の敵にすることは、充分に考えられるのではないのですか? 一般国民には軍事常識などありませんから、ダムに攻撃予告ビラを巻かれて、パナマ運河を爆砕されたあとに「一過性の攻撃で大した実害がないので、現状の対応で十分」などと説明しても、全く意味を成さないように感じます。
 そして、何年経っても、日本軍(もしくはドイツ軍)が潜水空母を保有しており、全滅させた確証がないという事実が、史実以上の対応を行わせると思います。
 米軍も1921年の時点で基準排水量20,000トン、12インチ砲4門、7〜9インチ装甲を持ち、25ノットで走る潜水戦艦とか、潜水重巡などというバケモノ軍艦を、計画していたのですから、今回投入されたものより、もっと強大な潜水空母を建造しているかもしれないと思っても、別段不思議はありませんし、当然日独は謀略放送で「もっと強力な艦を建造している」などと煽ることと思いますが。

 有形無形のプレッシャーや、存在しない何かを対象に作戦や軍艦建造を行うことなど、史実でも多く見られることだと考えます。

> パナマは完全破壊に成功したとしても先述したとおり、太平洋戦線に対する影響は1ヶ月程度の兵站停滞にすぎず、しかも反攻開始前の段階であればダメージを受ける筈の兵站線自体が機能開始する前です。

 前にも書きましたが、補給線が長くなるのであれば、Uボート、潜水空母、仮想巡洋艦などによる攻撃機会も増えますし、護衛艦艇・輸送船の運用・輸送効率も悪化します。
 1か月分も補給線が伸びたのに、史実と同じ数量の輸送船団と護衛艦で、同じ量を前線に運べるはずがないものと思います。ドイツは史実よりも赤道や南米にUボートを派遣するかもしれません(燃料補給船に潜水空母を使ってもいいですね)。

> これが大西洋におけるドイツ海軍との共同作戦が可能であったり、あるいは潜水空母を運用するのがドイツ海軍であったりするのであれば、史実の延長線上で行われたとしてもまた異なってくるとは思いますが、それは今回のifの対象ではありません。

 太平洋戦争開戦前にこのイフの前提のように、16隻もの潜水空母が存在するのであれば、日独伊三国同盟の存在を配慮するでしょうし、ブレストやロリアン、ボルドーなどで補給可能とするような手配もするように思います。
 艦載機はともかく、燃料・水・食料や搭載魚雷(ドイツ製になるでしょうが)の補給はある程度可能だと思いますし、隠密性向上のための改装も行ってくれるでしょう。
 
>(前略)「日本の潜水空母による脅威」が存続し続けねばならないのです。つまり、作戦の継続が必要不可欠であり、一撃離脱の奇襲では史実以上の本土防備増強や大西洋の全体の掃討作戦などは実施されません。

 潜水空母が「もう大西洋に存在しない証明」「ドイツやフランスを基地として、反復攻撃しない証明」など不可能ですし、保有していることが確かな以上は、作戦を継続していなくても、ある程度の対応を強いられると思う次第です。
 「空母機動部隊が真珠湾を再攻撃しないこと」なら、哨戒を強化するなどして、ある程度は確認できるでしょうけど、「潜水空母が存在しないこと」をどう確かめるというのでしょうか。史実だって、防備を強化したはずの真珠湾に対して、二式大艇が爆撃を成功させたり、潜水艦偵察機で航空偵察を成功させていますよね。
 「防備を強化したから、反復攻撃は困難だから、もう安心」などと、当の米軍も米国民も思わないと思います。

>パナマ運河のガトゥン閘門の写真等を一度ご覧になることをお勧めします。
 閘門の門扉は上流側も下流側も2重になっており、爆弾や魚雷の1発では閘門を破壊しきれないことが見て取れると思います。

 前にも書きましたが、見た上で、かなりの破壊効果があるのではないかと考えたのですが、これは根拠が弱いということで、取り下げても構いません。
 ただ、日本軍はガトゥン閘門攻撃を検討した上で、攻撃に成功すれば6か月は使用不能にできると考えていたようですが、おうる様はこの推算自体が誤りだと言われるのでしょうか。何か根拠をお持ちなのでしょうか。
 
> 航続力が大きいということはそれだけ沢山の燃料を「搭載」しているということです。航続距離が違うということはそれだけ搭載能力が大きいということです。
 晴嵐と天山で搭載力も含めた飛行性能が同等ということはありません。全く違うといっていいものです。

 これも前にも書きましたが、天山や彗星ほどの航続力は不要ですから、可能ではないのですか? そんな大航続力を与えても、母艦に戻れないだけですから、そのリソースを速度と搭載量に向ければいいだけのことでしょう。

> ドイツの作戦であるとするならば、その政治的効果(敵の都市を絨毯爆撃したらこちらも危ないと思わせる)が日本に対してはあまり働かないという可能性も出てきます。
 ドイツには原爆を使わなかったが日本には使った・・・その理由のひとつとして「ドイツに投下して万一不発に終わったらコピーされてしまうかもしれないが、日本なら大丈夫だろう」という判断があったという説が(本当か嘘かはおいといて)ありますが、都市部絨毯爆撃に対する抑止力もそれと同じように「ドイツで都市部絨毯爆撃をやれば報復されてしまうが、日本なら報復されないから大丈夫」という判断が働いてしまうかもしれません。

 ドイツの技術なり支援なりで成立していると、米国が考えるなら、同種の艦艇をドイツが保有していても不思議はないと考えるでしょうし、ドイツを基地に作戦しても不思議はないと考えるはずですが……。
 で、ドイツの技術だろうと「日本が日本にそのような攻撃を行った場合に報復する」と言っているわけですから、そこを「たかをくくる」と言うのは、理解できないのですが。

>しかし、潜水空母16隻で示威的作戦を長期にわたって継続することは非常に困難であり、おそらく開戦後1〜2年で打ち切りにせざるをえないのではないでしょうか?

 別に、マダカスカルとか、インド洋に現れてもいいわけです。神出鬼没でどこでも攻撃できることを実証すればいいだけなのですから。

> あくまでも大西洋で活動させるのであれば、一撃離脱ではなく、たとえ無理にでも限定的にでもドイツ海軍と共同して通商破壊に参加し、英連邦の屈服に尽力するほうがより実りは多いと思います。

 英連邦屈服に参加すべきかは別として(敵航空機の脅威が大きい海域での、通商破壊艦に向いた性能を有していない。どこまでも政略攻撃艦)、ドイツの支援を受けたほうがいいことは間違いないでしょう。また、ドイツと連絡を取らなくては、敵と間違えて攻撃される可能性もあります。
 前にも書きましたが、日独の連絡艦とするのもよいかと思います。マゼラン海峡経由でも帰国できる性能がありますから。

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 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 潜水空母の存在を知らしめるか?  ■名前 : おうる  ■日付 : 09/5/3(日) 20:43  -------------------------------------------------------------------------
    一つの枝で話を続けると何かと面倒になるので、内容ごとに枝を分けたいと思います。

 まず、潜水空母が遊撃的に活動することによって連合軍(あえて米国に特定しないことにします)に対して、有形無形の脅威を与えることができる・・・という点。
 これは運用の仕方次第では十分に可能でしょう。
 直接的な破壊効果としてではなく、政治的な効果が大きいことはもちろんです。

 では、そこで「潜水空母」を連合国に対してアピールすべきか?という疑問を私は抱きます。

 水上機である以上、運用するのは空母ではないので航空戦力としては決して有力なものではありません。これは1度の攻撃を受けただけで相手方に知れることです。
 まともにぶつかるなら護衛空母1隻でもお釣りが来る程度の脆弱な航空戦力でしかありません。
 潜水空母なら潜水艦・水上艦としての個艦戦力として評価しても、まともにぶつかれば駆逐艦1隻でも勝てる相手です。
 つまり、仮に大西洋にいる潜水空母を一挙に掃討する!と連合軍が決断したとして、相手が「潜水空母」と分かっているのであれば少なくない数であるとはいえ駆逐艦と護衛空母を放てばいいわけです。

 しかし、水上機を運用できるのは潜水空母だけではありません。
 もし、水上機を使って遊撃しているのが潜水空母でないとしたら?
 「通商破壊のために巡洋艦を出撃させた」と連合側に伝え、かつ有力な水上艦がいるかのように思わせることが出来たなら・・・せめて「潜水空母」と特定させなければ?
 連合軍は相応の戦力を有する有力艦を投入しなければならなくなります。
 ビスマルク、ティルピッツやポケット戦艦への対応のために英海軍が全力を挙げざるを得なかったように、米海軍も全力を挙げて大西洋を掃除しなければならなくなるでしょう。

 ですが、これが最初から潜水空母とわかっているのであれば、戦艦や巡洋艦、はては正規空母まで投入する必要は薄れてしまうわけです。
 水上機を運用できるとはいえ、所詮は潜水艦でしかないのですから、ドイツの戦艦たちが成し遂げたように戦力を誘出・拘束することなどできはしません。

 潜水空母が実力を発揮し、有力な戦力足りうるのであれば、その存在は徹底的に秘するべきなのです。使うべきタイミングで効果的に使うためにも、「潜水空母で米本土をいつでも攻撃できるぞ」などと米国に知らせるのは避けるべきでしょう。
 ビラまきなどもってのほか、ビラをまくにしてもその内容に潜水空母を入れるのは良策とは思えません。

 逆に、潜水空母が本来の目的に使うには不都合が多く、有力な戦力にならないのだとするなら、むしろ「潜水空母」を大々的かつ大げさに喧伝すべきとは思います。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@FL1-119-241-157-28.tcg.mesh.ad.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 護衛空母は動けるか  ■名前 : BUN  ■日付 : 09/5/3(日) 21:07  -------------------------------------------------------------------------
   これは面白いところですね。
でも、護衛空母の攻撃力は大したものですが、護衛空母自体の脆弱さは補えません。アメリカ海軍がギルバート諸島での数百名の損害を伴うリスカムベイ損失を重大視したように護衛空母は魚雷一発で失われる可能性がある存在ですし、駆逐艦の対潜能力は航空機の攻撃にアウトレンジされてしまいます。しかも敵は貧弱ながら航空索敵能力があります。
最大十数機の攻撃機による奇襲攻撃の脅威がある海域にそう簡単に護衛空母を出撃させることはできません。空母という軍艦は消耗品として扱うには高価過ぎるのです。護衛空母相手であれば薄暮黎明の単機奇襲でさえ勝機がある以上、潜水空母群の捕捉撃滅には正規空母が充てられるかもしれません。それはそれで一大事です。
そして護衛空母がおいそれと出撃できないのであれば、それは通常潜水艦にとっても状況の変化をもたらすかもしれません。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; GTB6; SLCC1; .NET CLR 2.0.5...@c114.134.224.194.c3-net.ne.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : それ以前に掃討作戦はあるのか?  ■名前 : おうる  ■日付 : 09/5/4(月) 16:45  -------------------------------------------------------------------------
    別の枝のレスで示唆したとおり、私個人としては掃討作戦が1942年のような防備の固まりきっていない早い時期に実施されるとは考えていません。

 水上艦の掃討は被害を受けた輸送船や目撃した船舶の通報等を頼りに場所を特定し、追撃を実施できます。
 しかし、潜水空母の場合、その存在を宣伝しようがしまいが、位置を特定することができません。この点で、掃討作戦を実施したいと思っても実施に踏み切れない・・・あるいは実施したとしても大戦中盤以降の米機動部隊を待ち受ける日本軍のように徒に戦力分散させて待機させるぐらいしかできないだろうと考えます。

 史実のUボートも航空機の絡んだ喪失は全就役艦中約31%(地上撃破を除く)ですが、この中で艦載機が絡んだものは6%(艦船との共同戦果を含む)でしかなく、25%は基地航空機(および基地航空機と艦船の共同)で失われています。
 しかも、対潜戦術の研究が実を結ぶ1943年春以降になるまで、基地航空隊の哨戒圏外でのUボート撃沈はほとんど発生していません。

 それ以前のUボートの撃沈は拠点〜作戦海域間を往復するために通過しなければならない特定海域での待ち伏せ攻撃か、護送船団襲撃時に発生しており、「大西洋の掃除」とでも言うような掃討作戦らしい作戦は実施されていないのが実情だと思います。

 そもそも、普段は姿を隠しているけど放っておいても必ず向こうからやってくる相手をこちらから探し出しに行くことは非常に効率が悪いことで、拠点の沖合い等といった特定海域に限定するならまだしも、大西洋全体でハンターキラーを実行したのでは機材も人ももたないでしょう。

 おそらく実施されるとするならば、いつでも出撃できるような態勢を整えつつ、一応安全が確保されている海域で待機し、哨戒機なり通報艦なりから得られた目撃情報を元にその都度最寄の対応艦隊が出撃する・・・・か、護送船団に有力な護衛艦艇を随伴させる程度で終始すると思います。

 そのなかに正規空母や戦艦や巡洋艦が加わるならば、それはそれで戦力を拘束しえたと言えるでしょう。
 いずれにしろ、護衛空母はドイツ空軍の長距離攻撃機による被害がある以上、護送船団の護衛のために出撃せざるを得ないでしょう。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@FL1-119-241-157-28.tcg.mesh.ad.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 本当のご意見はどちらですか?  ■名前 : BUN  ■日付 : 09/5/4(月) 17:31  -------------------------------------------------------------------------
   >  そのなかに正規空母や戦艦や巡洋艦が加わるならば、それはそれで戦力を拘束しえたと言えるでしょう。
>  いずれにしろ、護衛空母はドイツ空軍の長距離攻撃機による被害がある以上、護送船団の護衛のために出撃せざるを得ないでしょう。


護衛空母に対して航空攻撃の脅威を無視してまで出撃が強行される状況が生まれるとしたら、それを「一大事」と言わずして何を心配するのでしょう。護衛空母に二重の任務に耐え得るだけの航空戦力があるのでしょうか。
そしてつい先程のご発言(下に引用しています。)とはどのように繋がるのか、それもわかりません。


> ですが、これが最初から潜水空母とわかっているのであれば、戦艦や巡洋艦、はては正規空母まで投入する必要は薄れてしまうわけです。
> 水上機を運用できるとはいえ、所詮は潜水艦でしかないのですから、ドイツの戦艦たちが成し遂げたように戦力を誘出・拘束することなどできはしません。


いったい「潜水空母」には敵戦力の誘出効果が期待できるのか、できないのか、どちらなんでしょうか。もし途中でお考えが変わったのであれば恐れ入りますがご説明ください。
一番上のご発言だけで「戦局に影響はない」どころの話ではないことになっていますし、潜水空母は駆逐艦一隻で対抗できるはずが、正規空母と戦艦まで誘出拘束され得る、という話になり、そして搭載機についても、水上機としての制限により性能的に問題にならないのか、あるいは一定の脅威となり得るのか、が揺れているとなれば、いったいどのような主張なのかその骨子すらわかり難くなってしまっています。

どちらなんですか?

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; GTB6; SLCC1; .NET CLR 2.0.5...@c54.003.c3-net.ne.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 海域によりけりでしょう  ■名前 : おうる  ■日付 : 09/5/4(月) 18:33  -------------------------------------------------------------------------
    潜水空母に期待できる効果の一つとして高村氏が重視しておられる「戦力の誘引・拘束」効果ですが、これは条件次第で効果も変わると思っています。

 高村氏が主張する米本土東海岸の直接攻撃という手段をとる限りにおいては、戦力誘引拘束効果は事実上皆無に近いでしょう。
 本土の基地航空隊のエアカバーがある以上は、正直言って空母も護衛空母も出てこないと思います。

 史実の北大西洋で護衛空母が必要とされた理由は、Uボートの跳梁ではなくドイツ空軍の長距離攻撃機による襲撃があったからこそだと考えています。
 つまり、基地航空隊の勢力圏外で航空機を運用する必要性があったから護送船団に空母が随伴せざるを得なくなった。
 であるならば、基地航空隊の勢力圏内である米本土沿岸でどれだけ擾乱しようとも空母を派遣する必要などあるはずもない。

 空母を誘引・拘束するのであれば、基地航空隊では防御できない事が条件になります。
 空母ないし有力な水上艦を誘引・拘束するのであれば、空母や有力水上艦でなければ対処できない状況を生み出す必要があります。
 基地航空隊の対応能力を上回る攻撃力を有するような空母機動部隊ならともかく、少数の水上機しか運用できない潜水空母で空母や有力水上艦を誘引・拘束するのであれば、基地航空隊の勢力圏外で活動しなければならないでしょう。

 そして、それは「そこにいる」とある程度特定できるか、または「そこに守るべき対象がいかなければならない」という条件が必要になります。

 北大西洋は欧州戦線への兵站を支える重要な守るべき航路があり、それでいて基地航空隊の勢力圏外であり、かつ航空機でなければ対処できない脅威(ドイツの長距離攻撃機)がありました。また、同様に駆逐艦では対処できない脅威(ドイツ戦艦)もいるため、有力な水上艦も拘束されました。
 潜水空母で新たに有力艦船を誘引するのであれば、同様に重要な何かがあり、それでいて基地航空隊の勢力圏外であり、かつ有力艦船(空母や戦艦等)でなければ対処できない脅威が存在すると連合軍に思い込ませるように実施しなければなりません。

 潜水空母がその姿を秘したまま水上機を用いるならば、水上機を運用しうる艦艇(少なくとも巡洋艦以上)が遊弋していると警戒させることが可能ですから、最後の条件である「有力艦艇でなければ対処できない」と思わせる事は比較的容易であろうと思います。
 そして水上機が爆撃なり雷撃なり、何らかの対応をせざるを得ないような航空攻撃を繰り返すのであれば、そこで航空機をもって対処する必要性が生じます。
 あとは基地航空隊の勢力圏外で重要な何かがある海域で作戦を実行するのであれば、敵戦力を誘引・拘束することは十分に可能となります。

 しかし、それらの条件が満たされないのであれば、誘引効果自体見込めないでしょう。
 有力な水上艦などおらず、潜水艦(潜水空母)だけであると知られてしまえば、戦艦や巡洋艦など全く必要なくなりますし、護衛空母だって出てきてくれるかどうか疑わしくなります。
 基地航空隊の勢力圏内であれば、基地航空隊を増強するほうが良いでしょうから空母の必要性は薄れます。
 重要な何かが無いのであれば、どれだけがんばって活動しようとも無視されてしまう可能性すら出てきます。

 したがって、米本土沿岸では戦力誘引効果の見込めないと思いますし、北大西洋においてドイツ海軍と共同で通商破壊に従事したとしても、史実で投入された戦力と大きく異なる戦力を同海域に誘引することは出来ないと考えます。
 しかし、別の海域で効果的に運用できるのであれば、戦力の誘引・拘束は十分に可能であろうと考えます。

 大西洋で運用するのであれば、戦力誘引・拘束など期待せず、ただ戦略的各個撃破(英連邦屈服)を目指して通商破壊に専念したほうが良く、戦力の誘引・拘束をするのであれば、大西洋以外の海域で実施すべきだと思います。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@FL1-119-241-157-28.tcg.mesh.ad.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:海域によりけりでしょう  ■名前 : とおり  ■日付 : 09/5/4(月) 21:05  -------------------------------------------------------------------------
   ま、仮想戦記にすぎませんが、
ワシントンDC(は無いでしょうが)、あるいはパナマ運河が「正体不明の多数機」に攻撃され、少なからぬ被害が生じた場合、「航空兵力を伴った有力な艦隊の存在」を想定するのが指揮官としての常識的判断ではないでしょうか。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; GTB6)@253.122.30.125.dy.iij4u.or.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 私が基地航空隊勢力圏内での運用に否定的な理由  ■名前 : おうる  ■日付 : 09/5/5(火) 11:47  -------------------------------------------------------------------------
    太平洋側は資料らしい資料を持っていないのでどの程度かはわかりませんが、大西洋側にはかなり広い哨戒網が1941年12月の時点で出来てしまっています。
 その哨戒網はメキシコ湾およびカリブ海の全域はおろか西インド諸島沿岸部にまで及んでいます。
 また北米海域も北大西洋の西1/3を

 仮にパナマを有力な航空戦力によって攻撃されたとすれば、米軍は付近の近海に航空機を運用しうる有力な艦隊が接近したと想定するでしょう。そして、既存の基地航空隊哨戒機の全力を挙げて、その敵艦隊の捜索にあたると思います。

 しかし、攻撃したのは潜水空母ですから哨戒機によって敵艦隊を発見することは出来ません。
 仮に艦隊速度35ノットの高速艦隊であったとしても、哨戒圏は非常に広いので哨戒圏外からパナマ沖1000kmの地点まで突入するだけでまっすぐ全力で橋っても24時間はかかります。
 下駄履き水上攻撃機(九七艦攻と同等の性能ならば)は1000kmもの作戦行動半径を持ちませんから、艦隊はもっと接近せねばならず、しかも攻撃機を収容してから離脱すれば更に同じだけの時間が必要になります。
 つまり、有力な艦隊が大西洋側からパナマを攻撃するとすれば、連合軍の基地哨戒圏内に3日以上はとどまらねばならず、発見されずに済むということはまずありえません。それがたとえ開戦当日であったとしてもです。

 パナマの攻撃は太平洋側から行われるでしょうし、米本土奇襲にしても太平洋側からのパナマ攻撃にしても、もっと条件は簡単になるはずです。
 しかし、水上機による攻撃が広範囲に同時攻撃という方法で実施される、または単一目標に対して多数機の集中投入であってもこれが複数回実施されるとなると、連合軍が想定するであろう有力な水上艦隊が「全くみつからない」となると、連合軍に「有力な艦隊」以外のプラットフォームの想定を促すことになるでしょう。
 そもそも艦隊速度で35ノットという速度は激しい燃料の消耗をもたらすため、哨戒圏から出たり入ったりを連日のように繰り返すことなど出来ないはずですし、また35ノット以上の高速を発揮する多数の艦船を米本土哨戒圏外に分散配置することも非常に困難なことだからです。

 艦隊以外のプラットフォーム・・・それも哨戒機が見落とす、あるいは発見できないもの・・・それは仮装巡洋艦か潜水艦しかなく、そこに気付かれた時点で「有力な艦隊が遊弋していると思わせる」ことにほぼ失敗してしまうことになります。
 敵が「有力な艦隊」を想定しなくなれば、「有力な艦隊」に対応するための戦力(空母や戦艦や巡洋艦)を配置しなくなってしまうかもしれない。
 そうなると、敵の戦力を誘引・拘束するという効果は失われてしまうことになります。

 潜水空母がSF作品に出てくるような、陸上機を運用する本格空母であれば、敵を大混乱に陥れることができるかもしれませんが、水上機を運用する以上は使い方を誤れば、どれだけその存在を秘したとしても正体を見破られてしまうでしょう。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@FL1-119-241-157-28.tcg.mesh.ad.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:私が基地航空隊勢力圏内での運用に否定的な理由  ■名前 : とおり  ■日付 : 09/5/5(火) 13:17  -------------------------------------------------------------------------
   おっしゃっていることは良くわかりますし、ここを見ている方も大方はそうでしょう。ただ私は哨戒を強化するだけでは片手落ちでは?と思っただけです。もし哨戒機が「航空兵力を伴った有力な艦隊」を発見した場合お手上げになってしまいますので。そのような事態を避けるため、指揮官としては当然相応の艦隊を緊急に差し向ける処置「も」取らねばならないでしょう。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; GTB6)@182.94.30.125.dy.iij4u.or.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 艦隊は間に合うか?  ■名前 : おうる  ■日付 : 09/5/5(火) 16:15  -------------------------------------------------------------------------
   > おっしゃっていることは良くわかりますし、ここを見ている方も大方はそうでしょう。ただ私は哨戒を強化するだけでは片手落ちでは?と思っただけです。もし哨戒機が「航空兵力を伴った有力な艦隊」を発見した場合お手上げになってしまいますので。そのような事態を避けるため、指揮官としては当然相応の艦隊を緊急に差し向ける処置「も」取らねばならないでしょう。


 哨戒の強化は手持ちの哨戒機の緊急出動によって、一時的にながら即座に実行できます。
 しかし、哨戒機が敵艦隊を発見できなければ艦隊は敵艦隊を追撃することが出来ません。
 また、潜水空母云々はおいといて仮に敵艦隊が実在したとしても、彼我の艦隊の位置関係によっては派遣されないこともあるでしょう。

 無駄に艦隊を動かせば、艦隊自体が危険にさらされますし、艦隊が防御すべき海域のほかの地域が危険にさらされます。そして、艦隊も消耗していきます。
 艦隊を動かさないのは、艦隊を動かさなくても哨戒強化で十分ということではなく、哨戒強化以外に出来ることがほぼ無いからです。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@FL1-119-241-157-28.tcg.mesh.ad.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:艦隊は間に合うか?  ■名前 : とおり  ■日付 : 09/5/6(水) 13:31  -------------------------------------------------------------------------
   http://www.ibiblio.org/hyperwar/AAF/I/AAF-I-8.html
p273あたりから。

米軍はパナマ運河の防衛も喫緊の課題と考え、41年12月までにかなり増強を図ったようです。それでも開戦直後はレーダ設備も貧弱でまだ空軍力は整っていたとはいえませんでしたが、12月中にレーダー4基、P40・25機増強のほか、もろもろ含め太平洋側からのair raidにも十分対応可能な状態になったとのことですね。無論沿岸警備も厳重だったようです。
はてさて。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; GTB6)@125.73.30.125.dy.iij4u.or.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 適切に使えば有効ということですか?  ■名前 : BUN  ■日付 : 09/5/5(火) 7:13  -------------------------------------------------------------------------
   使用する場所を得るなら、効果は大であるというご意見の転換と承知しました。

もともとこの兵器のポテンシャルはどれ程のものなのか、という話であるはずのところに実戦を経験して初めて認識されたような諸事実をもって否定されることに違和感を感じていましたので、大いに納得いたしました。


あとは各論ですけれども、対潜哨戒網があることだけで機動力を持つ洋上航空兵力への対処とはなりません。航空母艦の出動は北アメリカ沿岸の作戦が行われれはかなりの確率で実施されることでしょう。米海軍の空母ドクトリンは洋上航空兵力の撃破を第一に据えていますからそこを敢えて曲げる、という想定の方に不自然さが生まれてしまいます。洋上の航空優勢あっての対潜戦であり、対水上艦艇戦なのです。

護衛空母がハンターキラーとして投入される、という仮定はおうるさんご自身のものですから、いつ引込められても問題ありませんが、そもそも護衛空母そのものへの攻撃すら想定できる状況であれば、護衛空母の用法までも影響を受ける可能性があります。簡単に言えば護衛空母の護衛にあたる護衛空母が生まれるかもしれません。あるいは正規空母の投入になる可能性すらあるでしょう。

そして開戦から1年〜1年半の時期にこれが行われるとしたらアメリカにとっては大打撃です。最も空母が必要な時期にそれが拘束されるからです。では陸上基地航空兵力を充実させれば、今度は欧州戦線への大型爆撃機の供給に影響が出ます。
ただでさえ哨戒機とリソースを奪い合っていた大型爆撃機の供給に影響が出れば欧州戦線の航空戦事情は大きく変化します。史実にある通り・・・にはならないでしょう。

そしてアメリカ海軍自身が認識している潜水艦戦の効果の一つとして艦船の航続力の大幅低下があります。回避運動を繰り返しつつ航行した場合、単に時間を費やすだけではなく燃料消費の増大から後続力が1/3程度にまで落ち込むという問題です。これは地味ながら深刻な打撃です。必要な時期に必要な兵力や物資が届かないことを意味するからです。できる限り遠方から脅威を与えることの意義はこうした部分にもあります。「近くに来てからやればいい」というような将棋の駒の取り合いではないのです。

ということで、もし、開戦劈頭に潜水空母部隊が出撃できるような破天荒な仮定を持ち込むのであれば、それはそれなりの一大事であると私は解釈しています。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; GTB6; SLCC1; .NET CLR 2.0.5...@cr4-172-251.seaple.icc.ne.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 潜水空母に何を求めるか?  ■名前 : おうる  ■日付 : 09/5/5(火) 14:02  -------------------------------------------------------------------------
   > 使用する場所を得るなら、効果は大であるというご意見の転換と承知しました。
>
> もともとこの兵器のポテンシャルはどれ程のものなのか、という話であるはずのところに実戦を経験して初めて認識されたような諸事実をもって否定されることに違和感を感じていましたので、大いに納得いたしました。

 もともと潜水空母自体は使い方さえ間違いなければ、大いに役立つであろうとは考えておりました。
 ただ、その使い方として高村氏が重視しておられる米本土直接攻撃は高村氏が主張するほど効果的な使い方とは思っていませんし、それを否定する材料としては史実の事象を挙げるのが最も納得しやすいであろうと考えていただけです。また、このスレでの潜水空母の投入作戦が、米本土orパナマ奇襲に限定されているように感じられていた事も私にそう考えさせる要素として働いていました。


> あとは各論ですけれども、対潜哨戒網があることだけで機動力を持つ洋上航空兵力への対処とはなりません。航空母艦の出動は北アメリカ沿岸の作戦が行われれはかなりの確率で実施されることでしょう。米海軍の空母ドクトリンは洋上航空兵力の撃破を第一に据えていますからそこを敢えて曲げる、という想定の方に不自然さが生まれてしまいます。洋上の航空優勢あっての対潜戦であり、対水上艦艇戦なのです。
>
> 護衛空母がハンターキラーとして投入される、という仮定はおうるさんご自身のものですから、いつ引込められても問題ありませんが、そもそも護衛空母そのものへの攻撃すら想定できる状況であれば、護衛空母の用法までも影響を受ける可能性があります。簡単に言えば護衛空母の護衛にあたる護衛空母が生まれるかもしれません。あるいは正規空母の投入になる可能性すらあるでしょう。

 ハンターキラーとして空母(護衛空母であれ正規空母であれ)が投入される可能性はあると思いますが、それは連合軍に水上機を運用できる有力な水上戦力が遊弋していると想定させることに成功した場合だと思います。
 先述したように潜水空母の存在を秘した上で水上機による攻撃を実施したならば、攻撃を受けた連合軍は水上機を運用しうる有力な艦隊(少なくとも巡洋艦以上の艦船)の存在を想定しなければならなくなります。
 一度の攻撃に投入される水上機が多ければ多いほど、この艦隊の規模は大きいものとして想定せざるを得なくなるでしょう。
 そうなった場合で、なおかつ「この艦隊を補足撃滅せねばならない」と連合軍に決心させえたならば、ハンターキラーは実施されるでしょうし、そこには空母も投入される可能性が出てくると思います。

 そのためには「有力な艦隊がいる」と連合軍に想定させねばならず、そう想定させるためには、連合軍の哨戒網に必ず引っかかるはずの海域での活動は避けねばなりません。
 哨戒網にひっかかる筈の海域で活動しているにも関わらず哨戒網に全く引っかからなければ、跳梁する水上機のプラットフォームとして想定している有力な艦隊の存在を疑わせることになり、そこから「水上機を運用する潜水艦」という回答が導き出されるのは時間の問題でしょう。
 作戦の規模と海域によっては、たとえ実際に潜水空母自体を目撃されなかったとしても、正体を突き止められるのに最短で1週間もかからないと思います。

 潜水艦と特定されてしまったならば、しかも潜水空母の作戦海域が連合軍基地航空隊の勢力圏内であるならば、ハンターキラーに日本軍が最も拘束したいであろう戦艦や空母といった主力艦が組み込まれる可能性は著しく低下すると思います。


> そして開戦から1年〜1年半の時期にこれが行われるとしたらアメリカにとっては大打撃です。最も空母が必要な時期にそれが拘束されるからです。では陸上基地航空兵力を充実させれば、今度は欧州戦線への大型爆撃機の供給に影響が出ます。
> ただでさえ哨戒機とリソースを奪い合っていた大型爆撃機の供給に影響が出れば欧州戦線の航空戦事情は大きく変化します。史実にある通り・・・にはならないでしょう。

 水上機で攻撃をしている敵艦隊の正体が何者であるか?が特定されるかされないか、またその敵(潜水空母)がどこで暴れまわっているか?によって、その話は大きく違ってくると思います。
 状況によってはおっしゃるように大型機のリソースを哨戒機に回すことになるかも知れませんし、大型機ではなく単発機(または小型の双発機)の増強という形になるかもしれませんし、私が(米本土攻撃に潜水空母を投入した場合の結果として)主張するように史実と大差ない結果しか生まないかもしれません。
 誘引・拘束する戦力の対象として大型哨戒機を含めるのであれば、米本土直接攻撃とは異なる作戦が必要となると考えます。


> そしてアメリカ海軍自身が認識している潜水艦戦の効果の一つとして艦船の航続力の大幅低下があります。回避運動を繰り返しつつ航行した場合、単に時間を費やすだけではなく燃料消費の増大から後続力が1/3程度にまで落ち込むという問題です。これは地味ながら深刻な打撃です。必要な時期に必要な兵力や物資が届かないことを意味するからです。できる限り遠方から脅威を与えることの意義はこうした部分にもあります。「近くに来てからやればいい」というような将棋の駒の取り合いではないのです。

 お説ごもっともですが、潜水艦の稼働率と消耗を考えると通商破壊する側のコストは無視できません。
 南米迂回航路を攻撃するとして、南米を迂回する全ての船舶が航行し、かつ日本軍にとって拠点から最も近いであろうペルー沖ですら日本本土から1万5千kmも離れています。トラックからですら1万4千km離れており、トラックからの往復だけで3ヶ月以上の時間を要します。
 一度の作戦で1ヶ月前線で戦うとして、トラックからの往復で3ヶ月、後方での整備と休養で1ヶ月、ローテーションを組んだとして常時作戦海域で活動させることができるのは作戦投入潜水艦数の1/5にしかなりません。
 ドイツのUボートはブラジル沖赤道付近を中心に戦ったとしても欧州から片道約7千kmで約半分の距離。日本が南米航路で通商破壊を行おうとすれば、ドイツの2〜4倍のコストをかけて通商破壊作戦を実施せねばならず、非常に効率の悪い戦いになります。
 作戦海域が遠ければ遠いほど、損傷を受けた艦が撤退したとしても拠点まで生還できる可能性も減少しますし、途中故障が生じて任務完了前に引き返さざるを得ない艦も出てくるでしょうから、コストは更に大きくなるでしょう。
 日本は短期間で潜水艦戦力を消耗してしまうかもしれません。

 ドイツ海軍の協力を得て大西洋南米沖やカリブ海で通商破壊するとしても、史実でもカリブ海の作戦はIX型でも耐え切れないような遠距離作戦でしたし、補給と消耗の問題は無視できないものでした。
 1942年中であれば米本土沿岸海域でも十分な戦果が得られていたうえに、大西洋作戦に投入できるUボートの頭数に不足を感じていたドイツ海軍がわざわざ南米迂回航路への攻撃にUボートを割いてくれる可能性は低いでしょう。
 日本の潜水艦が大西洋南米沖で作戦するとなれば、Uボートは北大西洋に戦力を集中でき、同時に連合軍の護衛戦力を分散できるのでドイツ(特にデーニッツあたり)は喜んで兵站支援を引き受けてくれるかもしれません。
 しかし、そのためには少なからぬ数の潜水艦を大西洋に回航せねばならず、補給をドイツに一任出来たとしても、太平洋の潜水艦が減少してしまいます。
 一度回航してしまえば簡単には呼び戻せませんから、思い切った決断が必要になるでしょう。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@FL1-119-241-157-28.tcg.mesh.ad.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:海域によりけりでしょう  ■名前 : 高村 駿明  ■日付 : 09/5/5(火) 11:25  -------------------------------------------------------------------------
    非常に多くのご教授ありがとうございます。

>  潜水空母に期待できる効果の一つとして高村氏が重視しておられる「戦力の誘引・拘束」効果ですが、これは条件次第で効果も変わると思っています。
>
>  高村氏が主張する米本土東海岸の直接攻撃という手段をとる限りにおいては、戦力誘引拘束効果は事実上皆無に近いでしょう。
>  本土の基地航空隊のエアカバーがある以上は、正直言って空母も護衛空母も出てこないと思います。

 おうる様のご意見は特に通商破壊の活用部分については特に異論もないのですが、米東海岸の攻撃に対し「本土航空隊のエアカバーで充分。空母も護衛空母も出ない」というようなご発想は、政治抜きのものであると思わざるを得ません。
 そんなに冷静で戦争慣れした国民は、ハワイも取られていないのに「西海岸上陸の場合は、ロッキー山脈よりも後退し」などという反応を取るわけもないのです。

 攻撃を繰り返さないと、対応されないという発想は、軍人のものだと思います。開戦当初に東海岸の要所への「目立つ」航空攻撃を加えるということは、日本で言えば「皇居爆撃」とか「原爆投下」に匹敵するインパクトであり、何らかの過剰反応や、以後の戦備への影響がないとは思えないということです。

 この部分は、私は何度も繰り返して書いている通りですが。

>  史実の北大西洋で護衛空母が必要とされた理由は、Uボートの跳梁ではなくドイツ空軍の長距離攻撃機による襲撃があったからこそだと考えています。
>  つまり、基地航空隊の勢力圏外で航空機を運用する必要性があったから護送船団に空母が随伴せざるを得なくなった。
>  であるならば、基地航空隊の勢力圏内である米本土沿岸でどれだけ擾乱しようとも空母を派遣する必要などあるはずもない。

 潜水空母を全滅させたことの確認など不可能ですけど、せめて1隻でも沈めなくては、メンツが立たないという政治的状況になるのも明白です。
 そして潜水艦を大西洋上で追い回し、沈めるのに適した兵器は空母しかないのですから、空母投入しかないものと思います。

>  潜水空母がその姿を秘したまま水上機を用いるならば、水上機を運用しうる艦艇(少なくとも巡洋艦以上)が遊弋していると警戒させることが可能ですから、最後の条件である「有力艦艇でなければ対処できない」と思わせる事は比較的容易であろうと思います。

 再三、そうしたことを書かれますが、史実の条約期間内でも日本海軍が「航空機搭載潜水艦」を装備していることは知っているわけですから、今更「潜水空母などあるはずもない」という反応は期待すべくもないと思います。
 で、攻撃した水上機が巡洋艦以上の敵艦艇が放ったものではないと、確認すべくもないのですから、存在するかもしれないドイツ戦艦を捜索するために、洋上艦艇も展開するのではないのですか?
 繰り返しますが「枢軸国が潜水空母の襲撃」と言ったからといって、連合国がそのままこれを信じるということはないものと思います。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; .NET CLR 2.0.50727)@p59-157-176-1.sub.ne.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 手間をかけてまで求めるものは何なのか?  ■名前 : おうる  ■日付 : 09/5/5(火) 15:56  -------------------------------------------------------------------------
   >  おうる様のご意見は特に通商破壊の活用部分については特に異論もないのですが、米東海岸の攻撃に対し「本土航空隊のエアカバーで充分。空母も護衛空母も出ない」というようなご発想は、政治抜きのものであると思わざるを得ません。
>  そんなに冷静で戦争慣れした国民は、ハワイも取られていないのに「西海岸上陸の場合は、ロッキー山脈よりも後退し」などという反応を取るわけもないのです。

 エアカバーで十分・・・というよりは、哨戒網の増強以外の対策は現実問題として取り様がないのではないですか?
 米本土奇襲攻撃が特定少数目標に対する多数機集中投入なのか、多数目標に対する同時攻撃なのかわかりませんが、本土の目標を水上機が攻撃するということは、そのプラットフォームは必ず本土基地航空隊の哨戒圏に侵入しなければなりません。
 しかも、当時最高速の水上艦を持ち込んで一撃離脱を図っても、哨戒網にひっかからない可能性は非常に低く、まず無いと見てよいでしょう。
 つまり、水上機のプラットフォームが水上艦であるならば、必ずその所在を補足できるはずであり、攻撃目標の所在を補足できるからこそ友軍艦隊を派遣できるのです。
 所在がわからない目標を攻撃するために艦隊が丸ごと出撃することはありません。出撃したとたん、別の場所を攻撃されるかもしれませんし、潜水艦が相手であれば下手に重要な主力艦を出撃させることもできません。艦隊はただ行動するだけでも少なからぬコストを消費するものですから、いかに米海軍といえども無駄な行動は控えなければなりません。
 艦上機以外に捜索の手段が無いのであれば、空母は出撃せざるをえないでしょうが、基地航空隊で捜索できる場所の捜索のためにわざわざ虎の子の空母を投入するのはリスクが大きすぎるのです。


>  攻撃を繰り返さないと、対応されないという発想は、軍人のものだと思います。開戦当初に東海岸の要所への「目立つ」航空攻撃を加えるということは、日本で言えば「皇居爆撃」とか「原爆投下」に匹敵するインパクトであり、何らかの過剰反応や、以後の戦備への影響がないとは思えないということです。

 過剰に反応する・・・ということは、いわば後世の後知恵であって、当時の軍人たちが「この程度の反応がある」と確信していたわけではないでしょう。
 そして潜水空母を運用するのは日本海軍の軍人であり、作戦立案は軍事原則にのっとったものになりますから、「軍人の考え方」で考えることは問題は感じません。
 また、何らかの反応を導き出すことが作戦の目的であるわけですから、確実に目標以上の反応が得られることが期待できない作戦は実施できません。
 そして、戦果(政治的効果としての反応)が目標に達したかどうかの確認が即座に出来るわけではない以上、戦果が目標に達したと確認できるまでの間は作戦を継続する必要が生じます。
 一撃で十分・・・という確信が当時の軍人にもあったというのであれば、それでもいいでしょうが、そうでないなら一撃離脱で十分な政治的効果があることを作戦立案の前提条件とすべきではないでしょう。


>  潜水空母を全滅させたことの確認など不可能ですけど、せめて1隻でも沈めなくては、メンツが立たないという政治的状況になるのも明白です。
>  そして潜水艦を大西洋上で追い回し、沈めるのに適した兵器は空母しかないのですから、空母投入しかないものと思います。

 空母に潜水艦を追い回すことが出来るでしょうか?
 そもそも、米本土を攻撃した潜水艦が1隻だけであるという確証などどこにもなく、複数の潜水艦が待ち受けていると考えるのが当然かと思います。
 ただでさえ発見の難しい潜水艦が複数潜んでいる海域に、虎の子の空母を軽々しく投入することなど出来ないでしょう。
 それに、時期によっては米本土沿岸はUボートも活動を開始することになりますから、浮上中の潜水空母を攻撃するのでない限り、沈めた潜水艦が水上機で米本土を攻撃した潜水空母であると確認することも出来ません。
 また、報復の対象は潜水空母である必要は無く、同時に潜水空母の撃滅に空母が乗り出さねばならない必要性もありません。


>  再三、そうしたことを書かれますが、史実の条約期間内でも日本海軍が「航空機搭載潜水艦」を装備していることは知っているわけですから、今更「潜水空母などあるはずもない」という反応は期待すべくもないと思います。
>  で、攻撃した水上機が巡洋艦以上の敵艦艇が放ったものではないと、確認すべくもないのですから、存在するかもしれないドイツ戦艦を捜索するために、洋上艦艇も展開するのではないのですか?
>  繰り返しますが「枢軸国が潜水空母の襲撃」と言ったからといって、連合国がそのままこれを信じるということはないものと思います。

 擾乱作戦であれ戦力の誘引・拘束であれ、そんなことをどれだけがんばったところで戦争に勝てるわけではありません。裏口でどれだけ暴れたところで致命傷を与えることができるわけでもなく、それに対する備えを整えれば対応できてしまうわけですし、そのこと自体は不可能でも困難でもないのです。
 では何故そんなことをしたいのか?というと、そういう裏口での作戦の目的はつまるところ「時間かせぎ」でしかないのですよ。
 味方が一寸した手間をかけることで、敵にこちらがかけた手間以上に無駄なことをさせる。それによって時間を稼ぎ、味方の条件を有利にする。
 そのための時間稼ぎです。
 であるならば、可能な限り少ない手間で可能な限り無駄なことをさせ、可能な限り時間を稼ぐことが求められるのです。
 では、最初から潜水空母の攻撃であると答えを教えてしまうのと、何によって攻撃されたかわからないようにするのでは、どちらがより多くの時間を稼げますか?

 水上機運用潜水艦の存在は戦前から知られているんだから・・・とおっしゃいますが、攻撃してきた水上機のプラットフォームが潜水艦なのか水上艦なのか仮装巡洋艦なのか水上機母艦なのかを確認する手段さえ断てたのであれば、連合軍はその全てを想定して対策を練らねばならなくなります。
 正体が不明ではあるが有力な艦隊がいる可能性が残っている間は、連合軍側は主力艦の出撃も考えなければならなくなりますが、水上機のプラットフォームが有力な水上艦でないのであれば戦艦等の主力艦を出撃させる必要性が無くなるため、その分だけ誘引・拘束効果も失われます。
 同様に、正体が明らかになるにつれ、空母や巡洋艦に対する誘引・拘束効果も減じていくわけです。

 対応すべき対象が特定されればされるほど、対応策も同様に特定できていきますから、手間も減り、対応にかかる時間も少なくてすむようになります。
 水上機のプラットフォームを秘すことに成功できている間は、水上艦にも潜水艦にも水上機母艦にも仮装巡洋艦にも対応できるように対策を練らねばならず、それだけ多くの負担を強いることになり、負担が大きい分だけより多くの時間を稼げることになります。

 もし、有力な水上艦や航空部隊を同海域に派遣できるのであれば、「潜水空母を活動させる」と連合側に宣伝することで大きな別の効果を見込めるかもしれません。
 しかし、潜水艦しか派遣できない場所で潜水空母を運用するのですから、むしろその所在を秘したほうがメリットは大きいはずです。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@FL1-119-241-157-28.tcg.mesh.ad.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:手間をかけてまで求めるものは何なのか?  ■名前 : 高村 駿明  ■日付 : 09/5/5(火) 19:24  -------------------------------------------------------------------------
    ご教授ありがとうございます。

>  エアカバーで十分・・・というよりは、哨戒網の増強以外の対策は現実問題として取り様がないのではないですか?
>  しかも、当時最高速の水上艦を持ち込んで一撃離脱を図っても、哨戒網にひっかからない可能性は非常に低く、まず無いと見てよいでしょう。

 真珠湾でもタラント空襲でも、攻撃された後に哨戒網に引っかけて、逆襲などは行われていませんが。それが奇襲の強みなのだと思います。
 また、結果として母艦が撃沈されたとしても、攻撃に成功したのであれば、一定の脅威になることでしょう。

>  つまり、水上機のプラットフォームが水上艦であるならば、必ずその所在を補足できるはずであり、攻撃目標の所在を補足できるからこそ友軍艦隊を派遣できるのです。
>  所在がわからない目標を攻撃するために艦隊が丸ごと出撃することはありません。出撃したとたん、別の場所を攻撃されるかもしれませんし、潜水艦が相手であれば下手に重要な主力艦を出撃させることもできません。艦隊はただ行動するだけでも少なからぬコストを消費するものですから、いかに米海軍といえども無駄な行動は控えなければなりません。

 その辺りの見解は、全く分かれますね。
 チャーチルは1939年11月に、ビスマルクについて「それは最悪の大災害である。我々はそれを捕まえる事も殺す事も出来ず、またそれは その長大な航続力によって全ての大洋の隅々まで航海ができ,全ての通商網を破断させる事ができる」などと発言していますし、ルーズベルトはフッドが撃沈されたあと、ビスマルクがニューヨークを艦砲射撃するのではないか、カリブ海の要衝であるマルティニーク島を制圧する作戦に出るのではないか、日本まで周航して日本艦隊と合同作戦を行なうのではないか、などと危惧したそうです。
 海軍大臣までされた方の見解が、上記のようなものなのですから、例えばホワイトハウスが爆破されたとしたら、その成果はさておき、ワシントンDC沖に米空母を展開させ、探索させると共に、首都再攻撃を不可能にするかもしれません(軍事常識からすれば、ドゥーリットル隊の追撃に、南雲機動部隊を向けるなど、捕捉不可能で燃料の無駄ですが、実際に行われています)。
 また、潜水空母「らしき」潜水艦の目撃報告があれば(誤認であっても)、船団護衛の駆逐艦も、ある程度はかり出されるでしょうし、報告位置によっては正規空母出撃もあるかもしれません(当時の潜水艦は四十六時中潜行できませんから、艦載機での捜索は有効ですし、少なくとも潜水空母の活動を封じる効果は見込めるでしょう。ある程度の時間、浮上しなければ艦載機は出せないわけですから)。

>  艦上機以外に捜索の手段が無いのであれば、空母は出撃せざるをえないでしょうが、基地航空隊で捜索できる場所の捜索のためにわざわざ虎の子の空母を投入するのはリスクが大きすぎるのです。

 基地機が届かない場所で、船団が水上機の襲撃を受けたなら、空母以外でどのように攻撃を行えるのでしょうか。潜水空母が開戦時に一撃離脱を図ったとしても、当初計画でも「大西洋に9隻配備」とされている以上、ドイツ・フランスを拠点に再出撃を行う可能性も高いことでしょう(おうる様の言われる通り、日本よりドイツの方が近いのですから)。
 潜特型の特殊性を考えるなら、大西洋に何隻かは貼り付けっぱなしで差し支えないものと思いますし、まさにおうる様の言われる「北大西洋での通商破壊戦」を行ってよいかと思います。何であれ、北大西洋に水上攻撃機が出現し、船団護衛の駆逐艦を撃破した後、集まったUボートにより船団に大打撃などという事態が生じたなら、米英は空母による船団護衛を検討せざるを得ません。
 正規空母を投入したなら、不審な水上攻撃機が現れたとして、急行することができます。護衛空母の鈍足は、こうした任務には向かないことでしょう。

 また、米本土攻撃がなされた実例があれば、本土配備の哨戒機は増強されることでしょう。これは4発機になる可能性も高いと思います(潜水空母艦載機が活動できる圏内を少しでも減らしたいなら、航続力は必要でしょうから)。
 4発機の米本土配備が増えれば、欧州・太平洋戦線の双方に影響することも間違いありません。
 米本土直接攻撃は、実情以上の政治的脅威を与えるために、必要なことですし、軍事知識のない一般人にとって「仮想巡洋艦搭載の水上機」よりも「潜水空母」のほうが、不気味さを感じることも確かだと思います。
 で「直接攻撃できる」ことを証明さえできれば、あとは通商破壊戦とか、日独連絡に投入しても構わないとは思います。
 警戒が緩い山林に爆撃とかでも、恐怖を煽ることは可能ですから。

>  過剰に反応する・・・ということは、いわば後世の後知恵であって、当時の軍人たちが「この程度の反応がある」と確信していたわけではないでしょう。
>  そして潜水空母を運用するのは日本海軍の軍人であり、作戦立案は軍事原則にのっとったものになりますから、「軍人の考え方」で考えることは問題は感じません。

 米国の場合、作戦は軍人が決められるわけではありません。
 大統領が否定すれば、建艦計画すら変更されますし、その大統領は米国民の世論を無視できる存在でもありません。日本とて、昭和天皇の「他に戦力はないのか」との一声で、大和が沖縄に向かったわけですが。
 ルーズベルトが世論の圧力を受けて「潜水空母は脅威かもしれないから、空母で探索しろ」と命じれば、不合理であろうと、従わなくてはなりません。
 だから、騒擾攻撃に一定の価値を見いだして、潜特型を作ったわけでしょう?

>  また、何らかの反応を導き出すことが作戦の目的であるわけですから、確実に目標以上の反応が得られることが期待できない作戦は実施できません。
>  そして、戦果(政治的効果としての反応)が目標に達したかどうかの確認が即座に出来るわけではない以上、戦果が目標に達したと確認できるまでの間は作戦を継続する必要が生じます。

 それが「軍人の考え」なのではないでしょうか。
 山本長官も「真珠湾攻撃で米国民の士気を叩く」ことを念頭に置いて、作戦を立てています。米国民は激怒したわけですが、同時に不安や恐怖を感じたから、西海岸上陸を真剣に考えたわけで、一部成功していると言えるでしょう。
 パナマ運河はともかく、米本土攻撃において、軍事的実害を与えるなど、どうでもいいことだと思いますが。
 日本の開戦理由と、米国が譲歩しない場合の無差別攻撃宣言をビラで巻くだけでも、相応の意味はあるわけです。

>  一撃で十分・・・という確信が当時の軍人にもあったというのであれば、それでもいいでしょうが、そうでないなら一撃離脱で十分な政治的効果があることを作戦立案の前提条件とすべきではないでしょう。

 だから、政治的効果があると思わなければ、潜特型など企画しないのではないのですか? ゲタ履きの水上攻撃機で要地を破壊できるわけがないことなど、明白なのですから、東海岸攻撃に政治的意図を持たせないはずがありません。

>  空母に潜水艦を追い回すことが出来るでしょうか?

 他に使えそうな戦力がないわけですし、潜水空母艦隊がそのまま北大西洋その他に居座って、通商破壊をするかもしれません。 
 Uボートと作戦上連携するのは当然であり、日本の大型潜水艦多数がその水上機で船団襲撃を支援する可能性は、当然考慮されるでしょう。
 結果として、基地航空隊の届かない海域で使える洋上航空兵力は空母のみですから、船団の被害を減らしたいなら、空母を出すしかありません。

>  擾乱作戦であれ戦力の誘引・拘束であれ、そんなことをどれだけがんばったところで戦争に勝てるわけではありません。裏口でどれだけ暴れたところで致命傷を与えることができるわけでもなく、それに対する備えを整えれば対応できてしまうわけですし、そのこと自体は不可能でも困難でもないのです。

 対応できることと、対応リソースが少なくて済むかどうか、は全く別でしょう。
 仮に、潜水空母+Uボート対策として、大型四発機多数や空母が拘束されたとしたら、太平洋戦線が史実通りになるとは、到底思えません(で「潜水空母で戦争に勝てる」などと言ったことはありません。史実にどの程度の影響を与えるか、という話です)。米海軍とて、無限のリソースは持ちませんから、史実より多くのリソースを割かせれば、他戦線に影響が生じるのも確かでしょう。

>  では、最初から潜水空母の攻撃であると答えを教えてしまうのと、何によって攻撃されたかわからないようにするのでは、どちらがより多くの時間を稼げますか?

 というか、黙っていようとも、潜水空母で攻撃されたと思うのは当然であり(仮想巡洋艦やドイツ戦艦が哨戒を突破して、要地近くで水上機を放ったことに気づかない程度の哨戒網であるなら、潜水空母はかなり自由に攻撃できるでしょうね)、対潜対策も当然行うでしょう。
 で、枢軸国側が「仮想巡洋艦や我が通商破壊艦も展開させている」と宣伝してもいいですし、史実では全く動いていないドイツ戦艦を投入してもいいでしょう。

>  正体が不明ではあるが有力な艦隊がいる可能性が残っている間は、連合軍側は主力艦の出撃も考えなければならなくなりますが、水上機のプラットフォームが有力な水上艦でないのであれば戦艦等の主力艦を出撃させる必要性が無くなるため、その分だけ誘引・拘束効果も失われます。

 別に本当に水上艦を投入してもいいわけですよね。

>  同様に、正体が明らかになるにつれ、空母や巡洋艦に対する誘引・拘束効果も減じていくわけです。

 現実に船団が水上機に襲われて、SOS信号を出しながらUボートの攻撃で壊滅した、という事実が生じたら、「空母を動かすのは危ないし、効果が見込めないので燃料もったいないから」などと言いつのるのも難しいように思いますが。
 
>  もし、有力な水上艦や航空部隊を同海域に派遣できるのであれば、「潜水空母を活動させる」と連合側に宣伝することで大きな別の効果を見込めるかもしれません。
>  しかし、潜水艦しか派遣できない場所で潜水空母を運用するのですから、むしろその所在を秘したほうがメリットは大きいはずです。

 上記に書いた通り、チャーチルやルーズベルトはビスマルクに異常な航続性能があると思っているようですし、アドミラル・グラーフ・シュペーは実際に南大西洋やインド洋において活動しています。
 ですから太平洋からパナマを攻撃したのでない限り「潜水艦しか派遣できない場所」なるところは存在しないように思います(哨戒しても、澪見落とすことがあるのは、ミッドウェー海戦などで証明されている通りです)。
 連合国はポケット戦艦1隻の存在に、戦艦3隻、空母4隻、巡洋艦16隻からなる対策部隊を編制し、通商破壊艦の探索にあたったようですが。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; .NET CLR 2.0.50727)@p59-157-176-1.sub.ne.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 話を整理し、理解してからレスしましょう  ■名前 : おうる  ■日付 : 09/5/5(火) 21:27  -------------------------------------------------------------------------
   > >  エアカバーで十分・・・というよりは、哨戒網の増強以外の対策は現実問題として取り様がないのではないですか?
> >  しかも、当時最高速の水上艦を持ち込んで一撃離脱を図っても、哨戒網にひっかからない可能性は非常に低く、まず無いと見てよいでしょう。

>  真珠湾でもタラント空襲でも、攻撃された後に哨戒網に引っかけて、逆襲などは行われていませんが。それが奇襲の強みなのだと思います。
>  また、結果として母艦が撃沈されたとしても、攻撃に成功したのであれば、一定の脅威になることでしょう。

 ↑このレスは話がずれています。
 もう一度、話を良く読んでから再度レスしてください。
 多分、貴殿が私のレスの内容を誤解しているように思われます。


>  その辺りの見解は、全く分かれますね。
>  チャーチルは1939年11月に、・・・<中略>・・・船団護衛の駆逐艦も、ある程度はかり出されるでしょうし、報告位置によっては正規空母出撃もあるかもしれません(当時の潜水艦は四十六時中潜行できませんから、艦載機での捜索は有効ですし、少なくとも潜水空母の活動を封じる効果は見込めるでしょう。ある程度の時間、浮上しなければ艦載機は出せないわけですから)。

 ビスマルクの例は、ビスマルクが戦艦だからです。潜水艦などではないからです。両者は同一でかたるようなものではありません。
 また、南雲機動部隊はドゥーリットル爆撃後の空母を捜索するために何日間行動しましたか?
 短期間の誘引・拘束では意味がありません。


>  基地機が届かない場所で、船団が水上機の襲撃を受けたなら、空母以外でどのように攻撃を行えるのでしょうか。潜水空母が開戦時に一撃離脱を図ったとしても、当初計画でも「大西洋に9隻配備」とされている以上、ドイツ・フランスを拠点に再出撃を行う可能性も高いことでしょう(おうる様の言われる通り、日本よりドイツの方が近いのですから)。

 ↑この下りも思いっきり話がずれています。
 私は基地航空隊の哨戒圏の外で、艦上機でしか捜索できない場所で敵が行動したなら危険を冒してでも空母が出て来ざるを得ないが、そうでないなら空母を無理に出すことはしない。と説明したのであって、貴殿はこれは全く逆の意味に読み取ったように思われます。


>  潜特型の特殊性を考えるなら、大西洋に何隻かは貼り付けっぱなしで差し支えないものと思いますし、まさにおうる様の言われる「北大西洋での通商破壊戦」を行ってよいかと思います。何であれ、北大西洋に水上攻撃機が出現し、船団護衛の駆逐艦を撃破した後、集まったUボートにより船団に大打撃などという事態が生じたなら、米英は空母による船団護衛を検討せざるを得ません。
>  正規空母を投入したなら、不審な水上攻撃機が現れたとして、急行することができます。護衛空母の鈍足は、こうした任務には向かないことでしょう。

 空母が急行する必要は無いのですよ。
 護送船団に随伴しさえすれば、敵は寄ってくるのですから、護衛空母が随伴してエアカバーを形成しさえすればそれで済むのです。
 護衛空母に不足が無い限りは正規空母が出てくる必要はありません。


>  また、米本土攻撃がなされた実例があれば、本土配備の哨戒機は増強されることでしょう。これは4発機になる可能性も高いと思います(潜水空母艦載機が活動できる圏内を少しでも減らしたいなら、航続力は必要でしょうから)。
>  4発機の米本土配備が増えれば、欧州・太平洋戦線の双方に影響することも間違いありません。

 大型哨戒機が史実以上の増強を受けるという確証はありません。
 水上機による直接攻撃に対応するのであれば、単発戦闘機による哨戒を強化するだけでも十分効果があるからです。必ず母艦を見つけ出さねばならないというわけではありません。


>  米国の場合、作戦は軍人が決められるわけではありません。
>  大統領が否定すれば、建艦計画すら変更されますし、その大統領は米国民の世論を無視できる存在でもありません。日本とて、昭和天皇の「他に戦力はないのか」との一声で、大和が沖縄に向かったわけですが。
>  ルーズベルトが世論の圧力を受けて「潜水空母は脅威かもしれないから、空母で探索しろ」と命じれば、不合理であろうと、従わなくてはなりません。
>  だから、騒擾攻撃に一定の価値を見いだして、潜特型を作ったわけでしょう?

 潜特型はそれだけのために作られたのでしたか?


>  それが「軍人の考え」なのではないでしょうか。
>  山本長官も「真珠湾攻撃で米国民の士気を叩く」ことを念頭に置いて、作戦を立てています。米国民は激怒したわけですが、同時に不安や恐怖を感じたから、西海岸上陸を真剣に考えたわけで、一部成功していると言えるでしょう。
>  パナマ運河はともかく、米本土攻撃において、軍事的実害を与えるなど、どうでもいいことだと思いますが。
>  日本の開戦理由と、米国が譲歩しない場合の無差別攻撃宣言をビラで巻くだけでも、相応の意味はあるわけです。

 山本五十六が真珠湾への一撃だけで米国民の士気を挫いて早期講和を成立させると考えていたわけではありません。

>  だから、政治的効果があると思わなければ、潜特型など企画しないのではないのですか? ゲタ履きの水上攻撃機で要地を破壊できるわけがないことなど、明白なのですから、東海岸攻撃に政治的意図を持たせないはずがありません。

 一軍事作戦がもたらす政治的効果について過大評価しておられるように思われます。
 政治家が脅威について語るとき、その脅威が大きければ大きいほど自身の手柄の大きさにつながるため、実際よりも大げさに語るものです。チャーチルにもそうした傾向はあります。
 脅威であることは確かに脅威でしょう。しかし、その脅威の矢面に立つのは実務者たる軍人たちであり、脅威に対する評価は政治家の演説の内容と同じというわけではありません。
 米国はシビリアンコントロールも効いてるでしょうし、国民の声を無視することはできませんが、同時に米国民は専門家としての軍人の見識を無視するほどおろかでもありません。


>  他に使えそうな戦力がないわけですし、潜水空母艦隊がそのまま北大西洋その他に居座って、通商破壊をするかもしれません。 
>  Uボートと作戦上連携するのは当然であり、日本の大型潜水艦多数がその水上機で船団襲撃を支援する可能性は、当然考慮されるでしょう。
>  結果として、基地航空隊の届かない海域で使える洋上航空兵力は空母のみですから、船団の被害を減らしたいなら、空母を出すしかありません。

 水上機を搭載した日本の潜水艦が通商破壊をするとは限りません。
 日本とドイツは国も違えば装備品も異なり、ドイツが協力しても日本の潜水艦を維持するための補給物資を供給できるとは限らないからです。
 それは実際に日本の潜水艦がUボートと連携した行動を起こさない限り、一つの可能性でしかないわけです。


>  対応できることと、対応リソースが少なくて済むかどうか、は全く別でしょう。
>  仮に、潜水空母+Uボート対策として、大型四発機多数や空母が拘束されたとしたら、太平洋戦線が史実通りになるとは、到底思えません(で「潜水空母で戦争に勝てる」などと言ったことはありません。史実にどの程度の影響を与えるか、という話です)。米海軍とて、無限のリソースは持ちませんから、史実より多くのリソースを割かせれば、他戦線に影響が生じるのも確かでしょう。


>  というか、黙っていようとも、潜水空母で攻撃されたと思うのは当然であり(仮想巡洋艦やドイツ戦艦が哨戒を突破して、要地近くで水上機を放ったことに気づかない程度の哨戒網であるなら、潜水空母はかなり自由に攻撃できるでしょうね)、対潜対策も当然行うでしょう。

 最終的には気づかれるのは当然です。
 問題なのは気付かれるまでの時間が長いか短いかです。


>  別に本当に水上艦を投入してもいいわけですよね。

 大西洋に日本の水上艦を投入するんですか?
 日本海軍は総力を上げて南方資源地帯を掌握しなければならないんですよ?


>  現実に船団が水上機に襲われて、SOS信号を出しながらUボートの攻撃で壊滅した、という事実が生じたら、「空母を動かすのは危ないし、効果が見込めないので燃料もったいないから」などと言いつのるのも難しいように思いますが。

 海域によります。

 
>  上記に書いた通り、チャーチルやルーズベルトはビスマルクに異常な航続性能があると思っているようですし、アドミラル・グラーフ・シュペーは実際に南大西洋やインド洋において活動しています。
>  ですから太平洋からパナマを攻撃したのでない限り「潜水艦しか派遣できない場所」なるところは存在しないように思います(哨戒しても、澪見落とすことがあるのは、ミッドウェー海戦などで証明されている通りです)。
>  連合国はポケット戦艦1隻の存在に、戦艦3隻、空母4隻、巡洋艦16隻からなる対策部隊を編制し、通商破壊艦の探索にあたったようですが。

 ドイツの戦艦だから、ですよ。
 通商破壊という作戦はドイツ海軍にとって非常に重要な任務であり、ドイツ海軍の主敵である英海軍にとっての最大の弱点でもあります。
 ドイツ海軍はバルト海の制海権さえ維持できれば、残りの全戦力を通商破壊に投入できます。極端な話、英連邦の海上通商路と刺し違えることができるなら、バルト海防衛に必要のない全ての艦を磨り潰しても構わないのです。
 だから、ドイツは戦艦であっても単独で通商破壊に投入できます。
 そして、戦艦は駆逐艦や巡洋艦では対処し切れません。
 基地航空隊の制空権内に入ってきてくれるわけでもありません。
 通商破壊艦は放っておいても護送船団に相手から寄って来てくれるので、潜水艦や仮装巡洋艦ならば護衛空母や護衛駆逐艦を護送船団に貼り付けるだけでも対処できます。しかし、戦艦では対処し切れません。
 護衛空母や護衛駆逐艦では、戦艦と戦えばやられてしまいます。
 だから、ドイツの戦艦は海軍の全力を挙げてでも排除しなければならなかったのです。
 しかし、潜水艦や潜水空母は違います。
 対処するために戦艦なんか必要ありません。護衛空母で間に合わないのでない限り、正規空母を投入する必要もありません。巡洋艦ですら必要とされないかもしれません。
 戦艦と潜水空母を同列で語るのはおかしいと思います。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@FL1-119-241-157-28.tcg.mesh.ad.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:潜水空母の存在を知らしめるか?  ■名前 : 高村 駿明  ■日付 : 09/5/4(月) 12:56  -------------------------------------------------------------------------
    色々とご教授ありがとうございます。

> つまり、仮に大西洋にいる潜水空母を一挙に掃討する!と連合軍が決断したとして、相手が「潜水空母」と分かっているのであれば少なくない数であるとはいえ駆逐艦と護衛空母を放てばいいわけです。

 一撃離脱を行ったのであれば、掃討作戦を行っても空振りに終わるでしょうし、ドイツ・フランスの基地を使う場合でも、そもそも「潜水空母」なる艦艇が何隻あって、どこの地域で活動しているのか、連合国が確証を持てるとは思えません。
 駆逐艦や護衛空母(数がありませんが……)で沈められたとして、沈めたのがUボートなのか、イタリア潜水艦なのか、潜水空母なのか確かめられるかもわかりません。
 史実の潜特型がそうであるように、潜水空母やその艦載機は最高機密で建造されるでしょうし、大和型の正体が不明だったように、潜水空母の性能や建造数も「確実なところはわからない」としかならないことでしょう。
 ですから「潜水空母がいるぞ」とアピールしても問題はないし、政治的効果を狙うにはれが適切かと思います(枢軸国側が正しいことを言っているとも限らないわけです。おうる様が言われるように、仮想巡洋艦搭載機かもしれません)。「どうせ潜水艦だから」戦艦や巡洋艦は不要という判断の裏をかかれるかも、という辺りは駆け引きでしょう。

> 連合軍は相応の戦力を有する有力艦を投入しなければならなくなります。
 ビスマルク、ティルピッツやポケット戦艦への対応のために英海軍が全力を挙げざるを得なかったように、米海軍も全力を挙げて大西洋を掃除しなければならなくなるでしょう。

 潜水空母を活動させれば、護衛空母や正規空母を誘因できる可能性はありますよね。
 それに合わせて、ドイツ海軍が通商破壊艦を放つのは、やったほうがいいことでしょう。史実では、ノルウェー優先だったわけですが、大西洋作戦を行うべきという意見も強かったようです。潜水空母の存在を知ったヒトラーが、心変わりすればこういう展開もあるかもしれません。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; .NET CLR 2.0.50727)@p59-157-176-1.sub.ne.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 潜水空母をどこで使うか?  ■名前 : おうる  ■日付 : 09/5/4(月) 13:46  -------------------------------------------------------------------------
    潜水空母であると知らしめて問題が無いのは大西洋だけです。

 大西洋にはどのみちドイツの水上艦艇が通商破壊作戦に従事していますから、そこに「日本軍は潜水空母を(ry」と宣伝しようがしまいが関係なく、どのみち連合軍は巡洋艦以上の有力な艦艇を投入する必要があることには変わりありません。
 したがって、そこで日本が「潜水空母を(ry」と宣伝したとしても何の効果も無いのです。

 問題は潜水空母が活動するのが大西洋に限らないことです。
 そして大西洋は日本にとって重要な戦線ですらありません。
 つまり、日本の潜水空母は他に優先的に活動すべき海域があり、そこにはドイツの有力な水上通商破壊艦はいません。
 有力な水上艦を遊弋させることには限界があり、日本軍には主要作戦正面以外で展開する陽動のために有力な水上艦を割く余裕は無いので、潜水空母は他の通常潜水艦や非力な仮装巡洋艦と共に運用されることになります。
 水上機はある程度以上の規模を持った艦艇でしか運用できない・・・つまり水上機がいるということは、付近に有力な艦艇が遊弋している可能性を示す一つの指標とは成りますが、ここで事前に潜水空母の存在を明らかにしてしまった場合、連合側に対して脅威の存在を暗示する効果が減じてしまう可能性が高くなってしまうのです。
 潜水艦の最大の利点は隠密性にあり、敵に存在を知られること無く自由に活動できることにあります。それ以外は利点など無きに等しく、むしろ欠点の塊であるといって差し支えありません。
 そして、その隠密性さえ維持できるならば、掃討作戦によって水上の通商破壊艦が駆逐されてしまった後でも活動を継続できます。連合側は通商破壊艦を掃討したはずの海域でなおも水上機が暴れまわっていることに不気味さを感じることになるでしょう。
 しかし、プロパガンダで潜水空母の存在を明らかにしてしまった場合、そうした効果は減じることになります。
 どのみち対潜哨戒は行われることに変わりはありませんが、水上艦を掃討した後も尚、「水上機を運用する有力な水上艦」に対する警戒を強要し続けることが出来なくなります。
 これでは戦力の誘引・拘束の効果が減じることになります。


 水上艦がいないにも関わらず水上艦がいるかも知れないとプレッシャーを与えるためには潜水空母の存在は知られないほうが良く、存在そのものを徹底的に秘したほうがメリットはあります。


 一撃離脱については別の枝を設けます。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@FL1-119-241-157-28.tcg.mesh.ad.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : ドイツ海軍との共同作戦  ■名前 : おうる  ■日付 : 09/5/3(日) 21:04  -------------------------------------------------------------------------
    ドイツ海軍との共同作戦が可能であるならば、米本土攻撃に投入するよりも通商破壊戦に投入したほうが良いと考えます。

 史実の1941年当時の米国は戦争の準備は始めていましたが、その準備は完成していませんでした。戦争の準備が成るまでには早くとも1942年春ごろであり、1941年末の真珠湾奇襲で太平洋での戦力を喪失したのであれば、一時的とはいえ連合軍戦力から脱落したような状態になっています。
 この時期は米国も未だ油断が続いており、沿岸都市部の灯火管制すら観光業界の反対もあって布かれていません。
 大西洋の海上護衛は完備されてはおらず、1942年秋ごろまではUボートにとって非常に活躍しやすい時期にあたります。
 大西洋の空にいる哨戒機の多くは双発か四発の哨戒機であり、空母さえ出てこなければ下駄履きとはいえ単発機を追撃しうる障害は皆無です。
 潜水空母はその存在を知られることも無く、水上機を運用し、対空砲の射程外で接敵を保ちつつUボートに輸送船の位置を知らせることができます。

 もし、潜水空母の搭載機を攻撃機ではなく戦闘機にできるのであれば、輸送船を捜索しつつ連合軍の哨戒機を攻撃し、対潜哨戒網に打撃を与えることも出来るかもしれません。

 最終的に英連邦を屈服させるところまでいくとは思えませんが、戦略的各個撃破を成し得る絶好の機会です。
 また、ドイツとの同盟関係が強固なものになるのであれば、技術供与等が促進され、その後の兵器開発に影響を与えることになるかもしれません。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@FL1-119-241-157-28.tcg.mesh.ad.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:ドイツ海軍との共同作戦  ■名前 : 高村 駿明  ■日付 : 09/5/4(月) 12:59  -------------------------------------------------------------------------
    ご教授ありがとうございます。
 この部分は、概ね異論ございません。

>  もし、潜水空母の搭載機を攻撃機ではなく戦闘機にできるのであれば、輸送船を捜索しつつ連合軍の哨戒機を攻撃し、対潜哨戒網に打撃を与えることも出来るかもしれません。

 時期的に二式水偵のような水上戦闘機になりますね。
 役に立つかもしれませんし、微妙ではありますね。

>  最終的に英連邦を屈服させるところまでいくとは思えませんが、戦略的各個撃破を成し得る絶好の機会です。
>  また、ドイツとの同盟関係が強固なものになるのであれば、技術供与等が促進され、その後の兵器開発に影響を与えることになるかもしれません。

 そこも異論はございません。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; .NET CLR 2.0.50727)@p59-157-176-1.sub.ne.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:ドイツ海軍との共同作戦  ■名前 : おうる  ■日付 : 09/5/4(月) 13:55  -------------------------------------------------------------------------
   > >  もし、潜水空母の搭載機を攻撃機ではなく戦闘機にできるのであれば、輸送船を捜索しつつ連合軍の哨戒機を攻撃し、対潜哨戒網に打撃を与えることも出来るかもしれません。
>
>  時期的に二式水偵のような水上戦闘機になりますね。
>  役に立つかもしれませんし、微妙ではありますね。

 ただ、潜水艦搭載用の水上戦闘機を別途開発する必要があります。
 既存の水上戦闘機は機体の折り畳み機能を持っていないので、潜水艦での運用が出来ません。

 また、水上戦闘機を搭載するとなると、搭載機数の限られた潜水艦で複数の機種を運用するのはデメリットが大きすぎるため、水上戦闘機のみを搭載することになり運用形態そのものを大きく変更させなければならなくなります。

 あくまでも直接的な通商破壊(船舶攻撃)は潜水艦の仕事、水上機は偵察と哨戒機狩りが仕事・・・と目的を明確にして割り切らねばなりません。
 そこまで思い切った決断が持たざる国でしかないドイツや日本にできるかどうかははなはだ疑問です。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@FL1-119-241-157-28.tcg.mesh.ad.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 搭載機  ■名前 : おうる  ■日付 : 09/5/3(日) 21:39  -------------------------------------------------------------------------
    瑞雲は1200馬力で448km/hの速力と1052kmの航続力です。

 ただでさえ重たいフロートをぶら下げた上に、カタパルト射出や海上への着水に耐えるようにするため、機体各部を強化せねばならない水上機は、陸上機(艦上機)よりも一クラス上回る出力のエンジンを搭載しなければなりません。
 瑞雲の場合は急降下爆撃能力を求められたための更にその傾向が大きく、必要以上に重くなっていますが、晴嵐の場合は瑞雲よりも重たい兵装を搭載しなければならない上に、潜水艦搭載のため機体各部の折り畳み機構も持たねばならないため、瑞雲以上に重たくならざるを得ません。
 400km/hの速力、1000kmの航続力と800kgの搭載力を持つ(総合力で九七艦攻とほぼ同等に使えそうな)潜水艦搭載可能な水上機を作ろうと思うなら1300馬力級のエンジンは必要になるでしょう。

 九七艦攻と同等の1000馬力級のエンジンで800kgの兵装搭載能力を持つ水上機を実現しようとすれば、航続力が致命的に短いか、鈍足(300〜350km/hぐらいか)な機体にならざるを得ないと思います。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@FL1-119-241-157-28.tcg.mesh.ad.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:搭載機  ■名前 : 高村 駿明  ■日付 : 09/5/3(日) 22:17  -------------------------------------------------------------------------
    お付き合い頂き、ありがとうございます。
 とり急ぎ、この部分のみ。

>  400km/hの速力、1000kmの航続力と800kgの搭載力を持つ(総合力で九七艦攻とほぼ同等に使えそうな)潜水艦搭載可能な水上機を作ろうと思うなら1300馬力級のエンジンは必要になるでしょう。

 九七艦攻は最高377キロですよ? 時期的に潜水攻撃機に搭載可能発動機はDB601Aだと思うのですが、これは離昇出力1,050馬力です。ちなみに九七式三号艦攻の栄一一型は、離昇出力970HPであり、馬力では上回っています。
 また液冷ですから、空力では瑞雲よりも条件は上でしょう。

 離昇出力1,400馬力の晴嵐が477キロ/航続力1,540キロですから、これが1,050馬力でも400キロ/航続力1,000キロくらいは、充分に可能だと思います。で、米本土襲撃などの重要作戦時には反復攻撃を断念し、フロートなしの機体破棄条件で射出すれば、晴嵐が560キロですから、500キロ程度は可能だと思います。

 発動機はドイツ入港時に、本物のDB601がもらえるといいのですが(何でしたら、DB605に換装でもいいのですが、これは難しいでしょうね)。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; .NET CLR 2.0.50727)@p59-157-176-1.sub.ne.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 細けぇこたぁいいんだよ  ■名前 : おうる  ■日付 : 09/5/3(日) 22:38  -------------------------------------------------------------------------
   >  九七艦攻は最高377キロですよ?

 その代わり、航続力は1000kmではなくもっとあります。
 大体これぐらい・・・で数字をまとめて400km/h&1000kmと乱暴にまとめたものです。
 きっちり開発するのであればもっと高性能な機体が出来る可能性はありますが、今回のifでは1941年には実戦投入されてなければならないわけですから・・・厳密に計算したわけじゃありませんのであしからず。


(題名は気にしないでください)

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@FL1-119-241-157-28.tcg.mesh.ad.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:細けぇこたぁいいんだよ  ■名前 : 高村 駿明  ■日付 : 09/5/4(月) 13:43  -------------------------------------------------------------------------
   > >  九七艦攻は最高377キロですよ?
>
>  その代わり、航続力は1000kmではなくもっとあります。
>  大体これぐらい・・・で数字をまとめて400km/h&1000kmと乱暴にまとめたものです。
>  きっちり開発するのであればもっと高性能な機体が出来る可能性はありますが、今回のifでは1941年には実戦投入されてなければならないわけですから・・・厳密に計算したわけじゃありませんのであしからず。
>
> (題名は気にしないでください)

 貴方が九七艦攻程度の性能の飛行機は、1,300馬力なければ作れないと言われたから、検証しただけでしょうに。細かいことはいいとか言われますけど、ある程度脅威になる飛行機は作れるかどうか、というのは小さい話ではないような。
 貴方がどうでもいいなら、それでもいいのですが、概ね400キロ/航続力1000キロでも、潜水空母搭載機は脅威を与えられる、でよろしいですか?

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; .NET CLR 2.0.50727)@p59-157-176-1.sub.ne.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:細けぇこたぁいいんだよ  ■名前 : おうる  ■日付 : 09/5/4(月) 13:58  -------------------------------------------------------------------------
   >  貴方が九七艦攻程度の性能の飛行機は、1,300馬力なければ作れないと言われたから、検証しただけでしょうに。細かいことはいいとか言われますけど、ある程度脅威になる飛行機は作れるかどうか、というのは小さい話ではないような。
>  貴方がどうでもいいなら、それでもいいのですが、概ね400キロ/航続力1000キロでも、潜水空母搭載機は脅威を与えられる、でよろしいですか?

 脅威を与えられる・・・ではなく、潜水空母を航空戦力たらしめるにはその程度の性能の水上機を搭載する必要があると思います。
 奇襲専用と割り切ったとしても速力は犠牲に出来ませんし、航続力を犠牲にするくらいなら砲撃潜水艦でも作ったほうがましです。

 また、先述しているように1000馬力程度のエンジンでは速力か航続力のどちらかが致命的なレベルにまで減じることになります。
 とてもではありませんが、主戦場ではないにしても第一線に投入はできないでしょう。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@FL1-119-241-157-28.tcg.mesh.ad.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 別に性能はどうでも良いのでは?  ■名前 : SUDO  ■日付 : 09/5/4(月) 21:35  -------------------------------------------------------------------------
    相手が空母でも軍艦でもなく、精々護衛艦か商船であるならば、飛行性能なんて大して重要なものではないでしょう。
 またフロートの不利はあっても、水上機は離陸滑走距離の制限が緩和するのですから、飛行性能が単純に艦上機に劣るともいえません。
 また零式三座水偵は九七艦攻と大同小異の飛行性能で、馬力も同じぐらいで魚雷装備も可能です。つまり、零式水偵は九七艦攻と同等の水上機なのです。
 零式水偵は一応艦攻程度の折りたたみ機構を備えてますし、カタパルト発進にも対応してますので、これを晴嵐類似のよりコンパクトな折りたたみと、潜水艦に水上艦用と同等以上の力量のカタパルトを備えることは、1941年の日本海軍に技術的に不可能というほどのハードルではないでしょう。
 つまり九七艦攻程度の潜水艦搭載水上機は手の届くところにあるともいえます(まあ、九七艦攻が低性能なだけなんですが)
 そして、この潜水艦搭載水上機がたとえ九六艦攻ないし九四水偵レベルであっても、襲う対象が商船程度ならば実態として大して変わるものでもないでしょう。ソードフィッシュだってそれなりに戦えたのですから。
 枝葉末節に拘る前に、空母搭載機は意外と性能が悪いという現実にも立ち返ってみるべきではないでしょうか。

<Opera/9.64 (Windows NT 5.0; U; ja) Presto/2.1.1@221x116x237x197.ap221.ftth.ucom.ne.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 使用環境をどう考えるか  ■名前 : おうる  ■日付 : 09/5/4(月) 23:34  -------------------------------------------------------------------------
    お説ごもっともです。

 しかし、改めて思うのは潜水空母搭載機を運用する環境の特殊性です。
 例にあげられた艦上機や艦載機はいずれも友軍制空権下での運用、または友軍護衛戦闘機の随伴を運用の前提条件としている機体です。(水偵も艦隊がそもそも味方が制空権を確保した上で活動し、その艦隊の周囲で偵察等を行うので実質的に味方制空権下で活動するものと考えて差し支えなかろうと考えます)

 しかるに、潜水空母搭載機は味方制空権外で、しかも味方護衛戦闘機の随伴なしで運用することが前提になります。
 敵も航空機を運用できない外洋での商船狩りに限定して使うのであれば低性能で問題ないでしょうが、このスレで重要な検討対象となっている敵地への奇襲攻撃となると敵制空権内への侵入は必然となります。

 400km/hなら大丈夫というわけでもなく、むしろそれでも不足しているぐらいですが、九七艦攻や水偵同様400km/hを大きく下回る速力では敵戦闘機はもちろん、鈍足な敵哨戒機の追撃すら振り切ることは困難であり、遭遇が即致命傷につながりかねません。

 奇襲とはいえ敵地への単騎侵入を前提とする機体が、果たして本当に鈍足な低性能機でも良いのかどうかは、検討すべきであろうと考えます。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@FL1-119-241-157-28.tcg.mesh.ad.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:使用環境をどう考えるか  ■名前 : SUDO  ■日付 : 09/5/5(火) 5:23  -------------------------------------------------------------------------
    敵機が存在しないならば、彼我の航空優勢は定まってないのですから、別に低性能でも実害はありません。
 また要地へも「奇襲」ならば邀撃は考えなくても良いですし、電探の無い時代ならば警戒態勢に入っていたとしても邀撃が可能ともいえません(内陸侵攻や島嶼伝い等の電探に頼らずとも防衛側が早期警戒を可能とする仕組みならば、また条件は変わってきますが)護衛戦闘機の存在を前提とした攻撃機・爆撃機というのは1940年ごろには存在していません。
 また要地で戦争中という条件でありながら、タラント空襲はソードフィッシュで達成されました。九七艦攻程度で同様のことが出来ないと考える根拠は何処にも無いでしょう。

>  奇襲とはいえ敵地への単騎侵入を前提とする機体が、果たして本当に鈍足な低性能機でも良いのかどうかは、検討すべきであろうと考えます。

 事前警報のない条件で、敵機の空襲前に迎撃機発進や空中退避が可能だった例は、不可能だった例よりも少ないんです。
 洋上からやってくる攻撃機を、どうやって早期警戒すればよいのでしょう。開戦劈頭ならば洋上監視船等も整っていませんし、実際に真珠湾攻撃も迎撃機の発進前に攻撃は始まってます。
 また、それこそ、迎撃体勢を前提としなければならないのだとしたら、攻撃機を出す前に、戦力誘引という目的を十分に達成したということですから、攻撃計画を取り下げても構わないでしょう。
 大出力の警戒レーダーや管制システム、常時上空に一定数量のCAPを送り続けられるだけの大戦力の戦闘機部隊、更には洋上に監視船を配置したり、我が潜水母艦を掣肘するための哨戒機戦力も配属しているということですから、それこそ、攻撃しなくても大勝利じゃないでしょうかね?
 それに別に真昼間に行かなくてもよいでしょう。精密攻撃は無理ですが、どうせ少数ないし単機の攻撃なんて擾乱以上ではないのです。夜間に単機突っ込まれたら阻止するのはかなり難しいです。
 つまりは飛行機の性能は高いに越したことは無いですけど、飛行性能が戦力の決定的要因になるともいえないのです。

<Opera/9.64 (Windows NT 5.0; U; ja) Presto/2.1.1@221x116x237x197.ap221.ftth.ucom.ne.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : パナマ運河攻撃の実施  ■名前 : おうる  ■日付 : 09/5/3(日) 22:07  -------------------------------------------------------------------------
    パナマ運河自体への攻撃は余程の不幸に見舞われない限り、第1回目は確実に成功すると思います。

 問題はどれほどの兵力を投入するか?でしょう。

 パナマ運河は閘門が2本並列に配されており、一方を通行不能にしたとしても、一方の閘門の門扉の全てが破壊されてただの水路にしてしまわない限り、もう一方を使って通行可能です。
 一方の閘門に限っても門扉は必ず4枚以上ある上、どれか1枚でも残っていれば上流の水位が低下しないようにせき止めるぐらいは出来るため、全てを破壊しなければ簡単に復旧できてしまいます。

 短期間で復旧できないようにするには最低でも一方の門扉を全て破壊するか、基礎ごと完全破壊するしかありません。
 基礎ごと完全破壊することはたとえ当時日本軍が運用できた最大の航空爆弾である800kg爆弾を集中的に命中させることが出来たとしても困難です。
 運河を機能不全に落としいれうる箇所で破壊可能なのは(そして復旧が困難なのは)門扉のみであり、同時に破壊しなければならない門扉は複数存在します。

 閘門の外側に位置する門扉は魚雷で破壊可能でしょう。
 問題は閘門内側の門扉です。

 魚雷で門扉を破壊したとしても門扉は消滅しません。
 通常の商船の船体以上の強度はあるため、魚雷では先述したとおり数メートルの破孔があくだけであり、大部分は残骸として残ってしまいます。そして、破壊力は次の門扉までは及びません。
 この残骸が次の門扉に対する雷撃を大きく阻んでしまいます。したがって雷撃では全ての門扉を破壊することは不可能です。

 次に、一つの閘門の門扉は全てが同時に閉じているわけではないという問題があります。
 開いている門扉には魚雷は命中させられませんし、爆弾の直撃も望めません。
 門扉のあるあたりに爆弾を投下しても、爆圧で門扉が破壊できる(使用不能な程度に被害を受ける)可能性は決して高くはないでしょう。

 つまり、どこかの門扉は破壊できない可能性が非常に高いのです。

 門扉が生き残っていれば、最悪でも水位を維持するぐらいは可能であり、水の流れを堰きとめることができるのであれば、破壊された門扉の復旧は容易にできてしまいます。

 余程の幸運に恵まれたなら、閘門のなかにいる弾薬運搬船か大型艦船の弾薬庫に八十番を叩き込んで閘門を完全破壊!!!などという奇跡もおきるかもしれませんが、ご都合主義満載な火葬戦記でもなければそんなことはかなうはずもありません。

 日本軍が仮に南雲機動部隊の全力を挙げてパナマ運河を一撃したとしても、パナマ運河のどれか一つの閘門を完全破壊することは不可能に近い難事でしょう。
 それを潜水空母数隻で奇襲した程度ではなしえよう筈もありません。不可能です。
 できるのは一時的に通行不能にする程度であり、そのためにですら、潜水空母戦力のほぼ全力に近い戦力を投入する必要があるでしょう。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@FL1-119-241-157-28.tcg.mesh.ad.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:パナマ運河攻撃の実施  ■名前 : 高村 駿明  ■日付 : 09/5/4(月) 13:25  -------------------------------------------------------------------------
    ご教授ありがとうございます。

> パナマ運河は閘門が2本並列に配されており、一方を通行不能にしたとしても、一方の閘門の門扉の全てが破壊されてただの水路にしてしまわない限り、もう一方を使って通行可能です。
 一方の閘門に限っても門扉は必ず4枚以上ある上、どれか1枚でも残っていれば上流の水位が低下しないようにせき止めるぐらいは出来るため、全てを破壊しなければ簡単に復旧できてしまいます。

 当然、一方の閘門に絞って破壊することになりますね。
 片側だけでも水路にしてしまえば、湖水の流水は実現しますし、そうなれば片方が無事でも運河は使用不能です。

> 魚雷で門扉を破壊したとしても門扉は消滅しません。
 通常の商船の船体以上の強度はあるため、魚雷では先述したとおり数メートルの破孔があくだけであり、大部分は残骸として残ってしまいます。そして、破壊力は次の門扉までは及びません。
 この残骸が次の門扉に対する雷撃を大きく阻んでしまいます。したがって雷撃では全ての門扉を破壊することは不可能です。

 だから、日本軍は魚雷と爆弾を組み合わせて攻撃すると言っているのではないでしょうか。1枚目の門扉も魚雷の衝撃で外れたり、ずれたりするかもしれません。
 そこに2枚目に向けて爆撃を行えば、なまじ1枚目が残っている分だけ、爆発のエネルギーは逃げませんから、破壊効果は大きくなるかもしれませんよ。

> 次に、一つの閘門の門扉は全てが同時に閉じているわけではないという問題があります。
 開いている門扉には魚雷は命中させられませんし、爆弾の直撃も望めません。

 全ての閘門を開いていれば、湖水が流出してしまいますから、どちらかは閉まっていますよね。閉まっている側を破壊すれば、湖水は流出するのではないのですか? そして、慌てて応急処置で開いている側の閘門を閉じれば、そこを攻撃すればいいような。

> 余程の幸運に恵まれたなら、閘門のなかにいる弾薬運搬船か大型艦船の弾薬庫に八十番を叩き込んで閘門を完全破壊!!!などという奇跡もおきるかもしれませんが、ご都合主義満載な火葬戦記でもなければそんなことはかなうはずもありません。

 弾薬運搬船とか、大型艦船とは言いませんが、通過船舶がいることはそれなりにあり得ますよね。通常の商船が800キロ徹甲爆弾を受ければ、船底まで貫通して着底するのではないでしょうか。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; .NET CLR 2.0.50727)@p59-157-176-1.sub.ne.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:パナマ運河攻撃の実施  ■名前 : おうる  ■日付 : 09/5/4(月) 14:43  -------------------------------------------------------------------------
   >  だから、日本軍は魚雷と爆弾を組み合わせて攻撃すると言っているのではないでしょうか。1枚目の門扉も魚雷の衝撃で外れたり、ずれたりするかもしれません。
>  そこに2枚目に向けて爆撃を行えば、なまじ1枚目が残っている分だけ、爆発のエネルギーは逃げませんから、破壊効果は大きくなるかもしれませんよ。

 門扉の残骸がのこっているのであれば、それが障害となって水の流出は制限されることになります。
 それに爆発のエネルギーの大部分は最も抵抗の少ない上空へと逃げますから門扉があればエネルギーが逃げずに破壊効果が増す・・・それもある程度距離の離れた次の門扉に対して影響を及ぼすなどということは期待できません。

 攻撃機は幅約32mの運河に設けられた幅約19m、高さ約26m、厚さ約2m、重さ約750tの鋼鉄の扉を爆撃しなければなりません。
 1941年には実用化している機体で雷装可能な水上機ですから急降下爆撃能力は持っていないでしょう。
 それが水平爆撃または緩降下爆撃で攻撃するのです。
 命中率をどの程度に考えるべきかわかりませんが、爆撃自体が難しいと考えて差し支えないでしょう。
 破壊された門扉の残骸が邪魔になったり、門扉破壊によって水流が乱れればそのせいで魚雷が直進できなくなるかもしれないので魚雷は一番外側の門扉破壊にしか使えません(パナマ運河の深さは真珠湾よりも浅い13mなのでそもそも魚雷が使えない可能性もあります)。
 使用する兵器とその被害半径と威力について再検証した上で、投入機数も検討しなければ本当に運河を破壊できるのか?は断定できないと思います。

 潜水艦は一度出撃すれば1ヶ月は前線で活動できますが、帰還すれば1ヶ月は整備と休養のため動くことが出来ず、しかも中南米が前線であるならばそこまでの往復でそれぞれ時間を要します。
 パナマ攻撃に潜水空母を全力投入すれば、次の作戦開始まで数ヶ月間のブランクがあいてしまうので、他の作戦との兼ね合いも考えれば全力投入は出来ません。
 パナマ攻撃にどの程度の戦力を投入できるか?を考えれば、攻撃隊はおそらく多くても20機に達しない可能性が高いと思います。


>  全ての閘門を開いていれば、湖水が流出してしまいますから、どちらかは閉まっていますよね。閉まっている側を破壊すれば、湖水は流出するのではないのですか? そして、慌てて応急処置で開いている側の閘門を閉じれば、そこを攻撃すればいいような。

 攻撃が続いている間、果たして誰が門扉の開閉をするのですか?
 上空を日の丸を描いた水上機が飛びまわり、目の前で爆発が起こっているのであれば運河の作業員は普通、避難すると思いますが・・・門扉を閉めるとしたら上空から水上機がいなくなってからではありませんか?


>  弾薬運搬船とか、大型艦船とは言いませんが、通過船舶がいることはそれなりにあり得ますよね。通常の商船が800キロ徹甲爆弾を受ければ、船底まで貫通して着底するのではないでしょうか。

 船舶が着底した場合、その着底した船舶の船体が水の流出の抵抗になり、ガトゥン湖の水源を失わせるという効果は減じることになります。
 ガトゥン湖の水源が失われれば、運河内の船舶は運河内に運河から出て行けずにとどまらねば成りませんが、水源の流出が遅ければ水が残っているうちに海へ脱出できるかもしれません。
 着底船舶という障害物があれば、その残骸を利用して水をせき止めることが容易になり、却って復旧作業の助けとなる可能性もあります。

 それに攻撃を受けた船舶から立ち上る煙が攻撃続行の障害になる可能性もあります。ただでさえ精密な攻撃を要求される閘門爆撃で視界が妨げられるのは避けたほうが良いでしょう。

 閘門に船舶が入っているのであれば、その船舶が更なる破壊効果を発揮することが確実でもない限り、むしろ破壊しないほうがメリットがあるかもしれません。

 私自身は最悪の場合、閘門が破壊されたなら運河内上流側に残っている船舶のどれかをわざと閘門付近で着底させ、水の流出を防いで水源保持に努めるという応急復旧作業方法もあるのではないかと考えています。それが本当に有効であるならば閘門内の船舶攻撃はむしろデメリットとなるでしょう。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@FL1-119-241-157-28.tcg.mesh.ad.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : パナマ運河通行不能の結果  ■名前 : おうる  ■日付 : 09/5/3(日) 22:30  -------------------------------------------------------------------------
    この枝では仮にパナマ運河を通行不能にすることが出来たとして話をします。

 先述したとおり、パナマが暫定的であれ肯定的であれ、通行不能になったとすれば米軍は大陸横断鉄道と南米迂回航路を使って兵站線を維持しようとするでしょう。

 大陸横断鉄道を使った場合の効果については私は話が出来ませんのでおいて置きます。

 船舶が南米大陸を迂回したとしても、カリブ海から中米西岸までは1ヶ月の行程です。
 他の枝で指摘しているように1942年春までの段階ではまだ戦争の準備は完成しておらず、開戦半年の間は兵站線らしい兵站は機能していません。
 パナマ攻撃が比較的遅く、対日戦線向け輸送船がパナマに入ったところでパナマ運河が破壊されたのだとしたら、パナマ運河内に入った船舶を立ち往生させることが出来るかもしれませんし、その中に正規空母が含まれているのなら対日戦に大きな影響を及ぼすこと間違いないでしょう。
 しかし、これもまた火葬戦記でしか成立しない僥倖でしょうから、これも置いとくべきでしょう。

 パナマ攻撃は機能開始する前の兵站ルートが破壊されるため(開戦初期に攻撃を実施したとしての話)、先述したとおり対日作戦への影響そのものは大したものではないと思います。
 兵站が伸びることによって南米迂回航路が通商破壊の脅威に晒されるという指摘は可能性を否定しません。
 しかし、通商破壊する側であるドイツにとっても日本にとっても負担が大きい作戦であることも忘れてはならないでしょう。
 通商破壊する側も補給は必要であり、どの拠点からも最も遠く離れた南米迂回航路は、他のどの航路よりも攻撃の費用対効果が小さいのです。
 通商破壊戦(海上護衛戦)は襲撃する側よりも防御する側のほうが負担が大きいのは確かであり、襲撃を実施すれば確実に連合軍に負担を強いることにはなります。
 しかし、絶対的に国力の劣る枢軸側は作戦の費用対効果について吟味しなければ主導権を維持し切れません。ヘビー級相手に軽量ボクサーがフットワークで翻弄しようとしても、無駄に動きすぎればスタミナ切れを起こして結局つかまってしまう・・・という、情けない結果になるかもしれません。
 通商破壊をしかけるのであれば、他の航路を優先すべきであり、その優先すべき航路で通商破壊を実施する限り、南米航路の海上護衛の必要性は高くはならないでしょう。
 どのみち少なからぬ量の護衛艦艇を太平洋へ回航させなければならないのですから、護衛艦隊を新たに組織する手間のようなものは、おそらくそれほど大きくはならないでしょう。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@FL1-119-241-157-28.tcg.mesh.ad.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:パナマ運河通行不能の結果  ■名前 : 高村 駿明  ■日付 : 09/5/4(月) 13:38  -------------------------------------------------------------------------
   >パナマ攻撃が比較的遅く、対日戦線向け輸送船がパナマに入ったところでパナマ運河が破壊されたのだとしたら、パナマ運河内に入った船舶を立ち往生させることが出来るかもしれませんし、その中に正規空母が含まれているのなら対日戦に大きな影響を及ぼすこと間違いないでしょう。

 攻撃は乾期に行うべきとのことですから、1942年1月か2月になるでしょうね。
 奇襲効果を重視するなら、開戦と同時でもいいでしょうが、開戦自体を1942年1月にするかもしれません。
 また、大型空母が立ち往生はないでしょうけど、普通の商船ならあるかもしれません。

> 兵站が伸びることによって南米迂回航路が通商破壊の脅威に晒されるという指摘は可能性を否定しません。
 しかし、通商破壊する側であるドイツにとっても日本にとっても負担が大きい作戦であることも忘れてはならないでしょう。
 通商破壊する側も補給は必要であり、どの拠点からも最も遠く離れた南米迂回航路は、他のどの航路よりも攻撃の費用対効果が小さいのです。
 通商破壊戦(海上護衛戦)は襲撃する側よりも防御する側のほうが負担が大きいのは確かであり、襲撃を実施すれば確実に連合軍に負担を強いることにはなります。
 しかし、絶対的に国力の劣る枢軸側は作戦の費用対効果について吟味しなければ主導権を維持し切れません。ヘビー級相手に軽量ボクサーがフットワークで翻弄しようとしても、無駄に動きすぎればスタミナ切れを起こして結局つかまってしまう・・・という、情けない結果になるかもしれません。

 だから、潜水空母を補給艦にしてはと申し上げたのですが。VIIB型の燃料搭載量は重油108.3トン、潜特型の燃料搭載量は重油1,750トンで、約17隻分の燃料搭載量を有します。設計時に考慮すれば洋上給油も行えるでしょうし、水上機による索敵・誘導、護衛艦艇攻撃を行えば、攻撃の効率も向上するでしょうから、費用対効果の問題はかなり改善できるでしょう。

>通商破壊をしかけるのであれば、他の航路を優先すべきであり、その優先すべき航路で通商破壊を実施する限り、南米航路の海上護衛の必要性は高くはならないでしょう。
 どのみち少なからぬ量の護衛艦艇を太平洋へ回航させなければならないのですから、護衛艦隊を新たに組織する手間のようなものは、おそらくそれほど大きくはならないでしょう。

 おうる様はご理解された上で書かれているものと思いますが、船団は行っただけでなく、帰らなくては再び輸送できないわけです。
 ですから、船団護衛用の小艦艇や護衛空母を付けるなら、護衛空母は南米迂回路の船団に拘束され、その分前線での活用はできなくなります。もちろん、先に書いた通り輸送効率は大幅に低下するものと思います。日本軍が「数か月は侵攻を遅らせられる」と言うのは、その辺りもコミなのだと思いますが。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; .NET CLR 2.0.50727)@p59-157-176-1.sub.ne.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:パナマ運河通行不能の結果  ■名前 : おうる  ■日付 : 09/5/4(月) 15:00  -------------------------------------------------------------------------
   >  攻撃は乾期に行うべきとのことですから、1942年1月か2月になるでしょうね。
>  奇襲効果を重視するなら、開戦と同時でもいいでしょうが、開戦自体を1942年1月にするかもしれません。
>  また、大型空母が立ち往生はないでしょうけど、普通の商船ならあるかもしれません。

 開戦時期が1942年ということは無いでしょう。1942年開戦ならば1月ではなく春頃まで延びることになると思います。


>  だから、潜水空母を補給艦にしてはと申し上げたのですが。VIIB型の燃料搭載量は重油108.3トン、潜特型の燃料搭載量は重油1,750トンで、約17隻分の燃料搭載量を有します。設計時に考慮すれば洋上給油も行えるでしょうし、水上機による索敵・誘導、護衛艦艇攻撃を行えば、攻撃の効率も向上するでしょうから、費用対効果の問題はかなり改善できるでしょう。

 問題はそんなところには無いのです。
 考えてください。
 南米を迂回した船舶は次にハワイかその他の太平洋地域へ乗り出さねばならないのです。
 こちらから出向かなくても向こうから日本に近寄ってくれるんですよ。
 しかも基地航空機のエアカバーから出てくれるんです。
 何でわざわざこちらから南米沖まで出向かなければならないんですか?
 太平洋の兵站輸送船を攻撃するのであれば、南米で作戦するより太平洋に出てから攻撃すれば燃料もオイルも時間も労力も半分で済むのですよ。
 どうせパナマ運河が復旧するまでの数ヶ月は護衛艦隊の整備だって十分にはされていないのです。
 北大西洋を除けばどこで通商破壊しようと、護衛艦隊というリスクは大同小異で大差ないのです。

 南米航路に護衛部隊を編成させるため・・・というだけが目的で貴重な潜水艦を投入するのは割に合うとは思えません。
 南米護衛艦隊はパナマが再開通してしまえば不要になるうえ、不要になったらなったでどのみち他の海域へ配備されてしまいます。
 南米沖に護衛艦艇とその他の機材と人員を終戦まで拘束できるわけではないんですよ。


>  おうる様はご理解された上で書かれているものと思いますが、船団は行っただけでなく、帰らなくては再び輸送できないわけです。
>  ですから、船団護衛用の小艦艇や護衛空母を付けるなら、護衛空母は南米迂回路の船団に拘束され、その分前線での活用はできなくなります。もちろん、先に書いた通り輸送効率は大幅に低下するものと思います。日本軍が「数か月は侵攻を遅らせられる」と言うのは、その辺りもコミなのだと思いますが。

 ある程度の輸送船腹を太平洋へ回航したなら、あとは西海岸の港湾から積み出すことも考えられます。
 太平洋の前線拠点で荷を降ろした船のすべてが大西洋に帰っていくとは限りませんし、かえって来る頃にはパナマ運河が再開通してるかもしれません。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@FL1-119-241-157-28.tcg.mesh.ad.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 潜水空母による米豪分断  ■名前 : おうる  ■日付 : 09/5/3(日) 23:07  -------------------------------------------------------------------------
    米本土直接攻撃以外で潜水空母を運用するのであれば・・・という枝です。

 私個人は潜水艦は通商破壊に投入するのに最も適した兵器であり、潜水空母はその最たるものであると考えています。
 したがって、今回のifの潜水空母も通商破壊に投入してこそ最も戦果を上げられると考えます。

 潜水空母と運用水上機が敵拠点や要地への奇襲攻撃も想定して開発されていることは理解しています。

 問題はどこで通商破壊をすべきか?です。
 通商破壊をしても米国が屈服することは無いから、日本が通商破壊をしないのは当然である・・・とする主張があることは承知していますし、通商破壊によって米国を屈服させようという発想事態がどこか根本的に間違っているとも思います。
 しかし、WW2は米国のみを相手に戦ったわけではなく、通商破壊によってダメージを受けうる国は他に存在します。また、米国相手であっても兵站線を遮断できるのであれば、無意味にはなりません。

 仮に太平洋のみで運用するのであれば、日本軍の拠点前進に先駆けて米豪分断を潜水空母でやってしまう。
 日本軍の拠点からは米本土や南米迂回航路よりもよほど近く、しかも効果を発揮し得たならば豪州を単独で屈服させえます。

 米〜豪航路は基地航空隊のエアカバーも比較的貧弱であり、正規空母でも出てこない限りは水上機の攻撃を阻む敵航空機は存在しません。
 しかも、日本の水上艦が出張ってこようと思えば出張ってこれないこともない範囲・・・と連合側に警戒させ得る海域でもあるため、水上機が暴れまわったとなればたとえ直接目撃したという報告が無かったとしても有力な水上艦の遊弋を警戒しなければならなくなるでしょう。
 日本艦隊との衝突に積極的になれる程戦力を回復していない米艦隊は、反攻に二の足を踏むかもしれませんし、パナマ運河破壊後に米本土攻撃を中断して全戦力を米豪分断に投入したならば、日本軍がバヌアツやフィジーを攻略する前に豪州は屈服するかもしれません。

 ただ、情報収集ができずに効果的に船舶を襲撃できない可能性もありますし、当時の日本軍の潜水艦は魚雷のスクリューに不具合を抱えているため、通商破壊が思ったとおりの効果を上げない可能性もあります。
 また、豪州屈服をなんとしても防ぎたいと米軍が考えれば、無理をしてでも正規空母を投入して海上護衛を強化するかもしれません。

 それで空母を誘出撃滅できるなら、また異なる可能性が出てくるかもしれませんが、当時の米空母の存在価値を考えるとそこまでは望みすぎであろうと考えます。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@FL1-119-241-157-28.tcg.mesh.ad.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 潜水空母によるインド洋作戦  ■名前 : おうる  ■日付 : 09/5/3(日) 23:18  -------------------------------------------------------------------------
    潜水空母は潜水艦であるがゆえに、水上艦以上に敵勢海域の奥まで侵入できる利点があります。

 ドイツはアフリカ大陸を迂回してエジプトへ送られる英陸軍の増援を攻撃するよう日本に要請していましたが、日本は能力の不足からこれを実施しませんでした。
 潜水空母であれば(16隻では全力を投入しても足らないと思いますが)、インド洋西部アフリカ沿岸部まで進出して作戦を遂行できます。

 西インド洋で通商破壊が可能になれば、北アフリカの戦局に影響を及ぼすことが可能になるかもしれませんし、アフリカの戦局に影響しなかったとしても史実のインド洋作戦やモンスーン戦隊以上に戦果をあげることが可能になるでしょう。

 島嶼も少なく、基地航空隊によるエアカバーの貧弱なインド洋は潜水空母にとってもっとも最適な戦域であろうと考えます。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@FL1-119-241-157-28.tcg.mesh.ad.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : ダム攻撃  ■名前 : おうる  ■日付 : 09/5/4(月) 0:08  -------------------------------------------------------------------------
    別の方のレスで指摘されているとおり、ダムの攻撃は困難だと思います。

 コンクリートの巨大建造物を破壊することは非常に困難なのです。
 連合軍が欧州でダムを破壊した際に使用したような、ダム破壊用の特殊爆弾が必要になります。
 日本軍の八十番1発程度でどれほどの被害を与えうるかはなはだ疑問です。

 また、ダムは基本的に山岳部の渓谷に作られるものなので、地形的に航空攻撃が行いにくいものです。
 コンクリートに徹甲爆弾をめり込ませて破壊しようとすれば中高高度からの爆撃にならざるを得ませんが、そうすると命中率が怪しくなりますし、そもそもダム攻撃にはあまり好ましくない確度で爆弾が突入することになります。
 緩降下爆撃では貫通力が低下しますし、地形によっては突入が難しくなります。
 雷撃では渓谷の中に舞い降りねばならないため突入が難しく、また、速度も高度も下げねばならないため、対空砲火の被害を受けやすくなります。
 そして朝鮮戦争で失敗しているように、ダムに対する雷撃はどこまで効果があるか疑問です。
 雷撃は投弾成功しさえすればダムに対する命中率は高いでしょうが、魚雷はどう重量の爆弾に比べて炸薬量が少ないため、破壊効果は低くなる傾向にあります。
 爆弾ですら破壊の難しいダムを爆弾よりも威力の小さい魚雷で破壊しようというのですから、却って困難かもしれません。
 また、大概ダムには上流から流れてくるゴミがダムに達しないようにするため、ネットが張られているものです。
 雷撃の障害になるかもしれません。

 複数機で攻撃し、数発命中させれば・・・という指摘もあるでしょうが、狭い渓谷に複数機で突入するのは非常に困難を伴います。
 複数機で攻撃隊を構成し、1機ずつ順に攻撃すれば、今度は奇襲効果が薄れます。
 仮に地上に対空火力が配置されていれば、2機目以降は被撃墜の可能性が高まりますし、攻撃に時間が掛かれば奇襲に成功したとしても迎撃機がやってくる可能性が高まります。


 ダムが簡単に破壊できるようであれば、連合軍はUボートブンカーの破壊にも成功したのではないでしょうか?

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@FL1-119-241-157-28.tcg.mesh.ad.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:ダム攻撃  ■名前 : 高村 駿明  ■日付 : 09/5/4(月) 13:52  -------------------------------------------------------------------------
   >  別の方のレスで指摘されているとおり、ダムの攻撃は困難だと思います。

>  コンクリートの巨大建造物を破壊することは非常に困難なのです。
>  連合軍が欧州でダムを破壊した際に使用したような、ダム破壊用の特殊爆弾が必要になります。
>  日本軍の八十番1発程度でどれほどの被害を与えうるかはなはだ疑問です。

 何もフーバーダムを八十番とか魚雷1発で壊せる、などと主張しているわけではありませんが。
 天然の土砂や岩石を盛り立てて築いた構造物である、フィルダムであれば、八十番で致命的な破壊効果を発揮できるかもしれません。
 また、コンクリートダムでも、水門を魚雷や反跳爆撃で破壊すれば、湖水流出による政情混乱は起こせるでしょう。
 別にドイツ水力発電を妨害するために、ダム破壊が必要とか言うわけではなく、政情混乱を狙った攻撃なのですから、壊せるものを壊せばいいだけのことかと。
 発電所を破壊して、停電を起こすとか、そういう嫌がらせでもいいわけです。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; .NET CLR 2.0.50727)@p59-157-176-1.sub.ne.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:ダム攻撃  ■名前 : おうる  ■日付 : 09/5/4(月) 15:23  -------------------------------------------------------------------------
   >  何もフーバーダムを八十番とか魚雷1発で壊せる、などと主張しているわけではありませんが。
>  天然の土砂や岩石を盛り立てて築いた構造物である、フィルダムであれば、八十番で致命的な破壊効果を発揮できるかもしれません。
>  また、コンクリートダムでも、水門を魚雷や反跳爆撃で破壊すれば、湖水流出による政情混乱は起こせるでしょう。
>  別にドイツ水力発電を妨害するために、ダム破壊が必要とか言うわけではなく、政情混乱を狙った攻撃なのですから、壊せるものを壊せばいいだけのことかと。
>  発電所を破壊して、停電を起こすとか、そういう嫌がらせでもいいわけです。

 反跳爆撃が実施されるとすればそれはそれでまた別のifが必要になると思います。

 それはそれとして・・・反跳爆撃でダム攻撃は難しいでしょう。
 放水中であれば水流が激しく、放水中でなければ水深が浅すぎるため下流からの反跳爆撃はきわめて困難。
 上流側からすれば水面から数十メートルも跳ね上がる爆弾を、水面からせいぜい十数メートルしかないダムに命中させるのです。困難でしょう。

 また、フィルダムは積み上げた土砂が爆発の衝撃を吸収しやすいため、むしろコンクリートダムよりも爆発の衝撃に対しては強靭であるように思われます。


 あと、われわれはこのスレで八十番を頻繁に持ち出していますが、これが真珠湾に停泊している戦艦を攻撃するためだけに作られた特殊兵器であることを忘れてはいませんか?
 仮に真珠湾攻撃が行われないとしたらダムや運河攻撃に必要になるであろう浅沈度魚雷も八十番も開発されないことになり、これらを成立させるには別のifが必要になります。
 また、真珠湾攻撃があり、魚雷も八十番も史実同様に開発されたのだとしても、八十番を潜水空母による要地攻撃に用いるのであれば長門の主砲弾改造爆弾とは別に製造する必要が生じてきます。
 それらを成立させるためには八十番によって破壊すべき攻撃目標が存在していなければなりませんが、当然ながらダムや運河はもちろんコンクリートで防御された軍事目標を攻撃するためともなると八十番では力不足です。欧州戦線で用いられたような1tや1800kg爆弾が必要になるでしょう。
 かといって八十番より巨大な爆弾となると九七艦攻と同様の性能を持つ水上機では運用できない可能性も出てきます。
 陸上機とは違って水面に浮く必要のある水上機は、搭載兵器+機体の重量が重くなれば、それにあわせてフロートの浮力も増さねば機体として成立しなくなりますから、搭載兵器によってはこのifの世界の水上機の設定を見直す必要が出てくるでしょう。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@FL1-119-241-157-28.tcg.mesh.ad.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:ダム攻撃  ■名前 : 高村 駿明  ■日付 : 09/5/5(火) 18:07  -------------------------------------------------------------------------
    ご教授ありがとうございます。

>  反跳爆撃が実施されるとすればそれはそれでまた別のifが必要になると思います。
>
>  それはそれとして・・・反跳爆撃でダム攻撃は難しいでしょう。
>  放水中であれば水流が激しく、放水中でなければ水深が浅すぎるため下流からの反跳爆撃はきわめて困難。
>  上流側からすれば水面から数十メートルも跳ね上がる爆弾を、水面からせいぜい十数メートルしかないダムに命中させるのです。困難でしょう。

 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%8D%E8%B7%B3%E7%88%86%E5%BC%BE

 この辺りが根拠なのですが。
 で、反跳爆撃ですが、商船の水面高さ10数メートルしかないですが、かなり当たっているように感じます。

>  また、フィルダムは積み上げた土砂が爆発の衝撃を吸収しやすいため、むしろコンクリートダムよりも爆発の衝撃に対しては強靭であるように思われます。

 そうであるなら、不適切でしたね。
 ただ、ダムといっても規模は様々ですし、潜特型相当を開戦前に保持しているという前提であれば、適切な攻撃手段について研究もされるでしょう。それが反跳爆撃しかないなら、訓練されるでしょう。

 どうしてもダム攻撃が不可能という結論が出たとしても、例えば「ロッキー山脈に八十番を投下して、人為的に雪崩を起こす」でも「森林火災を起こす」でもいいわけですし、ホワイトハウスやエンパイアステートビルを爆破してもいいわけです(ビラ撒き、と言いましたけど攻撃可能だと証明するだけで充分ですが)。
 このように、政治的効果のありそうな目標は多岐にわたりますし、その全てを防備することも(防御側の実感として)不可能と言えるでしょう。

 また、東海岸への攻撃実績があれば、東京大空襲のような民間人への無差別攻撃が行われたとして「このような攻撃を続けるのであれば、潜水空母により報復攻撃を行う」というような、史実では全く不可能な駆け引きも可能でしょう。

>  あと、われわれはこのスレで八十番を頻繁に持ち出していますが、これが真珠湾に停泊している戦艦を攻撃するためだけに作られた特殊兵器であることを忘れてはいませんか?
>  仮に真珠湾攻撃が行われないとしたらダムや運河攻撃に必要になるであろう浅沈度魚雷も八十番も開発されないことになり、これらを成立させるには別のifが必要になります。

 上にも書きましたけど、潜特型相当多数を持つのであれば、奇襲攻撃に必要な攻撃手段のみ開発されていないというのは、不自然でしょう。
 浅沈度魚雷が運河攻撃に必要なら、事前開発されるでしょうし、八十番徹甲爆弾が攻撃に必要なら、開発されるでしょう。
 技術水準として、絶対に開発不能とも思えませんけど。

>  また、真珠湾攻撃があり、魚雷も八十番も史実同様に開発されたのだとしても、八十番を潜水空母による要地攻撃に用いるのであれば長門の主砲弾改造爆弾とは別に製造する必要が生じてきます。
>  それらを成立させるためには八十番によって破壊すべき攻撃目標が存在していなければなりませんが、当然ながらダムや運河はもちろんコンクリートで防御された軍事目標を攻撃するためともなると八十番では力不足です。欧州戦線で用いられたような1tや1800kg爆弾が必要になるでしょう。
>  かといって八十番より巨大な爆弾となると九七艦攻と同様の性能を持つ水上機では運用できない可能性も出てきます。

 「壊せるものを壊すでしょう」と書いた通りです。攻撃効果の事前検討の時間は充分にあるわけですから。
 速度低下を覚悟で大重量爆弾(限度がありますが)を搭載するかもしれませんし、魚雷でも射程距離が不要ですから、特別に製造し、炸薬量を増やすかもしれません。例えば九四式航空酸素魚雷は射程にリソースを向けたわけですが、これを炸薬量に割り振る、なども可能かもしれません。
 米海軍では、戦艦の主砲に匹敵するというふれこみの12インチロケット砲を戦闘機に搭載していますが、こういう兵器も場合によっては開発されるかと。

>  陸上機とは違って水面に浮く必要のある水上機は、搭載兵器+機体の重量が重くなれば、それにあわせてフロートの浮力も増さねば機体として成立しなくなりますから、搭載兵器によってはこのifの世界の水上機の設定を見直す必要が出てくるでしょう。

 エンジンを串型配列にするとか、重量物搭載時はフロートなしで射出するとか、機材側を工夫するかもしれませんね。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; .NET CLR 2.0.50727)@p59-157-176-1.sub.ne.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : やっぱり別のifが必要です  ■名前 : おうる  ■日付 : 09/5/5(火) 22:09  -------------------------------------------------------------------------
   >  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%8D%E8%B7%B3%E7%88%86%E5%BC%BE
>
>  この辺りが根拠なのですが。
>  で、反跳爆撃ですが、商船の水面高さ10数メートルしかないですが、かなり当たっているように感じます。

 事前の検討がキチンとされているからでしょう。
 反跳爆撃は爆弾がこの高度でこの速度で投下すると何メートルくらい跳ねるかを事前の研究で十分踏まえたうえで実行されます。
 たとえば最初の着水から400m進むのであれば、目標の400m手前に着水させて目標付近で推力を失うように投下し、目標の至近で爆発するようにします。
 地形や障害物を事前に確認し、反跳爆撃のための飛行コースが開いているかどうかも検討しなければなりません。
 航空写真等の情報を事前に収集し、侵入→投下→離脱のコースを決定した上で実行する必要がありますが、戦略爆撃等にまぎれて航空写真を撮ったり、スパイを使ったりして情報を収集できない以上、連合軍がドイツに対して行ったようなダム攻撃は難しいと思います。
 あと、反跳爆撃はわざと至近弾にして機雷や魚雷のような水中爆発による破壊効果を狙うのですが、船舶に対しては比較的小さい通常爆弾でも有効でも、ダム破壊となると水上機で運べるような通常の爆弾では威力不足です。


>  ただ、ダムといっても規模は様々ですし、潜特型相当を開戦前に保持しているという前提であれば、適切な攻撃手段について研究もされるでしょう。それが反跳爆撃しかないなら、訓練されるでしょう。

 その爆撃法を日本軍の誰かが思いつく・・・そして、海軍が研究して完成させる・・・という、別のifが必要になります。
 反跳爆撃というか・・・九一式徹甲弾のように水中を突進する爆弾とか、誰か思いつかなかったのかな?・・・速度が足らないか・・・


>  どうしてもダム攻撃が不可能という結論が出たとしても、例えば「ロッキー山脈に八十番を投下して、人為的に雪崩を起こす」でも「森林火災を起こす」でもいいわけですし、ホワイトハウスやエンパイアステートビルを爆破してもいいわけです(ビラ撒き、と言いましたけど攻撃可能だと証明するだけで充分ですが)。
>  このように、政治的効果のありそうな目標は多岐にわたりますし、その全てを防備することも(防御側の実感として)不可能と言えるでしょう。

 せっかく議題別に枝をわけたのですから、それはまたそれ用の枝でお願いします。


>  上にも書きましたけど、潜特型相当多数を持つのであれば、奇襲攻撃に必要な攻撃手段のみ開発されていないというのは、不自然でしょう。
>  浅沈度魚雷が運河攻撃に必要なら、事前開発されるでしょうし、八十番徹甲爆弾が攻撃に必要なら、開発されるでしょう。
>  技術水準として、絶対に開発不能とも思えませんけど。

 そのために必要な兵器を作ったとして、その後の別の作戦への転用の可能性や使用頻度を考えた場合、必要ではあっても開発されず、別の手段が検討される可能性は高いでしょう。
 いるから必ず開発されるとは限りません。


>  「壊せるものを壊すでしょう」と書いた通りです。攻撃効果の事前検討の時間は充分にあるわけですから。
>  速度低下を覚悟で大重量爆弾(限度がありますが)を搭載するかもしれませんし、魚雷でも射程距離が不要ですから、特別に製造し、炸薬量を増やすかもしれません。例えば九四式航空酸素魚雷は射程にリソースを向けたわけですが、これを炸薬量に割り振る、なども可能かもしれません。
>  米海軍では、戦艦の主砲に匹敵するというふれこみの12インチロケット砲を戦闘機に搭載していますが、こういう兵器も場合によっては開発されるかと。

>  エンジンを串型配列にするとか、重量物搭載時はフロートなしで射出するとか、機材側を工夫するかもしれませんね。

 水上機の問題は運用するプラットフォームの側の問題でもあります。
 重量が大きすぎればカタパルトが対応できないかもしれませんし、潜水艦だって重量の制限はあります。爆弾が大きすぎて弾薬庫に積み込めない・・・とか、重すぎて飛行機の懸架装置の下まで移動させられない・・・とか、
 運用する水上機が対応できないのなら、潜水艦にも搭載できない可能性が出ますし、水上機を回収しなければならないのなら潜水艦のほうも改造しなければならなくなるかもしれません。
 少なくとも「九七艦攻相当の水上機」で考える限り、ダム破壊用特殊爆弾のような特大兵器の運用は不可能な気がします。
 それ用の攻撃を意図して開発する・・・となれば、しかもそれが既存の潜水艦や水上機では対応できないレベルのものであるならば、潜水艦も水上機も両方を開発しなおさなければなりません。
 したがって、別のifが必要になると思います。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@FL1-119-241-157-28.tcg.mesh.ad.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 一撃離脱の是非  ■名前 : おうる  ■日付 : 09/5/4(月) 16:02  -------------------------------------------------------------------------
    奇襲攻撃に長期戦はありえず、少なくとも個々の戦闘単独で見る限りは必ず一撃離脱になります。

 しかし、真珠湾のような決定的打撃を与え得ないのであれば、作戦レベルでの一撃離脱は戦略的にも戦術的にも政治的にも失敗でしかありません。
 潜水空母による一撃離脱では、どこぞの火薬庫でも攻撃しない限り発揮しうる破壊力はきわめて限定的なものにとどまってしまいます。
 つまり、政治的に・・・であろうが戦略的に・・・であろうが、戦術的に・・・であろうが、その作戦単独では擾乱効果すら見込めません。

 開戦時の奇襲はどれだけ成功したとしても、防備増強は強要できても敵の反抗(掃討作戦)に踏み切らせることはできません。
 迎撃は普段の防備にだけで出来ますが、反攻には防備とは別に準備が必要になり、そのためには時間が必要になります。そして、初戦で奇襲を受けた連合側は反攻を開始するよりもまず、態勢作りから始めなければなりません。
 したがって、反攻(掃討作戦)はその準備作業の開始時期だけを見ても、奇襲を受けてからかなり後になってしまいます。
 防備が整った(あるいは整う目処がついた)後で「では次は反攻を・・・」となるので、その段階で潜水空母による攻撃が継続していないのであれば、そこから「大西洋の掃除を」と連合側に考えさせることはできないのです。

 「では次は反攻を・・・」と考えだす時期に、そこに攻撃すべき敵がいる・・・という確信が無ければ攻撃作戦立案もなく、とりあえず実施した防備強化で事足りたことになってしまう可能性が高いのです。
 つまり、潜水空母による擾乱で敵戦力を誘引・拘束しようと思うならば、その海域で活動する潜水空母が具体的な脅威として存在しつづけねばならず、そのためには反攻(掃討)作戦を意図し、実施するまでの間は潜水空母は同じ海域で活発に作戦を継続しなければなりません。
 戦術・戦闘レベルでの一撃離脱は当然ではあっても、作戦レベルでの一撃離脱では敵戦力を誘引拘束できないのです。

 したがって、米本土東海岸(米本土東海岸には限りませんが)攻撃で敵戦力を大西洋に拘束したいのであれば、潜水空母は一撃離脱して引き上げてはならないのです。少なくとも拘束したい海域に敵戦力が集中するまでの間、あるいは拘束したいと考えている期間中は、そこで活動し続けなければならないのです。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@FL1-119-241-157-28.tcg.mesh.ad.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:影響は無いかと・・・  ■名前 : tac  ■日付 : 09/5/2(土) 2:05  -------------------------------------------------------------------------
   >  パナマ運河は構造上、カリブ海側のガトゥン閘門を破壊し、ガトゥン湖の湖水を放出させると数年は使用不能になる、という記述をどこかで見たことがあるのですが、あれは与太話なのでしょうか。

パナマ運河は閘門式である関係上、船を上下させるために水を必要とします。
そしてパナマ運河は、この水を「使い捨て(下流へ流す)」てしまう設計なのです。よって、船を通行させるたびに上流側の水が減少します。この水はすなわちガトゥン湖の水です。

つまり、ガトゥン湖の貯水量が、パナマ運河の「総交通量」を制限するのです。貯水量は雨が降らない限り増えませんので、その点で関門が復旧しても制限がかかる可能性はあります。ただもともと降水量が多い地域ですから、使用不能期間が数年と言うことはないでしょうが。


ちなみに現在建設中の新水路は、水をリサイクルする(上へ返す)ようになっています。

<Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 5.1; ja; rv:1.9.0.10) Gecko/2009042316 Fir...@124.150.12.61.ap.gmo-access.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:影響は無いかと・・・  ■名前 : 高村 駿明  ■日付 : 09/5/2(土) 22:48  -------------------------------------------------------------------------
    ご教授ありがとうございます。だから「乾期に攻撃して」という話になるわけですね。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; .NET CLR 2.0.50727)@p59-157-176-1.sub.ne.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : パナマ運河破壊について  ■名前 : ど素人  ■日付 : 09/5/2(土) 6:24  -------------------------------------------------------------------------
   2枚の閘門の間がそこそこ離れているので、魚雷一発でというのはいささか無理があると思いますよ。
まあそんな問題、雷撃機を二機派遣すればというだけかと思いますが。

問題は閘門を叩いたらどの程度湖の水位を失わせるかですね。
下手すれば瓦礫が水路をふさいで水の流失がない可能性もあり、あまり大きな効果を期待はできないかと思います。
とはいえパナマ運河を一時的に封鎖してみせるだけでも、アメリカにとっては相当うざいでしょうが。

やるなら特攻隊を組織してダムをつぶすくらいしかないとは思いますが、もしそのくらい思い切った手が打てるなら、アメリカに数倍の負担を強いることは可能でしょうね。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; GTB6; SLCC1; .NET CLR 2.0.5...@p1233-adsao01yokonib1-acca.kanagawa.ocn.ne.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:パナマ運河破壊について  ■名前 : 高村 駿明  ■日付 : 09/5/2(土) 22:56  -------------------------------------------------------------------------
    ご教授ありがとうございます。

> 2枚の閘門の間がそこそこ離れているので、魚雷一発でというのはいささか無理があると思いますよ。
> まあそんな問題、雷撃機を二機派遣すればというだけかと思いますが。

 1発では難しいですか。
 でも、まぁ本当に攻撃するなら、何隻か派遣して攻撃するでしょうからね。

> 問題は閘門を叩いたらどの程度湖の水位を失わせるかですね。
> 下手すれば瓦礫が水路をふさいで水の流失がない可能性もあり、あまり大きな効果を期待はできないかと思います。

 丁度閘門近くに船がいた場合なども、難しいかもしれませんね。
 この場合は、正面から魚雷を船に撃ち込むようになるのかもしれませんが。
 狭い水門内で、大型船が沈んでも、それなりに撤去作業は大変そうではありますが。

> とはいえパナマ運河を一時的に封鎖してみせるだけでも、アメリカにとっては相当うざいでしょうが。
>
> やるなら特攻隊を組織してダムをつぶすくらいしかないとは思いますが、もしそのくらい思い切った手が打てるなら、アメリカに数倍の負担を強いることは可能でしょうね。

 仰る通りだと思います。心理戦も含めて戦いだと思いますので。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; .NET CLR 2.0.50727)@p59-157-176-1.sub.ne.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:パナマ運河破壊について  ■名前 : 超音速複葉機  ■日付 : 09/5/3(日) 8:37  -------------------------------------------------------------------------
   パナマ運河破壊後の復旧期間についてですが、僭越ながら補足を。
軍令部内での調査検討によりますと、太平洋側から接近の場合母潜・攻撃機の露出が最小となるのはミラ・フロレス閘門。攻撃効果が最大となるのはガトゥン閘門であり、破壊成功の場合復旧に要する期間は6ヶ月、ミラ・フロレスの場合1ヶ月。
閘門とその周辺の破壊には魚雷と爆弾のコンビネーションが適切。
攻撃に最適な乾燥期は1〜2月。といった結論になっております。
運河建設に参加した青山士が当時内務省技監をしており、詳細な資料が入手できたので、それなりの信用性があると思います。

以下は個人的な考え
開戦と同時にパナマ運河破壊に成功すれば、史実ではすぐにホーネットとヨークタウンが回航されていますが、これが1ヶ月遅れることになります。米空母部隊は訓練に遅れが生じ、昭和17年2月からの各地への空襲はかなり小規模なものになるでしょう。ドーリットル空襲も、もしかしたら実行されない可能性もあります。
もっとも、史実でもあまり被害は出てないので、反撃が小規模になった分、日本軍内部の油断ムードが大きくなるだけかもしれません。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@r-118-105-196-225.g105.commufa.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:パナマ運河破壊について  ■名前 : 高村 駿明  ■日付 : 09/5/3(日) 19:23  -------------------------------------------------------------------------
    どうもありがとうございます。
 ご教授頂いたケースは閘門破壊だけのケースでしょうから、例えば水門内で船舶が着底した場合など、複合要素が入った場合は、どうなるかわかりませんね。

> 以下は個人的な考え
> 開戦と同時にパナマ運河破壊に成功すれば、史実ではすぐにホーネットとヨークタウンが回航されていますが、これが1ヶ月遅れることになります。米空母部隊は訓練に遅れが生じ、昭和17年2月からの各地への空襲はかなり小規模なものになるでしょう。ドーリットル空襲も、もしかしたら実行されない可能性もあります。
> もっとも、史実でもあまり被害は出てないので、反撃が小規模になった分、日本軍内部の油断ムードが大きくなるだけかもしれません。

 ホーネットやヨークタウン(+サラトガ)は、潜水空母捜索に回されるかもしれませんね。パナマだけではなく、東海岸の要衝を同時襲撃したなら、かなりそうなる可能性はあるように感じます。
 そうなると、かなりの流れが変わるかもしれませんが。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; .NET CLR 2.0.50727)@p59-157-176-1.sub.ne.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:パナマ運河破壊について  ■名前 : ど素人  ■日付 : 09/5/8(金) 17:49  -------------------------------------------------------------------------
   詳細な資料に基づいた研究があったとは知りませんでした。

乾期で成功して6月となると、まあ開戦時に攻撃してある程度の成功でざっくり1,2か月ですかね?

そうなるとホーネットとヨークタウン回航が1月遅れるとなるのは納得いくところです。ただいっそのこと空母の回航は運河復旧後にして、航空戦力増備や軽艦艇の回航に留めるという選択肢もありそうですね。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; GTB6; SLCC1; .NET CLR 2.0.5...@p13155-adsao02yokonib1-acca.kanagawa.ocn.ne.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:パナマ運河破壊について  ■名前 : 超音速複葉機  ■日付 : 09/5/9(土) 0:32  -------------------------------------------------------------------------
   > 詳細な資料に基づいた研究があったとは知りませんでした。
>
> 乾期で成功して6月となると、まあ開戦時に攻撃してある程度の成功でざっくり1,2か月ですかね?
>
> そうなるとホーネットとヨークタウン回航が1月遅れるとなるのは納得いくところです。ただいっそのこと空母の回航は運河復旧後にして、航空戦力増備や軽艦艇の回航に留めるという選択肢もありそうですね。

ど素人様レスありがとうございます。
パナマ運河破壊に成功すれば真珠湾攻撃で空母を撃破できなくてもある程度大丈夫、といった保険ができますし、レスされたような展開になれば万々歳でしょう。
高村氏は(お休み宣言されましたが)米本土爆撃による政治的効果を重視しておられましたが、効果が大きければその分日系移民とその2世に対する処遇がもっと苛烈になりそうで、自分は心情的に米本土爆撃はあまり賛成できませんでした。よってパナマ運河攻撃に潜水空母18隻を全力投入すべきと考えました。
米海軍は1920年代から艦隊演習「フリートプロブレム」で空母部隊による真珠湾奇襲、パナマ運河奇襲を行っていました。想定していたにもかかわらず、日本軍による真珠湾攻撃は成功したわけですから、パナマ運河攻撃も成功する確率は低くはないでしょう。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@r-118-105-196-225.g105.commufa.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 別の使い方  ■名前 : おうる  ■日付 : 09/4/30(木) 15:37  -------------------------------------------------------------------------
    やはり潜水艦は通商破壊に投入するのが一番だと思います。

 もちろん、米国経済は海上通商路に依存しているわけではないので、米国の戦争継続能力をどうこうすることは不可能です。
 潜水空母搭載機に商船を攻撃させつつ、攻撃機を水上艦の搭載機であるかのように見せかけ、有力な水上艦が遊弋しているかのように思わせることが出来れば、居もしない日本艦の捜索のために米海軍に少なからぬ艦艇と人員と資材の投入を強いることが出来るかもしれません。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@FL1-119-241-157-28.tcg.mesh.ad.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 別の使い方その2  ■名前 : 超音速複葉機  ■日付 : 09/4/30(木) 23:33  -------------------------------------------------------------------------
   こんにちは。お久しぶりです。
国力や条約などで正面戦力ではアメリカにたいして不利はわかっているため、量より質、若しくは奇策で対抗しようとしたのが戦前の日本海軍ですので、方向性としてはありだと思います。
しかし、おうる氏の指摘どおり最初の米本土奇襲はインパクトは大きくても実際の効果はそれほど高くないでしょうし、初回以外は使えません(送り狼を警戒しなければならない)。つまり潜水空母という使い方にこだわるかぎり、費用対効果のきわめて低い兵器にならざるを得ないと思います。
そこで潜水空母として使用する以外に「つぶし」の利く艦に設定してはどうかと提案します。
搭載機が攻撃に使いづらくなったら、地道ですが大切な洋上哨戒に使う。航空機を降ろして大量の物資を搭載できるようにして、他の潜水艦への補給や非制海圏内での輸送などが考えられます。
話は少しそれますが、昭和16年までに艦攻級の機体に対応したカタパルトが完成していたなら、空母にも搭載できたと思います。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@r-118-105-208-210.g105.commufa.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:別の使い方その2  ■名前 : 高村 駿明  ■日付 : 09/5/1(金) 0:32  -------------------------------------------------------------------------
   > こんにちは。お久しぶりです。

 お久しぶりです。ご教授ありがとうございます。

> 国力や条約などで正面戦力ではアメリカにたいして不利はわかっているため、量より質、若しくは奇策で対抗しようとしたのが戦前の日本海軍ですので、方向性としてはありだと思います。

 そうですね。仰るような観点からのスレ立てです。
 最も、成立には何かのリソースをかなり削る必要があるため、日本海軍の許容するところに収まるかどうかは不明なのですが。

> しかし、おうる氏の指摘どおり最初の米本土奇襲はインパクトは大きくても実際の効果はそれほど高くないでしょうし、初回以外は使えません(送り狼を警戒しなければならない)。つまり潜水空母という使い方にこだわるかぎり、費用対効果のきわめて低い兵器にならざるを得ないと思います。

 おうる様への返信でも書きましたが、実用的な兵器というよりは、政略・戦略的抑止力としての潜水空母だと思います。
 米国としては、潜水空母搭載機により「東海岸に生物・科学兵器が散布されたら」とか「ダムが破壊されたら」のような攻撃を想定するでしょうし、攻撃が成功したなら、米国内の世論もそのような恐怖反応を示すのではないかと。

 潜水空母によって、東海岸に鮮やかな奇襲攻撃を一度でも許したら、上記のような理由で米軍の核兵器のような大量破壊兵器の使用にも、精神的な抑止力が働くかもしれません(これは願望含みですが)。
 ですから、このような潜水艦を商船攻撃などに使用するのは、もったいない使い方と思います。
 なるべく行動を秘匿し、戦略奇襲に徹するのが使い道かと。艦載機を回収するつもりがないなら(特攻とは申しません)、かなりの奇襲作戦が行えるのではないでしょうか。

> そこで潜水空母として使用する以外に「つぶし」の利く艦に設定してはどうかと提案します。
> 搭載機が攻撃に使いづらくなったら、地道ですが大切な洋上哨戒に使う。航空機を降ろして大量の物資を搭載できるようにして、他の潜水艦への補給や非制海圏内での輸送などが考えられます。

 例えば伊8、29、34潜水艦(これらはシンガポール−フランス間の往復は行えているわけですから、連合国側の哨戒も完璧ではありません)のような、ドイツ連絡用に使用すれば搭載量が多いことから、より成果が上がったかもしれません。
 また、重要な資材を艦載機に搭載して、危険海域を飛び越えて輸送なども、場合によってはできるかもしれませんね。 

> 話は少しそれますが、昭和16年までに艦攻級の機体に対応したカタパルトが完成していたなら、空母にも搭載できたと思います。

 伊400型の四式一号射出機は、射出速度68ノット、最大射出重量5トン、射出間隔4分とのことで、空母で使うには射出間隔が気になりますね。
 まあ関連技術自体に、史実より資金が投じられるかもしれませんが。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; .NET CLR 2.0.50727)@p59-157-176-1.sub.ne.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:開戦前に潜水空母が存在したなら  ■名前 : 通りすがり  ■日付 : 09/5/2(土) 12:48  -------------------------------------------------------------------------
   日独枢軸が成立していないというIFなら意味があるかもしれませんね。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; GTB6)@softbank219023136017.bbtec.net>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:開戦前に潜水空母が存在したなら  ■名前 : 高村 駿明  ■日付 : 09/5/3(日) 0:03  -------------------------------------------------------------------------
   > 日独枢軸が成立していないというIFなら意味があるかもしれませんね。

 ご意見ありがとうございます。
 どの辺りにかかってくる、ご意見なのでしょうか。
 スレ自体の設定に「ドイツと同盟していない」を加えると、そもそも日本が第二次世界大戦に巻き込まれないように思います。
 そして、潜水空母があったとしても、開戦までの政治の流れは全く変わらないと思いますので、そういう設定は難しいように思います。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; .NET CLR 2.0.50727)@p59-157-176-1.sub.ne.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 潜水空母である理由は?  ■名前 : RNR  ■日付 : 09/5/3(日) 17:42  -------------------------------------------------------------------------
   お題の前提条件を否定するような意見になりますが・・・

軍令部「潜水艦によって米西岸および東岸の要地に対する攻撃を実施し、米艦隊を引きずり出す」
GF司令部「大型潜水艦を整備して、米西岸と東岸で通商破壊、および要地攻撃による攪乱攻撃を実施する」

 とあるだけで「潜水空母による」とは書かれて居ませんし、他の方のレスにあるように航空機搭載による魚雷や爆弾では「長期にわたって封鎖」は望めないように思います。

 内陸部や首都攻撃といった示威的な攻撃を意図されているのでなければ、史実で出来ている「甲標的」の性能向上型に高性能機雷か魚雷を搭載して艦船通過時に下から攻撃した方が効果的ではないでしょうか?船舶が着底したら少なくとも除去までの時間は稼げますし、弾薬運搬船か軍艦の弾薬庫を直撃して爆発してくれればもっと被害を拡大できます。2(太平洋・大西洋)×2(上下)の水門分で最低でも4隻の「甲標的」が未帰還になる可能性が高いのが痛ましいところではありますが。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; Trident/4.0; YTB720; GTB6; ...@PPPa1901.e11.eacc.dti.ne.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:潜水空母である理由は?  ■名前 : 高村 駿明  ■日付 : 09/5/3(日) 19:17  -------------------------------------------------------------------------
   > お題の前提条件を否定するような意見になりますが・・・
>
> 軍令部「潜水艦によって米西岸および東岸の要地に対する攻撃を実施し、米艦隊を引きずり出す」
> GF司令部「大型潜水艦を整備して、米西岸と東岸で通商破壊、および要地攻撃による攪乱攻撃を実施する」
>
>  とあるだけで「潜水空母による」とは書かれて居ませんし、他の方のレスにあるように航空機搭載による魚雷や爆弾では「長期にわたって封鎖」は望めないように思います。

 ご意見ありがとうございます。「日本の潜水艦パーフェクトガイド」「徹底比較日米潜水艦―戦略構想を具現化した艦隊型サブマリン発達史 」を読んだ限りでは、上記のような目的を達するために潜特型が企画されたようですし(パナマ攻撃なら、伊13型程度でも可能)、潜水艦搭載攻撃機が、敵国の揺さぶりを目的としているように、私には読めますね。

>  内陸部や首都攻撃といった示威的な攻撃を意図されているのでなければ、史実で出来ている「甲標的」の性能向上型に高性能機雷か魚雷を搭載して艦船通過時に下から攻撃した方が効果的ではないでしょうか?船舶が着底したら少なくとも除去までの時間は稼げますし、弾薬運搬船か軍艦の弾薬庫を直撃して爆発してくれればもっと被害を拡大できます。2(太平洋・大西洋)×2(上下)の水門分で最低でも4隻の「甲標的」が未帰還になる可能性が高いのが痛ましいところではありますが。

 パナマ攻撃に甲標的を使うというような構想は、少なくとも史実にはないようですね。
 開戦と同時に奇襲するなら、航空攻撃の方が確実性があるのではないでしょうか。9隻投入18機で攻撃とかであれば、動かない水門2つの破壊はできると思いますが。水門内に船がいれば、着底させるのは航空攻撃でも可能でしょう。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; .NET CLR 2.0.50727)@p59-157-176-1.sub.ne.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:潜水空母である理由は?  ■名前 : RNR  ■日付 : 09/5/4(月) 1:21  -------------------------------------------------------------------------
   >  ご意見ありがとうございます。「日本の潜水艦パーフェクトガイド」「徹底比較日米潜水艦―戦略構想を具現化した艦隊型サブマリン発達史 」を読んだ限りでは、上記のような目的を達するために潜特型が企画されたようですし(パナマ攻撃なら、伊13型程度でも可能)、潜水艦搭載攻撃機が、敵国の揺さぶりを目的としているように、私には読めますね。

 いずれにしても1回しか使えない手ですし、そのために「他の資材を使い、潜水艦最大の利得である隠密性を放棄する」のはどうかと考えますが。 
>
>  パナマ攻撃に甲標的を使うというような構想は、少なくとも史実にはないようですね。
>  開戦と同時に奇襲するなら、航空攻撃の方が確実性があるのではないでしょうか。9隻投入18機で攻撃とかであれば、動かない水門2つの破壊はできると思いますが。水門内に船がいれば、着底させるのは航空攻撃でも可能でしょう。

 800kg爆弾or魚雷では無理だろうと考えます(「トールボーイ」でも「?」が付くと思います)。航行船舶攻撃の場合は18発しかない爆弾なり魚雷なりの大部分が船舶に向けられてしまい、本来の目的である水門2つの破壊には弾を回せません(航行船舶が「ノース・カロライナ」あたりだったら全弾命中させても沈まないでしょうし、そもそも航空魚雷は海底に刺さってしまうのではないでしょうか?)。対空砲火や敵戦闘機が出撃してきたら撃墜されるか放棄して逃亡するかしかないでしょう。

 この点、甲標的(ないしはそれに類するもの)であれば、水中聴音機頼みにはなりますが、大型艦船(2軸船と4軸船の聞き分けはできるでしょう)を下から攻撃できます(水門の下に機雷を仕掛けてもよいです)。
 
 

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; Trident/4.0; YTB720; GTB6; ...@PPPa340.e11.eacc.dti.ne.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:潜水空母である理由は?  ■名前 : 高村 駿明  ■日付 : 09/5/4(月) 14:10  -------------------------------------------------------------------------
    ご指摘ありがとうございます。

>  いずれにしても1回しか使えない手ですし、そのために「他の資材を使い、潜水艦最大の利得である隠密性を放棄する」のはどうかと考えますが。 

 純軍事的な効果を狙うものではありませんから、東海岸を攻撃できる、で充分な価値があるように思います。
 いかに米国でも、全ての拠点を厳重に警戒するなど難しいわけですから、後方に兵力分散を行わせれば充分ではないかと。

>  800kg爆弾or魚雷では無理だろうと考えます(「トールボーイ」でも「?」が付くと思います)。航行船舶攻撃の場合は18発しかない爆弾なり魚雷なりの大部分が船舶に向けられてしまい、本来の目的である水門2つの破壊には弾を回せません(航行船舶が「ノース・カロライナ」あたりだったら全弾命中させても沈まないでしょうし、そもそも航空魚雷は海底に刺さってしまうのではないでしょうか?)。対空砲火や敵戦闘機が出撃してきたら撃墜されるか放棄して逃亡するかしかないでしょう。

 現実に、日本軍が魚雷と爆弾の組み合わせで攻撃可能と判断していますし、その判断には、運河建設に従事した青山士氏も参加しています。
 真珠湾を攻撃できるのですから、魚雷でパナマ運河の水門をやれないというのも、よくわかりません。パナマ運河は喫水12mまでとのことなので、真珠湾程度の深さはあるものと思います。
 九七艦攻程度の性能がある航空機が、奇襲攻撃を行ったと仮定するなら、敵戦闘機が即座に迎撃に飛び立てるか、対空砲火で全てを妨害できるか、など「放棄して逃亡するしかない」とは思えませんね。
 まぁ、ノースカロライナとて、真珠湾で沈んだ旧式戦艦と大差ない水平防御ですから、800キロ徹甲爆弾が7〜8発当たれば着底爆沈するものと思いますけどね。

>  この点、甲標的(ないしはそれに類するもの)であれば、水中聴音機頼みにはなりますが、大型艦船(2軸船と4軸船の聞き分けはできるでしょう)を下から攻撃できます(水門の下に機雷を仕掛けてもよいです)。

 パナマ運河が浅いのであれば、甲標的が無事行動できるかどうかは疑問です。
 また、別の枝で出ていますけど、水門は4枚壊さなくてはなりません。甲標的では、発見されなかったとしても、片側2枚しか壊せませんよね。
 太平洋からガトゥン湖まで25キロあるとのことで、甲標的の性能上かなり危険性の高い作戦になるのではないかと思います(夜間行動だと、水門が見つけられないかもしれませんし、昼間だと潜行しても発見されるでしょう)。
 まあ、真珠湾同様、航空攻撃と組み合わせるというのも手ですが、首尾良く湖水流出を果たせたなら、甲標的搭乗者も必ず巻き込まれるような。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; .NET CLR 2.0.50727)@p59-157-176-1.sub.ne.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:潜水空母である理由は?  ■名前 : RNR  ■日付 : 09/5/5(火) 9:12  -------------------------------------------------------------------------
   >  純軍事的な効果を狙うものではありませんから、東海岸を攻撃できる、で充分な価値があるように思います。
>  いかに米国でも、全ての拠点を厳重に警戒するなど難しいわけですから、後方に兵力分散を行わせれば充分ではないかと。

 「1回しか使えない手」であることが問題です。一過性のものであるならば、そこまでの兵力分散はされないと考えます。その周辺で跳梁跋扈して対応を否応無く取らざるを得なくなった場合に初めて戦力の分派が行われると理解しています。
> 
>  現実に、日本軍が魚雷と爆弾の組み合わせで攻撃可能と判断していますし、その判断には、運河建設に従事した青山士氏も参加しています。

 当該議事録を読んだわけではありませんので何ともいえませんが、「とにかく水門を破ることができれば良い」だけが立脚点ではありませんか?

>  真珠湾を攻撃できるのですから、魚雷でパナマ運河の水門をやれないというのも、よくわかりません。パナマ運河は喫水12mまでとのことなので、真珠湾程度の深さはあるものと思います。

 出来ましたら海技研でも水工研でも港空研でも大学でも良いので実験回流水槽に魚雷型の推進器を入れて実験されてはいかがでしょうか?

>  九七艦攻程度の性能がある航空機が、奇襲攻撃を行ったと仮定するなら、敵戦闘機が即座に迎撃に飛び立てるか、対空砲火で全てを妨害できるか、など「放棄して逃亡するしかない」とは思えませんね。

 狭い水路で雷撃にしろ水平爆撃にしろ直進するしかないわけで、かつ「奇襲」が前提になっています。

>  まぁ、ノースカロライナとて、真珠湾で沈んだ旧式戦艦と大差ない水平防御ですから、800キロ徹甲爆弾が7〜8発当たれば着底爆沈するものと思いますけどね。

 急降下爆撃ならともかく、高度2〜3000mの水平爆撃ではそのような高い命中率は期待できないのではないでしょうか?また狭い水路ですから編隊組んでは無理(両横の機体の爆弾は無駄になります。電車を破壊したいなら止めませんが)でしょう。

>  パナマ運河が浅いのであれば、甲標的が無事行動できるかどうかは疑問です。
>  また、別の枝で出ていますけど、水門は4枚壊さなくてはなりません。甲標的では、発見されなかったとしても、片側2枚しか壊せませんよね。

 代償に船を確実に撃破できます。「通行不能にして長期に影響を与える」のが作戦目的であり、「水門破壊」は手段に過ぎません。船をどかす手間の方が門を修理する手間よりはかかると思いますが。

>  太平洋からガトゥン湖まで25キロあるとのことで、甲標的の性能上かなり危険性の高い作戦になるのではないかと思います(夜間行動だと、水門が見つけられないかもしれませんし、昼間だと潜航しても発見されるでしょう)。

 「性能向上型」と記述したつもりですが。ドイツに支援を依頼しても良いでしょう。どのみちifなんですから。それに移動する艦船と異なり、水門の場所は動かないのですが。

>  まあ、真珠湾同様、航空攻撃と組み合わせるというのも手ですが、首尾良く湖水流出を果たせたなら、甲標的搭乗者も必ず巻き込まれるような。

 魚雷2発の発射だけでバランスは崩すと思いますが。
 

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; Trident/4.0; YTB720; GTB6; ...@PPPa768.e11.eacc.dti.ne.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:潜水空母である理由は?  ■名前 : 高村 駿明  ■日付 : 09/5/5(火) 10:46  -------------------------------------------------------------------------
    ご教授ありがとうございます。

>  「1回しか使えない手」であることが問題です。一過性のものであるならば、そこまでの兵力分散はされないと考えます。その周辺で跳梁跋扈して対応を否応無く取らざるを得なくなった場合に初めて戦力の分派が行われると理解しています。

 1つの拠点には、実質1回しか使えないでしょうけど、全ての拠点の防備を強化することは困難でしょうし、攻撃により実際に強化されたなら、敵兵力を分散させたことになるわけですから、それはそれでいいのではないかと思います。
 護衛空母が大量産された後であれば、活動も相当に封じられると思いますけど、本スレは「開戦時に存在したら」ですから、一過性と断定できるものでしょうか。
 RNR様は戦艦スレで「選挙の時に決戦を行い、日本が勝利を収めれば米国内の世論も無視できない」と言われていますが、米国本土に無視できない攻撃を一度でも許したなら、「跳梁跋扈」などしなくとも、存在する自体が政治的対応を強いるものと思います。「潜水艦が存在しないことを証明」など実質できないのですから、暴れ回らないと対応されないという、ご意見には賛同しかねます。

 何であれ、通商破壊に使ってもポケット戦艦の水上機同様、敵航空哨戒圏外で、一方的に航空策敵を行う上に、航空攻撃までも行われたなら、エムデン同様、捜索兵力が編成されるものと思います。

>  当該議事録を読んだわけではありませんので何ともいえませんが、「とにかく水門を破ることができれば良い」だけが立脚点ではありませんか?

 ここはわからないので、何とも言えません。

>  出来ましたら海技研でも水工研でも港空研でも大学でも良いので実験回流水槽に魚雷型の推進器を入れて実験されてはいかがでしょうか?

 できないとわかっていることを言われるのは、不真面目ではありませんか? 貴方は、私が技術者でも大学教授でもないことを知っているわけですし。

 また、史実で「できる」と判断していることに対しては、我々が思うよりも多くの実証的検討が成されているのだと思います。
 我々が議論を行うことは、知的好奇心は満たされますけど、史実の結論を覆して攻撃不可能と断定することに、何か意味があるとは思いません(作戦計画を作った当事者と議論しているわけでもありませんから)。

>  狭い水路で雷撃にしろ水平爆撃にしろ直進するしかないわけで、かつ「奇襲」が前提になっています。

 それはいいのですが、迎撃は即座に対応できる準備をしている場合のみ、ですよね。

>  急降下爆撃ならともかく、高度2〜3000mの水平爆撃ではそのような高い命中率は期待できないのではないでしょうか?また狭い水路ですから編隊組んでは無理(両横の機体の爆弾は無駄になります。電車を破壊したいなら止めませんが)でしょう。

 RNR様が「全弾命中してもノースカロライナは沈まない」と言われた部分に対するレスですから、命中率を無視しているのは私ではありませんが。
 私は当たり所によっては大型戦闘艦でも1発で爆沈・着底すると思います。

>  代償に船を確実に撃破できます。「通行不能にして長期に影響を与える」のが作戦目的であり、「水門破壊」は手段に過ぎません。船をどかす手間の方が門を修理する手間よりはかかると思いますが。

 水門破壊はガトゥン湖の湖水を流出されて、運河自体を使えなくすることですから、門を修理してもそれだけでは使用可能にならない、という点が肝心なのだと思います。湖水流出がない水門破壊なら、1か月で修理できるというのは、史実でも検討されているわけで。
 その場合は、船を沈めるのもいいでしょうけど、おうる様も指摘されるように「水門内に船がいるとは限らない」点が問題となります。
 そりゃ、弾薬輸送船でも水路内で爆沈させれば、ついでに水門も吹き飛んで6か月以上使用不能になるかもしれませんけどね。
 それこそ奇跡以上の何かが必要になるでしょう(自爆船とか)。

> >  太平洋からガトゥン湖まで25キロあるとのことで、甲標的の性能上かなり危険性の高い作戦になるのではないかと思います(夜間行動だと、水門が見つけられないかもしれませんし、昼間だと潜航しても発見されるでしょう)。

>  「性能向上型」と記述したつもりですが。ドイツに支援を依頼しても良いでしょう。どのみちifなんですから。それに移動する艦船と異なり、水門の場所は動かないのですが。

 甲標的がより高性能になっても、史実で「(動かない)湾口が見つけられず、攻撃を断念した」というような例もありますね。昼間なら、見つかる可能性も高いですし、速度からいっても、対応を取られる確率も高いかと。
 航空攻撃のほうが、成功率も高く、確実ではないでしょうか。特に水門内に船がいるという前提で、それを沈めるのであれば、甲標的より確実かと。

> >  まあ、真珠湾同様、航空攻撃と組み合わせるというのも手ですが、首尾良く湖水流出を果たせたなら、甲標的搭乗者も必ず巻き込まれるような。
>
>  魚雷2発の発射だけでバランスは崩すと思いますが。

 そうではなくて、湖水流出の勢いによっては、それで甲標的は沈没し、確実に戦死すると言っているのです。1941年の段階で「作戦成功時に生還の望みは皆無」というオプションが取られるとは思いません。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; .NET CLR 2.0.50727)@p59-157-176-1.sub.ne.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:潜水空母である理由は?  ■名前 : RNR  ■日付 : 09/5/5(火) 12:49  -------------------------------------------------------------------------
   >  1つの拠点には、実質1回しか使えないでしょうけど、全ての拠点の防備を強化することは困難でしょうし、攻撃により実際に強化されたなら、敵兵力を分散させたことになるわけですから、それはそれでいいのではないかと思います。
>  護衛空母が大量産された後であれば、活動も相当に封じられると思いますけど、本スレは「開戦時に存在したら」ですから、一過性と断定できるものでしょうか。

 「航空機搭載の巡洋潜水艦」の存在は開戦前から明らかになっている以上、「航空哨戒圏外から航空機が飛んできた」らそれは潜水艦発進のものであり、要地の警備でさらに必要なものは哨戒機+護衛駆逐艦だけです。それ以上のものを拘束しようがありません。

 逆に米潜水艦がいつまでも日本近海に来るたびに挨拶代わりに葉山の御用邸を砲撃し続けるのでしょうか?

>  RNR様は戦艦スレで「選挙の時に決戦を行い、日本が勝利を収めれば米国内の世論も無視できない」と言われていますが、米国本土に無視できない攻撃を一度でも許したなら、「跳梁跋扈」などしなくとも、存在する自体が政治的対応を強いるものと思います。「潜水艦が存在しないことを証明」など実質できないのですから、暴れ回らないと対応されないという、ご意見には賛同しかねます。

 成功して初めて脅威と認定されますし、それが日本の手によるものだと認識される必要があります。潜水空母をこの任務に投入した場合、一度でその存在が明らかになってしまい、今後の用法に制約がかかります。航空機回収地点に哨戒網をかけられたら一網打尽にされますが?写真入りで撃沈を大々的に報じられることでしょう。 

 私はこの潜水空母の適切な使い方は開戦初頭の米空母のような使い方だと考えていますのでご意見には賛同しかねます。
>
>  できないとわかっていることを言われるのは、不真面目ではありませんか? 貴方は、私が技術者でも大学教授でもないことを知っているわけですし。

 一般公開も行われていますし、横幅の無い水路で牽引もなしにモノがまっすぐ進むのは難しいを目で確認するには良い場所です。解説が必要でしたらそばに研究員が突っ立っているはずですから、得心が行くまでお尋ねください。
>
>  また、史実で「できる」と判断していることに対しては、我々が思うよりも多くの実証的検討が成されているのだと思います。
>  我々が議論を行うことは、知的好奇心は満たされますけど、史実の結論を覆して攻撃不可能と断定することに、何か意味があるとは思いません(作戦計画を作った当事者と議論しているわけでもありませんから)。

 私はその決定に至った過程を検証することも重要と考えていますので「「なぜ出来ると考えた」のか?」を考えることに意味はあると考えます。その上で「史実の結論は誤り。実現不能」も結論としてはあり得ます。
> 
>  それはいいのですが、迎撃は即座に対応できる準備をしている場合のみ、ですよね。

 日の丸つけた航空機が要地に向かっていれば嫌でも連絡は行きますし、この97艦攻相当の機体に護衛戦闘機は居ないでしょう。 
>
>  RNR様が「全弾命中してもノースカロライナは沈まない」と言われた部分に対するレスですから、命中率を無視しているのは私ではありませんが。
>  私は当たり所によっては大型戦闘艦でも1発で爆沈・着底すると思います。

 「当たった上で」の但し書きが付きます。当たらないと「戦果:外れ弾が当たったパナマ運河の電車2両だけ」になりますがそれでもよろしいですか?水路内の艦船攻撃に向かった場合には水門攻撃を行う機体が減りますし、ある程度の機数がどちらも必要でしょう。二分したらどちらも中途半端に終わりそうですね。

>  水門破壊はガトゥン湖の湖水を流出されて、運河自体を使えなくすることですから、門を修理してもそれだけでは使用可能にならない、という点が肝心なのだと思います。湖水流出がない水門破壊なら、1か月で修理できるというのは、史実でも検討されているわけで。

 太平洋側はどうするんです?

>  その場合は、船を沈めるのもいいでしょうけど、おうる様も指摘されるように「水門内に船がいるとは限らない」点が問題となります。

 開戦前なんですから、ハワイ同様に現地に要員を派遣しておいて情報収集に当たらせれば良いでしょう。通行船舶は順番待ちの関係もあって基本的に事前に知らせますから。ハワイと異なり、「空母」や「戦艦」である必要はありません。

>  そりゃ、弾薬輸送船でも水路内で爆沈させれば、ついでに水門も吹き飛んで6か月以上使用不能になるかもしれませんけどね。

 別に弾薬輸送船や軍艦でなくとも通常船舶でも浮揚させるには相応の手間と時間がかかりますが。専門のサルヴェージ会社が今でも存在します。

 ああ、発港地や途中での積荷検査を無視すれば弾薬満載の船舶を概ね、望む時間帯に通せますね。何なら枢軸国船ではなく、中立国の船に積ませても良いですし(後で揉めそうですけど)。

>  甲標的がより高性能になっても、史実で「(動かない)湾口が見つけられず、攻撃を断念した」というような例もありますね。昼間なら、見つかる可能性も高いですし、速度からいっても、対応を取られる確率も高いかと。

 「潜望鏡の視界」の問題であって、航路選択の間違い(だけ)に帰するとも言えません。簡易聴音器でも積んであげたらどうですか?

>  航空攻撃のほうが、成功率も高く、確実ではないでしょうか。特に水門内に船がいるという前提で、それを沈めるのであれば、甲標的より確実かと。

 大西洋側はどのみちドイツの支援が必要でしょうから、ドイツ潜水艦ともども機雷を撒いて帰ってくればよろしいでしょう。大捜索に付け加えて徹底的な掃海作業のおまけまで与えられます。しかも忘れたころにもう一度使える手ですし。

>  そうではなくて、湖水流出の勢いによっては、それで甲標的は沈没し、確実に戦死すると言っているのです。1941年の段階で「作戦成功時に生還の望みは皆無」というオプションが取られるとは思いません。

 一番最初に「甲標的乗員の帰還の可能性は薄い」旨記述しています。史実のハワイでも結局5隻全滅ですし。特段問題とするに当たりません。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; Trident/4.0; YTB720; GTB6; ...@PPPa1401.e11.eacc.dti.ne.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:潜水空母である理由は?  ■名前 : 高村 駿明  ■日付 : 09/5/5(火) 20:05  -------------------------------------------------------------------------
    ご教授ありがとうございます。

>  「航空機搭載の巡洋潜水艦」の存在は開戦前から明らかになっている以上、「航空哨戒圏外から航空機が飛んできた」らそれは潜水艦発進のものであり、要地の警備でさらに必要なものは哨戒機+護衛駆逐艦だけです。それ以上のものを拘束しようがありません。

 戦争を進める上で、重要な戦力である哨戒機と護衛駆逐艦を拘束できれば、それだけでも意味があるような。
 
>  成功して初めて脅威と認定されますし、それが日本の手によるものだと認識される必要があります。潜水空母をこの任務に投入した場合、一度でその存在が明らかになってしまい、今後の用法に制約がかかります。航空機回収地点に哨戒網をかけられたら一網打尽にされますが?写真入りで撃沈を大々的に報じられることでしょう。 

 日の丸のついた攻撃機が要地に飛来して「日本の手によるもの」と認識されないというのも、よくわかりませんね。
 騒擾攻撃が目的なら、開戦以降は警戒の緩い箇所のみを狙ってもいいわけですから、制約がかかることと、二度と使えないということは分けてよいかと。
 航空機回収地点が特定できるなら、一網打尽にできるかもしれませんけど、それが航空機なら、航空機を発見次第、艦載機回収を諦めて潜行してしまうかもしれませんね。
 また、仮に水上艦が捕捉しても、確実に潜水艦をやれないのは、多数の伊号潜水艦が生き残っていることで証明されているものと思います。
 また、撃沈しても「全て沈めた証明」はできません。現実に全て沈んでいても、潜水空母の脅威は消滅しないのです。

>  私はこの潜水空母の適切な使い方は開戦初頭の米空母のような使い方だと考えていますのでご意見には賛同しかねます。

 要地の奇襲攻撃をしていると思うのですが、どう違うのでしょうか。

>  一般公開も行われていますし、横幅の無い水路で牽引もなしにモノがまっすぐ進むのは難しいを目で確認するには良い場所です。解説が必要でしたらそばに研究員が突っ立っているはずですから、得心が行くまでお尋ねください。

 別に爆弾でも、魚雷が曲がっても当たるほどの近距離からでも、構わないわけです。目標は動きませんし、攻撃が成功するようなら、対空放火もさほどではないでしょう。

>  私はその決定に至った過程を検証することも重要と考えていますので「「なぜ出来ると考えた」のか?」を考えることに意味はあると考えます。その上で「史実の結論は誤り。実現不能」も結論としてはあり得ます。

 卵が先か、ニワトリが先か、みたいなものですね。
 「ここで出た結論は誤り、やはり史実が正しい」かもしれません。
 資料不足で、私はこれ以上論じることもできませんが。

>  日の丸つけた航空機が要地に向かっていれば嫌でも連絡は行きますし、この97艦攻相当の機体に護衛戦闘機は居ないでしょう。 

 連絡が行けば、必ず迎撃できるなら、護衛戦闘機のいないソードフィッシュが、イタリア戦艦を撃沈したりすることは不可能だと思います。

>  「当たった上で」の但し書きが付きます。当たらないと「戦果:外れ弾が当たったパナマ運河の電車2両だけ」になりますがそれでもよろしいですか?水路内の艦船攻撃に向かった場合には水門攻撃を行う機体が減りますし、ある程度の機数がどちらも必要でしょう。二分したらどちらも中途半端に終わりそうですね。

 いや、だから、貴方が「全弾命中しても沈まない」への反応なのですが。
 私が全弾命中すると言っているわけではないのですけど(何発も外れて当然じゃないですか? だから史実では特攻を予定していたわけですから)。
 水路は複線ですから、両方に船舶がいる可能性は低いと思います。
 もし両方にいたら、それこそ両方に爆撃するしかないでしょうね。相手が商船なら八十番を当てれば1〜2発で沈没するでしょうから、可能性はあるかと。

 船舶が片側なら、開いている側の水門を狙うことになるでしょう。魚雷で外側を破壊し、別な機体が回り込んで内側も魚雷で撃つこともできるかもしれませんけど、内側は爆撃のほうが確実でしょう。
 で、そんな魚雷が用意できるのかは、わかりません。ただ、パナマの深さを理解した上で、魚雷でやると言っているのですから、目算があるのでしょう(魚雷の実験設備なんて海軍も持っているわけですし、パナマ運河の構造は建築技師がいる以上、熟知していることと思います)。

> >  水門破壊はガトゥン湖の湖水を流出されて、運河自体を使えなくすることですから、門を修理してもそれだけでは使用可能にならない、という点が肝心なのだと思います。湖水流出がない水門破壊なら、1か月で修理できるというのは、史実でも検討されているわけで。
>
>  太平洋側はどうするんです?

 意味がよくわかりません。
 ガトゥン湖の水が流れ出たら、水が貯まるまでパナマ運河は使えないのですから、太平洋と大西洋の両方の水門を壊す必要はないでしょう。
 ガトゥン閘門を破壊できるなら、それでいいはずですが。

>  開戦前なんですから、ハワイ同様に現地に要員を派遣しておいて情報収集に当たらせれば良いでしょう。通行船舶は順番待ちの関係もあって基本的に事前に知らせますから。ハワイと異なり、「空母」や「戦艦」である必要はありません。

 それはそうですね。行うべきでしょう。

>  別に弾薬輸送船や軍艦でなくとも通常船舶でも浮揚させるには相応の手間と時間がかかりますが。専門のサルヴェージ会社が今でも存在します。

 私は別に、船舶着底を否定しているわけではないのですけど。
 どの程度で浮揚できるのかにもよりますが、船舶沈没を狙うと、片側の水路が使える状態になってしまうことが難だと思います。
 工作員で丁度すれ違う時刻を、調査することもできるかもしれませんけど、作戦には齟齬があるものですから、時間がずれたら無意味になるかもしれません。

>  ああ、発港地や途中での積荷検査を無視すれば弾薬満載の船舶を概ね、望む時間帯に通せますね。何なら枢軸国船ではなく、中立国の船に積ませても良いですし(後で揉めそうですけど)。

 言葉のあやで、現実には難しいと思います。

>  「潜望鏡の視界」の問題であって、航路選択の間違い(だけ)に帰するとも言えません。簡易聴音器でも積んであげたらどうですか?

 速度も出ない甲標的で、複線の水路の「双方」に船舶がいる状態をタイミングよく狙うのは、困難ではないでしょうか。
 また、水深がありませんから、昼間では容易に発見されます。
 水門まで35キロとのことですから、仮に最高19ノットで進んでも1時間かかります。で、こんな速度では電池が持ちませんし、潜水艦がやたら近くに行かなくてはなりませんから、実際には経済速力の6ノットで、3時間くらいかかるような。
 夜間だと都合良く水門が見つかるかわかりませんし、RNR様の言われる通り、狭い水路で魚雷が直進しないなら、船舶に当てられるかもわかりません。
 船舶を狙うなら目標が視認できる昼間攻撃しかないものと思います。

 水路である以上、水流がある程度あるでしょうから、湾内で魚雷を外したシドニー湾襲撃よりも条件は悪いと見るべきでしょう。

>  大西洋側はどのみちドイツの支援が必要でしょうから、ドイツ潜水艦ともども機雷を撒いて帰ってくればよろしいでしょう。大捜索に付け加えて徹底的な掃海作業のおまけまで与えられます。しかも忘れたころにもう一度使える手ですし。

 確かにそうですね。機雷封鎖はできるなら行うべきでしょう。
 母艦が近づき過ぎるのは難なので、別の潜水艦を用意してほうがいいかもしれませんが

>  一番最初に「甲標的乗員の帰還の可能性は薄い」旨記述しています。史実のハワイでも結局5隻全滅ですし。特段問題とするに当たりません。

 真珠湾の甲標的出撃も「必ず戦死」では認められませんでした。
 時期的に特攻前提は行えないと考えるべきかと。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; .NET CLR 2.0.50727)@p59-157-176-1.sub.ne.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:潜水空母である理由は?  ■名前 : RNR  ■日付 : 09/5/5(火) 21:52  -------------------------------------------------------------------------
   >  戦争を進める上で、重要な戦力である哨戒機と護衛駆逐艦を拘束できれば、それだけでも意味があるような。

 逆に言えばそれだけです。主力艦の拘束には役に立ちません。
>  
>  日の丸のついた攻撃機が要地に飛来して「日本の手によるもの」と認識されないというのも、よくわかりませんね。

 同盟国を偽装する分には問題ありませんし、「ドイツ人パイロットが操縦する機体」と認識されるでしょう。ましてや大西洋側からなんですから捕虜でも得ない限り日本によるものとは認識されません。

>  騒擾攻撃が目的なら、開戦以降は警戒の緩い箇所のみを狙ってもいいわけですから、制約がかかることと、二度と使えないということは分けてよいかと。

 開戦後に警戒の緩い箇所をどうやって知り得るのでしょうか?自軍の攻撃されそうな箇所の特定すら出来ていないのですが。

>  航空機回収地点が特定できるなら、一網打尽にできるかもしれませんけど、それが航空機なら、航空機を発見次第、艦載機回収を諦めて潜行してしまうかもしれませんね。

 下記の甲標的より悪いですね。正規空母の搭乗員すら確保に苦労しているのに、搭乗員を使い捨てるような余裕は無いと思いますが。

>  また、仮に水上艦が捕捉しても、確実に潜水艦をやれないのは、多数の伊号潜水艦が生き残っていることで証明されているものと思います。

 米海軍の任務は「日本潜水艦の全艦撃沈だけ」ではないのですから、生き残りが出て当然でしょう。

>  また、撃沈しても「全て沈めた証明」はできません。現実に全て沈んでいても、潜水空母の脅威は消滅しないのです。

 「潜水空母」と判った時点で向けられる戦力は限定されますし、一網打尽にした写真を公表すればある程度沈静化します。そして同じ箇所に同じ攻撃は出来ません。 

>  要地の奇襲攻撃をしていると思うのですが、どう違うのでしょうか。

 東京空襲を除き、政略効果はありませんし、空母機動部隊によるものであることを彼我共に認識し、日本空母を叩き潰すというおまけまで付いた時点で両者は比較の段ではありません。

>  連絡が行けば、必ず迎撃できるなら、護衛戦闘機のいないソードフィッシュが、イタリア戦艦を撃沈したりすることは不可能だと思います。

 奇襲のハワイ攻撃ですら第2派では迎撃機が上がってきていますが。パナマでも同じようにレーダマンが本土から飛来するB-17の編隊と誤認することを期待するのでしょうか?

>  私が全弾命中すると言っているわけではないのですけど(何発も外れて当然じゃないですか? だから史実では特攻を予定していたわけですから)。

 それは商船であっても同じことでしょう。

>  水路は複線ですから、両方に船舶がいる可能性は低いと思います。
>  もし両方にいたら、それこそ両方に爆撃するしかないでしょうね。相手が商船なら八十番を当てれば1〜2発で沈没するでしょうから、可能性はあるかと。

 魚雷&爆弾合わせて18発しかないのに無駄弾を使いすぎでしょう。
>
>  船舶が片側なら、開いている側の水門を狙うことになるでしょう。魚雷で外側を破壊し、別な機体が回り込んで内側も魚雷で撃つこともできるかもしれませんけど、内側は爆撃のほうが確実でしょう。

 誘導爆弾ではないので高い命中率は期待できません。2機撃墜されただけでいきなり1割減です。

>  で、そんな魚雷が用意できるのかは、わかりません。ただ、パナマの深さを理解した上で、魚雷でやると言っているのですから、目算があるのでしょう(魚雷の実験設備なんて海軍も持っているわけですし、パナマ運河の構造は建築技師がいる以上、熟知していることと思います)。

 採否権を握る艦政本部が拒否したら「一巻の終わり」でしょう。錦江湾のように現在の江東区周辺の水門(当時もあったのでしょうか?)で訓練を積むのでしょうか?魚雷が出来ても雷撃法は研究する必要があるでしょう。

>  ガトゥン湖の水が流れ出たら、水が貯まるまでパナマ運河は使えないのですから、太平洋と大西洋の両方の水門を壊す必要はないでしょう。
>  ガトゥン閘門を破壊できるなら、それでいいはずですが。

 太平洋と大西洋同時に攻撃することで敵戦力の分散が期待できる上に、両方破壊すればそれだけ相手に修理の手間をかけさせられますが。ああ、両方からの襲来をどちらも見逃したという政略的効果も期待できそうですね。どうせ擾乱攻撃なんですからそこまでやったらどうです?
>
>  私は別に、船舶着底を否定しているわけではないのですけど。
>  どの程度で浮揚できるのかにもよりますが、船舶沈没を狙うと、片側の水路が使える状態になってしまうことが難だと思います。
>  工作員で丁度すれ違う時刻を、調査することもできるかもしれませんけど、作戦には齟齬があるものですから、時間がずれたら無意味になるかもしれません。

 5分10分で居なくなる物でもありません。通過時間を確認してください。
> 
>  言葉のあやで、現実には難しいと思います。

 乗り込んでの検査でもない限り、「材木運搬船」とあれば書類上は「材木運搬船」です。これが難しいなら仮装巡洋艦や補給船は行動不能になりますね。
> 
>  速度も出ない甲標的で、複線の水路の「双方」に船舶がいる状態をタイミングよく狙うのは、困難ではないでしょうか。

 航行船は1隻でもない以上、次の船の通過まで待てばよいでしょう。

>  また、水深がありませんから、昼間では容易に発見されます。

 その前に母艦が発見されると思いますが。
 
>  水門まで35キロとのことですから、仮に最高19ノットで進んでも1時間かかります。で、こんな速度では電池が持ちませんし、潜水艦がやたら近くに行かなくてはなりませんから、実際には経済速力の6ノットで、3時間くらいかかるような。

 艦艇の行動状況によっては1〜2ノットもあり得るでしょう。

>  夜間だと都合良く水門が見つかるかわかりませんし、RNR様の言われる通り、狭い水路で魚雷が直進しないなら、船舶に当てられるかもわかりません。

 ですからドイツ潜水艦ともども港内外に機雷を撒けばよいのです。水門付近に1号機雷みたいな連接式の沈底機雷を仕掛けても良いですし。

>  真珠湾の甲標的出撃も「必ず戦死」では認められませんでした。
>  時期的に特攻前提は行えないと考えるべきかと。

 「可能性が高い」で良いんじゃありませんか?別に100%戦死するものでもありません。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; Trident/4.0; YTB720; GTB6; ...@PPPa808.e11.eacc.dti.ne.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 補足と提言  ■名前 : BUN  ■日付 : 09/5/3(日) 19:30  -------------------------------------------------------------------------
   > 軍令部「潜水艦によって米西岸および東岸の要地に対する攻撃を実施し、米艦隊を引きずり出す」
> GF司令部「大型潜水艦を整備して、米西岸と東岸で通商破壊、および要地攻撃による攪乱攻撃を実施する」
>
>  とあるだけで「潜水空母による」とは書かれて居ませんし、他の方のレスにあるように航空機搭載による魚雷や爆弾では「長期にわたって封鎖」は望めないように思います。

大筋、反論はないのですが、補足として。

これは潜特計画の背景について述べたものです。
当然、構想段階から攻撃機の搭載も含まれていますが、大切なことはこの艦がパナマ運河の攻撃用に建造されたのではなく要地爆撃と通商破壊戦時に索敵機として用いる大型航空機を搭載している点でしょう。

潜特によるパナマ攻撃が計画されたのは戦争末期ですから、潜特=パナマ攻撃と結びつけてしまうことで話がおかしくなってしまうように思います。
敵本土沿岸で作戦可能な大型潜水艦で、しかも航空攻撃力を持っているのであれば用兵者として欲しい兵器であることには異論はないでしょう。

RNRさんが指摘されている通り、パナマ運河攻撃といった作戦にこのような艦が本当に合理的かどうかは疑問がありますし、パナマ運河攻撃そのものにも疑問があるのですが、それは置くとして、潜特または類似の大型潜水艦の任務は要地爆撃と通商破壊戦であり、そのために潜特は反復攻撃用の中型爆弾多数と魚雷多数を搭載しているのですから、パナマ運河から少し距離をとってみるべきではないでしょうか。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; GTB6; SLCC1; .NET CLR 2.0.5...@c114.134.224.194.c3-net.ne.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:補足と提言  ■名前 : RNR  ■日付 : 09/5/4(月) 0:47  -------------------------------------------------------------------------
   ご教示ありがとうございます。

> 当然、構想段階から攻撃機の搭載も含まれていますが、大切なことはこの艦がパナマ運河の攻撃用に建造されたのではなく要地爆撃と通商破壊戦時に索敵機として用いる大型航空機を搭載している点でしょう。

 その点が巨砲潜水艦だろうが小型潜航艇であろうが要地攻撃には射程と破壊力を除いてさほどの違いはありませんし、「通商破壊戦時の索敵機」としても最寄の日本軍基地から遠ければ「潜水艦搭載の航空機」と思いますから、対潜哨戒が厳しくなって要地攻撃も通商破壊戦も困難になることでしょう。
>
> 敵本土沿岸で作戦可能な大型潜水艦で、しかも航空攻撃力を持っているのであれば用兵者として欲しい兵器であることには異論はないでしょう。

 そうでしょうか?潜水艦最大の売りである隠密性を自ら空に放り投げたかのように思えますが。2回目はほぼ確実に相手に存在を知られることとなる潜特または類似の大型潜水艦は1回目で相手に大打撃を与えうる使い方をしなければ「激戦地に赴く特大の潜水輸送船」になって史実同様に消耗するだけではありませんか?

 航空機の母艦と回収艦を分けるとその分、艦数が増えますし、よほど警戒の緩い後方の重要拠点で無ければ哨戒機&駆逐艦がぶっ飛んでくると思いますが。
>
> 潜特または類似の大型潜水艦の任務は要地爆撃と通商破壊戦であり、そのために潜特は反復攻撃用の中型爆弾多数と魚雷多数を搭載しているのですから、パナマ運河から少し距離をとってみるべきではないでしょうか。

 別に要地攻撃がハワイであろうがシドニーであろうがディエゴガルシアであろうがスカパ・フローであろうが構いませんし、示威効果を狙ってフーバーダムであろうがホワイトハウスであろうがバッキンガム宮であろうが構いませんが、上記で述べたように2度目の使い方がかなり制約をうける潜特または類似の大型潜水艦を用いての作戦行動であるならば、上記で述べたように1度限りで最大の効果を発揮する使い方をするべきです。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; Trident/4.0; YTB720; GTB6; ...@PPPa127.e11.eacc.dti.ne.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:潜水空母である理由は?  ■名前 : 高村 駿明  ■日付 : 09/5/3(日) 21:00  -------------------------------------------------------------------------
   > 軍令部「潜水艦によって米西岸および東岸の要地に対する攻撃を実施し、米艦隊を引きずり出す」
> GF司令部「大型潜水艦を整備して、米西岸と東岸で通商破壊、および要地攻撃による攪乱攻撃を実施する」
>
>  とあるだけで「潜水空母による」とは書かれて居ませんし、他の方のレスにあるように航空機搭載による魚雷や爆弾では「長期にわたって封鎖」は望めないように思います。

 捕捉です。米国海軍のドクトリン変化により、フィリピン救援に米艦隊が大挙襲来するかどうかに、疑問を感じた日本海軍が、潜特型で米本土攻撃を行うことで、米国を憤激させ「早期の艦隊決戦実施」に世論が向かうように、という目論見のようですね。
 なので、開戦時にこのような兵器があるなら、真珠湾攻撃をやらないという選択になるのかもしれません。 

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; .NET CLR 2.0.50727)@p59-157-176-1.sub.ne.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:開戦前に潜水空母が存在したなら  ■名前 : 高村 駿明  ■日付 : 09/5/7(木) 13:55  -------------------------------------------------------------------------
    皆様に色々意見を頂き、感謝しております。
 概ね、納得しているところでもありますし、未だに一部疑問に思うところもありますが、現状、私事で議論の準備時間が取れなくなってきております。
 皆様には大変申し訳ございませんが、月末頃までレスを返すことが難しいです。
 ご了承頂ければ、幸いです。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; .NET CLR 2.0.50727)@p59-157-176-1.sub.ne.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : こんなifならありでしょうか?  ■名前 : へるねこ  ■日付 : 09/5/16(土) 13:34  -------------------------------------------------------------------------
   具体的には、昭和16年12月の太平洋戦争開戦時までに、伊13型相当の潜水空母3隻、伊400型相当の潜水空母15隻(合計18隻。隻数は昭和17年度の改マル5計画での予定整備数を根拠としたもの。米西岸9隻、東岸9隻の配備を想定)を保有していた場合、戦局にどのような影響があったかを話し合うものとします。

 潜水艦18隻と航空機の費用は、おそらくは大和型戦艦4隻に匹敵するでしょうからいくら何でもむりがあるでしょう。

 史実の伊13型相当の潜水空母3隻ないし4隻でパナマ運河攻撃・東海岸・真珠湾攻撃はいかがでしょうか。投機性の高い真珠湾攻撃を強行したのは、南方資源地帯制圧と米主力艦隊決戦を同時に行うのが困難であっためです。であれば真珠湾攻撃を行わず大西洋米艦隊の太平洋回航を遅らせ、南方資源地帯制圧のため2,3ヶ月時間かせぎのためのパナマ運河攻撃です。これなら予算面も問題ないとおもいますし戦略的にも有意義だと思います。いかがでしょうか。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; GTB6; .NET CLR 1.1.4322; .N...@202-94-139-192.cust.bit-drive.ne.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 訂正  ■名前 : へるねこ  ■日付 : 09/5/16(土) 13:37  -------------------------------------------------------------------------
   史実の伊13型相当の潜水空母3隻ないし4隻でパナマ運河攻撃・東海岸・真珠湾攻撃はいかがでしょうか。


東海岸ではなく西海岸です。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; GTB6; .NET CLR 1.1.4322; .N...@202-94-139-192.cust.bit-drive.ne.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:こんなifならありでしょうか?  ■名前 : おうる  ■日付 : 09/5/18(月) 20:07  -------------------------------------------------------------------------
   >  史実の伊13型相当の潜水空母3隻ないし4隻でパナマ運河攻撃・東海岸・真珠湾攻撃はいかがでしょうか。投機性の高い真珠湾攻撃を強行したのは、南方資源地帯制圧と米主力艦隊決戦を同時に行うのが困難であっためです。であれば真珠湾攻撃を行わず大西洋米艦隊の太平洋回航を遅らせ、南方資源地帯制圧のため2,3ヶ月時間かせぎのためのパナマ運河攻撃です。これなら予算面も問題ないとおもいますし戦略的にも有意義だと思います。いかがでしょうか。

 潜水空母で運用できる攻撃機は最大でも1隻あたり3機であり、4隻投入しても12機にしかなりません。
 真珠湾にしろパナマ運河にしろ、史実の1941年12月の時点でかなりの防備が整っています。
 奇襲そのものは成功するでしょうが、わずか12機程度の奇襲で十分な戦果が見込めるとは到底思えません。
 別の枝にレスしているように、パナマ運河の破壊&封鎖は非常に困難であろうことが予想されますし、わずか12機の戦力をさらに真珠湾とパナマに分けるとすれば破壊効果は限定されたものにとどまります。
 仮に完全に封鎖できたとしても、南米大陸を迂回すれば1ヶ月もかからずパナマの太平洋沖に到達できることから、稼げる時間が3ヶ月にも及ぶとは考えられません。

 空母機動部隊による真珠湾攻撃を実施しないとなれば、太平洋艦隊の主力艦はほぼ無傷ですから、史実のように大西洋から増援が到着するまで慎重な活動にとどまることを期待するのは無理があると思います。
 上陸作戦用の兵力が用意できるまでは本格的反攻は無いにしても、日本軍の南方進出を阻むべく積極的に行動することは十分に考えられますし、日本は日本で米艦隊への警戒のため、常に主力艦隊と少なからぬ航空兵力を予備戦力として保持せねばならず、南方進出はきわめて困難なものになることが予想されます。

 西海岸への攻撃は機材の数量が増えたところで、見込める戦果が史実から大きく変化するとは思えません。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@FL1-119-241-157-28.tcg.mesh.ad.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:こんなifならありでしょうか?  ■名前 : 高村 駿明  ■日付 : 09/5/27(水) 2:17  -------------------------------------------------------------------------
    ようやく仕事に目処が立ちましたので、少しずつ返信していこうと思います。

>  潜水艦18隻と航空機の費用は、おそらくは大和型戦艦4隻に匹敵するでしょうからいくら何でもむりがあるでしょう。

 無理があるということは、再三書いていますので、指摘されても困ります。
 また、3隻はロンドン条約下での大型潜水艦例外枠での建造とも申し上げていますが……。

 何をもって18隻なのかと言うなら、日本海軍の整備予定数が18隻だったからです。実現には様々な何かを削ったのかもしれませんけど「日本海軍の希望数を保有していたなら、ではどういう使い道があったのか」を問うスレとご理解ください。

 結論が18隻あっても役立たず、ならそれはそれでいいのです。
 「潜水空母が役立つことを立証するスレ」ではありませんので。

>  史実の伊13型相当の潜水空母3隻ないし4隻でパナマ運河攻撃・東海岸・真珠湾攻撃はいかがでしょうか。投機性の高い真珠湾攻撃を強行したのは、南方資源地帯制圧と米主力艦隊決戦を同時に行うのが困難であっためです。であれば真珠湾攻撃を行わず大西洋米艦隊の太平洋回航を遅らせ、南方資源地帯制圧のため2,3ヶ月時間かせぎのためのパナマ運河攻撃です。これなら予算面も問題ないとおもいますし戦略的にも有意義だと思います。いかがでしょうか。

 潜水空母3隻を、真珠湾と西海岸とパナマに分派するのでしょうか。
 たった2機の攻撃で、いかなる戦果が発生するのか、甚だ不透明だと思います。 また想定最大数である4隻を集中しても、伊13型相当ということは、8機しか運用できません。例えば真珠湾にいかほどの打撃を与え得るのでしょうか。真珠湾攻撃が可能な機動部隊を保有しているなら、それで真珠湾を攻撃すればいいように思います。百歩譲って、潜水空母で何かしらの足止め攻撃ができたとしても、機動部隊には何をさせるのでしょうか。

 また少数機で西海岸を攻撃しても、インパクトがないように思いますけど、何を攻撃すれば戦略的に有意義な成果があがるのでしょうか。

 パナマ攻撃が一番現実的な使い道かもしれませんが、本スレでは攻撃の有効性に疑問符が付けられていますね。攻撃機8機では私も困難だと思います。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; .NET CLR 2.0.50727)@p59-157-176-1.sub.ne.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:(運用)可能性論 vs 結果論  ■名前 : Teru  ■日付 : 09/6/2(火) 23:26  -------------------------------------------------------------------------
   日米開戦初頭で潜水空母奇襲作戦という程度の、
仮想設定を容認した上での可能性論を論じるスレに対して、
WWIIの結果論を論拠に反論するのは、
史実における偶然性を、やや軽んじているように思えます。

その点、風船爆弾へのアメリカ軍民の対応を再考する視点があると思います。
史実では、アメリカ軍および政府は、
風船で通常火薬を運べるなら、兵士やBC兵器を搭載しての渡洋攻撃もあり得ると想定し、
沿岸防衛に加え、日本本土の風船爆弾工場の空襲にまでに戦力を割きました。
しかし、アメリカ国内の民間向けには風船爆弾の存在自体が秘匿されたため、
政治的な影響は生じなかったとされています。

ここで、当時の水準での可能性論を認めるなら、
日本側から(着弾観測不能ゆえ、ブラフのリスクを負うが)風船爆弾を喧伝したら、
米国内世論がどうなるかという観点が成立しうるでしょう。
移動経路不詳で製造を止めたり着弾を防ぎきる事も難しいとして、
V2程でないにせよ、日本本土上陸計画が早められるなどの、
史実に対する変化が起こりえたと思います。

史実において、日米双方とも風船爆弾について秘匿に徹したのは、
多分に偶発的に、広報方針が揃ったためと思います。

同様に、潜水空母を開戦当初から奇襲空爆用途に用いるとの
戦略判断が許されるなら、
日本側潜水艦の発見難度を史実と大きく変える事も可能ではないかと思います。
なぜなら、史実では訪独潜水艦等を除き、
伊号は充電時や搭載機離発着時以外も相当時間浮上しており
(艦隊決戦補助という設計意図もあり、高速での水上移動を多用した)、
それにより秘匿性を欠き喪失が増えているからです。

この点は、WWIIで敵潜に潜水中撃破された潜水艦が殆ど無いのに対し、
日本の潜水艦は、相当数連合軍側潜水艦に撃沈された事から裏付けられます。
仮に潜水空母による対米奇襲を開戦時に行うとの仮定が許されるなら、
この潜水空母の派遣趣旨は対米奇襲にあるとして対艦攻撃などが禁じられ、
訪独潜水艦同様、(最初の奇襲後の)浮上を最小限にするとの仮定は、
成立しないのでしょうか。
加えて、移動ルートが極めて長く、
しかも太平洋東側は日本側情報網が及ばない事から、
移動・潜伏ルートについて艦長に権限委譲する仮定も検討する価値はありそうです。

WWII後半のように、夜間でも浮上しただけで敵レーダーに映り、
対潜哨戒機が飛んでくるというなら、少数伊号撃沈など容易と言えましょうが、
果たして、開戦当初の時点ではどうなのか、一考の余地があるように思います。
この個艦秘匿性増大措置に加え、司令部からの一律航路指定を解読し得ない形、
つまり各艦が(初回集中奇襲以後の散発攻撃などは)独自判断で動いたとしたら・・・
その程度の仮定は、潜水空母量産配備+投機的空襲で負うリスクに比べれば、
思考実験として許されるのではないかと。

<Opera/9.64 (Windows NT 5.1; U; ja) Presto/2.1.1@i125-204-74-161.s10.a026.ap.plala.or.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:(運用)可能性論 vs 結果論  ■名前 : おうる  ■日付 : 09/6/3(水) 21:51  -------------------------------------------------------------------------
   > 日米開戦初頭で潜水空母奇襲作戦という程度の、
> 仮想設定を容認した上での可能性論を論じるスレに対して、
> WWIIの結果論を論拠に反論するのは、
> 史実における偶然性を、やや軽んじているように思えます。

 史実の「結果」に多少の偶然性が影響していることは否定しませんが、それよりも多くの必然性によって「結果」が成り立っている事実は無視すべきではありません。必然性は道理・原理といったものを背景としており、わずかばかりの偶然で否定されるようなものでもありません。
 そして、このスレッドで用いられた「結果論」は、このスレッドで議論されているifの影響を受けない必然性によって成り立っているものであり、そうであるからこそこのifの世界でも同じ結果が出るであろうと主張するものです。
 ifの世界で可能性を追求・検討する作業で無制限に偶然を持ち込むべきではありません。でなければ、このifの世界は可能性を追求することなどできず、ただ単に考察者の都合のいい妄想へと際限なく流されていくだけで終わるからです。


> 史実において、日米双方とも風船爆弾について秘匿に徹したのは、
> 多分に偶発的に、広報方針が揃ったためと思います。

 日米双方が風船爆弾を秘匿したことが偶発的だとは思いません。必然的なものであると思いますが、偶発的なものだというのであればどのような偶然が作用したのでしょうか?


> なぜなら、史実では訪独潜水艦等を除き、
> 伊号は充電時や搭載機離発着時以外も相当時間浮上しており
> (艦隊決戦補助という設計意図もあり、高速での水上移動を多用した)、
> それにより秘匿性を欠き喪失が増えているからです。

 当時の潜水艦は日本の潜水艦に限らず、通常は水上を航行するものです。水上を高速で航行することはどの国の潜水艦でも行うことであり、日本の潜水艦だけが多用したわけではありません。
 ドイツのUボートも大半が浮上中に発見されて撃沈されています。


> WWII後半のように、夜間でも浮上しただけで敵レーダーに映り、
> 対潜哨戒機が飛んでくるというなら、少数伊号撃沈など容易と言えましょうが、
> 果たして、開戦当初の時点ではどうなのか、一考の余地があるように思います。
> この個艦秘匿性増大措置に加え、司令部からの一律航路指定を解読し得ない形、
> つまり各艦が(初回集中奇襲以後の散発攻撃などは)独自判断で動いたとしたら・・・
> その程度の仮定は、潜水空母量産配備+投機的空襲で負うリスクに比べれば、
> 思考実験として許されるのではないかと。

 WW2当時の潜水艦は「潜ることのできる軍艦」でしかありません。敵に発見されたら(あるいは発見されそうになったら)一時的に水中に隠れてやり過ごす…というだけの特技をもった艦であり、水中に潜ったらその能力のほとんどを大きく減じてしまいます。
 長くもぐり続けることもできないし、潜ったまま長距離を移動することもできず、高い運動性を発揮できることもできませんし、敵を発見することも非常に困難です。潜るのはあくまでも一時的な避難の手段でしかありません。
 であるならば、いつでも潜って隠れられるようにするために、そして敵が追跡を諦めるまで潜り続けていられるようにするために、無暗やたらと潜らない方が賢明なのです。
 潜水艦がより多く潜航するようになるのは、敵の対潜哨戒能力が向上したために「隠れる」ことを強要されるようになったからにすぎません。
 しかし、戦争序盤で敵対戦哨戒能力が未だ低く、攻撃力を最大限に発揮すべき段階で、攻撃力や機動力を犠牲にしてまで安全性を追求する必要性を、当時の軍人たちが(それがどの国の海軍軍人であれ)認めたとは思えません。
 無論、これは無用の危険を冒すことが好まれるという意味ではありません。当然とるべき安全策は講じられるでしょうが、作戦目的の達成や戦果を犠牲にするようなレベルで実施される可能性は非常に低いでしょう。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@FL1-119-241-157-28.tcg.mesh.ad.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:開戦前に潜水空母が存在したなら  ■名前 : 高村 駿明  ■日付 : 09/6/9(火) 2:28  -------------------------------------------------------------------------
    ご無沙汰しています。開戦時に潜水空母16隻という構想自体が、成立しないという指摘を複数受けましたので、色々と調べてみました。戦術ドクトリンが伴うか、といえば疑問ですが、仕切り直して、以下のような設定を考えてみました。

 BUN様の言われるように、米海軍が「太平洋での作戦を行う上で2,000トン程度が最低限度。潜水艦に攻撃的用法を期待するのであれば最低3,000トン程度であるべき」と考えていたのだとすれば、これは日本海軍でも当てはまるのではないかと思います。
 ここでは、日本海軍が「潜水艦に攻撃的用法を期待するのであれば最低3,000トン程度であるべき」という結論に至り、条約特別枠で超大型潜水艦を試作し、無条約時代の攻撃潜水艦として、条約制限を上回る潜特型規模の潜水艦を量産した(大型なので、攻撃機搭載が可能として要求された)という設定にするのが、妥当ではないかと思います。
 実際の建造ですが、ロンドン条約で認められた2,800トン特別枠3隻に対応した、潜水艦建造については、

1)昭和9年度計画艦
 伊74型(海大6型b)2隻:2,840トン
 伊7型(巡潜3型)2隻:4,462トン

 合計:7,302トン(2,800トン制限換算2.6隻分)

 を振り分ければ概ね実現できるかと思います。条約枠がやや足りない部分は、排水量を過小に発表するか、海中5型2隻1,400トンを振り分けるなどで対応したと仮定します。
 また条約空けでは、史実で以下の潜水艦を建造しています。

2)マル3(昭和12年度)計画艦
 伊9型(巡潜甲型)2隻:4,864トン
 伊15型(巡潜乙型)6隻:13,188トン
 伊16型(巡潜丙型)5隻:10,920トン

 排水量合計:28,972トン

 つまり伊400型(潜特型)換算で、8.2隻です。
 また、マル4(昭和14年度)計画艦は以下の通りです。

3)マル4(昭和14年度)計画艦
 伊9型(巡潜甲型)1隻:2,434トン
 伊15型(巡潜乙型)14隻:30,772トン
 伊176型(海大7型)10隻:16,300トン
 呂100型(小型)9隻:4,725トン
 呂35型(中型)9隻:8,640トン

 つまり、巡潜合計では33,206トン(潜特型換算9.4隻)、海大7型の建造をも振り替えるなら、49,506トン(潜特型換算14隻)、呂号までも振り替えるなら62,871トン(潜特型換算17.8隻)となるわけです。
 なので、単なる排水量合計で言うなら、昭和12/14年度合計は78,478トン(呂号を含むなら91,843)トンですから、潜特型換算22(26)隻の保有が可能ということです。
 ですから、開戦時には甲型改2(伊13型/2,800トン)相当3隻、潜特型相当8隻、あと史実通り(にならないだろうけど、そうしないと話が進まないので)という話です。
 で、開戦後すぐにマル4計画の潜特型相当が+9隻(他に海大7型、呂100型、呂35型建造)追加ということになりますが、建造予算がわかりませんし、航空機も積むわけですから8隻として、ここでは潜特型相当16隻配備ということにしましょう。
 
 で、この大型潜水艦の用途を色々考えたのですが、先日のオフ会で受けたアドバイスを基に考えた結果、やはり通商破壊戦に使うのが得策ではないかと思います。

 甲型改2(伊13型/2,800トン)相当でも、21,000浬もの航続力を持ちますから、米西海岸はもちろん、パナマ沖や南太平洋でも自在に活動できます。
 米軍とて昭和16〜17年には充分な護衛艦艇を船団に付けられませんから、魚雷20本を搭載し、さらに水上攻撃機をも装備した、大型潜水艦多数の襲撃は脅威になることと思います。また、水上攻撃機の運用が可能ということが判明すれば、パナマやダムなどの攻撃予想地点の防備をある程度強化する必要も出てくるでしょう。

 大航続力を持った攻撃機搭載潜水艦が暴れているなら、それに対応する必要を強要できるため、実際にパナマ運河を攻撃・破壊する必要はない、という辺りですね。
 潜水空母の存在が認知されたら、場所を移してインド洋・大西洋作戦を行わせてもいいでしょう。これも要地攻撃など行わず、基本的に通商破壊戦のみになりますが、ある程度の戦力拘置を強いることはできると思いますし、広範囲の護衛艦艇配備はそれなりに負担を与えられると思います。
 史実より有利かはわかりませんが、嫌らしい戦力だとは思います。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; .NET CLR 2.0.50727)@p59-157-176-1.sub.ne.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:開戦前に潜水空母が存在したなら  ■名前 : くさの  ■日付 : 09/6/9(火) 7:29  -------------------------------------------------------------------------
   >  で、この大型潜水艦の用途を色々考えたのですが、先日のオフ会で受けたアドバイスを基に考えた結果、やはり通商破壊戦に使うのが得策ではないかと思います。

通商破壊戦をやるとなると、航空機用魚雷を何本か積む必要あると思いますが、

1)潜水艦上で、新たな魚雷を機体に搭載するのは結構難しいのではないか。
2)索的攻撃が主になると思いますが、敵を発見できなかった場合、魚雷または爆弾は投棄するのでしょうか。それとも危険を承知で魚雷を抱いたまま着水するのでしょうか。
3)ではなく、潜水艦同士の偵察ネットワークを利用して、敵船団の位置確認後に攻撃機を発進させることも可能と思いますが、それなら群狼作戦の方が良さそう。
4)潜水艦から水上攻撃機が出てくることが分かれば、FW200に対して英国がCAMシップを使ったような戦術で、比較的容易に対応可能なのでは?

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; Trident/4.0; .NET CLR 1.0.3...@130.36.62.140>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:開戦前に潜水空母が存在したなら  ■名前 : 高村 駿明  ■日付 : 09/6/10(水) 19:29  -------------------------------------------------------------------------
    ご指摘ありがとうございます。

> 1)潜水艦上で、新たな魚雷を機体に搭載するのは結構難しいのではないか。

 攻撃機搭載が前提なら、搭載方法については検討されるように思います。

> 2)索的攻撃が主になると思いますが、敵を発見できなかった場合、魚雷または爆弾は投棄するのでしょうか。それとも危険を承知で魚雷を抱いたまま着水するのでしょうか。

 大型潜水艦数隻を1単位にすれば、例えば索敵専門の2機+攻撃専門の4機にする、なども可能かと思います。
 爆弾や魚雷は攻撃できなかった場合は、投棄だと思います。爆弾や魚雷がなくとも、索敵には使えますしね。 

> 3)ではなく、潜水艦同士の偵察ネットワークを利用して、敵船団の位置確認後に攻撃機を発進させることも可能と思いますが、それなら群狼作戦の方が良さそう。

 ええ、単独行動させるよりも、数隻で行動させたほうがいいと思います。

> 4)潜水艦から水上攻撃機が出てくることが分かれば、FW200に対して英国がCAMシップを使ったような戦術で、比較的容易に対応可能なのでは?

 対応は不可能とは思いませんが、潜水艦攻撃機は副座か三座ですから、戦闘機よりも飛行可能時間が長いものと思います。
 また、攻撃機搭載潜水艦を保有していること自体が、相手に対応能力を強いるものと思います。
 史実でも西海岸での通商破壊戦は相応の成果を挙げていますが、これは商船が船団を組んだり、護衛艦を付けたりしていないこともあるでしょう。
 しかし、南米でも大西洋でも出没する大型潜水艦が多数存在するという状況なら、船団を組んだり、護衛艦を手配したり、CAMシップのようなものを用意したりと、太平洋全域に対して、警戒を必要とさせるでしょう。

 なお警戒厳重なハワイですら、真珠湾を包囲した25隻の潜水艦を狩り出すことはできず(伊70がやられましたが)、伊7の搭載航空機が12月17日に黎明飛行偵察を行っています(航空機収納は断念しましたが、搭乗員は回収しています)し、17年1月11日には航空母艦サラトガを雷撃成功しています。
 また、12月下旬には第二潜水戦隊がハワイ島、マウイ島、カウアイ島を艦砲射撃した上に、伊1、伊3、伊7がそれぞれ船舶1隻を撃沈しているのだそうです。

 上記に挙げた時期は、真珠湾攻撃直後で、最高の警戒レベルだった時期の話であり、さらに大航空基地と駆逐艦多数のいる基地周辺です。
 パナマ運河ですら、数十機の航空機しかいないのですから、こんな脅威を防ぎきれるわけがありません。
 敵にレーダーが行き渡るまでは、一定の脅威たり続けると思います。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; .NET CLR 2.0.50727)@p59-157-176-1.sub.ne.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:開戦前に潜水空母が存在したなら  ■名前 : おうる  ■日付 : 09/6/10(水) 20:56  -------------------------------------------------------------------------
   >  大型潜水艦数隻を1単位にすれば、例えば索敵専門の2機+攻撃専門の4機にする、なども可能かと思います。
>  爆弾や魚雷は攻撃できなかった場合は、投棄だと思います。爆弾や魚雷がなくとも、索敵には使えますしね。 

 航空機を索敵攻撃に出撃させるたびに、敵艦船の有無にかかわらず魚雷や爆弾を投棄することになります。
 潜水艦に何発の魚雷や爆弾を準備するかわかりませんが、そう何発も詰めるものではありません。
 通商破壊をするのであれば攻撃機は反復運用が前提になるので、作戦期間中はほぼ毎日1発/機ずつ爆弾か魚雷を消費することになりますが、仮に潜水艦1隻に20発の魚雷または爆弾を搭載するとなれば、前線での作戦は最大でも20日…爆弾や魚雷を消費したら後退…という形になり、前線での活動期間はドイツのUボートより短いものとなってしまうかもしれません。


> > 3)ではなく、潜水艦同士の偵察ネットワークを利用して、敵船団の位置確認後に攻撃機を発進させることも可能と思いますが、それなら群狼作戦の方が良さそう。
>
>  ええ、単独行動させるよりも、数隻で行動させたほうがいいと思います。

 ドイツのUボートのように数百隻も運用できるわけではありませんから、活動海面を限定して戦力を集中しなければできません。
 通商破壊とはいっても何か明確かつ限定的な目的を持った、特殊な作戦にならざるを得ないでしょう。


>  対応は不可能とは思いませんが、潜水艦攻撃機は副座か三座ですから、戦闘機よりも飛行可能時間が長いものと思います。

 CAMシップの戦闘機は船団が敵機を発見してから発進するので、攻撃機の飛行時間が長かろうが短かろうが関係ありません。


>  また、攻撃機搭載潜水艦を保有していること自体が、相手に対応能力を強いるものと思います。

 フライングパンケーキが実用化したりして(冗


>  しかし、南米でも大西洋でも出没する大型潜水艦が多数存在するという状況なら、船団を組んだり、護衛艦を手配したり、CAMシップのようなものを用意したりと、太平洋全域に対して、警戒を必要とさせるでしょう。

 そういう対応を強要するのであれば、ご自身でおっしゃってるように「出没する大型潜水艦が多数存在する」状況を実現しなければなりません。
 別レスで申しましたように、米大陸沖で継続的に作戦しようとしたら、拠点〜作戦海域間の往復の期間と潜水艦の整備に要する期間が非常に長くなるため、作戦に投入した潜水艦数の1/4〜1/6しか前線で活動させることができません。
 故障による途中帰還や敵対潜活動による喪失も考えると、日本軍の大型潜水艦すべてを投入しても、前線で活動できるのはせいぜい十数隻程度…作戦海域を限定しなければ「出没する大型潜水艦が多数存在する」状況を作り出すことはできません。


>  上記に挙げた時期は、真珠湾攻撃直後で、最高の警戒レベルだった時期の話であり、さらに大航空基地と駆逐艦多数のいる基地周辺です。

 別のレスでも指摘していますが「日本の潜水艦が境界層の存在を知らずに境界層の下にもぐってしまっていた」という話が真であるならば、同レス内で指摘したように日本軍潜水艦の被害は大きくなっていたかもしれません。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; GTB6; SLCC1; .NET CLR 2.0.5...@FL1-119-241-157-28.tcg.mesh.ad.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:開戦前に潜水空母が存在したなら  ■名前 : 高村 駿明  ■日付 : 09/6/13(土) 12:25  -------------------------------------------------------------------------
    ご教授ありがとうございます。

>  航空機を索敵攻撃に出撃させるたびに、敵艦船の有無にかかわらず魚雷や爆弾を投棄することになります。

 私は策敵攻撃を否定する意味で「策敵専門の2機」と書いたのですが。
 爆弾を積まない水上爆撃機を偵察に出し、周辺海域や目標の危険性が低いことを確認した上で、別の潜水空母から爆弾・魚雷を積んだ攻撃機を目標に放てば無駄がないかと。

>  潜水艦に何発の魚雷や爆弾を準備するかわかりませんが、そう何発も詰めるものではありません。
>  通商破壊をするのであれば攻撃機は反復運用が前提になるので、作戦期間中はほぼ毎日1発/機ずつ爆弾か魚雷を消費することになりますが、仮に潜水艦1隻に20発の魚雷または爆弾を搭載するとなれば、前線での作戦は最大でも20日…爆弾や魚雷を消費したら後退…という形になり、前線での活動期間はドイツのUボートより短いものとなってしまうかもしれません。

 攻撃機は基本的には潜水艦隊の目であり、攻撃機の攻撃力は副次的なものです。護衛艦のない独航船を見つけたなら、母艦が急行し「砲撃」して撃沈してもいいのです。

 また、潜水空母への補給を目的とした補給潜水艦を建造するという方策もあるかもしれません(このような艦種をあらかじめ作っておいたなら、ガ島戦で大活躍したでしょうけど)。

 潜水空母は最低16隻あるという仮定なのですから、後退して補給に戻ってもある程度の脅威にはなり続けるものかと。
 また、艦載機の性能(特に航続力)が高いため、史実よりも敵の配置を把握しやすくなるでしょうね。昭和18年10月に伊36が小型偵察機で300浬飛行し、真珠湾航空偵察を成功させていますが、こうした用途です。

>  ドイツのUボートのように数百隻も運用できるわけではありませんから、活動海面を限定して戦力を集中しなければできません。
>  通商破壊とはいっても何か明確かつ限定的な目的を持った、特殊な作戦にならざるを得ないでしょう。

 通信能力の問題がないのであれば、この話でも建造する前提となっている海大型や呂号潜水艦の「目」となってもいいのですが。

>  CAMシップの戦闘機は船団が敵機を発見してから発進するので、攻撃機の飛行時間が長かろうが短かろうが関係ありません。

 薄暮攻撃を想定して言っているのですが。

>  フライングパンケーキが実用化したりして(冗

 (笑)

>  そういう対応を強要するのであれば、ご自身でおっしゃってるように「出没する大型潜水艦が多数存在する」状況を実現しなければなりません。
>  別レスで申しましたように、米大陸沖で継続的に作戦しようとしたら、拠点〜作戦海域間の往復の期間と潜水艦の整備に要する期間が非常に長くなるため、作戦に投入した潜水艦数の1/4〜1/6しか前線で活動させることができません。
>  故障による途中帰還や敵対潜活動による喪失も考えると、日本軍の大型潜水艦すべてを投入しても、前線で活動できるのはせいぜい十数隻程度…作戦海域を限定しなければ「出没する大型潜水艦が多数存在する」状況を作り出すことはできません。

 10数隻も投入できるなら、充分ではないでしょうか。日本軍の潜水艦が米本土近辺で、ある程度継続的に通商破壊を行うのであれば、太平洋方面に護衛艦艇の手配を史実以上に強いることができます。目的はそこにあるのですから。
 その行動は大西洋方面での護衛艦を削るという効果を生みますから、結果としてUボートの脅威も大きくなるものと思います。
 また西海岸であれ、パナマであれ、果ては東海岸であれ、大型多発機を多少なりとも対潜哨戒用に拘束できるなら、それもじわじわ効いてくるのではないかと。
 あと、攻撃機搭載艦艇である以上、偵察可能ですから、攻撃効率は通常型よりも高くなるものと思います。
 
>  別のレスでも指摘していますが「日本の潜水艦が境界層の存在を知らずに境界層の下にもぐってしまっていた」という話が真であるならば、同レス内で指摘したように日本軍潜水艦の被害は大きくなっていたかもしれません。

 別レスで本質的な問題ではないのではないか、と指摘しています。真偽はわからないので、それ以上何とも言えませんけど。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; .NET CLR 2.0.50727)@p59-157-176-1.sub.ne.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:開戦前に潜水空母が存在したなら  ■名前 : おうる  ■日付 : 09/6/14(日) 21:21  -------------------------------------------------------------------------
   >  攻撃機は基本的には潜水艦隊の目であり、攻撃機の攻撃力は副次的なものです。護衛艦のない独航船を見つけたなら、母艦が急行し「砲撃」して撃沈してもいいのです。

 潜水艦による雷撃の方がいいでしょうね。


>  また、潜水空母への補給を目的とした補給潜水艦を建造するという方策もあるかもしれません(このような艦種をあらかじめ作っておいたなら、ガ島戦で大活躍したでしょうけど)。

 補給用潜水艦は存在しないわけではありませんが、コストパフォーマンスの悪い輸送艦です。
 遠洋作戦に積極的に投入するとなると数が必要になるでしょうが、コストパフォーマンスの悪い艦をそうそう多く生産できるものでもないでしょう。
 日本はただでさえ不足している商船を、ただでさえ不足している造船能力で生産しなければならないのですから。


>  潜水空母は最低16隻あるという仮定なのですから、後退して補給に戻ってもある程度の脅威にはなり続けるものかと。
>  また、艦載機の性能(特に航続力)が高いため、史実よりも敵の配置を把握しやすくなるでしょうね。昭和18年10月に伊36が小型偵察機で300浬飛行し、真珠湾航空偵察を成功させていますが、こうした用途です。


>  通信能力の問題がないのであれば、この話でも建造する前提となっている海大型や呂号潜水艦の「目」となってもいいのですが。

 呂号では航続力に問題があるため攻撃的運用には制限が生じます。
 それに他の潜水艦を増産ができたとしても通商破壊によってどこかの航路を破壊・封鎖するには、つまり本格的に通商破壊を行うには絶対数が不足します。
 少ない数で通商破壊を本格的に行おうとすれば海域と期間を限定することで、投入戦力の密度を上げなければ効果は期待できないでしょう。


>  薄暮攻撃を想定して言っているのですが。

 薄暮攻撃だとどうしてCAMシップの搭載迎撃機は脅威にならないのですか?
 あと、水上機を薄暮攻撃に投入するということは回収はほぼ絶望的になります。機体のみならず搭乗員の回収すら非常に困難でしょう。
 

>  10数隻も投入できるなら、充分ではないでしょうか。日本軍の潜水艦が米本土近辺で、ある程度継続的に通商破壊を行うのであれば、太平洋方面に護衛艦艇の手配を史実以上に強いることができます。目的はそこにあるのですから。

 16隻を投入したとしても、前線で常時行動させることができるのはせいぜい3〜4隻にすぎません。3〜4隻が前線で作戦中、ほぼ同数の3〜4隻がドックでメンテナンス、残りは前線と拠点の間を航行することになります。
 Uボートはそれよりずっと多い数が米本土沖に投入され膨大な戦果をあげましたが、米軍が防備を強化したのは(つまり戦力誘引効果が表れたのは)半年たってからです。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; GTB6; SLCC1; .NET CLR 2.0.5...@FL1-119-241-157-28.tcg.mesh.ad.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:開戦前に潜水空母が存在したなら  ■名前 : 高村 駿明  ■日付 : 09/6/20(土) 12:50  -------------------------------------------------------------------------
   >  潜水艦による雷撃の方がいいでしょうね。

 魚雷は数がないですから、せっかくの14センチ砲2門を活用してもいいのでは?
 航空偵察で脅威度の確認を行っているわけですし、武装商船に返り討ちという可能性もなくはないですけど、弾がもったいないでしょう。

>  補給用潜水艦は存在しないわけではありませんが、コストパフォーマンスの悪い輸送艦です。
>  遠洋作戦に積極的に投入するとなると数が必要になるでしょうが、コストパフォーマンスの悪い艦をそうそう多く生産できるものでもないでしょう。

 現実に、昭和16年度計画で二式大艇への補給による、要地奇襲攻撃を主眼とした、航空燃料500キロリットル、250キロ爆弾20個、航空魚雷15本、20ミリ機銃弾12,000発、7.7ミリ機銃弾20,000発、清水10トンを搭載可能な、潜補型(伊351型/基準排水量2,650トン/14ノットで13,000浬)は建造されています。
 同艦は昭和20年になってから、シンガポール−内地間でガソリン輸送にも従事して活躍しています。潜水空母を大量建造するなら、こうした潜水艦が建造される可能性もかなり高いと思いますし、補給の成功率を考えるなら、通常型の輸送船では何ともならないわけですから、海大型の枠で、もっと早い時期に何隻か建造されるかもしれません。
 
>  日本はただでさえ不足している商船を、ただでさえ不足している造船能力で生産しなければならないのですから。

 商船も造船能力不足も承知していますが、普通の商船を建造しても無為に沈められたのが現実ですから、建造しておけば潜水空母補給用としての潜補型が、ガ島戦などに転用され、重宝されたかもしれませんよ。

> >  通信能力の問題がないのであれば、この話でも建造する前提となっている海大型や呂号潜水艦の「目」となってもいいのですが。
>
>  呂号では航続力に問題があるため攻撃的運用には制限が生じます。
>  それに他の潜水艦を増産ができたとしても通商破壊によってどこかの航路を破壊・封鎖するには、つまり本格的に通商破壊を行うには絶対数が不足します。
>  少ない数で通商破壊を本格的に行おうとすれば海域と期間を限定することで、投入戦力の密度を上げなければ効果は期待できないでしょう。

 そこは同意します。例えばシンガポールを拠点に、インド洋で使うなら呂号でも充分でしょうし、航空偵察との組み合わせは効率アップにつながると思います。

>  薄暮攻撃だとどうしてCAMシップの搭載迎撃機は脅威にならないのですか?
>  あと、水上機を薄暮攻撃に投入するということは回収はほぼ絶望的になります。機体のみならず搭乗員の回収すら非常に困難でしょう。

 明け方に奇襲攻撃を行い、母艦に帰投、回収作業を想定していましたが……。
 レーダーの性能がよほど高くなければ、視界が不良ならCAMシップから戦闘機を飛ばすのことは、航空攻撃には間に合わないと思うのですが(敵発見と攻撃に問題はあると思いますけど)。
 水上機は航法を行えますが、単座戦闘機は無理ですから「水上爆撃機をどこまでも追撃して撃墜する」などしたら、自分が助かりません。

>  16隻を投入したとしても、前線で常時行動させることができるのはせいぜい3〜4隻にすぎません。3〜4隻が前線で作戦中、ほぼ同数の3〜4隻がドックでメンテナンス、残りは前線と拠点の間を航行することになります。

 日本の巡洋潜水艦は、そんな稼働効率ではなかったと思いますが。また、前線から拠点の間でも、敵商船を見つければ沈めるわけですから。
 あと、史実の巡洋潜水艦も28隻しかありません。商船や要地の奇襲なら、足も長く搭載量も多い潜特型のほうが有利ですから、実際どれほど違うのでしょうか。

>  Uボートはそれよりずっと多い数が米本土沖に投入され膨大な戦果をあげましたが、米軍が防備を強化したのは(つまり戦力誘引効果が表れたのは)半年たってからです。

 であるなら、米本土沖でも半年は対応できないということでもあるわけですね。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; .NET CLR 2.0.50727)@p59-157-176-1.sub.ne.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:開戦前に潜水空母が存在したなら  ■名前 : おうる  ■日付 : 09/6/20(土) 21:34  -------------------------------------------------------------------------
   >  魚雷は数がないですから、せっかくの14センチ砲2門を活用してもいいのでは?
>  航空偵察で脅威度の確認を行っているわけですし、武装商船に返り討ちという可能性もなくはないですけど、弾がもったいないでしょう。

 商船を砲撃で撃沈するのは意外と困難です。
 史実で各国が行った水上艦による通商破壊活動においても、砲撃による撃沈が非常に困難である(船体に穴があいてもなかなか沈まない)記録が残されています。
 魚雷による撃沈であっても砲撃による撃沈であっても、保有弾薬の早期消耗を招くことになるでしょう。
 一番効率がいいのは停船させた上で乗員を避難(通商破壊艦に移乗)させ、船内から船底に爆薬を仕掛ける方法ですが、この場合収容した商船乗員が重荷になるので支援艦等を使って移送するか第三国へ上陸させる必要があります。
 太平洋の中央部や反対側の敵勢力圏下で潜水艦を支援する輸送船(補給すると共に攻撃対象から避難させた乗員を収容する)を用意できるような余裕は日本にありませんし、潜水艦の所在を通報したり入港を拒否したりしない第三国も付近に存在しない以上、そうした方法をとることもできません。


>  現実に、昭和16年度計画で二式大艇への補給による、要地奇襲攻撃を主眼とした、航空燃料500キロリットル、250キロ爆弾20個、航空魚雷15本、20ミリ機銃弾12,000発、7.7ミリ機銃弾20,000発、清水10トンを搭載可能な、潜補型(伊351型/基準排水量2,650トン/14ノットで13,000浬)は建造されています。
>  同艦は昭和20年になってから、シンガポール−内地間でガソリン輸送にも従事して活躍しています。潜水空母を大量建造するなら、こうした潜水艦が建造される可能性もかなり高いと思いますし、補給の成功率を考えるなら、通常型の輸送船では何ともならないわけですから、海大型の枠で、もっと早い時期に何隻か建造されるかもしれません。

 潜水空母16隻に加えて潜水輸送艦を戦前に建造するとなると別のifが必要になるでしょう。
 開戦後となると建造能力からいって量産できるはずもありませんし、史実より多くの潜水輸送艦を用意できる可能性は極めて低いと思われます。
 ドイツ海軍は潜水補給艦を3隻しか建造してませんが、だだっぴろい太平洋で潜水艦+潜水補給艦をドイツ海軍と同様の運用をするとなると3隻程度では到底足りません。
 

>  商船も造船能力不足も承知していますが、普通の商船を建造しても無為に沈められたのが現実ですから、建造しておけば潜水空母補給用としての潜補型が、ガ島戦などに転用され、重宝されたかもしれませんよ。

 あれば重宝したでしょう。
 しかし、「どうせ普通の商船を建造しても無為に沈められる」というのは後知恵にすぎず、当時の日本海軍は海上護衛に「普通の商船を建造しても無為に沈められ、積載量は少なくてもより確実に目的地まで移動できる潜水輸送艦の方が役に立つ」ような状況が生起するとは考えていません。
 であるならば、普通の商船よりも潜水輸送艦にリソースを割り振るはずもなく、おそらく開戦後にあえて大型潜水艦の量産が試みられるようなことはないでしょう。


>  明け方に奇襲攻撃を行い、母艦に帰投、回収作業を想定していましたが……。
>  レーダーの性能がよほど高くなければ、視界が不良ならCAMシップから戦闘機を飛ばすのことは、航空攻撃には間に合わないと思うのですが(敵発見と攻撃に問題はあると思いますけど)。
>  水上機は航法を行えますが、単座戦闘機は無理ですから「水上爆撃機をどこまでも追撃して撃墜する」などしたら、自分が助かりません。

 水上機で攻撃する以上は遠距離雷撃でも目標の5km圏内には入らなければなりませんし、実際には肉薄雷撃ですからもっと接近します。爆撃なら上空を通過するわけです。
 そして、その前にその船が本当に攻撃して良い船かどうかを目視で確認しなければなりません。特に独航船であれば、味方艦船や第3国の船や病院船等攻撃してはいけない船舶でないことを確認する必要があるため、どうしても一度は航過しなければならないでしょう。
 最初からカタパルトに据え付けられていつでも発艦できるように状態を整えられたCAMシップの迎撃機が緊急発艦する時間が無いと考えるのは虫がよすぎると思います。
 そして、一度発艦しさえすれば母艦が撃沈された後であっても追撃は可能です。遠距離を追撃する必要はなく、追撃するとしても通常の空母の直援機が活動するのと同程度の範囲よりも狭い範囲で補足できるでしょう。
 もし、本当にCAMシップを無効化できるのであれば、何故史実の大西洋でCAMシップが効果を発揮できたのでしょうか?


>  日本の巡洋潜水艦は、そんな稼働効率ではなかったと思いますが。また、前線から拠点の間でも、敵商船を見つければ沈めるわけですから。
>  あと、史実の巡洋潜水艦も28隻しかありません。商船や要地の奇襲なら、足も長く搭載量も多い潜特型のほうが有利ですから、実際どれほど違うのでしょうか。

 数か月も活動した潜水艦は整備と乗員の休養のため1か月は拠点にいることになります。これはどの国の潜水艦でもほとんど同じです。
 目標と拠点の往復にかかる時間は距離がある以上はどうしても短縮できません。30ノット以上で巡航できるような原子力潜水艦でもない限り、往復にかかる時間は距離に比例します。
 前線での活動も目標を全く見つけられないで無為に過ごすのでない限り、弾薬や魚雷の消耗で1か月以内に作戦能力を失うでしょう。
 ましてや、往復中にも目標を見つければ攻撃するのであれば、作戦水域到達前に魚雷や砲弾薬を消費するのですから、作戦水域での活動時間はもっと短いものになります。
 そもそも、潜水艦を操る乗員が消耗してしまうのですから、遠く離れた遠隔地で長期間活動させること自体にかなりの無理があるのです。


>  であるなら、米本土沖でも半年は対応できないということでもあるわけですね。

 そう、半年は比較的自由に活動できる状況は維持されるでしょう。
 しかし、実際に攻撃する潜水艦乗員にそんなことはわかりません。通商破壊戦ならば攻撃目標も攻撃目標の警戒状況も攻撃目標をとりまくその他の状況も把握できますが、要地攻撃となると海上から観測できることはごくわずかです。奇襲失敗即死を意味するような作戦に従事しているのですから、慎重にならざるを得ません。
 たとえ、実際に開戦当初の平時同様の警戒態勢が半年間維持され続けたとしても、それを前提とした活発な作戦などできないのです。

 また、「敵戦力を誘引拘束する」のが潜水空母作戦の目的であるなら、半年以上は活動しなければならないということをも意味します。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; GTB6; SLCC1; .NET CLR 2.0.5...@FL1-119-241-157-28.tcg.mesh.ad.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 開戦当初の展開は  ■名前 : おうる  ■日付 : 09/6/10(水) 20:29  -------------------------------------------------------------------------
    開戦当初の段階で連合艦隊の最大の攻撃目標は何といっても太平洋艦隊…特に米空母です。
 史実でも米空母補足のためにハワイ近海に多数の潜水艦が展開しました。
 基本的には潜水空母が増えるというだけのifですから、連合艦隊の開戦初期の攻撃目標が大きく変わることなどあるわけないので、やはり開戦時には多くがハワイ近海に展開することになるのでしょう。

 史実の日本潜水艦隊は温度境界層の存在を知らなかったため、境界層の下で水上艦のスクリュー音を拾おうとして拾えず…結果として米空母の補足に失敗しています。
 これは逆にいえば日本の潜水艦が開戦直後のハワイ近海で捕捉されずに済んだ理由にもなっていると思います。

 単なる潜水艦ではなく潜水空母であることを活かそうとするのであれば、潜水艦は史実のように見つかりにくい深い深度で聴音探知をするのではなく、航空偵察のために海上または水面付近の浅深度で活動する機会が大幅に増えるかもしれません。

 これが日本軍に有利に働くのであれば、開戦当初の段階で米空母撃沈を果たせるかもしれません。
 が、海上や浅深度での活動機会が増えるということは、米海軍に補足されやすくなる事をも意味します。したがって、もしかしたら展開した潜水空母のうち少なからぬ艦が撃破されてしまう可能性もあり、この可能性は米空母撃沈の可能性よりも高くなると思われます。


 初期にハワイ近海に多くを展開させ、それ以外を他の作戦に振り分けることになると思いますが、全体からすれば少数にならざるを得ないと思われます。
 通商破壊であれ、拠点奇襲であれ、少数の潜水空母での攻撃作戦では効果は見込めません。
 ましてや、通商破壊によって屈伏できる相手ではありませんし、破壊すべき兵站線も未構築である以上、開戦初期の段階から通商破壊に残存戦力を集中することは考えにくいものがあります。
 英連邦を戦略的各個撃破を目指すことは有効でしょうが、シンガポール陥落後ならばともかく、東南アジア地域に版図を広げる前の段階では通商破壊に適した海域はいずれも敵制空権下にあります。
 潜水空母よりも通常潜水艦を投入する方が適していますし、潜水艦による通商破壊の効果が出るよりも日本軍が同海域周辺地域を制圧する方が早いくらいなので、英連邦に対する通商破壊に投入するのは開戦初期ではなく、ある程度戦線が広がった後の方が有効であると思います。

 おそらく、開戦当初の使い方としては史実と同じような使い方(ハワイ近海での警戒と米本土への奇襲攻撃)に終始し、米空母が増えたから特別に史実と異なる作戦が立案&実行されることは無いと思われます。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; GTB6; SLCC1; .NET CLR 2.0.5...@FL1-119-241-157-28.tcg.mesh.ad.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:開戦当初の展開は  ■名前 : 高村 駿明  ■日付 : 09/6/13(土) 12:05  -------------------------------------------------------------------------
    ご教授ありがとうございます。

>  開戦当初の段階で連合艦隊の最大の攻撃目標は何といっても太平洋艦隊…特に米空母です。
>  史実でも米空母補足のためにハワイ近海に多数の潜水艦が展開しました。
>  基本的には潜水空母が増えるというだけのifですから、連合艦隊の開戦初期の攻撃目標が大きく変わることなどあるわけないので、やはり開戦時には多くがハワイ近海に展開することになるのでしょう。

 艦艇の性能が大きく異なるのに、同じ目的にしか使われないというのもおかしな話ではないかと。大本営海軍参謀での潜水艦作戦担当である、井浦祥二郎中佐も著書「潜水艦隊」で潜水空母に大して「開戦時にこのような軍艦があるなら使い出があるが、完成まで期間を要するなら、建造すべきではない」と言われています。

 また、潜水空母は主として「米本土、特にその西海岸方面の重要地区及び、パナマ運河、ハワイなどの敵重要拠点を航空奇襲する目的で建造された」と明確に述べられています。従ってハワイだけでなく西海岸、パナマの空襲もあると思います。
 ですから、多くがハワイ攻撃に投入されるかもしれませんが、政略的作戦に投入される艦艇もあるかと。

 攻撃機搭載可能で、長期行動を行える大型潜水艦保有というのは、巡洋潜水艦による敵戦艦反復攻撃が、何らかの理由で実施困難と見なされた場合だと思います。 開戦前における艦隊訓練の実績でも、水上23ノットしか出ない艦艇で21ノットの米戦艦を反復攻撃できるという構想に無理があるということも、同書で明確に述べられています。この辺りが史実との変更点になるのではないかと。

 仮にハワイ攻撃に参加するのであれば、策敵及び機動部隊空襲後に第二撃をかけるという使われ方をすると思います。
 策敵については、史実でも困難を乗り越えてラハイナ泊地偵察に2艦が投入されているくらいですから、潜水空母はこれに投入されるでしょう。
 機動部隊空襲直後の混乱に乗じて、潜水空母艦載機を投入するなら、10〜20機程度(当初から3機搭載を見込んでいるかもしれないので)が空爆に参加することにはなるでしょう。戦果は大きなものになるとは思えませんが「水上爆撃機をハワイまで展開する能力がある」ことだけは理解されるでしょうね。

>  史実の日本潜水艦隊は温度境界層の存在を知らなかったため、境界層の下で水上艦のスクリュー音を拾おうとして拾えず…結果として米空母の補足に失敗しています。

 井浦氏の潜水艦隊を読む限りでは、伊8潜が真珠湾攻撃直後に米駆逐艦のスクリュー音を度々探知し、さらに潜行して爆雷防御をしている様子が克明に描かれていますね。温度境界層の話は私も聞いたことがありますが「拾いにくい」くらいではないかと思ってしまいます。

>  これは逆にいえば日本の潜水艦が開戦直後のハワイ近海で捕捉されずに済んだ理由にもなっていると思います。

>  単なる潜水艦ではなく潜水空母であることを活かそうとするのであれば、潜水艦は史実のように見つかりにくい深い深度で聴音探知をするのではなく、航空偵察のために海上または水面付近の浅深度で活動する機会が大幅に増えるかもしれません。

 伊8潜は昼間浮上航行もしていますし、前にも書きましたが、ハワイ作戦時に日本潜水艦は航空偵察や浮上砲撃もしています。
 むしろ、敵の練度や警戒方法の問題ではないかと思います。

>  これが日本軍に有利に働くのであれば、開戦当初の段階で米空母撃沈を果たせるかもしれません。

 潜水空母の艦載機に、エンタープライズやレキシントンが捕捉されたなら、南雲機動部隊の行動が変わる可能性はあると思います。

>  が、海上や浅深度での活動機会が増えるということは、米海軍に補足されやすくなる事をも意味します。したがって、もしかしたら展開した潜水空母のうち少なからぬ艦が撃破されてしまう可能性もあり、この可能性は米空母撃沈の可能性よりも高くなると思われます。

 上記の理由により1941年12月の米海軍は、そこまでの対潜能力を持っていないと思われます。艦隊主力が集結し、航空機多数が展開するハワイでこの程度ですから、攻撃が成功するかは別として、パナマや米本土でも大差ないでしょう。
 また、超大型潜水艦なのですから、例えばパナマ運河近くに機雷敷設を行うといった、搭載量を活かした使用方法もあり得ることと思います。

>  初期にハワイ近海に多くを展開させ、それ以外を他の作戦に振り分けることになると思いますが、全体からすれば少数にならざるを得ないと思われます。

 そこは同意します。

>  通商破壊であれ、拠点奇襲であれ、少数の潜水空母での攻撃作戦では効果は見込めません。
>  ましてや、通商破壊によって屈伏できる相手ではありませんし、破壊すべき兵站線も未構築である以上、開戦初期の段階から通商破壊に残存戦力を集中することは考えにくいものがあります。

 開戦時から、それのみに使うとは言っておりません。
 とはいえ、井浦中佐は「真珠湾攻撃で敵主力が壊滅した以上、敵補給路の遮断作戦。特に敵商船の撃沈が最も効果的な潜水艦使用方法」と述べられていますし、元より潜特型相当である以上、水上18ノット程度ですから、敵艦隊攻撃に使うよりも、通商破壊に使用されるものと思います。

>  英連邦を戦略的各個撃破を目指すことは有効でしょうが、シンガポール陥落後ならばともかく、東南アジア地域に版図を広げる前の段階では通商破壊に適した海域はいずれも敵制空権下にあります。

 ハワイ・パナマ作戦後は西海岸から南太平洋に展開して、通商破壊、及び機雷敷設、及び航空偵察、奇襲空襲を行うと想定しております。
 シンガポールが陥落したなら、インド洋に展開すればよいかと。

>  潜水空母よりも通常潜水艦を投入する方が適していますし、潜水艦による通商破壊の効果が出るよりも日本軍が同海域周辺地域を制圧する方が早いくらいなので、英連邦に対する通商破壊に投入するのは開戦初期ではなく、ある程度戦線が広がった後の方が有効であると思います。

 開戦時に英連邦への通商破壊を行うべきと述べたことはないと思うのですが。

>  おそらく、開戦当初の使い方としては史実と同じような使い方(ハワイ近海での警戒と米本土への奇襲攻撃)に終始し、米空母が増えたから特別に史実と異なる作戦が立案&実行されることは無いと思われます。

 米空母が増えるというのはよくわかりませんが、概ね同意致します。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; .NET CLR 2.0.50727)@p59-157-176-1.sub.ne.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:開戦当初の展開は  ■名前 : おうる  ■日付 : 09/6/14(日) 19:25  -------------------------------------------------------------------------
   >  艦艇の性能が大きく異なるのに、同じ目的にしか使われないというのもおかしな話ではないかと。

 個々の兵器の性能が戦略に影響を及ぼすことはありません。
 バルバロッサ作戦に投入されたドイツ装甲師団の主力戦車がチハであろうとパンターであろうと、戦術レベルでは影響するとしても戦略・作戦レベルで影響することは考えにくいものがあります。
 原子力潜水艦のように既存潜水艦とは根本的に異なる兵器…というほどの違いではありませんから、戦略や作戦に極端な影響が生じると期待するのは現実的では無いと思います。


>  ですから、多くがハワイ攻撃に投入されるかもしれませんが、政略的作戦に投入される艦艇もあるかと。

 潜水艦(潜水艦に限りませんが)は絶対数が不足しており、集中投入すればどこかで不足が生じます。その戦力を集中投入するには、他で生じる不足を上回る効果を期待できなければなりません。
 政略的作戦は所詮、助攻でしかなく、主攻作戦となるであろう南方作戦や真珠湾よりも優先される可能性は低いと考えるべきでしょう。
 つまり、史実と同様に少数の艦でチマチマといやがらせをする程度の作戦に収まることになると考えます。


>  仮にハワイ攻撃に参加するのであれば、策敵及び機動部隊空襲後に第二撃をかけるという使われ方をすると思います。
>  策敵については、史実でも困難を乗り越えてラハイナ泊地偵察に2艦が投入されているくらいですから、潜水空母はこれに投入されるでしょう。
>  機動部隊空襲直後の混乱に乗じて、潜水空母艦載機を投入するなら、10〜20機程度(当初から3機搭載を見込んでいるかもしれないので)が空爆に参加することにはなるでしょう。戦果は大きなものになるとは思えませんが「水上爆撃機をハワイまで展開する能力がある」ことだけは理解されるでしょうね。

 第2撃は無いでしょう。
 ただでさえ護衛戦闘機すらつかない低性能・少数機の水上攻撃機です。攻撃するとすれば奇襲にしか使えません。
 それが既に攻撃を受けて警戒レベルが最高に跳ね上がってるところへ出かけても損害ばかりで戦果など見込めません。
 仮に米側の迎撃を受けなかったとしても、真珠湾上空は煙が立ち込めて専科の確認はおろか攻撃目標を探すことすら困難な状態です。
 真珠湾攻撃をするなら数週間〜数か月は期間をおいた後で実施すべきでしょう。


>  井浦氏の潜水艦隊を読む限りでは、伊8潜が真珠湾攻撃直後に米駆逐艦のスクリュー音を度々探知し、さらに潜行して爆雷防御をしている様子が克明に描かれていますね。温度境界層の話は私も聞いたことがありますが「拾いにくい」くらいではないかと思ってしまいます。

 その時の伊8が境界層の下にいたわけではないのでしょう。


>  伊8潜は昼間浮上航行もしていますし、前にも書きましたが、ハワイ作戦時に日本潜水艦は航空偵察や浮上砲撃もしています。

 もともと当時の潜水艦は浮上航行の方が当たり前です。潜行して聴音探知に努めたのは米側(特に哨戒機)に見つからないようにするためであり、潜水艦によっては艦体を海底に着底させてまで米側に探知されないように最大限の努力を払っています。
 発見されれば急速潜行すれば、当時ならほぼ逃げ切れるでしょうが…発見されればその海域は警戒されてしまい、航行したかもしれない米空母が航路変更して見つけられたはずの米空母を見つけられなくなってしまうかもしれない。
 海域を封鎖するのであればそれでもいいのかもしれませんが、米空母を見つけるのが目的である以上は、「いる」と確信させてしまうことすら避けねばなりません。
 ハワイ近海で潜水空母が艦載機を運用するということは、艦載機の発艦や収容のために昼間浮上航行を強要されることになり、被発見率は大きくなっていまいます。
 実際に発見されてしまえば、潜水艦狩りのための戦力が集中投入されますから、それだけ被害が発生する可能性も高まります。


>  潜水空母の艦載機に、エンタープライズやレキシントンが捕捉されたなら、南雲機動部隊の行動が変わる可能性はあると思います。

 開戦初頭で米空母が撃沈されれば、影響はパナマ運河攻撃成功するより大きなものになるでしょう。


>  上記の理由により1941年12月の米海軍は、そこまでの対潜能力を持っていないと思われます。艦隊主力が集結し、航空機多数が展開するハワイでこの程度ですから、攻撃が成功するかは別として、パナマや米本土でも大差ないでしょう。
>  また、超大型潜水艦なのですから、例えばパナマ運河近くに機雷敷設を行うといった、搭載量を活かした使用方法もあり得ることと思います。

 機雷戦は何よりも物量がものを言います。
 WW2で威力を発揮した機雷は主に沈底感応型で、掃海の困難なものでしたが日本軍は沈底感応機雷を持っていません。
 掃海の比較的簡単な係維機雷であり、定期的に敷設しなおす必要がありますが、機雷戦は戦果確認が困難な作戦でもあるため、敵海域で攻撃的に使うには様々なリスクがあります。
 しかも、「パナマに機雷を敷設する」というだけで潜水艦は4〜6ヶ月は拘束されます。
 潜水艦1隻で何発の機雷が敷設できるか?どれだけの海域を機雷封鎖できるか?それを何か月ごとに敷設しなおすか?を考えると、パナマへの攻撃的機雷戦はかなりのコストがかかることが想像できると思います。


>  とはいえ、井浦中佐は「真珠湾攻撃で敵主力が壊滅した以上、敵補給路の遮断作戦。特に敵商船の撃沈が最も効果的な潜水艦使用方法」と述べられていますし、元より潜特型相当である以上、水上18ノット程度ですから、敵艦隊攻撃に使うよりも、通商破壊に使用されるものと思います。

 自分で「通商破壊こそ」と主張しておいてなんですが・・・当時の他の国々の潜水艦がそうであったように、日本の潜水艦も魚雷に欠陥を抱えていました。
 浅深度で高速で走るとスクリューが生じさせるキャビテーションから異常振動が発生し、魚雷が自壊するというものですが、この不具合は秘匿され、終戦まで改善されることはありませんでした。
 このため日本の潜水艦は喫水の深い大型艦船しか攻撃できないため、通商破壊をしたくても出来なかった…という話があります。
 速度を遅くしたり深度を深く設定すれば問題なかったようなので、「できなかった」という話には疑問を抱きますが、当時の潜水艦艦長たちの行動に影響を与えたことは事実であったようです。
 もし潜水艦が通商破壊に集中投入されることになればこの不具合は看過しきれなくなり、信頼性改善が図られるかもしれません。そうなれば、潜水空母云々は関係ありませんが、それだけで日本の潜水艦部隊は史実とは異なる活躍を見せることになるかもしれません。
 

>  開戦時に英連邦への通商破壊を行うべきと述べたことはないと思うのですが。

 大西洋作戦を主張されておられた時に「通商破壊による英連邦に対する戦略的各個撃破」に同意なされておられたはずです。
 英連邦の通商路は大西洋のみならず、太平洋やインド洋にもありますから、大西洋作戦の可能性がこのスレの議題からはなくなったとしても、英連邦に対する通商破壊の可能性は残ると思いました。
 

>  米空母が増えるというのはよくわかりませんが、概ね同意致します。

 潜水空母の誤記です。すみませんでした。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; GTB6; SLCC1; .NET CLR 2.0.5...@FL1-119-241-157-28.tcg.mesh.ad.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:開戦当初の展開は  ■名前 : 高村 駿明  ■日付 : 09/6/20(土) 12:20  -------------------------------------------------------------------------
    返信が遅くて申し訳ございません。

>  個々の兵器の性能が戦略に影響を及ぼすことはありません。
>  バルバロッサ作戦に投入されたドイツ装甲師団の主力戦車がチハであろうとパンターであろうと、戦術レベルでは影響するとしても戦略・作戦レベルで影響することは考えにくいものがあります。
>  原子力潜水艦のように既存潜水艦とは根本的に異なる兵器…というほどの違いではありませんから、戦略や作戦に極端な影響が生じると期待するのは現実的では無いと思います。

 概ね同意する部分ではありますが、確率は低いにせよ、例えばパナマ運河を爆砕したり、ホワイトハウスを爆撃して、大統領を抹殺したり、エンパイアステートビルを破壊して、隠蔽不能なほどの“成果”を挙げても、戦略は変化しないのでしょうか。ドイツもV2ロケットを水中発射できる潜水艦を開発し、ニューヨーク攻撃を計画していたらしいですが、これは「戦略的実害によって、敵国の戦略や作戦に影響を与える」ための兵器ではないのでしょうか。

 ただ「こうした兵器に有効性があるか」という観点からすれば、成功率も低いでしょうから、おうる様の言われる通り「極端な影響は与えない」とは思いますが。

 あと、ドイツへの潜水艦派遣は、本スレッドの場合は潜特型によって行われると思いますし、数隻でも大西洋作戦を行うつもりがあるのであれば、開戦当初より技術交流が行われるかもしれません。
 シンガポールが英国側である以上、マゼラン海峡経由での帰国になるとは思いますが、搭載量も多いですし、1942年前半に技術情報を入手できたのであれば、レーダー開発などで戦略的な影響があるのでは?

>  潜水艦(潜水艦に限りませんが)は絶対数が不足しており、集中投入すればどこかで不足が生じます。その戦力を集中投入するには、他で生じる不足を上回る効果を期待できなければなりません。
>  政略的作戦は所詮、助攻でしかなく、主攻作戦となるであろう南方作戦や真珠湾よりも優先される可能性は低いと考えるべきでしょう。
>  つまり、史実と同様に少数の艦でチマチマといやがらせをする程度の作戦に収まることになると考えます。

 逆に、ハワイ作戦に潜特型を投入しても、おうる様の言われる通り、搭載機での空襲に実効性がないというなら、ほとんど意味がありません。
 偵察用に2隻配備とかで、後は機動部隊に任せるといった、史実とは異なる作戦になるのではないかと。パナマや米本土の重要地点を奇襲襲撃するという、建造意図を実現するとしたら、開戦当初しかないわけですから。

>  第2撃は無いでしょう。
>  ただでさえ護衛戦闘機すらつかない低性能・少数機の水上攻撃機です。攻撃するとすれば奇襲にしか使えません。
>  それが既に攻撃を受けて警戒レベルが最高に跳ね上がってるところへ出かけても損害ばかりで戦果など見込めません。
>  仮に米側の迎撃を受けなかったとしても、真珠湾上空は煙が立ち込めて専科の確認はおろか攻撃目標を探すことすら困難な状態です。
>  真珠湾攻撃をするなら数週間〜数か月は期間をおいた後で実施すべきでしょう。

 開戦前だからこそ、潜水空母が展開できるのではないかと。
 で、機動部隊の空襲と同調し、攻撃直後であれば、被害は最小限に押さえられるのではないかと。軍艦ではなく、飛行場を爆撃してもいいですよね。

 数週間とか空けたなら、機動部隊は退却してしまいますから、敵の捜索リソースは全て「水上爆撃機を発進させた怪しげな潜水艦」に割かれてしまいますが……。

>  その時の伊8が境界層の下にいたわけではないのでしょう。

 「潜水艦隊」では、ハワイ作戦時に潜水艦隊がハワイ周辺の敵商船を複数撃沈している記述があります。商船は捕捉できるけど、空母はダメとは思えないので、「拾いにくいくらい」なのでは、と申し上げているのですが。
 
>  もともと当時の潜水艦は浮上航行の方が当たり前です。潜行して聴音探知に努めたのは米側(特に哨戒機)に見つからないようにするためであり、潜水艦によっては艦体を海底に着底させてまで米側に探知されないように最大限の努力を払っています。
>  発見されれば急速潜行すれば、当時ならほぼ逃げ切れるでしょうが…発見されればその海域は警戒されてしまい、航行したかもしれない米空母が航路変更して見つけられたはずの米空母を見つけられなくなってしまうかもしれない。
>  海域を封鎖するのであればそれでもいいのかもしれませんが、米空母を見つけるのが目的である以上は、「いる」と確信させてしまうことすら避けねばなりません。

 現実に真珠湾攻撃後に真珠湾を航空偵察し、周辺海域の商船を撃沈し、サラトガに雷撃を成功させているのですから、とても「警戒厳重地域に対する日本潜水艦の作戦には見込みがない」とは思えません。

>  ハワイ近海で潜水空母が艦載機を運用するということは、艦載機の発艦や収容のために昼間浮上航行を強要されることになり、被発見率は大きくなっていまいます。

 大きくなるでしょうけど、上記の実例を鑑みても、攻撃がほぼ失敗するという次元とは思えませんし、相応に戦果を挙げた可能性もあると思いますが……。

>  実際に発見されてしまえば、潜水艦狩りのための戦力が集中投入されますから、それだけ被害が発生する可能性も高まります。

 機動部隊が去った後も、潜水艦隊は留まり続けましたが、周辺海域で商船を沈めていても、被害は潜水艦1隻のみです。「開戦当初」の米海軍が、日本潜水艦隊の活動を封じ込め続けられるとは、到底思えません。

>  開戦初頭で米空母が撃沈されれば、影響はパナマ運河攻撃成功するより大きなものになるでしょう。

 米空母が沈めば、戦局への影響は遙かに大きなものでしょうけど、政局への衝撃はパナマや東海岸攻撃の方が大きいのではないでしょうか。

>  機雷戦は何よりも物量がものを言います。
>  WW2で威力を発揮した機雷は主に沈底感応型で、掃海の困難なものでしたが日本軍は沈底感応機雷を持っていません。
>  掃海の比較的簡単な係維機雷であり、定期的に敷設しなおす必要がありますが、機雷戦は戦果確認が困難な作戦でもあるため、敵海域で攻撃的に使うには様々なリスクがあります。
>  しかも、「パナマに機雷を敷設する」というだけで潜水艦は4〜6ヶ月は拘束されます。
>  潜水艦1隻で何発の機雷が敷設できるか?どれだけの海域を機雷封鎖できるか?それを何か月ごとに敷設しなおすか?を考えると、パナマへの攻撃的機雷戦はかなりのコストがかかることが想像できると思います。

 こういうものは実害だけで見るべきではないかと。
 それで沈んだのが商船1隻であっても、「そんな場所に機雷敷設を行われた」ことが、衝撃を与えるのではないかと(西海岸や東海岸の海軍軍港外にも、同様の作戦が行われると想像できるでしょうから、対応リソースを割かせることになります)。沈底感応型がないとかは、本質的な問題ではないような。
 またパナマに機雷敷設を行うということは、商船の通り道であるこの海域で通商破壊を行うということです。西海岸でもほとんど獲物がなかったらしいですが、パナマなら効率よく商船狩りができるのではないかと。
 つまり、足を伸ばす価値があるような。

>  自分で「通商破壊こそ」と主張しておいてなんですが・・・当時の他の国々の潜水艦がそうであったように、日本の潜水艦も魚雷に欠陥を抱えていました。
>  浅深度で高速で走るとスクリューが生じさせるキャビテーションから異常振動が発生し、魚雷が自壊するというものですが、この不具合は秘匿され、終戦まで改善されることはありませんでした。
>  このため日本の潜水艦は喫水の深い大型艦船しか攻撃できないため、通商破壊をしたくても出来なかった…という話があります。
>  速度を遅くしたり深度を深く設定すれば問題なかったようなので、「できなかった」という話には疑問を抱きますが、当時の潜水艦艦長たちの行動に影響を与えたことは事実であったようです。

 その話も聞いたことはありますが、ハワイでも西海岸でもインド洋でも敵商船を魚雷で沈めていますから、致命的なものであったとも思えないのですが。
 むしろ、巡洋艦以上でなければ、使う魚雷は1本のみ、といった制限のほうが、戦果を減らすと思います。

>  もし潜水艦が通商破壊に集中投入されることになればこの不具合は看過しきれなくなり、信頼性改善が図られるかもしれません。そうなれば、潜水空母云々は関係ありませんが、それだけで日本の潜水艦部隊は史実とは異なる活躍を見せることになるかもしれません。

 そこは同意します。

> >  開戦時に英連邦への通商破壊を行うべきと述べたことはないと思うのですが。
>
>  大西洋作戦を主張されておられた時に「通商破壊による英連邦に対する戦略的各個撃破」に同意なされておられたはずです。
>  英連邦の通商路は大西洋のみならず、太平洋やインド洋にもありますから、大西洋作戦の可能性がこのスレの議題からはなくなったとしても、英連邦に対する通商破壊の可能性は残ると思いました。

 大西洋作戦を全面否定したわけではなくて「大規模投入は無意味」と考えただけですよ。ドイツとの連絡や、奇襲航空攻撃などはありでしょう。

 また、二式大艇の補給艦として展開させるのも可能かと。インド洋とアラビア海に展開させれば、地中海に足が届きますし、パナマ沖と大西洋に展開すれば、マーシャルから欧州まで足が届くわけですから。

 さておき、英連邦を叩けるなら叩くべきでしょうけど、マラッカ海峡が敵制空権下にある時期に、インド洋にわざわざ展開しなくてもいいような。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; .NET CLR 2.0.50727)@p59-157-176-1.sub.ne.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:開戦当初の展開は  ■名前 : おうる  ■日付 : 09/6/21(日) 10:33  -------------------------------------------------------------------------
   >  返信が遅くて申し訳ございません。

 連日、長文のレスを複数打つとほかの趣味に費やす時間が圧迫されるので、週一ぐらいのペースがありがたいです(笑


>  概ね同意する部分ではありますが、確率は低いにせよ、例えばパナマ運河を爆砕したり、ホワイトハウスを爆撃して、大統領を抹殺したり、エンパイアステートビルを破壊して、隠蔽不能なほどの“成果”を挙げても、戦略は変化しないのでしょうか。ドイツもV2ロケットを水中発射できる潜水艦を開発し、ニューヨーク攻撃を計画していたらしいですが、これは「戦略的実害によって、敵国の戦略や作戦に影響を与える」ための兵器ではないのでしょうか。

 攻撃側の意図・期待としてはまさにその通りでしょう。
 しかし、戦略レベルで影響があるとは思いません。
 なぜならその脅威への対応は史実でも行われた通りの対応で十分だからです。そして日本は史実で行われた対応以上のことを強要するだけの攻撃力は(たとえこのifで成立する潜水空母をもってしても)発揮できないからです。


>  逆に、ハワイ作戦に潜特型を投入しても、おうる様の言われる通り、搭載機での空襲に実効性がないというなら、ほとんど意味がありません。

 連合艦隊(潜水艦を含む)の攻撃目標は米太平洋艦隊(特に空母)であり、真珠湾ではありません。
 潜水空母は攻撃の主体になる必要はなく、真珠湾作戦に投入されるとすれば偵察、特に米空母の補足でしょう。
 であるならば開戦前から広範囲に秘密裏に展開できる潜水空母が同時に哨戒機を展開すれば、南雲艦隊から偵察機を放射状に展開させる「だけ」よりも米空母発見の確立は高くなります。
 意味がないのではなく、連合艦隊の敵艦隊捕捉撃滅を成し遂げようとするならば、むしろ真珠湾作戦に潜水空母を集中投入すべきでしょう。「真珠湾に空母がいなかったら」という可能性は真珠湾作戦立案当初から恐れられていたことであり、その可能性への備えとして潜水艦が多数ハワイ近海に展開されたのですから、より哨戒能力の高い機材(潜水空母)があるなら、米本土奇襲よりも真珠湾作戦を優先して投入する可能性は高いと思います。


>  偵察用に2隻配備とかで、後は機動部隊に任せるといった、史実とは異なる作戦になるのではないかと。パナマや米本土の重要地点を奇襲襲撃するという、建造意図を実現するとしたら、開戦当初しかないわけですから。

 米本土やパナマといった要地奇襲攻撃は行われるでしょう。
 しかし、それがもたらす影響は史実で行われた作戦と大差ありません。


>  で、機動部隊の空襲と同調し、攻撃直後であれば、被害は最小限に押さえられるのではないかと。軍艦ではなく、飛行場を爆撃してもいいですよね。

 攻撃直後では奇襲効果が見込めません。
 潜水空母の航空戦力は奇襲攻撃でしかまともに攻撃力を発揮できないことを理解してください。
 もしハワイ攻撃に参加させるなら、機動部隊による攻撃の直後ではなく同時でなければならないのです。


>  数週間とか空けたなら、機動部隊は退却してしまいますから、敵の捜索リソースは全て「水上爆撃機を発進させた怪しげな潜水艦」に割かれてしまいますが……。

 四六時中、警戒態勢を最高レベルで保つことはできません。
 いずれ警戒レベルは下がりますから、それを見計らって実施されることになるでしょう。
 それまでは警戒レベル低下を誘発するために付近での攻撃は控え、敵情偵察に務める必要がありますし、それによって実際に警戒レベルが低下するまでに数週間〜数か月の時間を要するでしょうということです。


>  「潜水艦隊」では、ハワイ作戦時に潜水艦隊がハワイ周辺の敵商船を複数撃沈している記述があります。商船は捕捉できるけど、空母はダメとは思えないので、「拾いにくいくらい」なのでは、と申し上げているのですが。

 日本の潜水艦が四六時中境界層の下にいたわけではないのです。
 必ず浮上しますし、聴音探知するにしても境界層の上にいる時もあれば下にいる時もある。日本軍は境界層の存在を知りませんから、いつ境界層の下にいていつ上に出たかなどの記録もありませんし、潜水艦乗組員もわかっていません。
 商船が通過する時にはたまたま境界層の上にいたから水上の音を探知できた、空母が通過した時はたまたま境界層の下にいたから探知できなかった、ということです。


>  現実に真珠湾攻撃後に真珠湾を航空偵察し、周辺海域の商船を撃沈し、サラトガに雷撃を成功させているのですから、とても「警戒厳重地域に対する日本潜水艦の作戦には見込みがない」とは思えません。

 奇襲的運用だから成功するのです。強襲的運用では成功しません。


>  大きくなるでしょうけど、上記の実例を鑑みても、攻撃がほぼ失敗するという次元とは思えませんし、相応に戦果を挙げた可能性もあると思いますが……。

 可能性はあるでしょう。しかし、同様に被害をこうむる可能性もあります。
 日本軍に好都合な可能性だけを挙げても意味はありません。こうすればこういう効果が見込めるが、こういう弊害もある…と、マイナスの可能性も同時に検討すべきです。
 私には、貴殿にはそうしたマイナスの可能性の検討が不足しているように思われます。


>  機動部隊が去った後も、潜水艦隊は留まり続けましたが、周辺海域で商船を沈めていても、被害は潜水艦1隻のみです。「開戦当初」の米海軍が、日本潜水艦隊の活動を封じ込め続けられるとは、到底思えません。

 封じ込めることはできないでしょう。
 しかし、同海域での潜水艦運用の効率は低下することになります。
 どの程度低下するかは作戦の目的や内容によっても異なりますし、米側防備の状況を検討する必要がありますが、場合によっては別海域への作戦に振り向けた方がよりよい結果を得られる可能性も出てきます。
 奇襲的運用が前提の機材を運用する上では、特定目標に固執してはなりません。

 
>  米空母が沈めば、戦局への影響は遙かに大きなものでしょうけど、政局への衝撃はパナマや東海岸攻撃の方が大きいのではないでしょうか。

 東海岸攻撃やパナマ攻撃については別の枝で申し上げましたとおりです。
 効果が全くないとは言いませんが、史実と極端に異なる結果が生じる可能性は低いと言わざるを得ません。


>  こういうものは実害だけで見るべきではないかと。
>  それで沈んだのが商船1隻であっても、「そんな場所に機雷敷設を行われた」ことが、衝撃を与えるのではないかと(西海岸や東海岸の海軍軍港外にも、同様の作戦が行われると想像できるでしょうから、対応リソースを割かせることになります)。沈底感応型がないとかは、本質的な問題ではないような。
>  またパナマに機雷敷設を行うということは、商船の通り道であるこの海域で通商破壊を行うということです。西海岸でもほとんど獲物がなかったらしいですが、パナマなら効率よく商船狩りができるのではないかと。

 機雷封鎖というのは敵の掃海を上回る機雷敷設が成功の前提です。
 機雷を敷設することは成功するでしょうが、その海域を敵商船にとっての危険水域にし続けることは非常に困難です。
 一度機雷を敷設した海域には、機雷を敷設した当事者であっても安易に踏み込めません。そこに機雷が敷設されたなら、掃海して「機雷はなくなった」と判断できなければ艦船は入っていけませんが、その水域の「掃海が完了した」と判断できるのは掃海する側であって、機雷を敷設した側ではありません。
 つまり、一度機雷を敷設したならば、敵情偵察によって「敵がわれわれの機雷を掃海したらしい」とわかるまでは、再び機雷敷設のために侵入することはできません。
 パナマ沖は「敵の庭」であって、掃海は自由に行えますし、掃海を上回る機雷敷設を実施することは不可能です。
 掃海を上回る機雷敷設を可能にする機材か、掃海そのものを困難とする機雷が必要になりますが、日本にはそのどちらも無いのです。
 米軍が戦争末期に日本に対して実施した機雷戦では、その両方がありました。
 B-29による機雷の空中投下は、掃海状況に関係なく大量の機雷敷設が可能でしたし、沈底感応型機雷は掃海はもちろん「その水域に機雷が敷設されている」とわかっていてすら発見困難でした。
 

>  その話も聞いたことはありますが、ハワイでも西海岸でもインド洋でも敵商船を魚雷で沈めていますから、致命的なものであったとも思えないのですが。

 魚雷の速度を下げるということは命中率の低下を意味しますから、喫水の浅い艦船を雷撃するときは目標に肉薄する必要が出てきます。
 発見されないことこそ潜水艦にとっての生存のカギですから、潜水艦の行動に他国の潜水艦には無い何らかの制約を課すとなれば、決して軽視して良い問題ではないでしょう。
 まぁ、実際は軽視されて秘匿されて問題は放置されたのですが・・・。


>  大西洋作戦を全面否定したわけではなくて「大規模投入は無意味」と考えただけですよ。ドイツとの連絡や、奇襲航空攻撃などはありでしょう。

 逆です。投入するなら大規模投入でなければ意味はありません。
 日本にとっては大規模であっても、ドイツ海軍からすればUボート一個戦隊程度の戦力でしかありません。
 小規模投入には、それこそ「枢軸軍の協調関係を確認するため」というような政治的意味しかありませんし、戦力の使い方としては非常に無駄の多い使い方です。


>  また、二式大艇の補給艦として展開させるのも可能かと。インド洋とアラビア海に展開させれば、地中海に足が届きますし、パナマ沖と大西洋に展開すれば、マーシャルから欧州まで足が届くわけですから。

 中東〜インドに展開している英軍は無視ですか?
 二式大艇がインド洋で哨戒や通商破壊をするというのならわかりますが、地中海に足が届いたからと言ってほとんど何もできないと思います。
 また、パナマ沖や大西洋に二式大艇を送ることにどのような意味があるのか理解しかねます。


>  さておき、英連邦を叩けるなら叩くべきでしょうけど、マラッカ海峡が敵制空権下にある時期に、インド洋にわざわざ展開しなくてもいいような。

 いや、そうでもないですよ。
 対米戦が始まった後でも日本の国力の半分以上は大陸に割かれており、日本にとっての最重要戦域は大陸であったと考えても間違いではありません。
 その大陸での敵戦力を支える兵站線はインド洋にありますから、「大陸でおこっていることは事変であって戦争ではない」というもどかしい状況にあった開戦前とちがっておおっぴらに作戦展開可能となったのですから、インド洋での通商破壊は意味のある活動となりえます。
 また、米軍は東から来ますが、オーストラリア以外の英連邦はインド洋経由で来ますから、そうした戦力に対する警戒としても意味を持ってきます。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; GTB6; SLCC1; .NET CLR 2.0.5...@FL1-119-241-157-28.tcg.mesh.ad.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 性能秘匿は?  ■名前 : くさの  ■日付 : 09/6/22(月) 4:36  -------------------------------------------------------------------------
   開戦前、しかも条約下で攻撃機搭載型潜水艦の大量保有を進めるとなると、当然諸外国にはその存在が知られることになると思います。

潜水艦からの有人攻撃機でなければ対処できない攻撃目標は限られているでしょうし、当然仮想敵国は日本の意図するところを考えてくるでしょう。

この当たりはどのようにお考えでしょうか。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; GTB6; .NET CLR 1.0.3705; .N...@c-24-7-124-247.hsd1.ca.comcast.net>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:開戦前に潜水空母が存在したなら  ■名前 : 高村 駿明  ■日付 : 09/6/23(火) 19:16  -------------------------------------------------------------------------
    皆様には多くのご教授を頂いたこと、大変感謝しております。
 そのことには、この場を借りて改めてお礼申し上げます。

 この度、本スレッドを終了したく、書き込み致しました。
 皆様には、頂いた書き込みに充分な返信を差し上げられないことを、大変申し訳なく思う次第です。
 理由は、自らの思慮不足と無礼を痛感したことによるもので、私個人に全てを帰すべきものです。お付き合い頂いた皆様には、深くお詫び申し上げます。
 今までありがとうございました。

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; .NET CLR 2.0.50727)@p59-157-176-1.sub.ne.jp>
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